スタッフ本平の【宅録のススメ Vol.6】~モニタリング機器の重要性~

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2021年09月17日

こんにちは。]]島村楽器松本パルコ店デジタル・音響機器担当の本平です。 コロナ禍の先行きも見えず、相変わらず自宅でお過ごしの時間が多いのではないでしょうか?]]気分が滅入ってしまうご時世ですが、くよくよ・もやもやしていても仕方ありません。こんな時だからこそ楽曲制作に勤しみましょう!]]ということで今 […]

こんにちは。
島村楽器松本パルコ店デジタル・音響機器担当の本平です。

コロナ禍の先行きも見えず、相変わらず自宅でお過ごしの時間が多いのではないでしょうか?
気分が滅入ってしまうご時世ですが、くよくよ・もやもやしていても仕方ありません。こんな時だからこそ楽曲制作に勤しみましょう!
ということで今回は「モニタリングの重要性」についてです。「モニター」というと液晶ディスプレイなどを思い浮かべる人もいるかと思いますが、 バンドやDAWの経験者にとっては ”モニター=スピーカー(もしくはヘッドフォン)” で馴染み深いでしょう。

スピーカーとヘッドフォン

みなさまは楽曲のミックスをどんな環境で行っていますか?もしかするとヘッドフォンだけでミックスをしている方もいらっしゃると思います。もちろんヘッドフォンだけでもミックス作業自体はできますが、バランスの取れた音量や定位を得るに為には環境にあったモニタースピーカーは欠かせないツールです。

原則として音は空気(空間)を伝い、その振動を耳でキャッチします。鼓膜に直接的に発音するヘッドフォンでは音の距離感を掴みにくいので各楽器のバランスがとりづらいのです。また、ヘッドフォンで作業していると”音疲れ”しやすいので、やはりミックス作業には向きません。※スピーカーだとしても爆音で長時間作業するのも問題ですが…。
「最高のミックスができた!」と思っても、休憩して聴き直してみたら「あれ…?」と思ったことはありませんか?多分耳が疲れて正しいバランスが判断できなかったのだと思います。

また、スピーカーは基本的にその構造上、ヘッドフォンより原音に近い再生が可能です。たとえば低音域の再生はスピーカーの口径が大きい方が有利です。実際ヘッドホンに収まるドライバーの口径はせいぜい直径55mm前後に対し、スピーカーはコンパクトなモデルでも、ドライバーの口径は最低でも約100mm以上が一般的です。さらにスピーカーは基本的に高音専用のドライバー(ツイーター)や低音専用のドライバー(ウーファー)などが独立しているので、低音から高音までより原音に近い形で再現できます。

とは言えヘッドフォンもマイク収録時や細かなノイズチェックに欠かせません。こちらもそれなりの性能な物を揃えたいところです。

リスニング向けスピーカー(ヘッドフォン)とモニタリング向けスピーカー(ヘッドフォン)の違い

一般的なスピーカーとモニタースピーカーの違いは用途が違います。一般的なスピーカーは単純に音楽を聴くもので、モニタースピーカーは音楽制作の時に音をチェックするためのものです。誤解を恐れずに言うのなら、リスニング向けのスピーカーやヘッドフォンは低音を強調したり音に広がりや残響が付けられたり心地よいサウンドで聴けるように、”エフェクト的”な味付けをしたスピーカー(ヘッドフォン)と言えます。
それに対してモニター向けのスピーカーやヘッドフォンは、極めてフラットな再生周波数特性を持っており、音を再生させた時に各帯域がバランス良く出力されます。
たとえばリスニング用のスピーカー(またはヘッドフォン)で低音域の”鳴り”が気持ちの良い物があったとします。この環境でミックスした場合、そのスピーカー(ヘッドフォン)で再生した時は良いバランスだけど、違うスピーカーや環境で聴いたらバランスも悪く低音域も「スカスカ」に感じるかもしれません。フラットな音場で作業する重要性は、どんな環境下でもバランスの取れたミックスを提供し易くなるところにあります。

