【ギター工房探訪レポート】2024年8月 西野春平(にしのしゅんぺい)氏

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2024年09月12日

CONTENTS西野春平氏 プロフィール工房訪問レポート選定材オーダーギター3本をご紹介!今回オーダーのギターは11月入荷予定!この記事を書いた人西野春平氏 プロフィール 西野春平 - Shunpei Nishino - 1947年、茨城県日立市に生まれる。1965年、17歳の時に黒澤常三郎の工房に […]

西野春平氏 プロフィール

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西野春平 - Shunpei Nishino -

1947年、茨城県日立市に生まれる。
1965年、17歳の時に黒澤常三郎の工房に弟子として入門。ギター製作を開始。
1969年、ハウザー1世ギターの研究を続けた末、所沢に工房を構え「西野春平」ブランドとして独立。以来三十数年にわたって手工ギター製作を続けている。

工房訪問レポート

今回訪問するのは、埼玉県の所沢市にある「西野春平」さんのギター工房!
最寄駅から歩くこと約10分、閑静な住宅地の中に西野さんの工房があります。

玄関には「西野手工ギターウクレレ工房」の看板があり、ウクレレ用の木材が外にも並んでいます。

中に入ると早速、数えきれないほどの木材が……!
こちらはウクレレやギターのパーツ用ということで、奥にもたくさんの木材が所狭しと並べられていました。

作業スペースに足を踏み入れると、今回の選定用の木材がずらり!

更に奥に入ってみると、メインの作業スペースがあります。
量産品と違い、全ての工程を一人で製作する手工ギター。西野さんは個人工房のため、自分が作業しやすい環境にしっかりと整備されているようです。
道具も長年手を入れながら使用している物がほとんどで、ひとつひとつにこだわりと誇りを感じます。

この場所で当店にも並ぶ何本ものギターが誕生していると思うと、感動もひとしおです…

固定が終わった横板を型から外すところも見せていただきました!

ちなみに治具や成型用の型も自作とのこと!モノづくりの並々ならぬ情熱が成せる業ですね。

ギターの話だけではなく、趣味の車の話や刀の話も気さくに語っていただきました。
刀についてはご自身のギター制作にも活かしており、ネックや天神の削りなどは小刀を使って行っていました…!
(動画内でネックを削っているところがございます!是非チェックを!)

選定材オーダーギター3本をご紹介!

すでに大満足の内容ですが、これで終わってはいけません。
最大の目的である「ギターの木材選定」を特別にさせていただき、今回は渾身のギターを3本注文いたしました!
一本ずつご紹介させていただきます。

■NR-3 松/650mm

西野春平氏のベーシックモデルである「NR-3」。
個人製作家としては製作ペースが早く、その丁寧さに定評がある西野氏ですが常に品薄の人気商品です。ジャンル問わずオールラウンドに使える定番商品です。
表板の松、横裏板のインディアンローズウッドは西野さんと共に選定し、今回は島村楽器カスタムとしてバインディングをメイプル材に変更いただきます。

○仕様
表板:松単板
側板:インディアンローズウッド単板
裏板:インディアンローズウッド単板
塗装:ラッカー

■NR-3 杉/640mm

先程のギターは表板を松にしていましたが、今回は杉単板をチョイス。
しっかりとした響きの中にも、杉特有の甘さと柔らかさを兼ね備えた「NR-3」のもうひとつのスタンダードです。
今回は演奏性を高めるため、わずかに短い640mmの弦長でオーダーいたしました!
こちらも島村楽器カスタムとしてバインディングをメイプル材に変更いただきます。

○仕様
表板:杉単板
側板:インディアンローズウッド単板
裏板:インディアンローズウッド単板
塗装:ラッカー

■NR-3S CWPU 松/640mm

今回、浦和店として初めてのオーダーということで「当店ならではの一本が欲しい!」と以前より相談しておりました。
そして、綿密な打ち合わせと材の選定を経て、「アコギを弾く方のためのエレガット」をテーマに制作をお願いいたしました。

クラシックギターとアコースティックギターでは構え方が異なるため、抱えるように持っても弾きづらくならないように、
弦長は若干短めの640mmを採用し、通常のクラシックギターに比べ5mmほどボディ厚を薄くオーダーしています。
また高音弦側を弾きやすくするためにカッタウェイを追加し、L.R.Baggs製のピックアップを搭載。
さらにナット幅を48mmと細目にすることで、ソロギタースタイルから弾き語りにも対応できる、まさに「アコギ弾きのためのエレガット」になりました!

○仕様
表板:松単板
側板:インディアンローズウッド単板
裏板:インディアンローズウッド単板
塗装:ラッカー
ピックアップ:L.R.Baggs DUAL

今回オーダーのギターは11月入荷予定!

今回、初めての訪問だった私を非常に優しくお迎えしてくださった西野さん。
大変気さくな方であり、ギターや趣味のお話をされるときの瞳は少年のように輝いていました!

西野さんは全ての工程をお一人で行っていますが、特に製作スピードが早く、丁寧であることでも有名です。たくさんのギターを何十年も製作されてきたからこそ、たくさんの経験が注ぎ込まれたギターと言えるでしょう。

ご訪問させていただき、本当にありがとうございました!!

この記事を書いた人

アコースティックギター担当/ギター上級アドバイザー奥貫(おくぬき)

アコースティックギター担当/ギター上級アドバイザー奥貫(おくぬき)

ギターアドバイザーとしてアコースティックギター全般を担当しています。
アコースティックギターの弾き語りからギターの世界に没頭し、今では自宅に防音室を導入して演奏を楽しんでいます。

クラシックギターの木材選定やカスタムオーダーの経験から、お客様の演奏スタイルや好みの音色に合わせたご提案をいたします!
これから始める方や久しぶりにやってみたい方のご相談もお任せください!楽器のご説明からご予算に合わせたご提案、試奏時の音出しもサポートいたします。

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