Roland Boutique JUPITER-08とn/visionを実機レビュー |5年ぶりのBoutiqueシリーズ新モデルは往年のアナログサウンドを備えたシンセと最新ウェーブテーブルシンセ!
こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店のデジタル担当の立浦です!
今回はRoland(ローランド)のコンパクト・シンセサイザーBoutique(ブティーク)シリーズから新たに登場した、「JUPITER-08」と「n/vision」 の2機種をご紹介していきたいと思います!
Roland Boutiqueといえば、往年の名機をコンパクトなサイズに凝縮し、そのサウンドや操作性を手軽に楽しめる人気シリーズ。
なんと新モデルの登場は、2021年に発売された「JX-08」「JD-08」以来、実に約5年ぶりとなります!

今回登場した2機種は、同じBoutiqueシリーズでありながら、音源方式も音作りの方向性も大きく異なるモデル。





JUPITER-08 は、1981年に登場した名機「JUPITER-8」の誕生45周年を記念したモデル。
華やかなシンセブラスやストリングスなど、往年のアナログ・シンセサイザーらしいサウンドを最新の技術で楽しめる1台です。





一方の n/vision は、ウェーブテーブル音源を搭載したBoutiqueシリーズのオリジナルモデル。波形そのものを変化させながら、これまでのアナログ・シンセサイザーとはひと味違った、複雑で動きのあるサウンドを生み出すことができます。
今回はこの2機種について、外観や基本的な仕様はもちろん、実際のサウンドや音作りの特徴、シーケンサー、パソコンとの連携まで詳しくチェックしていきたいと思います!
動画にて実機レビュー中!
JUPITER-08とn/visionの商品概要

最初に、2つのモデルの特徴を簡単に比較してみましょう。
上記の通り、両モデルともBoutiqueシリーズゆえの基本的なハードウェア構成や演奏機能は共通している部分が多い一方、サウンド・エンジンには明確な違いがあります。
JUPITER-08は、もう見た目からJUPITER-8を意識しているのが伝わってきますね!パネルレイアウト含め、伝統的なアナログ・シンセサイザーの操作感を楽しめるモデル。
一方のn/visionは、同社の最上位シンセサイザーFANTOM EXに搭載されているn/zyme(エンザイム)譲りのRoland最新のウェーブテーブル技術を搭載した、デジタルならではの自由度の高い音作りを楽しめるモデル。
ホワイトカラーの筐体が美しい1台です。
それぞれのスペックや概要につきましては本記事の後半にて詳しくご紹介します!
専用カラーのK-25mキーボード・ユニットが付属

これまでのRoland Boutiqueシリーズは、本体モジュールと25鍵キーボード・ユニット「K-25m」が基本的に別売りとなっていましたが、今回の2機種は最初からK-25mがセットになっています。


しかも、各モデルのカラーリングに合わせた専用仕様!
JUPITER-08は往年のJUPITERシリーズを思わせるカラーリング、n/visionはホワイト基調のデザインで統一されています。

どちらもコンパクトながら、非常に所有欲をそそられる仕上がりですね!
もちろんキーボード・ユニットは取り外しが可能なので、デスクトップ型の音源モジュールとして使用したり、ほかのMIDIキーボードと組み合わせたりと、環境に合わせた使い方ができます。

商品のパッケージもかなり大きい!
これには大きい化粧箱大好きな担当もニッコリ。


また、本体にはスピーカーも内蔵されており、USB-Cからの給電だけでなく単3形電池4本での駆動にも対応。
パソコンや外部スピーカーを接続しなくても、思い立ったときにすぐ音を出せるのはBoutiqueシリーズならではの魅力です。
USB-CやMIDI、外部クロック入力など、接続端子も充実


最初に、それぞれの特徴を簡単に比較してみましょう。
接続端子についても、2機種は基本的に共通しています。
オーディオ出力に加えて、外部機器からの音声を入力できるMIX IN、MIDI IN/OUT、さらに外部クロック入力も用意されています。MIDI端子を利用すれば、外部のシンセサイザーやMIDIキーボードと組み合わせた演奏も可能です。

また、外部クロック入力を使用すれば、リズムマシンやアナログ機器からのクロック信号と内蔵シーケンサーなどを同期させることもできます。
コンパクトな見た目ながら、単体での演奏だけでなく、さまざまな機材を組み合わせたセットアップにも対応しているわけですね。さらにUSB-C端子にはオーディオ/MIDIインターフェース機能も備わっているため、パソコンと接続してDAWから演奏させたり、音声を録音したりといった用途にも活用できます。
こちらについては、本稿の後半でもう少し詳しくご紹介したいと思います。
JUPITER-08 実機レビュー
あのJUPITER-8が、45周年記念モデルとして復活!


