私と楽器屋さん Vol.04

御歳75歳。4年数カ月前に会社を退職した能木(あたぎ)州平さんの今の生きがいは、島村楽器の音楽教室がキッカケで初めて触れたアルトサックスだと笑顔で語ります(取材当時)。サックスとの出会い、そしてインストラクターの吉田隆広さんとの出会いは、能木さんの人生にどのような影響を与えたのでしょうか。コンサート「YOUR STAGE 2018」出演後の能木さんに、お話を伺いました。

能木州平さん(左)と吉田隆広さん(右)

“俺にもできるかな?”と思って
すぐに会員になったんだ

能木さん 4年3ヶ月前、71歳の時に会社のOBになって、何か始めなきゃいけないと思ったんだけど趣味がなかった。まずは健康だと思って、川崎ルフロンにあるスポーツジムに通うようになったんだよね。いつもだったら終わると下まで降りて帰るんだけど、たまにはと思ってフロアを回っていたんだ。そこで偶然立ち寄ったのが、島村楽器さんとの出会い。店頭まで来たら、すごくキレイなピカピカの管楽器が並んでるじゃない。一番ピカピカでカッコいいなと思ったのがサックスだったので眺めていたら、スタッフの人が「何かお探しですか?」って。「キレイだから見てたんですよ」って言ったら、「ちょっと吹いてみませんか?」って言うんだよ。その1週間後かな、体験レッスンに行ったときのインストラクターさんが吉田先生で。ドレミファソラシドを吹くんだけど、最後のシで行き詰まって真ん中を押したらドが出たんだ。そしたら「あれ、できるじゃないですか! 初めてなのに筋がいいですね」 って吉田先生に言われたの。それで“俺にもできるかな?”と思ってすぐに会員になったんだよ。決断は早いんでね。それからレッスンは週1で通っているんだ。

吉田先生は、まさに島村楽器の
デイヴィッド・サンボーン

 それからもう楽しくて楽しくて、レッスンの他に少なくとも週4日は近所のカラオケで個人練習をするようになった。少しずつ吹けるようになるけど、自分でどう練習しても上手くいかない部分ってたくさんあるでしょ? そんなときの吉田先生のアドバイスが上手いんだよ。例えば、替え指を意識するとスムーズに演奏できるようになったり、絶対に1人ではわからないことがその時々でわかるようになる。要はアドバイスが的確なんだね。それに、サックスの生徒のほとんどが吉田先生のファン(笑)。違う島村楽器さんに通っていたのに、吉田先生を慕って追いかけて来た人もいるくらい。生徒は70名以上いるのに全員フルネームで覚えている。すごいよね。あと、吉田先生はYouTubeで演奏動画を上げているんだけど、もちろん全部観てるし、いつもコメントを書き込んでいる(笑)。何より演奏が素晴らしいよね、島村楽器さんのサックスインストラクターの中で一番上手いと思うよ。まさに“島村楽器のデイヴィッド・サンボーン”だよね。今日の「YOUR STAGE 2018」でもサンボーンの「The Dream」を演奏したんだけど、これも吉田先生が一番好きな曲なんだ。

楽器を演奏する楽しみが増えた
それが今の私の生きがいや元気の源

 吉田先生との出会いがなければ、こんなにサックスは続かなかったかもしれない。それだけじゃなくて、島村楽器さんは本当に雰囲気がいいの。レッスンを始めた頃、お店に入るでしょ。そしたらお店のあちこちから「能木さんこんにちは!」ってスタッフの皆さんが迎えてくれるだ。すごく嬉しかったよね。インストラクターさんもそう。帰るときに俺は少しおしゃべりするんだけど、そのときも「お疲れ様でした。またいらしてくださいね」って。アットホームな雰囲気がいいよね。

 浅い深いは別として、俺の人生の中で今が一番友達が多いんじゃないかと思っているんだ。例えばレッスンに来ているサックス以外の生徒、ヴァイオリンやフルートの生徒たちとも仲良くなれましたし、お互いが応援し合ってより成長できているんだよね。個人練習をしているカラオケのスタッフさんも「だんだん上手くなってきましたね!」って話しかけてくれるし、YOUR STAGEがあると「コンサートはどうでした!?」って気にかけてくれる。友達というか、仲間が増えたのは島村楽器さんのおかげだね。

 今まで民謡からクラシックまで音楽は何でも好きだったんだけど、島村楽器さんに会うまではただ聴くだけだった。ところが楽器を演奏する楽しみが増えたんだよね。これが一番大きい。音楽の楽しみ方が2つあるってすごいことじゃない! それが今の俺の生きがいだったり元気の源だったりしているんだよ。楽器の演奏が、自分の生きがいになるとは思っていなかったね。音楽の力ってすごいんだよね。できれば80歳くらいまで…いや、吹けなくなるまで楽しんでいこうと思っているよ。

こちらの記事は、2018年9月に島村楽器(株)の社内報に掲載した記事を一部編集し、出演者の許諾を得て転載しております。

この記事を書いた人

溝口 元海

エディター、ライター、フォトグラファー。