前回までのビギナーズ倶楽部で、ギターにはどんな種類があって、どんなジャンルで使われているのか、等々をご理解頂けたかと思います。
- ビギナーズ倶楽部のこれまでの記事はこちら
今回から実際に自分にあったギターを選ぶ作業に入っていきましょう!
※ここで言う「ギター」は、もちろんアコギ、エレキ、ベース全体を指します。
ギターの選び方
ギターを選ぶ前に、ギターを始めようと思ったキッカケがありますよね?「好きなバンド、ギタリストに憧れて」が一番多いキッカケかと思いますが、「音楽が好きで、ギターをやってみたいと思った」、「友人にバンドに誘われてギターパートになった」などからスタートする方も少なくはないでしょう。
キッカケによって選び方も変わってくるかとは思います。最初から欲しいものをドーンと選んじゃう方。将来的にじっくりステップアップするために、最初は予算を抑える方。それは人によってそれぞれです。
ここでは大まかな選び方を3種類に分けてみます。自分にはどの選び方が合っているか、考えながら読んでみて下さい。
- 予算に合わせて選ぶ
- 好きなアーティストの楽器を選ぶ(近い楽器を選ぶ)
- おおまかなジャンル、傾向から選ぶ
1.予算に合わせて選ぶ
まずは予算に合わせた選び方。小学校からコツコツ貯めてきたお年玉でギターを選ぶ中学生さん、頑張ってバイトしたお金で選ぶ高校生さん、初ボーナスで選ぶ新社会人さん、ご主人に内緒で貯めたヘソクリで選ぶ主婦の方…
ギターを始めるにもやはり予算が先に立つもの。まずは予算別でギターはどんな違いが出てくるのか、チェックしていきましょう。
~2万円
まずはビギナーの方が選ぶ一番多い価格帯、~2万円のギターから。
この価格帯では、「若いビギナーでも気軽に始められる価格」という事がメインテーマとして製作されます。そのため木材や塗装、パーツ等々を可能な限りコストダウンして作られます。生産国も人件費が抑えられる中国やアジア諸国で生産されていることが多いでしょう。
●ポイント
メーカー各社、コストを抑えることを大前提としていますが、ギターとしての基本的な性能は無視できません。この低価格帯でギターを選ぶ際のポイントはそこがしっかりしているかどうか。
- チューニングの精度
低価格だからといって、チューニングが合わないのはギターとしてあってはならない事。ギターという楽器の特性上、チューニングが狂いやすいとはいえ、「始めから合わない」「すぐ狂う」というのはナンセンスです。チューニング精度はペグとナットに起因するところが大きいので、その点を重要視しましょう。

- ネックの安定性
ギターである限りネックは反るもの。その辺の詳細は今回以降にゆっくりと説明するとして、ネックの安定性は非常に重要です。木材自体の良し悪しだけでなく、乾燥具合もネックの反りに影響を及ぼしやすいので、その点はどうなのかが大切です。

- 仕上げの精度
フレットのエッジ、細かな場所の塗装、木材の加工(角の部分など)、内部の配線など、細かなところまで神経を行き渡らせて作っているかどうか、その点は非常に重要になります。お店で選ぶ際は細かい部分をしっかりチェックしましょう。

●アコギの場合
アコギのスペックを見てみましょう。一般的なドレッドノート・タイプのLumber “LDG10”です。
販売価格は¥11,330(税込)。
各部に使われている木材は以下のとおり。
- TOP材:スプルース
- サイド&バック材:アガチス
- ネック材:ナトー
- 指板材:ローズウッド
- ブリッジ材:ローズウッド
ここでアコギのポイントがあります。それはボディの木材が「単板」なのか「合板」なのかです。

木の板は一枚板(単板)であったほうがよく振動します。そのためギターのボディを作る際、出来れば単板(ソリッド)が望ましいです。しかし少々コストがかかります。
逆に合板(ラミネート)の場合はコストが抑えられます。しかし振動も単板よりは抑えられてしまいます。そのため低価格のギターには合板が使われていることが多いです。
ちなみにブックマッチと合板を勘違いしやすいので一緒に図解しておきます。ブックマッチは一枚の板を割って左右に開いてそれを接着することにより、左右の振動のバランスを取るという工法です。
次にLFG10の一つ上のランクのモデル、LDG20を見てみます。

