
1996年にAxSys212、1997年に初代PODを発売したLINE6が世の中をリードしてきたアンプ・シミュレート界。
その後PODを2.0、xt、X3、HDと進化させていく間に、2009年AVID(当時digidesign)が「Eleven Rack」を、FRACTAL AUDIO SYSTEMS が「Axe-Fx」を、Kemperが 「PROFILING AMPLIFIER」を発売。
またBOSSもGTシリーズにCOSMモデリングアンプを内臓、VOXやBEHRINGERなどもマルチエフェクターに次々とモデリング・アンプを搭載し、群雄割拠となりました。

↑ COSM モデリング・アンプを搭載したBOSSの最新フラッグシップ・モデル、GT-100。
メーカー希望小売価格:オープンプライス/販売価格¥52,250(税込)/JAN:4957054500085
そして2013年11月、ベースアンプメーカーとして名高いMark Bass社のギター部門ブランド、DV MARKから「MULTIAMP」が登場。
同月にはLINE6が「POD HD PRO X」を発売。
2013年12月中にはKemper「PROFILING AMPLIFIER RACK」が発売予定。
と、ペダル型のアンプシミュレーターから、ラック型のアンプシミュレーターへ時代は移り変わろうとしているかのようです。
(’80~’90年代のラックエフェクターを組んでいた流行とは少々違う流れですね。1台で何でも出来るものをラックで持ち運ぶのがトレンドのようです。)
今回はそんなラック型アンプシミュレーター(プリアンプ)の代表5機種を機能面、ルックスからチェックします。
実際のサウンドは次回の「Part2」で検証しますのでお楽しみに~
世界ラック・プリアンプ選手権、出場選手紹介
それでは今回の出場選手を紹介します。
- アメリカ代表:LINE6 “POD HD PRO X”
- アメリカ代表:AVID “Eleven Rack”
- ドイツ代表:Kemper “PROFILING AMPLIFIER RACK”
- イタリア代表:DV MARK “MULTIAMP”
- アメリカ代表:FRACTAL AUDIO SYSTEMS “Axe-Fx Ⅱ”
アメリカ勢が多いですね。
…おっと? 12月中旬発売予定のKemperが! これは楽しみですね。
それではさっそく各選手たちのスペックを見ていきましょう。


LINE6 「POD HD PRO X」/JAN:4907034123056
メーカー希望小売価格:オープンプライス/売価¥88,880(税込)
まずはデジタル・アンプシミュレーターの元祖とも言えるアメリカ代表、LINE6が先日発売したばかりの「POD HD PRO X」。
基本的にはPOD HD 500Xの機能をそのままラックに凝縮したモデルですが…

背面右上の「DRY OUT」が追加装備されています。
これによって、レコーディング時にエフェクトをかけた音でモニタリングしながら、PCなどレコーダーにはノンエフェクトの音が送られる、といった使用法もできます。
リアンプも可能ですね。
【新製品】LINE6 POD HD500Xどこよりも早い製品レビュー!でも取り上げましたが、POD HD PROからPOD HD PRO XにバージョンUPされた点は圧倒的なDSPパワー!

画像のようにアンプ、エフェクターを繋いで行っても余裕です。
(POD HD PROはエフェクトを繋いでいくと、最後にDSPパワーを消費する空間系は選べなくなっていました)
LINE6はもともとPro Toolsのプラグインとしてアンプ・モデリングを行っていたこともあり、レコーディングに対してかなり豊富なデバイスを想定していますね。
さらにLINE6のモデリングはギターにも及んでいます。
そのモデリングギター「VARIAX」をVARIAX端子に、DTシリーズ・アンプをL6 LINK端子に繋ぐ事で、ペダルボード一つで様々な組み合わせのサウンドを呼び出す事が可能です。




AVID 「Eleven Rack」/JAN:4571151764647
メーカー希望小売価格:オープンプライス/売価¥119,900(税込)
続いてはアメリカ代表のAVIDから、Eleven Rackの登場です。
発売されてから約4年も経っている今も、レコーディング・ツールとして、アンプとして第一線で活躍し続けている定番プリアンプ・アンプシミュレーター、Eleven Rack。
ベテランの域に達している実力者ですね。
やはりPro Toolsを製作する会社のプリアンプだけあって、レコーディングに対しての自信はスゴイです。

