皆さん、こんにちは。
島村楽器ダイナシティ小田原店でオーダーを担当している白井です。
今回は、神奈川県茅ヶ崎市に工房を構える「saitias guitars」様を訪問しました。その様子をレポートします。
新進気鋭のハイエンド工房、saitias guitars
齊田隼人氏が代表を務める「saitias guitars」は、2020年にスタートした新進気鋭のメーカーです。
大手メーカーでの組み込み・調整や、楽器販売店での販売業務を通じて得た、ユーザーの生の声を製作に反映。アーティストとのつながりも深く、プロアーティストのメイン機材として使用されるなど、多くのユーザーから高い評価を得ています。
世界最大の楽器ショー「NAMM Show」にも出展し、海外からのオーダーも増加しています。
完全個人工房
前回訪問した2023年1月以来の訪問となりました。
調整スペースの扉に取り付けられたロゴには木くずが積もり、時の流れを感じさせます。


現在、saitias guitarsの楽器は齊田氏が一人で製作しています。工房はいくつかの区画に分かれており、限られたスペースを有効に使って作業が進められています。


組み込みや調整を行うメインスペースは、YouTubeの撮影にも使われている場所。各種工具が使いやすく配置されています。
メインスペースを出て正面・右手には木工スペースが広がり、バンドソーやベルトサンダー、プレーナーなど、ギター製作に欠かせない機械が並びます。



左手には塗装スペースがあり、カメラ用の三脚を活用した手作りの塗装台が使われています。
最良の演奏性を求めたフレットワーク
今回の訪問では、全モデルに施されているフレットワークの一部を見せていただきました。演奏性に直結する、大切な作業です。

見せていただいたのは、フレットサイドの処理工程。
サイドの粗削り、指板エッジの粗削り、サイドの丸め処理、フレットエッジの丸め処理、サンドペーパーによる仕上げを行い、これらの工程を2度繰り返します。その後、ネック塗装を終えてから、最終的な処理を施します。



齊田氏の人柄が表れるような、丁寧な仕事ぶりに感服しました。



理想のカラーを追い求めて
今回の訪問理由の一つが、オーダーモデルのカラー調色でした。目指すのは、オープンポア塗装のメタリックレッド。ひと口にメタリックレッドといっても、調色によって色合いはさまざまです。今回は、実際に自分の目で見て確認できる貴重な機会に恵まれました。

シルバーとレッドを組み合わせたシンプルなカラーがA。そこに2色を加えたものがBです。写真では分かりづらいのですが、Bのほうが濃い印象に見えると思います。

アッシュの端材に試し吹きをして、色を決めていきます。こちらは艶消し塗装を施したアッシュ材です。Aは明るくシンプルなメタリックレッドに仕上がり、Bは妖艶な雰囲気を醸し出すメタリックレッドになりました。

その独特の雰囲気を生み出している秘密は、赤の塗料にほんの少し青の塗料を加えています。

調色は齊田氏の感覚を頼りに進められます。唯一無二のカラーは、こうして生まれているのです。

今回は、Bのカラーを採用しました。下地となるサンディングまで完了したボディに足付けを行い、色を乗せていきます。



照明やカメラの影響でオレンジ色に見えますが、実際はメタリックレッドです。完成をぜひお楽しみに。
NAMM Show 2027に向けて
2027年1月、アメリカ・アナハイムで開催される「NAMM Show」でお披露目予定の新モデルも、持たせていただきました。現在、鋭意製作中とのことです。
詳細をお伝えすることはできませんが、小田原店でお披露目できる日を楽しみにしています。
私、白井が強くおすすめする「saitias guitars」。ぜひ、その魅力を体感してみてください。

オーダー担当
担当 エレキギター エレキベース 白井
島村楽器テクニカルアカデミー(代官山音楽院)のギタークラフト&リペア科卒業。
製作やリペア知識を活かし、皆さまに楽器を楽しんで頂く事をモットーに日々ご案内しております。
初めて楽器を触る方はもちろん、自分だけの1本、妥協したくない、理想像がある、など生涯の1本となる楽器のご相談も承っております!
下記リンクに過去の訪問レポートを掲載しておりますので、よろしければご覧ください。
楽器のご相談だけでなく、音楽教室のご案内もお任せください。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。