ギタセレ・ビギナーズ倶楽部を見てギターを始めた皆さん!(そうじゃない人も)
エレキギター/ベースをアンプセットで手に入れる事の大切さは前回で学びましたね?
実は今後ギターを練習していく上で「必須」と言えるアイテムがまだ存在するんです。もしかしたらセット購入時に一緒に買っているかもしれませんが、今回はそんなアイテムと用途、重要性を解説。しっかり学んで上級者にステップアップを目指しましょー!
保管、メンテナンス用品
フルセットでギターを買うと、クロス(ギターを拭く布)はセットになっています。クロスがあればボディの汚れや、弦についた皮脂汚れなどは軽く落とせますが、弾いていくうちになかなか落ちなくなるもの。また金属パーツはくすんできます。そういった時に必要になるグッズを紹介しましょう。
メンテナンスが必要になる理由
まずはなぜ「メンテナンスが必要なのか?」ですが、ギターの弦の汚れやフレットのくすみ、ボディの汚れによって見た目が悪くなるのは当然。実は音も悪くなるんです。
弦の汚れやフレットのくすみによる音の劣化についてはコチラをご覧下さい。

弦を替えないと、フレットを掃除しないとどれだけ音が悪くなるか分かると思います。
次にボディの汚れですが、実はこれも音に影響します。みなさん、よーく考えてみましょう。
ギターは弦が振動して音が鳴る楽器です。その弦に布を被せたらどうなりますか?
そこでギターの構造を改めて確認してみますよ。

ギターの弦をはじいて振動させれば、ブリッジ、ナット(押弦時はフレット)を介してボディ、ネックに振動が伝わります。という事はボディを押さえればギター全体の振動が弱まるという理屈です。

このようにクロスを置いた状態は過激な言い方をすれば「ボディをミュートしている」という事。 このクロスが皮脂汚れであっても、本来ボディに付着していない物が付着しているという点では変わらないので、厳密に言うとミュートになります。(かなり細かいことを言っていますよね…)
なので、ボディを汚したままにする事は鳴りを押さえている事と同義語になるのです。
ステッカーも厳密に言えばミュートですよね…。ギタリストはカッコよさを取るか、鳴りを取るかの狭間で悩みます。
~鳴りのマメ知識~

上記の理由から、こういったピックガードのネジ等の締め具合によって音は変わります。「自分のギターの音がパキパキいい過ぎるんだよな~」とか、「サスティンが足りないんだよな~」って場合はギター各部のネジで調整すると改善する可能性もあります。
という事で、お掃除はギターにとって重要だという事がお分かり頂けたかと思います。
スクラッチメンダー
掃除をする際は弦交換の際に行うのが良いです。やりやすいですから。
そういった際にまず行うのがフレット掃除。
「弦交換とフレット掃除のスゝメ」で解説した、フレットの汚れを取るための研磨剤。
柔らかい布に少量つけて磨くべし! 磨くべし!
汚れが酷いと、次の日に右手が筋肉痛になります。
マスキングテープ
下の画像は梅田ロフト店リペアマン、山口がフレットすり合わせの際のもの。

フレットを掃除する際も同様にマスキングテープを貼ります。そうしないと指板の木目にスクラッチメンダーが入り込んで取れなくなります。
「セロハンテープじゃダメなの?」という意見もあるでしょう。セロハンテープの糊は強いため、テープをはがす際に指板の表面も一緒にはがしてしまう可能性があります。また、マスキングテープは上記のように色が付いていることが多いので、フレットのみを綺麗に露出させることが出来るのです。ぜひマスキングテープを使いましょう。
指板オイル、保湿オイル等
指板の木材は、メイプル、ローズウッド、エボニーの3種類が主です。
●塗装されている指板の場合
ギターには指板を塗装してあるものが存在します。

FenderやRickenbackerに多いです。この塗装はラッカーだったり、ポリウレタン、ポリエステルだったりいろいろですが、基本的にはボディの塗料と同じなので、塗装されているものは後述の「ポリッシュ」で汚れを取れば問題ないです。ラッカーかポリか迷ったら、ラッカー対応のものを使いましょう。

HISTORY HPP-2。このポリッシュは金属部分にも対応しているので、フレットも一緒に拭き上げ出来ちゃいます。
金属部分に対応していないポリッシュの場合だと、せっかく磨いたフレットがすぐにくすんで、サビてしまうので要注意。
●無塗装指板、ローズウッド&エボニー(無塗装)の場合
エレキギター、ベースだとローズ、エボニー、メイプルそれぞれの指板のギターがたくさん存在しますが、アコギの場合はほぼローズかエボニーです。
ローズウッドはその木目が美しい感じ。エボニーの方が黒く、引き締まった印象。採れる量が少ないことから、エボニーの方が高級材として扱われます。(音の違いは好みですが)

世の中には「マッカーサー・エボニー」というローズウッドのような木目のエボニーも存在します。
これらの材で気をつけるべきことは「割れ」です。乾燥しすぎると、縦にピキピキ~っと割れが生じます。(あぁ… 書いているだけで悲しくなる…) 木材なので、割れたら自分ではどうしようもありません。リペア工房行きです。ルシアー駒木にお願いしましょう。

せっかく買ったギター、どうせなら割れないのが一番。その為にはお肌と一緒で保湿が大切。無塗装ローズorエボニー指板は必ず潤わせてあげてください。

楽器業界で有名なオイルといえばこの3種類。左から「FERNANDES レモンオイル」「HOWARD オレンジオイル」「HISTORYネックオイル」です。
レモンオイルはけっこうサラサラなオイル。植物性のオイルなので木材にも優しいです。オレンジオイルも同様に植物性のオイル。粘度はかなり高めで、塗った後は多少の乾燥が必要。ネックオイルはちょうどその中間の粘度。使いやすいです。
せっかくなので乾燥している指板と、保湿後の指板の違いを画像で。
●メイプル指板(無塗装)の場合
メイプルの無塗装指板は、汚れが目立ちます。MUSICMANの指板は無塗装メイプルが多いです。