まずはギター入力。
インピーダンス・マッチングを行ってくれるTrue-Z入力で、余分なノイズや音質劣化を減らします。
レコーディング時のレイテンシーも「0」という実力は本物ですね。
豊富なI/Oも見逃せません。

特にRETURNについているLEVEL:RACK FX/STOMP FXに注目~!
ラックタイプのエフェクターと、ペダルタイプのエフェクターのインピーダンスの違いで起きてしまう音の劣化を、ここでも最小限に抑えるように考えられていますね。


DV MARK 「MULTIAMP」/JAN:8033829136157
メーカー希望小売価格¥280,500(税込)/売価¥220,440(税込)
続いてはファッションの国、イタリアからの出場。
先日発売になったばかりのDV MARK「MULTIAMP」です。
DV MARKは、ベースアンプ、エフェクターで地位を築いてきたMarkbassが満を持してプロデュースしたギター用アンプ/エフェクター・ブランドです。
ルックスもさることながら、パワーアンプを搭載しているところが他の製品とは一線を画す存在ですね。
Markbassでのベースアンプ・ヘッドからの流れを受け継いでいると言えるでしょう。
MULTIAMPは他の4機種と比べると、アンプモデリング機能を搭載しながらもかなりアナログライクな操作性が印象的。
本体前面パネルのツマミ、ボタンの数も少なすぎず多すぎず、あまり迷わずに操作できそう。

コントロール・ツマミをまわしてEQ調整する点など、通常のアンプヘッドのような感覚で音作りできます。
パワーアンプ内臓なので、もちろんスピーカーアウト端子装備。

MULTIAMPのプリアンプ部分にマッチしたパワーアンプを最初から内蔵している事により、どんな状況でもある程度同じ音を出せるというメリットがあります。
LOOP、MIDIももちろん完備。

ちなみに背面のUSBパネルは取説によると「保守点検用」。
内部のソフトウェア・アップデートなどに使用するのでしょうか。
今後の拡張性に期待です。


Kemper 「PROFILING AMP PW RACK」/JAN:4959112119987
メーカー希望小売価格¥374,000(税込)/売価¥297,000(税込)
どーん!
本国ドイツでも話題の製品、急きょ選手権出場が決定しました!!
(EffEXPOで輸入代理店コルグさんのブースでも実機が試せました。12月中には発売予定です。)
KEMPER 「PROFILING AMP」のラックバージョン、“PROFILING AMP PW RACK”。
この機種はパワーアンプも搭載されてるバージョンです!!

PROFILING AMPにはもちろん事前にプリセットでモデリング・アンプ・サウンドも内蔵されています。

が、しかし!
KEMPERのスゴイところは、例えば目の前に年代モノのMESA/BOOGIE MarkⅢがあったとしたら、その音を分析して自分のものにしてしまえるという点。
この「プロファイリング」技術のレベルがまた高いらしい。
さらに前面、背面両方に配置されたUSB端子。

KEMPER社のページに行くと、そこにはすでにプロファイリングされた膨大なデータがUPされています。
そのデータから好きなものを選んでダウンロード、USB端子につないでアンプにイン!
これで世界中の名機が自分のものに…

ボタンの名称なども、けっこう分かりやすいです。
慣れれば簡単に操作出来そうですね。
プロファイリングされたアンプは、このPROFILING AMP PW RACKであればパワーアンプ内蔵なので、どこのスタジオ・ライブハウスに行ってもほぼ同じ音で演奏が可能に。

世界の数々の名機といわれるアンプを3Uラックサイズの筐体に詰め込んで家で鳴らす、持ち歩く…
なんて贅沢なんでしょう♪
前評判の高いAxe-Fx Ⅱが登場です!