販売価格は¥25,190(税込)。
今回の~2万円からは少し出てしまいますが、使用木材は…
- TOP材:スプルース単板
- サイド&バック材:スプルース
- ネック材:ナトー
- 指板材:ローズウッド
- ブリッジ材:ローズウッド
おや!? サイド&バック材はまあ全く違う材なので置いといて、TOP材に注目です。同じスプルースなのにLDG20は「単板」と入っていますね。
そうなんです。アコギのスペックで木材を見る際は「単板」(もしくは「ソリッド」)と表記されていたら単板、木材の名称のみで単板の言葉が無かったら合板、というのが暗黙のルールです。(もちろん例外もありますが)
※K.Yairiなど、エレアコを作る際にあえて鳴りを抑えてハウリングを防ぐ目的で合板を使用した高単価なギターも存在します。合板=悪ではありませんので。「生の鳴りを追及するなら単板が良い」っていうことです。
●エレキギター、エレキベースの場合
エレキギター、ベースの場合も大切なのは木材とパーツになります。まずは~2万円のギターを見てみましょう。BUSKER’SのBSEです。

販売価格は¥12,100(税込)。これもアコギ同様、ビギナーに人気のお買い求めやすいモデル。スペックは…
- ネック:メイプル
- 指板:ローズウッド
- ボディ:ポローニァ
- フレット 22フレット
- ペグ:ダイキャスト
- ピックアップ:S-S-S
- ブリッジ:-(表記ナシ)
続いて同じストラトキャスタータイプでも、上の価格帯を見てみます。Cool-ZのZST-10R。

販売価格は¥82,500(税込)。少しお高いモデル。スペックを見ると…
- ネック:ハードメイプル
- 指板:ローズウッド
- ボディ:アルダー
- フレット:C.F.S.22F/DHP(W:2.7mm、H:1.0mm)
- ペグ:GOTOH SD91-05M
- ピックアップ:History VS62-FAT(Alnico5)
- ブリッジ:TP-S6D/Cr
違いが分かりますよね?
まず木材。ネックはBSEのメイプルに対してZST-10Rは「ハードメイプル」となっています。硬いほうがネックの強度が上がり、弦の振動効率も高まるので音の伸びも良くなります。
ボディ材もBSEはポローニアと記述がありますがZST-10Rはアルダー。アルダーのほうが強度はあります。ハードメイプルと同様の事が言えます。
続いてパーツ類も、パーツメーカーや型名まで記述があります。例えばペグ。ペグの業界においてGOTOHは一流メーカー。チューニングの精度が高いです。
●結論
~2万円のギターとその上の価格帯で比べてみました。コストを抑えるために木材やパーツの価格を抑えていることがお分かり頂けたと思います。
しかし! だからと言って基本的なギターの性能が「ダメ」というのではビギナーの上達の妨げになりますし、そもそも楽器として許されません。今回取り上げたLumberとBUSKER’Sですが、島村楽器に入荷する前に厳しい検品をクリアしてきたギターたちなのです。(もちろんその上位モデルも同様です) これらのギターは以下の工程を踏んで皆さんの手元に届きます。
- 工場での木材、パーツ検品
- 生産工程での検品
- 工場出荷前の検品
- 日本に入荷した後の検品
- 島村楽器店頭に入荷した際の検品
「コスト抑える」って言いながらけっこう手間かけてます… ちなみに「全数検品」です。何本かに1本をチェックする「抜き取り検品」じゃないですからね。
低価格のギターを選ぶ際は木材やパーツなどはある程度コストダウンした材料を使っているので、あとは「楽器としてあるべき姿である」というのが大切なポイントです。最初に選ぶギターが低価格なものの場合はそういった事を考慮してみて下さいね。
2~6万円
2~6万円のギターは、2万円までのギターから少々レベルアップしたものです。コストを抑えて販売価格を抑える、といった点では変わりませんが、パーツをグレードアップしたり、メーカー独自のこだわりを載せてみたり、と「ちょっと良いもの」が手に入ります。
●ポイント ~アコギの場合
では、どういったポイントがグレードアップされたり、こだわっていたり、という点なのか、実際のモデルを見ながらチェックして見ます。
まずはLumberの一つ上のグレードにあたる、James。Jamesも中国製ではありますが、スペックを見てみるとそのこだわりが見えてきます。