木材自体が白いから、汚れが目立つんですね。しかし弾いていると手垢は付いてしまうもの。そんな無塗装メイプルの一番の汚れへの対処法は、「弾いた後はすぐ乾拭き」です。汚れが付いたら染み込まないうちに取ってしまうのが最良の方法です。
しかしそんな事を毎回は出来ないかもしれません。だんだん汚れが沈着してくるでしょう。そんな時はレモンオイルを使ってみます。

レモンオイルを軽くクロスに塗布して汚れを浮かせて拭き取るのです。しかしメイプルが無塗装のため、レモンオイルで汚れを導管の中に染み込ませてしまい、全体的に黒っぽくなる、という危険性も孕んでいます。やる時は慎重に…
※メイプル無塗装の指板の汚れは、ある意味ギタリストにとって勲章だったりしますので、「染み込んでしまったものは仕方ない」と堂々としていて良いとは思います。
~オイル・マメ知識~
指板オイルを使って保湿、汚れ落としを行ったら、必ずフレットに付いたオイルを拭き取りましょう。そうしないとオイルが付着したフレットからまたくすんで、サビて行ってしまいます(涙)
※HISTORY ネックオイルは金属面の防錆効果があるので逆に拭き取らない様にしましょう。
ポリッシュ
ポリッシュは塗装面の汚れを落とす溶剤。ボディの汚れ落としに使います。(前述のように、塗装された指板の汚れ落としもOK) しかしギターの塗装にはいろんな種類があります。ラッカー、ウレタン、エステル、オイル… それぞれに対応しているポリッシュを使う必要があります。
●ラッカー
アメリカ製のギター、特に古い年代のギターや高額なギターに多いのがラッカー塗装。(「ラッカー塗装だから良い」というのは安直です。) ラッカー塗料はゴムやシンナーで溶けます。塗装面が変色およびウネってしまいます。なので、「ラッカー対応」と記載のあるポリッシュを使いましょう。
●ウレタン、エステル(ポリ)
ポリウレタン、ポリエステル塗装の場合は比較的強い塗装なので、大抵のポリッシュは対応しています。クロスに塗布して磨き上げましょう。「ラッカー対応」と記載の無いものでも使えます。すなわち、ほぼ全てのポリッシュは使えるということです。
●オイルフィニッシュ
オイルフィニッシュの場合は基本的に乾拭きで問題ありませんが、塗装面の艶出しや保護の目的で使う場合は専用のものを用意します。
~ポリッシュ・マメ知識~
ポリッシュは使用しないで放っておくと成分が下に沈みます。仕様前は振りましょう。
さらに長い間放っておいたポリッシュは固まっている事も多々あります。そんな時は捨てて下さい。そのポリッシュではボディに傷がつきます。新しいポリッシュを買いましょう。
というよりも、そうなるまえに使い切るくらいお掃除しましょう。
ちょっとイイクロス
「え? 何で? クロスって布でしょ? 柔らかければいいんじゃないの?」
ハイ、そう思った皆さん、残念。不正解です。
クロスには用途があります。一般的に普及しているネル素材のこういったクロス。

乾拭きも出来ますし、ポリッシュを染み込ませて使うことも出来ます。汎用性が高いです。
このクロスではダメなのか?
いえ、ダメではないです。(ダメな事もありますが)
では「ちょっとイイクロス」を使うシーンを紹介しましょう。
●仕上げの拭き上げ
ポリッシュを使ってボディの汚れを取った後、ポリッシュは塗装の細かな隙間に入り込んでいる場合があります。そのポリッシュが汚れとなって付着し、ボディを更に汚してしまうこともあるんです。そういった時は目の細かいクロスを使います。
ね? 細かく綺麗に取れるのが分かりますよね?
お掃除の最後の仕上げは目の細かいクロスで拭き上げを行うのが鉄則です。
●乾拭き
先ほどの仕上げ同様、ネル素材のクロスでの乾拭きももちろんOKですが、良いクロス(目の細かいクロス)だとちょっとした汚れなんかはササっと落ちてしまいます。

これは天然キョン鹿の本皮を使用した「セーム皮クロス」というもの。あらゆるところの汚れを落としてくれる、乾拭きの味方!
●塗装によるクロスの使い分け
実はクロスにも「シリコーン」入りのクロスが存在します。シリコーンが入ったクロスはラッカー塗料を変化させてしまいます。

ラッカー塗装のギターを拭く際はシリコーンの入っていないクロスを使うのがルール!
~クロス・マメ知識~
いろんなメーカーからいろんなクロスが発売されています。ネル製のものは本当に各メーカーから出ている印象ですが、基本的に大きな差はありません。
しかし選択を重ねると多少の違いに気付くはずです。何度も選択すると硬くなるもの、柔らかいままのもの。
ワタシもいろんなクロスを使ってみたのですが、なんとネル製クロスはその色によっても硬さに違いが出ました(!!)
HISTORYのクロスはベージュ、クレイ、青、オレンジと発売されていますが、体感では「青が一番柔らかさ長持ち」でした♪
※あくまで体感上ですからね。科学的検証はしてません。
まとめ
今回はあくまでもメンテナンスの「必須」アイテムを紹介しました。今後「あると便利」なアイテムも紹介して行きます。
それらを駆使して、手に入れたカワイイ愛器を末永く良い状態で使っていけるようにしましょう♪



