ということで、まずはJUPITER-08から見ていきましょう!
いやあ、これはもう、見た目からして良いですね!
特徴的なカラーリングや横一列に並んだスライダーなど、一目で「JUPITER-8だ!」とわかるデザインです。

JUPITER-8のオリジナル機にあるトップパネル上部の通気孔(放熱スリット)もしっかり再現されている!
ニクいですねぇ!
オリジナルのJUPITER-8は、1981年に登場したRolandを代表するアナログ・ポリフォニック・シンセサイザーで、発売当時の価格はなんと98万円!

※出典:Rolandカタログミュージアムより
非常に高価なシンセサイザーでしたが、華やかなブラス、重厚なストリングス、存在感のあるリードなど、その豊かなサウンドは世界中のアーティストを魅了し、数々の名曲で使用されてきました。
現在でもビンテージ・シンセサイザーの代表格として人気が高く、まさに「キング・オブ・ポリフォニック・シンセサイザー」と呼ぶにふさわしいモデルです。
そんなJUPITER-8のサウンドや操作性を、現代の技術でコンパクトな筐体に再構築したのが今回のJUPITER-08です。
かつてのBoutique「JP-08」とは何が違う?

Boutiqueシリーズには、以前にもJUPITER-8をモチーフとした「JP-08」というモデルがありました。
そのため、「あれ? またJUPITER-8なの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし今回のJUPITER-08は、JP-08に比べ音源方式や同時発音数、エフェクト、操作性など、さまざまな部分が新しくなっています。

JUPITER-08とJP-08との違いをサクッとまとめると上記のような感じ。
まず大きな違いが音源方式ですね。従来のJP-08ではACB音源が採用されていましたが、今回のJUPITER-08では、新たにABM音源が採用されています。
そして、最大同時発音数も従来の4音から、なんと32音へと大幅にアップしています。
また、どちらも2パート構成となっていますが、従来のJP-08がデュアルモード(2つのパートを重ねて演奏)のみだったのに対して、JUPITER-08ではデュアルに加えスプリット(2つのパートを鍵盤の上下で分けて演奏)にも対応しています。
さらに、シーケンサーも大きく進化しています。
JP-08では16ステップのモノフォニック仕様でしたが、JUPITER-08では2パート、最大64ステップのポリフォニックシーケンサーを搭載しています。
エフェクトについても、従来のディレイのみに加えて、17種類のマルチエフェクトやリバーブが新たに使えるようになっています。
接続端子ではUSBがType-Cになり、外部クロック入力も新たに装備。
さらに、従来は搭載されていなかったアルペジエーターやホールド機能も追加されています。


操作端子についても、スライダーが従来より長くなっており、細かな音作りが行いやすくなっているのがわかります。従来のJP-08に搭載されていたリボンコントローラーは廃止され、そのスペースを活用して各種パラメーターや操作子がゆとりを持って配置されています。
このように、単純に音源の変更や同時発音数が増加だけではなく、音作りから演奏、シーケンス機能まで、全体的に大きく進化しているのが今回のJUPITER-08なんですね!
JUPITER-08のパネルレイアウト

実際の操作パネルを見ていきましょう。オリジナルJUPITER-8の雰囲気を残しながら、コンパクトな筐体に操作性をうまく落とし込んでいる印象ですね。
個人的には、このサイズにJUPITERらしいパネルデザインをぎゅっと凝縮した、独特の可愛らしさも非常に気に入っています!