James “JD-400” 販売価格¥36,300(税込)です。
スペックを見てみると
- ボディ トップ:スプルース単板
- ボディ サイド:マホガニー
- ボディ バック:マホガニー
- ネック:マホガニー
- 指板:ローズウッド
- ブリッジ:ローズウッド
- ナット&サドル:クリスタルトーン
となっています。赤文字のところ、「単板」というのは先ほども解説しました。単板であることによってギターの鳴りを向上させている点がポイントになるのです。
そして「クリスタルトーン」。

低価格ギターのナットおよびサドルの材質はプラスチック製がほとんど。しかし価格が上がって行くにつれて牛骨や人口象牙、カーボン、ブラス…といろいろな材質のものが搭載されるようになります。振動する弦を一番最初に支える部分なので、とっても重要です。
このJD-400はクリスタルトーンと名付けられた硬質ファイバー製のナットとサドルを使用しています。これによって立ち上がりが鋭く(シャキっとしている感じ)、高音域が煌びやかになる、といったメリットがあります。サイド&バックが合板でありながらも音質をキラキラしてくれるための工夫です。
そしてこういったところも。
上達してくればライブをやったりすると思います。その時にストラップを付けて、立ってギターを弾きますね。
まずは吉田拓朗さんのストラップのかけ方を見て下さい。アコギはボディ・エンドにストラップピンが付いていますが、ネック側には基本的に付いていません。そういった時はヘッドに輪っかのついたストラップを使うか、こういったグッズを使ってストラップを装着します。

Planet Wavesの「Quick Release System」という商品(メーカー希望小売価格¥770(税込))。着脱も簡単に出来るように工夫されています。
その後、こちらの福山雅治さんのようなストラップのつけ方が主流になってきます。エレキギター同様、ストラップが真下に伸びてくれるので左手のプレイの邪魔にならず、ギターも安定感が少し増します。
https://youtu.be/hfskdP2enwE
この場合はボディのどこかにストラップピンを取り付けるのですが、ビギナーさんが自分で穴を開ける際には木が割れてしまったり、木材の薄い部分に留めてしまったりと、トラブルが起こりやすいです。
そのために最初からネックのヒール部分にストラップピンが取り付けてあります。
●ポイント ~エレキギター/ベースの場合~
例えばベースで言うと、~2万円までの価格帯だと、基本的にはジャズベ、プレベ等のスタンダードなモデルがほとんどですが、1つ価格帯を上げると選択の幅が大きく広がります。

Hofnerのバイオリンベース、「IGNITION BASS(KH-SOHIBB)」も販売価格¥44,440(税込)で手に入ります。こういった憧れのベースを手に入れられるという、満足感があります。
また、同じモデルのギターやベースであってもパーツ類のグレードアップがあります。
Fender JapanのST62。販売価格は¥59,950(税込)です。

まずこの価格帯から少しずつ「日本製」の楽器が出てきます。このST62もその内の一つ。また、パーツ類が以下のようになります。
- BODY: BASSWOOD
- NECK: MAPLE
- FRETBOARD: ROSEWOOD
- PICKUPS: ST-SINGLE(JAPAN)×3
- SWITCH: 5WAY SW BRIDGE: DIECAST BLOCK S5D VINTAGE
- TUNER: MHG-SD91 NI
パーツ類もFender Japan製になります。そして塗装。

ST62からワンランク落としたST-STDというモデルではネック裏、ヘッドに塗装はしていません。
しかしST62ではしっかり塗装されています。

これによって、木の乾燥を防ぐ、木材を保護する、といったメリットが生まれます。
●結論
やはり価格帯を一つ上げると品質だけでなく選択の幅が広がります。「最初は一番安いのからでいいや」という考えではなく、そういったスタイルでギターを弾きたいのかによって、この価格帯まで頑張る必要もあるかもしれません。先ほどのST62の例を見ても、塗装されている/されていないという点はけっこう大きな違いです。その塗装しだいでネックを握ったフィーリングも変わるし、保管のしやすさも変わるのです。
少し頑張れるなら、このあたりのギターからスタートするのもありですよ。
6~10万円
このくらいの価格帯になると、日本製のモデルがたくさん出てきます。中国製やアジア諸国の生産よりも細かなところの精度や、もちろんパーツもグレードの高いものを使用しています。仕上げが丁寧であることから弾きやすさに繋がるので、実はビギナーの方が購入されるギターの中では、1~2万円のギターに次いで多いのがこの価格帯なのです。
●ポイント ~アコギの場合~
何と言ってもこの価格帯で、ハンドメイドの国内生産モデルが買えるというのは良いです。

