![「音が出なかったら恥ずかしい」 「楽譜が読めないけれど大丈夫かな」 「何年も続けているのに上達しない。自分には向いていないのかもしれない」 フルートを始めたい方からも、すでに経験のある方からも、こうした不安を聞くことがあります。 しかし私は、できないことは決して恥ずかしいことではないと思っています。 […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/nagoya/wp-content/uploads/sites/50/2026/06/20260628-620423837477241003.jpg)
フルートのレッスンを始めたいあなたへ─「センスがない」と言われた私が伝えたいこと【島村楽器 名古屋パルコ店|フルートインストラクター 森川健士】
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- タグ管楽器講師・インストラクター
「音が出なかったら恥ずかしい」
「楽譜が読めないけれど大丈夫かな」
「何年も続けているのに上達しない。自分には向いていないのかもしれない」
フルートを始めたい方からも、すでに経験のある方からも、こうした不安を聞くことがあります。
しかし私は、できないことは決して恥ずかしいことではないと思っています。
まだ成長途中なだけですから。
フルートインストラクター森川 健士
クラシックのフルート奏者として研鑽を積む一方、「和」の表現に定評がある。木製フルートを愛用し、尺八の技法であるムラ息、メリ、カリ等の奏法を取り込んだ音作りは、従来の西洋フルートの透明感に日本の陰影を重ねた音として評価を得ている。 ソロ・アンサンブルでのリサイタル、プロオーケストラの客演、その他商業施設や企業イベントでの演奏や、2025年パリ「Fête de la musipue」出演、メキシコ観光大臣ご一行の前での演奏等、様々な演奏活動を展開。 日本フルートコンヴェンション・アンサンブル部門金賞、同アンサンブルアワード部門入賞、その他コンクール入賞多数。 CBCラジオなどメディア出演もあり。
CONTENTS
大人になるほど「できない」が怖くなる
子どもの頃は、できないことがあっても比較的素直に教わることができます。
しかし大人になると、仕事や生活の中で「できる側」にいる時間が増えていきます。
そのため、新しいことを始めて、
音が出ない。
指が分からない。
楽譜が読めない。
先生の前で失敗する。
そんな状況に、恥ずかしさや焦りを感じやすくなります。
けれど、バットを握りはじめてそこそこの人に、ホームランを求める人はいません。
それなのに楽器になると、私たちは「上手に吹けなければ向いていない」と考えてしまいます。
できないのは、才能がないからではありません。
伸びしろがたくさんあるだけです。
30分で音が鳴るだけでも、すごいこと
例えば、体験レッスンは限られた時間の中で行われます。
初めてフルートを持ち、構え方を知り、息の当て方を試し、自分の息を音にしようとする。
例えるなら、初めて使う調理器具で知らない料理をいきなり作るようなものです。
その短い時間で音が鳴ったなら、それは本当にすごいことです。
けれど、音が鳴らなくても失敗ではありません。
忙しい毎日の中で時間をつくり、「フルートを吹いてみたい」と思って一歩を踏み出した。
私は、そのこと自体が素晴らしいと思っています。
音が鳴ればすごい。
でも、鳴らなくても挑戦したことが素晴らしい。
まずは、勇気を出して楽器を手に取った自分を褒めてあげてほしいと思います。
「センスがないから、やめた方がいい」
私自身、フルートを学ぶ中で忘れられない言葉があります。
ある先生のレッスンを受けた、まだ2回目のことでした。
エチュードを演奏していましたが、先生が求めるようには吹けていなかったのだと思います。
すると、冷たい口調でこう言われました。
「センスがないから、フルートをやめた方がいい」
まだ2回目のレッスンでした。
自分の可能性を、すべて否定されたように感じました。
レッスン中は涙をこらえましたが、部屋を出てから泣きました。
悔しくて、情けなくて、心が折れそうになりました。
それでも、私はすぐに楽器を手に取りました。
これは自分で決めた道だから。
そして何より、フルートが好きだったからです。

好きだったから続けられた
その後も厳しく指摘され、何度も心が折れそうになりました。
それでも、好きだったから続けられました。
好きだから練習できた。
続けてきたから、少しずつできることが増えていきました。
今でも、自分に特別な才能があったのかは分かりません。
しかし、たった数回のレッスンで、その人がこれからどれほど成長するのか、どれほど音楽を好きになるのかを決めることはできないと思っています。
できないことは、向いていない証拠ではありません。
今まさに学んでいる途中だということです。
レッスンは、できないところを見せる場所
私は、レッスンとは上手に演奏できるところだけを見せる場所ではないと思っています。
できないところを見せるのがレッスン
できない理由を一緒に探すのが先生
少しずつできるようにしていく時間が練習
だと考えています。
間違えても構いません。
音が出なくても構いません。
思うように指が動かなくても大丈夫です。
身体の使い方も、感じ方も、目指す音楽も、一人ひとり違います。
私もすべての答えを知っているわけではありません。
だからこそ、一方的に正解を押しつけるのではなく、その方に合う方法を一緒に考え、共に成長していきたいと思っています。
始めたいと思った、その気持ちに拍手を
楽器は、始めたいと思った時に始めることができます。
年齢も、性別も、国籍も関係ありません。
初めから上手に吹ける人はいません。
長く続けていても、できないことに出会う日はあります。
それでも、できないことを怖がらなくていい。
できない自分を恥ずかしいと思わなくていい。
「フルートを吹いてみたい」
「もう一度、音楽と向き合いたい」
その気持ちを、どうか大切にしてください。
忙しい中で時間をつくり、勇気を出して一歩を踏み出そうとしている皆さまに、私は心から拍手を送りたいと思います。
島村楽器 名古屋パルコ店
フルートインストラクター 森川 健士
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