パネルにはLFO、VCO、FILTER、VCA、ENVELOPEといった、アナログ・シンセサイザーではおなじみのセクションが横並びに配置されています。基本的な減算方式のシンセサイザーに触れたことがある方であれば、直感的に音作りを楽しめるのではないでしょうか。
ただし、筐体サイズの制約もあり、2系統のエンベロープはENV-1とENV-2を切り替えながら編集する方式となっています。
また、ポルタメントなど、一部の機能はメニュー内から設定する仕様です。

一方で、オシレーターには拡張された波形も用意されており、VCO1とVCO2の両方でサイン波やホワイトノイズを利用することができます。クラシックな見た目ながら、音作りの自由度もしっかり確保されているわけですね。

前述の通り、本機種には別キーボード・ユニット「K-25m」が付属し、そちらで演奏を行うことができますが、本体のNOTEモードを使えば、1〜13のステップボタンを簡易的な鍵盤として演奏することも可能です。
さらに、音を持続させるHOLD機能も搭載されているので、音を鳴らしたままパネルを操作して、リアルタイムに音色を変化させるといった楽しみ方もできます。
このように、キーボードを取り外した状態でも演奏や音作りができるのは、コンパクトなBoutiqueシリーズならではの魅力ですね!
JUPITER-08のサウンドをチェック!
今回のJUPITER-08で注目したいポイントのひとつが、音源方式の進化です。
従来のJP-08ではACB(Analog Circuit Behavior)が採用されていましたが、今回のJUPITER-08ではABM(Analog Behavior Modeling)を採用しています。
どちらもアナログ・シンセサイザーをデジタルで再現する技術ですが、ACBは回路の動作を細かく再現するのに対し、ABMは楽器全体の発音特性や振る舞いに着目しているという違いがあります。
早速音を聴いてみましょう!
今回は外部からMIDIフレーズを再生させながら、さまざまなプリセットを切り替えてみました。
まず印象的なのが、やはりJUPITERらしい華やかで厚みのあるサウンドですね。
複数のオシレーターを重ねた存在感のあるブラスや、広がりのあるストリングス、そして抜けの良いシンセリードなど、どれも往年のRolandサウンドを感じさせてくれます。
特にブラス系の音色は、少しデチューンしたオシレーターの厚みとフィルターのニュアンスが気持ちよく、思わずコードを弾き続けたくなります。

お馴染みのクロスモジュレーションやオシレーターシンクもしっかり搭載。
シンセリードもお手のものです!
もちろん、こうした王道のサウンドだけでなく、現代的なシンセサウンドにも対応しており、音作りをする前にプリセットを切り替えていくだけでもかなり楽しめる1台ですね。
最大同時発音数が32音に拡張!
もうひとつ、大きな進化を遂げたのが同時発音数です。
従来のJP-08は最大4音ポリフォニックでしたが、JUPITER-08では標準設定で8音の発音に対応しています。
さらに動作モードを変更することで、最大32音まで同時発音数を拡張することが可能です!
オリジナルJUPITER-8の8音ポリフォニックに近い演奏感を楽しむだけでなく、音数の多いコード進行や、複数の音色を組み合わせた演奏にも余裕を持って対応できるようになりました。
なお、JUPITER-08はUPPERとLOWERの2パート構成となっていますが最大32音の発音数を、2つのパートで共有する仕様となっています。
そのため、片方のパートだけで32音を使用するといった柔軟な使い方も可能です。
この発音数の拡張は、これまでのJP-08を使用していた方にとっても、かなり嬉しいポイントではないでしょうか。
17種類のMFX+ディレイ&リバーブを搭載
エフェクトも充実しています。
JUPITER-08には17種類のエフェクトから選択できるMFXに加えて、独立したディレイとリバーブが搭載されています。