FRACTAL AUDIO SYSTEMS 「Axe-Fx Ⅱ」/JAN:4571220042492
メーカー希望小売価格¥341,000(税込)/売価¥341,000(税込)
ここ最近のAxe-Fx Ⅱの好評価はとどまるところを知りません。
さて、それはなぜなのでしょうか?
一度ギタセレでもDIMENSION増崎さんにご登場いただいてチェックしましたが、あらためて見てみましょう。
Axe-Fx Ⅱに関しては、外見から「おぉw」となる点はあまりありません。
本当に中身と操作性にこだわっているからなのか、余計な装飾がいっさいされていないように感じます。
この持ち手の「プロ感」もぐっと来ます。(実用性の高さはこういった所にも表れますよね)

そんなAxe-Fx Ⅱの最大の武器は、ズバリ音質です。
ライン録音しても、リアルなサウンド♪
音の密度が圧倒的なんです。
ラック・プリアンプ選手権 Part2でのサウンド検証を楽しみにしてください。
先日取材した時点でアンプの数は148。(記事公開日2013年11月11日)
11月19日にはすでにバージョンUPのお知らせが来て、そこにはアンプモデル追加情報も…
どれだけ増えるんでしょう?

Axe-Fx Ⅱには独自の機能があります。
- Tone Match
理想のアンプサウンドをAxe-Fx IIに取り込む機能。
※これはあくまでもEQ成分の取り込みなので、Kemperのように歪みやエフェクト成分は取り込まれません。 - Scene
プリセット切り替え時のレベル差などを解決する機能です。 - Impuls Responce
Axe-Fx IIがスピーカーキャビネットの特性を分析、オリジナル ライブラリーに保存できます。
これらの付加的機能は、あくまでもAxe-Fx Ⅱの根本的な音質にはそこまで関係しませんが、サウンドメイクの利便性を高める、また好みに近づけるための手助けになってくれるものですね。
とにかくこの選手は音質とアンプモデル数(& エフェクト数)、最新鋭の機能と、前評判の高さがスゴイです。
出場選手、スペック比較
それでは今回Part 1の最後に、各選手のスペックを同条件で比較表にまとめてみました。
スペックに記載しきれないようなものや音質に関してはPart 2をぜひご参照ください。

※表をクリックで拡大
※Axe-Fx Ⅱのエフェクト数/キャビネット数は、数が大量で随時更新されているため現在調査中。
※各モデル2013年12月10日(火)時点での情報です。アップデートにより内容は変化することもあります。
※表中の販売価格(税込)は消費税5%時のものです。消費税率8%の価格は文中をご参照ください。(2014年4月2日追記)
価格面
やはり価格はAxe-Fx ⅡとKemper、MULTIAMPがPODとEleven Rackの約3倍と、分が悪い…
さすがに20万円台後半の価格だと、おいそれと手が出ないです(涙)
モデリング面
スペックだけを見ると、LINE6「POD」がかなりオトク。
この価格でアンプ31、エフェクト111は結構使えますね。
Kemperは元もとのプリセットは数種入っていたのですが、数はサイト、取説には明記されていませんでした。
体験上は10種程度かと。
プロファイリングで増やせるのでその点は重要視していないのでしょう。
Axe-Fx Ⅱはさすがと言った感じでしょう。
音質の良さに関する評判もさることながら、そのモデリング数も他を圧倒。
I/O面
入出力ではやはり高価格帯のKemperとFractal Audioに軍配か。
レコーディング、ステージといたる所での使用を想定されているのが分かります。
Part1を終えて
やはり価格がお高いモデルはそれなりの機能が搭載されています。
でもスペック表だけでは分からないそのサウンド・クオリティが一番大切ですね。
次回はそのサウンドに迫っていきます。
お楽しみに!
Part2はこちら↓↓↓↓↓
【徹底検証】世界ラック・プリアンプ選手権! ~いま旬のアンプ・シミュレーター5機種~ Part2
2014年2月13日(木)追記情報
Axe-FxⅡは2014年2月3日に価格改定されて
メーカー希望小売価格¥341,000(税込)
販売価格¥341,000(税込)
となっております。
