こちらはK.YairiのLO-65。(販売価格¥94,160(税込))
トップにスプルース単板を使用して指板にはローズウッドではなくエボニーを使用しています。ローズウッドよりもエボニーのほうが硬質なので、音の立ち上がりは良くなります。また、ハードケース付属というのも嬉しいポイントでしょう。
ヤイリの製作風景を見ると、この価格帯で販売されていることがいかに喜ばしいか分かって頂けると思いますよ。
ギリギリ10万円以内ですが、Takamineにもこの価格帯でのラインナップがあります。
![]()
(販売価格¥101,090(税込))
これも日本製で、エレアコタイプ。プリアンプも搭載してます。さらにトップ、サイド、バックすべてにハワイアンコア材を使っているためにまろやかなサウンドが特徴になります。コア材だけに木目の出方も千差万別で、愛着がわいてきます。
●ポイント ~エレキギター/ベースの場合~
まずはこちらの画像をご覧下さい。
ギタセレの価格帯別検索で、2~6万円で絞った結果出てきたギターたちです。もちろんこれ以外にもたくさんあります。まず圧巻なのはその種類の豊富さ。2~4万円でもけっこう選択肢は広がりましたが、ここに来て一気に拡大です!
アーティストモデルの廉価版も出てきますので、憧れのアーティストと同じシェイプのギターを手に入れる事も可能になってきます。
続いてスペック要素。

Cool-Z、ZJB-10R。(販売価格¥87,593(税込))
Cool-Zのパーツ類は~2万円のところでチェックしたとおりですが、他にもこの価格帯だからこそ搭載できるスペックが満載です。

まずはネックの塗装。通常のポリ塗装を行った後に、ネックの部分だけ手触りが良くなるよう、「サラサラ」な仕上げにしています。塗装されたネック独特の「ツルツル」ではないです。(スムースグリップ)

フレットのエッジ処理にも手をかけています。握りこんで演奏するベース/ギターという楽器の特性上、フレットエッジが尖っていたら痛くて痛くて弾けません。そのためにエッジは手作業で丸く整えられています。(エリートフィニッシュ)
日本製で、さらにある程度コストを割けるのでかなり細かいところまで弾きやすさにこだわって作ることが出来るんです。
●結論
この価格帯になるとメーカーは、弾きやすさ、サウンド、その他いろんな箇所にコストをかけられます。ここまでの価格帯との決定的な差はそこにあります。ビギナーが上達する上で重要なポイントの一つは「弾きやすさ」です。ギタリスト/ベーシストの多くが、以下の事を経験しています。
ギターのランクを上げたらこれまで弾けなかったフレーズが弾けるようになった!
これはあながち嘘でもないのです。さきほどのスムース・グリップやエリート・フィニッシュなんかは典型的な弾きやすさUPのための加工。これによってネックの上を指がスムーズに動くようになります。各社コストをかけながらギター製作が出来る価格帯、それがこの6~10万円の価格帯なので、少々値は張りますが最初に選ぶ楽器としてはかなり有効です。
10~15万円
このあたりになると、日本製はもちろん、アメリカ製のモデルも買える様になります。「アメリカ製だから良い」と盲目的なお話ではありませんが、例えばFender社で作られた「ストラトキャスター」というものが手に入るので、Fender社の元祖ストラトサウンドが欲しいとなると、この価格帯になります。
●ポイント ~アコギの場合
10万円を越えてくるとMartinも手に入ります。
Martinというと30万円を越えるモデルというイメージですが、こういったエントリーモデルも発売しているのです。
スペックはスプルース単板トップではありますがサイドとバックは「ハイプレッシャー・ラミネート材」と呼ばれるマホガニー。詳細は公表されていないものの、「廃材を砕いた後に圧縮して1枚の板にしたもの」と言われています。またこのモデルはエレアコで、アコギ・ピックアップ界の有名どころ、フィッシュマンのピックアップが載っています。
エントリーモデルといっても約10万円。少々高いですがMartinらしい煌びやかさを持ったサウンドなので、Martinブランドに憧れるビギナーにとっては嬉しいモデルです。
●ポイント ~エレキギター、エレキベースの場合~