MFXには、JUNO-106のコーラスをイメージしたものや、BOSS CE-1、Roland Dimension Dなどをモチーフとしたコーラス系エフェクトを収録。こうしたコーラスを加えると、JUPITERらしいストリングスやパッドサウンドに、より豊かな広がりを持たせることができます。そのほかにも、オーバードライブ系のT-Scream、Bit Crusher、Lo-Fi Compress、フェイザー、ピッチ・シフターなど、個性的なエフェクトも用意されています。
リバーブには5種類の基本タイプに加えて、ピッチシフトした成分を含む幻想的な響きが特徴のシマー・モードも搭載。コーラスで音に広がりを加え、ディレイでリズミカルな反復を作り、さらにシマー・リバーブで幻想的な空間を演出するといった組み合わせも可能です。
こうした充実したエフェクト群によって、往年のJUPITERサウンドを楽しむだけでなく、アンビエントや現代的なエレクトロニック・ミュージックにも十分対応できる印象ですね。
64ステップのポリフォニック・シーケンサー
JUPITER-08には、最大64ステップのポリフォニック・シーケンサーも搭載されています。
シーケンサーはUPPERとLOWERの2パートそれぞれで設定でき、単音のベースラインやメロディーだけでなく、ポリフォニー対応なのでコード進行を含むフレーズも作成できます。


入力方法も複数用意されており、任意のステップを選んで音を入力する方法のほか、リアルタイム入力や順番に音を入力していくステップ入力にも対応しています。
ステップ数は各パートで個別に設定できるため、例えばUPPERを16ステップ、LOWERを64ステップに設定するといった使い方も可能で、さらに、最大96パターンのシーケンス保存にも対応しています。
ツマミの動きも記録できるモーション・レコーディング
もうひとつ注目したいのが、モーション・レコーディングです。
この機能では、シーケンサーの演奏に合わせてツマミやスライダーの動きを記録できます。
例えば、ベースラインを再生しながらフィルターのカットオフを動かして、その変化をシーケンスに記録するといった使い方ですね。
各パートで最大4つのモーションを扱うことができるため、フィルターだけでなく、ほかのパラメーターを組み合わせた複雑な音色変化も作成できます。さらに、シーケンスの再生方向を変更したり、ランダムに再生したりと、さまざまな再生方法にも対応。
2つのパートで異なるフレーズを組み合わせれば、これ1台だけでもかなり作り込んだパフォーマンスを楽しめます。
n/vision 実機レビュー

続いてご紹介するのが、こちらのn/vision」!
JUPITER-08が往年のアナログ・シンセサイザーをモチーフにしているのに対し、n/visionはウェーブテーブル音源を採用したBoutiqueシリーズのオリジナルモデルとなっています。

Rolandのウェーブテーブル音源といえば、同社のフラッグシップ・シンセサイザーFANTOM EXなどで使用できるn/zyme(エンザイム)を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このn/visionは、n/zyme譲りのサウンドと機能を有しつつ、それらをコンパクトなハードウェアに落とし込み、より気軽に楽しめるようにしたモデル。
ウェーブテーブル・シンセサイザーというと、Xfer Records Serum、Native Instruments Massive、Arturia Pigmentなどのソフトウェアで触ったことがある方も多いかと思います。
一方で、ハードウェア、それもこのサイズ感で本格的なウェーブテーブル音源を搭載したモデルは、まだまだ選択肢が限られています。
※以前にWaldorf Proteinの実機レビューも寄稿させていただきましたが、あれも小型なハードウェーブテーブルシンセですね!
そういった意味でも、n/visionは非常に興味深いモデルではないでしょうか。


外観については、ホワイトを基調とした非常に洗練されたデザイン。
こちらも専用カラーのK-25mが付属し、本体とキーボードの統一感も抜群ですね!
n/visionのプリセット・サウンドをチェック!
ウェーブテーブル特有の複雑な倍音を持ったリードサウンドや、時間とともに変化するパッド、非常にアグレッシブなデジタルサウンドまで、さまざまな音作りが可能です。
まずは、実際のサウンドを聴いてみましょう!
n/visionは、最大56音の同時発音に対応。
実際に音を鳴らしてみると、JUPITER-08とは明らかに違ったキャラクターが感じられます。
特に印象的なのは、音を伸ばしている間にも次々と音色が変化していくようなサウンド。
単純なフィルターの開閉では得られない、複雑で有機的な動きが面白いですね。
こうしたウェーブテーブルならではの特徴が、n/visionの大きな魅力となっています。
n/vision パネルレイアウト・各セクションの紹介