モニタースピーカーの大きさについて

モニタースピーカーをあまり大きく鳴らせない環境だから必要ないとおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、そもそもスピーカーも大音量で鳴らす必要はなく、再生する環境(部屋)にあったサイズのスピーカーを選べば良いのです。一般的にウーファ-(低音を再生させるコーン/単位はインチ)の大きさで呼ぶ事が多く、各メーカーも様々なサイズをリリースしています。音量は定格出力(W)で確認できます。
部屋が小さいのに大きなスピーカーを置くと圧迫感がありますし、必ずしも良い音場を得られるとは限らないので適切なサイズを選びましょう。

宅録におすすめのモニタースピーカー

YAMAHA/HS5

自宅環境に適した程よいサイズ(5インチモデル)です。ヤマハと言えば業務用ニアフィールドモニターの定番だった「NS-10M (廃盤)」がありますが、その設計理念を継承したモデルと言っても過言ではないでしょう。実際にミュージシャンのホームユーズとして愛用者が多いモデルです。画像は筐体がブラックバージョンですが、ホワイトバージョンもあります。

再生周波数帯域(-10dB) 54Hz to 30kHz
アンプ定格出力 70W
入力コネクター XLR3-31 type (balanced) x1
Phone (balanced) x1
コントロール LEVELコントロール
EQ HIGH TRIM スイッチ(+/- 2dB at HF)
ROOM CONTROL スイッチ(0/-2/-4 dB under 500Hz)
コンポーネント ウーファー:5"
ツイーター:1"
サイズ(mm) 285(H) × 170(W) × 222(D)
質量 5.3kg
販売価格(税込) ¥15,620※1本あたり

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YAMAHA/MSP3A

HS5よりコンパクトな筐体で汎用性の高い入力を兼ね備えたモデルです。トーンコントロールが前面に付いているので、モニター環境に合わせて音質を調整し易いのも特長です。

再生周波数帯域(-10dB) 67Hz to 22kHz
アンプ定格出力 22W
入力コネクター LINE 1 : RCAピン
LINE 2 : コンボジャック (XLR/TRS フォーン)
コントロール レベルコントロール (LINE1, LINE2)
トーンコントロール(LOW)-3.0dB to +3.0dB @100Hz
トーンコントロール(HIGH)-3.0dB - +3.0dB @10kHz)
コンポーネント ウーファー:4"
ツイーター:0.8"
サイズ(mm) 236(H) × 144(W) × 166(D)
質量 3.6kg
販売価格(税込) ¥17,380※1本あたり

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IK Multimedia/iLoud Micro Monitor

極めてポータブルな筐体にも関わらず、クリアな音質で50W(RMS)の高出力を実現した世界最小のアクティブ・スタジオ・リファレンス・モニターです。通常、ここまで小さいスピーカーだと音像が感じにくいモデルが多い中、驚異的な再生能力を誇り、ホームユーズ・モニタースピーカーの定番のひとつです。画像は筐体がブラックバージョンですが、ホワイトバージョンもあります。

再生周波数帯域(-10dB) 45Hz to 22kHz
アンプ定格出力 50W
入力コネクター RCAステレオ
TRSミニステレオ
Bluetooth入力対応
コントロール
コンポーネント ウーファー:3"
ツイーター:0.75"
サイズ(mm) 135(H) × 80(W) × 90(D)
質量 920 g(左スピーカー単体)
800 g(右スピーカー単体)
1,720 g(左右合計)
販売価格(税込) ¥40,700※ペア

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正しい設置方法

せっかく環境に合ったモニタースピーカーを入手しても、正しく設置しなければその性能をフルに発揮できません。以下の点に気を付けて設置しましょう。

①頭とスピーカーが二等辺三角形の位置関係になるようにスピーカー設置する

正しい位置関係でスピーカーを設置することで適切な定位が得られます。変にステレオ感が出るようなら、スピーカーの面を自分に向けることで定位感が改善されるかもしれません。