海外メーカーのエントリーモデルと共に、国内メーカーのハイエンドモデルが手に入るのもこの価格帯の魅力。画像はSCHECTERのSD-2-24-AL。販売価格¥140,800(税込)のモデルです。
SCHECTERにはもちろんEXシリーズやSD-DELUXEなど上位のモデルも多数ラインナップされていますが、コンポーネントギターメーカーであるSCHECTERのSD-2はお手ごろなハイエンドギターとして認知されています。パーツ類もSD-DELUXEに引けを取らないものが選択されていて、弾きやすさだけでなくサウンド面でも非常に評価が高いギターです。
●結論
15~20万円という価格帯は、実はけっこう穴です。いい意味で。
海外の老舗メーカーであるMartin、Gibson、Fenderのエントリークラスも選べるし、国内メーカーの比較的ハイスペックなギターも選べるという、混沌とした価格帯なのです。だからこそ目当てのギターが見つかりやすかったりします。
高校生~大学生でこの価格帯のギターを選ばれる方、けっこういらっしゃるんですよ。もちろん社会人の方々はこの価格帯をターゲットにお店にいらっしゃる方も多いです。
島村楽器全店の10~15万円のアコースティックギターを探す≫
15~20万円
15万円を越えてくると、もうかなりのこだわりを詰め込んだギターになってきます。仕上げやパーツ、木材の質など、しっかりしたランクのモノを使用して細かい精度で作られます。選ぶ幅も広がってきます。
●ポイント ~アコギの場合~
このあたりから、トップだけでなくサイドとバックも「オール単板」というモデルが出てきます。

画像はHISTORYのNT-L4。販売価格¥170,500(税込)。
スペックを見てみると…
- ボディトップ:シトカスプルース単板
- ボディサイド:マホガニー単板
- ボディバック:マホガニー単板
- ネック:マホガニー
- ペグ:GOTOH SG381-01/C
- ナット&サドル:牛骨(オイル含浸)
となっています。ボディ材はすべて単板で生鳴りを活かす事を徹底的に狙っています。さらによく見るとただのスプルースではなくて「シトカスプルース」という材が使われています。「シトカ」というのはアメリカ合衆国アラスカ州、シトカ市郡の名前から来ています。北米大陸の寒い地域でとれるスプルース材のこと。煌びやかな音が特徴です。(他にもイングルマン、ジャーマン、アディロンダックなどのスプルースの種類があります。それらの表記が無い場合、他の地域で採れたスプルースであることが多いです。)
またペグがGOTOH製のSG381-01という日本製ペグのスタンダードをしっかり搭載。
さらにナットとサドルが牛骨であるという点。(しかもオイル漬け) 堅過ぎず、柔らか過ぎずという牛骨の特性に、チューニングを滑らかにするオイル漬けというコンビネーションです。
もちろんこの価格帯すべてがそういう細かな点でハイグレードなものではないですが、こういったモデルが出始めるのもこの価格帯のオイシイ所。探してみる価値アリなんです。
●ポイント ~エレキギター、エレキベースの場合~
エレキギターでは、Gibsonのレスポールが手に入ります。

画像はLess Plus 2015。販売価格¥199,430(税込)。
メイプルトップにマホガニーバック、ローズウッド指板のレスポール黄金スペックに57Classic、57Plusというピックアップを搭載した、レスポールらしいレスポール。レスポールのラインナップは2015現在だと
- Les Paul Classic 2015(販売価格¥216,370(税込))
- Les Paul Traditional 2015(販売価格¥261,800(税込))
- Les Paul Standard 2015(販売価格¥341,880(税込))
などがあります。その中でも一番価格を抑えたモデルですが、レスポールの基本スペックを踏襲している、「ザ・レスポール」と言えるモデル。
●結論
15~20万円の価格帯では、「良さを追求したスペックのギター」、そして「老舗メーカーの王道ギター」が手に入るようになります。今回はアコギで前者を、エレキギターで後者を説明しましたが、お互い逆でも、もちろんベースでも同じことが言えます。
このあたりのギターを購入されたビギナーは、いい意味で自分にプレッシャーをかける事が出来ると思います。「練習しなきゃ」というプレッシャーを(笑)
島村楽器全店の15~20万円のアコースティックギターを探す≫
20万円~
あくまで目安ですが、20万円を越えてくると「一生もの」と呼ばれる事が多いです。木材も最高級グレードを使ったり、手作業の部分がかなり増えたりと、「価格を考えずに良いものを作って、最後に価格を決めたんだろうな」っていう、なかなか手の届かないものもあります。
●ポイント ~アコギの場合~
当然ですが、いわゆる「そのものズバリ」というモデルが買えます。