それでは続いて、n/visionのパネルレイアウトと各セクションの役割について見ていきましょう!
n/visionの音作りの中心となるのが、AとB、2つのウェーブテーブル・レイヤーです。
それぞれのレイヤーには63種類のウェーブテーブルが用意されており、個別に異なる波形を選択することができ、中央のMIXフェーダーを使って、2つのレイヤーのバランスを自由に調整できる仕組みになっています。

ウェーブテーブルは複数の波形をひとつのテーブルとして収録したもので、POSITIONを操作することで、テーブル内のどの位置の波形を使用するかを指定できます。これによって、フィルターとはまた異なる、ウェーブテーブル特有の音色変化を生み出すことができるわけですね。

さらに、n/visionにはWAVE SHAPER(ウェーブ・シェイパー)も搭載されています。
こちらは元の波形を変形させることで、新たな倍音や歪みを生み出す機能ですね。
シェイパーの形状は13種類から選択でき、ウェーブテーブルによる音色変化に加えて、さらに複雑なサウンドを作り出すことができます。
また、ステレオの広がりを調整できるSPREADというつまみも合わせて用意されており、より豊かに音色を変化させることが可能です。

続いて、こちらがFILTERセクションです。
ローパス、ハイパス、バンドパスといった基本的なフィルターに加えて、ビンテージ・シンセサイザーをイメージしたフィルター・モデルなども搭載されています。フィルターの種類によって音色のキャラクターを変化させられるほか、3段階のDRIVEを使って歪みや厚みを加えることも可能です。


そして、音色に動きを加えるモジュレーション機能も充実しています。
LFOやエンベロープを使って、ウェーブテーブルのPOSITIONやシェイパー、フィルターなど、さまざまなパラメーターを時間的に変化させることができます。これらを組み合わせることで、音を伸ばしているだけでも次々と表情が変わっていくような、ウェーブテーブルならではのサウンドを生み出せるわけですね。

このように、n/visionではウェーブテーブルを中心に、シェイパーやフィルター、各種モジュレーションを組み合わせた、幅広い音作りが可能となっています。
また、Jupiter-08同様n/visionにも、JUPITER-08と同様に2パート/最大64ステップのポリフォニック・シーケンサーが搭載されています。モーション・レコーディングにも対応しているため、作成したフレーズに合わせてウェーブテーブルのPOSITIONやフィルターなどを変化させることが可能です。
ウェーブテーブル音源は時間とともに音色を変化させることが得意なので、シーケンサーとの相性も非常に良いですね。
エフェクトもJUPITER-08と同様に、17種類のMFXと独立したディレイ/リバーブを搭載。
JUNOコーラスをはじめとした多彩なエフェクトに加え、シマー・リバーブによる幻想的な音作りにも対応しています。ウェーブテーブルで作成した複雑なサウンドに、さらにエフェクトを組み合わせることで、より奥行きのあるサウンド・デザインを楽しむことができます。
※エフェクトやシーケンサーについてはJupiter-08と同様の機能なのでレビュー動画では割愛しています
STEP LFOでリズミカルな音色変化を作成
そして、個人的にn/visionで特に面白いと感じたのが、STEP LFO という機能です!
STEP LFOは、通常のLFOとは異なり、ステップごとに変調の値や動きを設定できるモジュレーション機能です。

通常のLFOはサイン波や三角波などを使って周期的にパラメーターを変化させますが、STEP LFOでは1ステップずつ異なる値や形状を設定することで、より複雑でリズミカルな変化を作り出せます。
n/visionでは最大16ステップまで設定でき、ピッチなどのパラメーターをステップごとに変化させることができます。
例えば、ピッチにSTEP LFOを割り当て、それぞれのステップに異なる値を設定すると、鍵盤をひとつ押さえているだけでも、次々と音程が変化するフレーズのような動きを作れます。
通常のアルペジエーターとは少し異なり、モジュレーションによって音を動かしているのが面白いところですね。
SCALE機能で音楽的な動きに

