皆さんこんにちは!島村楽器ダイナシティ小田原店でオーダー(特注)ギター・ベースの担当をしております、白井(しらい)です。 皆さんはご自身の大切なギター・ベースのメンテナンスは行っておりますでしょうか?今回はメンテナンスについてご紹介いたします。 CONTENTSギターのメンテナンスとはクリーニング: […]

逸深巡礼 番外編:メンテナンスのすすめ

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公開:2026年08月19日

更新:2026年08月19日

皆さんこんにちは!
島村楽器ダイナシティ小田原店でオーダー(特注)ギター・ベースの担当をしております、白井(しらい)です。

皆さんはご自身の大切なギター・ベースのメンテナンスは行っておりますでしょうか?
今回はメンテナンスについてご紹介いたします。

ギターのメンテナンスとは

エレキギターのメンテナンスとは、単に楽器の見た目を美しく保つだけでなく、最高のサウンドと弾きやすさを維持するための重要な作業です。
木材や金属でできているギターは、温度や湿度の変化、そして日々の演奏によって状態が常に変化します。

定期的にコンディションをチェックし適切に調整を行うことで、チューニングが安定し、パーツの寿命も延びます。
何より、自分の手でギターをケアすることは、楽器への理解を深め、演奏技術の上達にも繋がります。

クリーニング:基本のお手入れ

手汗やホコリは、木材の劣化や金属パーツのサビを引き起こす最大の原因です。日々のケアと、弦交換時の徹底的な掃除が長持ちの秘訣です。

  • ボディとネック: 演奏後は必ず、専用の柔らかいクロスで指紋や汗をサッと拭き取る習慣をつけましょう。
  • 指板のケア: 弦を外したタイミングで、ローズウッドなどの塗装されていない指板にはレモンオイルやオレンジオイルを少量塗り、保湿と汚れ落としを行います。
  • 金属パーツ(ハードウェア): ペグやブリッジに曇りが見られたら、金属用のポリッシュで磨くことでサビの進行を防ぐことができます。

弦交換:サウンドの要

古くなった弦は音抜け(高音域の響き)が悪くなるだけでなく、ピッチ(音程)も狂いやすくなります。

  • 交換の目安: 弾く頻度にもよりますが、音がこもってきたと感じた時や、弦に黒ずみ・サビが出た時(目安として1〜3ヶ月に1回)が交換のサインです。
  • 巻き方の基本: ペグに弦を巻き付ける際は、弦同士が交差しないよう、上から下へ向かって綺麗に巻き下げるとチューニングが安定します。
  • ストレッチング: 新しい弦を張った直後はチューニングが狂いやすいため、軽く弦を引っ張って伸ばし、馴染ませる作業が不可欠です。

ネックと弦高の調整:プレイアビリティの追求

ギターの「弾きやすさ」に直結する要のセッティングです。少しの調整で劇的にプレイヤビリティが向上します。

  • ネックの反り確認: 1フレットと最終フレットを押さえ、中間のフレットと弦の間に名刺1枚分ほどの僅かな隙間がある状態(わずかな順反り)が理想とされています。
  • ネック調整(トラスロッド): 反りが大きい場合は、ネック内部の金属棒(トラスロッド)を回して調整します。非常にデリケートな部分なので、回すときは「1/8〜1/4回転ずつ」慎重に行うのが鉄則です。
  • 弦高調整(アクション): ブリッジのサドルを上下させて弦とフレットの距離を調整します。低すぎると「音詰まり(ビビリ)」の原因になり、高すぎると弦を押さえるのに強い力が必要になるため、自分のプレイスタイルに合ったバランスを見つけましょう。

補足: ネックや弦高をいじった後は、必ず12フレットの実音とハーモニクス音を合わせる「オクターブ調整」もセットで行うようにしてください。

実機を使用して調整

今回は実家に眠っていたエレキギターを持ってきました。
私がまだ高校生の頃(2011年)に購入したIbanez/ARZ800です。
実家の壁掛けスタンドに置いたままになっていたものを回収してきました。

クリーニング前の写真を撮り忘れてしまったのですが、埃だらけでフレットも錆びており、1弦は切れてしまっている状態でした。

今回は店舗で普段行っている簡単な拭き上げクリーニングではなく、パーツも取り外して行うクリーニングを行っております。
パーツを外してのクリーニングは店頭では承ることが出来かねます。
あくまでもご自身でクリーニングいただく際のご参考としてご覧頂ければ幸いでございます。

まずは弦と各パーツを外してクリーニングをしていきます。
今回は汚れがひどかったため、研磨剤が入ったFreedomCGRのポリッシュを使用。
ポリッシュで磨いた後、乾拭きを行いクリーニング完了です。

今回のマシーンヘッドは表の六角ボルトと、裏のネジを外すことで簡単に取り外しが可能です。
クルーソン等のブッシュタイプのマシーンヘッドは、全てのパーツを外すことが出来ないのでご注意ください。

指板はフレットも含めクリーニング。
錆びがひどいため、今回は3Mのスポンジやすり(#800-#1000)で錆びを取り除き、FretButterで研磨していきます。
全て磨き終えたら、仕上げにレモンオイルで指板の汚れの除去&保湿を行います。