Martinの黄金期と言われる戦前のラインナップ。その頃のモデルを忠実に再現したマーキス・コレクションもそのうちの一つ。
「フォワードシフテッド・スキャロップド・Xブレーシング」という機構が載っています。なにやら名前が長いです…
トップ材の裏側の支え木(力木)の事をブレーシング(Bracing)と言います。それがX型になっているからXブレーシング。このXブレーシングを発明したのもマーチンです。
Xのクロスした部分をサウンドホールの方に近づけたものが「フォワードシフテッド」(Forward Shifted」)。支え木(力木)のクロス部分がブリッジの真下にあると弦の振動でボディトップを振るわせるのに障害になってしまうので、ずらした機構です。
さらにブレーシングの木材を谷のように削る手法を「スキャロップド」(Scalloped)となります。ブレーシング自体の比重が減ることでトップ全体の振動が強くなります。
●ポイント ~エレキギター、エレキベースの場合~
HD-28Vの用に「黄金期のギターをそのままのスペックで」というギターもあれば、「最新の技術で最高のサウンドを」というギターもあります。

アメリカの大手メーカーは毎年ラインナップをグレードアップさせています。Gibsonしかり、Fenderしかり。PRS(Paul Reed Smith)もその一つです。
PRSはストラトキャスターとレスポールの良いトコ採りをしたギターというのは【ビギナーズ倶楽部】第4回 エレキギターを知る② ~個性的なギターたち~でも紹介しました。ハムバッカーを2基搭載しながら、コイルタップという手法でシングルコイルのサウンドを出せたり、メイプルトップ+マホガニーバックというレスポールの王道の木材組み合わせでありながらボディ自体を薄く仕上げて、さらにトレモロアームが載っていたり…。
それだけでなく、サスティンがしっかり出ていたり、フレットのエッジ処理がとっても丁寧だったりと、今エレキギターの王者の一つ。
●結論
「ビギナーでも一生モノを買う」というのはとても良い選択肢です。弾きやすさやサウンド面で落ち度が無い分、引き手の技術がそのまま演奏に現れてくれますから、上手になればなっただけ実感が持てます。
しかし問題は価格です。若いビギナーの皆さんにとってこの価格帯は非常にハードルが高いの
も事実です。
2.好きなアーティストの楽器を選ぶ(近い楽器を選ぶ)
憧れのアーティストがいるなら、その人が使っているモデル、もしくはその廉価版や似たタイプを選ぶのが上達の近道です。かくいう私もBOΦWY時代の布袋さんに憧れて、最初のギターはFERNANDESのHOTEIモデルを購入しました。そのギターでBOΦWYやCOMPLEXの曲をコピーしまくった思い出があります。1曲弾けるようになるたびにストラップを付けて鏡の前で布袋さんと同じアクションをしながら鏡の前で悦に入っていました(笑)
https://youtu.be/iYhc59rgSN8
ギターを始めるときのきっかけで、アーティストに憧れる、というのはとっても多いパターンですよね。
- 【ビギナーズ倶楽部】第2回 アコースティックギターを知る ~エレアコって何だ?~
- 【ビギナーズ倶楽部】第3回 エレキギターを知る① ~エレキでもボディに空洞? ホロウとソリッド~
- 【ビギナーズ倶楽部】第4回 エレキギターを知る② ~個性的なギターたち~
- 【ビギナーズ倶楽部】第5回 ベースの種類 ~ベースはバンドの土台!~
ではいろんなギターを紹介しながら、そのモデルを使っている代表的なアーティストも紹介してきたので、そこでギターを選べたら良いですが、アーティストはまだまだたくさんいらっしゃいますので、そこに載っていない方に憧れている方も多数でしょう。
①アーティストの使用楽器を探す
まずは好きなアーティストがどんなギターを使っているか調べてみましょう。YoutubeやGoogle、今はネットがあるから結構簡単に見つかると思います。今回は凛として時雨のTKさんに憧れている中学生になりきって憧れのギターを探して行きたい思います。
TKさんに憧れる中学生、ギターを探す
さあ、ギタセレのビギナーズ倶楽部もしっかり読み込んだし、僕は凛として時雨が好きだからTKさんみたいなギターが弾きたいな~
まずはYoutube「凛として時雨Official Channel」にあったPVをチェックしよう。
0:49あたりでTKさんのギターがアップ! どうやらテレキャスタータイプのようだ…
でもヘッドの形がFenderではなさそうだし…
ここは「凛として時雨 TK テレキャスター」でググってみよう。
…
おぉ!? さっそく出てきたじゃないか~! SCHECTERからシグネイチャーモデルが出ているのかぁ。じゃあSCHECTERのページに行ってみようかな。…あったあった。これだこれだ。
なになに… フムフム… 英語表記だしいろんなスペックやら何やらよく分からんけどTKさんが使ってるヤツだ! これ欲しいなぁ~ て、定価¥350,000!? いやぁ、中学生の僕にはそんなお金ないぞ。困った…
でもいろんな事が分かったぞ~!
そうか。メイプルネックでアッシュボディなんだ。ホンジュラスってのはよく分からないけどローズウッド材が指板には使われてるらしい。
(ホンジュラスは木材の産地です。南米のホンジュラス共和国という国、およびメキシコ南部、グアテマラで採れるマホガニー材のことです。木目が詰っていてギター材として珍重されます)
②キーワードでギタセレを検索
とりあえず5万円くらいでTKさんのギターに似たギター無いのかな~? ギタセレでチェックしてみよう。