STEP LFOには、スケールを設定する機能も用意されています。
例えば、ピッチをランダムに変化させると、音程が不安定でまとまりのないフレーズになってしまうことがあります。そこでSCALEを設定してみると、ピッチ変化を指定したスケールに沿った動きにできるため、より音楽的なフレーズを作りやすくなります。
レビュー動画内ではマイナー・スケールに設定してご紹介してみましたが、これだけでも随分と印象が変わりました。
さらに、ステップごとの変化の仕方も設定できるため、階段状の動きだけでなく、滑らかに移り変わるようなモジュレーションも作成可能です。単純な音程の上下だけでなく、波形の位置やフィルターなどと組み合わせることで、さらに面白いサウンドが生まれそうですね。
KICK機能によるアクセントの追加

もうひとつユニークなのが、STEP LFOに備わっているKICK機能です。
こちらは、指定したステップに急激なエンベロープ変化を加えることで、キックドラムのようなアタック感や低域のアクセントを作る機能です。
例えば、16ステップのうち1、5、9、13ステップにKICKを設定すると、4つ打ちのような周期的なアクセントを加えることができます。
実際にキックドラムのサンプルが鳴っているわけでは無く、あくまでシンセサイザーの波形に対するエンベロープ処理なので、選択している音色によってキックのような響き方も変わるのが面白いですね。
低域の強い波形と組み合わせれば、ベースラインの中にパーカッシブなアクセントを作ることもできます。
こうした機能を活用して、片方のパートでベースやリズム的な動きを作り、もう片方のパートでメロディーやパッドを演奏する、といった使い方も楽しめそうです。
こちらも動画の41:03〜実際にご紹介中です
DRAWING機能で自分だけの波形を作成!

さらにn/visionには、ウェーブテーブルとは別に、自分で波形を作成できる「DRAWING」機能も用意されています。DRAWINGでは、1周期の波形を最大32の区間に分割し、それぞれの値を指定することでオリジナルの波形を作成できます。
例えば、滑らかなサイン波を、急激な変化を持つ形状にして倍音の多いサウンドにしたりと、さまざまな音色を試すことができます。用意されたウェーブテーブルを選ぶだけでなく、自分自身で音の元となる波形をデザインできるのは非常に面白いですね!
通常のアナログ・シンセサイザーとはまた違ったアプローチで、音の仕組みを学びながら音作りを楽しめる機能でもあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
本日はRoland Boutiqueシリーズから新たに登場したJUPITER-08とn/visionについてご紹介させていただきました。

JUPITER-08は、何といっても往年のJUPITER-8サウンドを楽しめることが大きな魅力です。
華やかなブラスやストリングス、存在感のあるリードなど、アナログ・シンセサイザーならではの音作りを直感的に楽しめます。さらに、従来のJP-08から音源方式や最大同時発音数、エフェクトなどが大幅に進化しており、ビンテージサウンドを楽しむだけでなく、現代的な音楽制作にも十分対応できるモデルとなっています。
特に、JUPITER-8のサウンドが好きな方、アナログ・シンセサイザーの音作りを楽しみたい方、そしてJP-08からのステップアップを考えている方にはおすすめしたい1台ですね。

一方のn/visionは、ウェーブテーブルならではの複雑な倍音変化や、自由度の高いモジュレーションが魅力です。
POSITIONやWAVE SHAPER、STEP LFOなどを組み合わせることで、アナログ・シンセサイザーとは異なる、非常に多彩なサウンドを作り出すことができます。特にSTEP LFOを使ったリズミカルなサウンドや、ウェーブテーブルを滑らかに変化させるパッドなどは、現代的なエレクトロニック・ミュージックやアンビエントにもぴったりです。
ウェーブテーブル音源に興味がある方、複雑で動きのある音作りを楽しみたい方、コンパクトなハードウェア・シンセサイザーを探している方に、ぜひチェックしていただきたいモデルです。
島村楽器の一部対象店舗では実機の展示も予定しておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
この記事の投稿者:立浦(たてうら)

予約開始日・発売日
発表・予約開始日:2026年10月20日
発売日:2026年11月7日
販売価格・ご購入はこちら
- 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。
| 品名 | 販売価格 |
|---|---|
| 品名 JUPITER-08 JANコード:4957054524005 | ¥71,500(税込) |
| 品名 N/VISION JANコード:4957054524012 | ¥71,500(税込) |