指板のクリーニングが終わったらボディのクリーニングを行います。
サドル・ブリッジ・ノブを取り外し、ポリッシュで汚れを落としていきます。
クロスでは落としきれない溝の汚れは綿棒を使用しクリーニングを行っています。

全てのクリーニングが終わったら各パーツを組み上げ、弦を張っていきます。

今回張る弦はElixir/12152(012-052)です。
かなり太いゲージですが、今回のギターはSlipknot用として使用するため、ドロップBチューニング(1~5弦を1音半下げ、6弦を2音半下げ)を行います。
ライトゲージ(010-046)だとテンションが足りずにダルダルになってしまうため、ヘヴィーゲージの弦を使用しています。
ゲージに合わせてナット溝も調整が必要となりますのでご注意ください。

弦を張り終えたらチューニングを行い、ネックの調整を行います。
ネック調整→弦高調整→オクターブ調整の順番で、最低でも2周行う事を推奨いたします。
各調整を行う際は、チューニングが合っている事を確認してください。

今回は弦高を6弦:1.5mm、1弦:1.0mmでセットアップしております。

ネジの増し締めも行います。

弦を張る前後のどちらでも構いませんが、ストラップピンやピックガードのネジが緩んでいないかの確認を推奨します。
特に注意したほうが良いのは、ストラップピンの緩みチェックです。緩んでいるとギターが落下するリスクがございます。


注意事項として、トレモロブリッジを搭載しているギターは、ブリッジを固定しているネジを触らないように気を付けて下さい。
非常にデリケートな部分ですので、下手に触ると不具合を起こす可能性がございます。

ネック調整・弦高調整・オクターブ調整が完了したら、アンプに繋いでピックアップの高さ確認を行います。
音量差の有無や、変に歪んだサウンドになっていないかを確認してメンテナンス終了となります!

今回使用したクリーニング道具

ギターポリッシュHISTORY HPP3

ギターポリッシュHISTORY HPP3

塗装面だけでなく金属パーツにも使用可能なハイクオリティポリッシュ。
被膜を作り、汚れを付きにくくする効果もあります。
ラッカー塗装にも使用可能です。
今回は拭き上げの仕上げとして使用。

¥1,500税込

グロッシングポリッシュFreedom Custom Guitar Research SP-P-f54

グロッシングポリッシュFreedom Custom Guitar Research SP-P-f54

「超微粒子コンパウンド」を配合した「艶出し専用ポリッシュ」です。磨き上げることによって、ボディやネックに付着したタバコのヤニや長年の汚れ、パーツのメッキ面の曇りを取り除くだけでなく、微細な傷を消す効果もあり、艶が蘇ります。
今回は汚れ取りとして使用。

¥1,650税込

楽器用スエードクロスHISTORY HSCM

楽器用スエードクロスHISTORY HSCM

髪の毛の1/100の超極細繊維(ミクロスター)目に見えない隙間まで入り込み、ミクロの汚れを落とします。
汚れを繊維内に取り込み、逃がさないので何度もふき取る手間が省けます。
耐久性に富んだ構造で何度も洗って使用可能。
ラッカー塗装の楽器にもお使いいただけます。

¥2,200税込

レモンオイルE.D.GEAR ELO-2

レモンオイルE.D.GEAR ELO-2

指板面に付着した、皮脂・汗・ホコリなどの汚れを落とし、椿油で美しい艶を出します。亜麻仁油で水分をはじき、汚れの付着を防ぎ、ミネラルオイルの成分が指板面を乾燥から守ります。

¥1,300 税込

フレット磨きDMI Guitar Labs FretButter

フレット磨きDMI Guitar Labs FretButter

今まで面倒だったフレット磨きも、このFret Butter(フレットバター)があればとても簡単です。FretButterはフレット磨き用のクリーナー液が染み込んだ布で、繰り返し約20回使えます。

¥1,650税込

BOXレンチPICKBOY SC150BX

BOXレンチPICKBOY SC150BX

10mm、12mm、13mmの3種類のサイズで使用可能。
ペグポストやPOTの六角ナットでの使用に最適。

¥2,420 税込

いかがだったでしょうか。
島村楽器ダイナシティ小田原店ではメンテナンスのレクチャーも行っております。
上達のコツのひとつとして、プレイアビリティは非常に重要な要素となります。

『最近なんだか弾きにくい』『音がぼやけてきた』と感じたら、それはギターからのサインかもしれません。正しいメンテナンスは、楽器の寿命を延ばすだけでなく、あなたの演奏技術の上達も力強くサポートしてくれます。まずは弦を替えるときのクリーニングから、気軽に始めてみましょう!

担当 エレキギター エレキベース  アコースティックギター白井

担当 エレキギター エレキベース  アコースティックギター白井

島村楽器テクニカルアカデミー(代官山音楽院)のギタークラフト&リペア科卒業。
製作やリペア知識を活かし、皆さまに楽器を楽しんで頂く事をモットーに日々ご案内しております。
初めて楽器を触る方はもちろん、自分だけの1本、妥協したくない、理想像がある、など生涯の1本となる楽器のご相談も承っております!
楽器のご相談だけでなく、音楽教室のご案内もお任せください。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

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