ひとまずこれまで頑張って貯めた8万円を上限にして探してみよう…
お? なんかコレ、近いな!

もう販売価格済みか~。 でもこういうルックスのギターがある事が分かったぞ。とりあえず問い合わせしてみよう。まあまた入荷するかもしれないし。ボディはアルダーか。アッシュじゃないけど、まあアルダーもテレキャスターの基本的な材だし、そこはいっか♪
まあでもお店もたまたま近くだから明日行ってみてもいいし。お店の人にも相談してみよう。
~翌日~
そっかぁ~、販売価格¥70,400(税込)で取り寄せできるのか~。SCHECTERと同じく日本製なんだな、コレは。ビギナーズ倶楽部でも書いてあったぞ。読んだから分かるんだ♪
え? ピックガード? (店員さんがおもむろに持ってきた…)

メーカー:SCUD モデル:TC-T3P (JAN:4518830130843)
販売価格¥3,300(税込)
こ、これは!!
ピックガードって交換できるんですか~? これつけたらTKさんみたいじゃないスか~!
もうコレで決まりッス! これにしまーす!
と、こうして僕の最初のギターが決まったのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はい。物語調に書いてみましたが、ようは憧れのアーティストと同じ、もしくは近いモデルを探して購入するのは以下のやり方です、という事なのです。
- ギタセレのビギナーズ倶楽部で予備知識をつける。
- 自力で情報収集。ネットの情報力はスゴイです。
(もちろんこの時点で島村楽器のお店で聞いてもらっても大丈夫。スタッフ一緒に調べます!) - ギタセレで探してみる。
- 高かったらもう少し安い価格設定でカテゴリー検索してみる。
- 近いものが見つかったらギタセレで問い合わせ。
(もちろんお店に行ってもOK! お気軽にどぞ。)
こんな感じで探すと、自分の気に入ったギターに出会えるはず。
アーティストと全く同じギターでなくとも、近い仕様にカスタマイズすることも出来ます。今回のピックガードのように。ピックガードを換えるだけでギターの印象はガラっと変わりますからね。けっこう大事な要素なんですよ。
いったんまとめ
今回は
- 予算に合わせて選ぶ
- 好きなアーティストの楽器を選ぶ(近い楽器を選ぶ)
- おおまかなジャンル、傾向から選ぶ
の2までで結構長くなってしまいました。
3の「おおまかなジャンル、傾向から選ぶ」は次回にさせて下さいm(_ _)m
※記事内内容は2015年3月21日現在の物です。メーカーや型名においては廃盤、価格などは変動もございますので、何卒ご了承下さい。
