②スピーカー(ツイーター)の高さは耳の高さに合わせる

ツイーターは特性上、指向性が狭いのでその位置が耳より高いと(聴感上の)高音域が強調され、低いと中~低音域が強調されて聴こえます。基本的には”耳の高さ=ツイーター”になるように設置しましょう。専用のスピーカースタンドがあれば高さの調整もし易く、土台の安定性が得られます。

↓おすすめのスピーカースタンドはこちらです↓

Zaor/Croce Stand 42

V型の木製フロントを持つ、プロフェッショナルで使いやすいスピーカースタンドです。天板にはAERSTOPパッドを備え、良好なアイソレーションを実現。底面には余計な低域の伝播を抑制するためのスパイクがあり、高さの微調整も可能です。デザインの種類も豊富で7つのカラーバリエーションがあり、環境に合わせたデザインを選択することが可能です。各色ごとに、高さ920mmのCroce Stand 36モデル、高さ1071mmのCroce Stand 42モデルの2種類があります。

ブランド Zaor Zaor
商品名 Croce Stand 36 Croce Stand 42
販売価格(税込) ¥27,500 ¥27,500

※ペアの価格です。
※在庫状況とカラーバリエーションの詳細についてはお問い合わせください。

KIKUTANI/MOS-5

床置きタイプのスタンドを設置するスペースがなければデスク上に設置することになると思います。こちらのモデルは角度と高さを調節可能で、より快適なリスニング環境を作り出すことが可能です。

ブランド KIKUTANI
商品名 MOS-5
販売価格(税込) ¥4,400

③設置場所は安定した場所に

上記でも触れましたが、安定しない土台にスピーカーを設置した場合、スピーカー自体の振動により安定した周波数特性が得られないことがあります。インシュレーターがあれば振動を防ぐことが出来ます。

↓おすすめインシュレーターはこちらです↓

audio-technica/AT6099

土台接地面とスピーカの底面の間に設置することで振動を抑えます。明確な定位と伸びる高域、厚みのある低域を得られます。

ブランド audio-technica
商品名 AT6099
販売価格(税込) ¥4,400

④スピーカーは可能な限り壁から離す

理想は30cm以上です。壁が近いと反射音によって位相が狂い、特定の周波数が強調されたり聴き取りづらくなってしまいます。環境的に離せない場合は吸音材を設置すれば効果があります。

↓おすすめの吸音材はこちらです↓

東京防音/SN-3045-2B

表面の凸凹が音を拡散させることで音の反射を抑えます。軽量で使い易く、石膏壁で壁紙仕上げのところでは押しピンで固定できます。

ブランド 東京防音
商品名 SN-3045-2B
販売価格(税込) ¥4,378

⑤左右のスピーカーケーブルの長さは同じ長さにする

たとえノイズ特性に強いバランス式のケーブルを使用していても、ケーブルが長すぎれば少なからず音質に影響があります。極力、必要最低限の長さにしましょう。

↓おすすめスピーカーケーブルはこちらです↓

NEO オヤイデ電気/d+ TXM classB

極太の18AWG ⾼純度OFC バランスケーブルを採⽤することで、伝送の⾳痩せを軽減させ、⽴体感のあるサウンドと濃密な情報量をもたらします。またフラット構造により線間による⼲渉を防ぎ歪みのないクリーンなサウンドを再⽣します。ご紹介しているプラグタイプは”TRS to ”XLR(オス)”ですが、XLR(オス/メス)やRCAタイプもあります。

ブランド NEO オヤイデ電気
商品名 d+ TXM classB
販売価格(税込) ¥5,280

まとめ

いかがでしたでしょうか?より良い楽曲を制作するにはモニタリング環境も非常に重要な要素です。環境に合ったシステムをご提案いたしますので、お気軽にご来店・お問い合わせください!

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この記事を書いた人|本平(モトダイラ)

音響機器メーカーにて製品開発や営業に従事したのち、商業スタジオ、ライブハウスでのサウンドエンジニアリングを経て現職に。これまでの経験を活かして皆さまのミュージックライフをサポートします!

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