![CONTENTSNeveサウンドを追求した各社の1073Neveサウンドを追求した各社の1073 BAE Audio/1073 BAE Audioは、これまで数多くのヴィンテージNEVE1073の改造で得たノウハウを全て投入して、新しい1073を完成させることに成功しました。このClassic107 […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/shinjuku/wp-content/uploads/sites/21/2024/09/20240921-20240422_ams-neve_1073spd-x_l1600.jpg)
島村楽器新宿店の小杉です。
歴史的背景を持ったメーカーのAMS Neveから現在も1073Nが製造されていたり、様々なメーカーからクローンモデルが製造されているNeve 1073について調べてみました。
AMS NeveのWebサイトに "The History of the 1073®" という"まさに"のサイトがありましたので、重要な部分を抜き出して翻訳します。
CONTENTS
いつNeve1073は生まれたのか
1970年、ロンドンの Wessex StudiosがRupert Neve氏と彼のチームに音楽録音用のコンソールの作成を依頼したことから制作が始まりました。
そのときに作られたコンソールNeve A88に採用されたプリアンプ・EQセクションのモジュールがNeve 1073です。
("The History of the 1073®" より意訳 )
トランスの設計
アウトプットトランスのLO1166はRupert Neve氏自身が開発し、10468マイク入力トランスと31267ライン入力トランスは、1967年と1968年にMarinair Radar社とNeve Electronics社が共同で開発したものです。
("The History of the 1073®" より意訳 )
1073® のプリアンプ
1073 モジュールで採用されている独自のゲインステージングでは、入力ステージに2つの異なるトランジスタベースのゲインステージが重ねて配置されています。
("The History of the 1073®" より )
BA283アンプカード
ラインアンプ/トークバックで使われていた1272という1073に近いモジュールがあります。
BA283という1073と同様のアンプカードが使われておりヴィンテージのNeveから1272を抜き出してラックにして使えるようにした製品があります。
それらの製品は大変キャラクターのある音でレコーディングできましたのでBA283というアンプカードも1073のサウンドを作り出す上で非常に重要なようです。
1つがBrent Averill(BAE Audio)がラッキングしたBrent Averill(BAE Audio)/1272です。
レコーディングをした際の印象は、倍音付加があり力強いサウンドでありながら落ち着いたサウンドという感じでした。
フロントパネルに"MADE FROM NEVE 1272 MODULE"と書いてあるか"MADE FROM 1272 MODULE"と書いてあるかでヴィンテージのNeveを使ってるかリビルドされたモジュールを使ってるかが変わるのですが、どちらかは失念してしまいましたがAMEK 9098EQと質感が似ているなという印象でした。高域がBrent Averill(BAE Audio) / 1272の方が落ち着いていました。
もう一つがWAVERIDER/WR-72 DUAL MIC PREAMPです。
販売終了となっていますが、Neve系の素晴らしいマイクプリアンプの1つです。
ヴィンテージNeveが新品に近い状態のときはこういう音だったのかな…と想像しつつ、すごく良い音で録れるマイクプリアンプという印象です。
MarinairとSt. Ives WindingsとCarnhill
Neveのサウンドはトランスが重要とよく言われます。
市場でもMarinairかCarnhillかでビンテージのNeveの価値が異なっています。
(Marinairの方が価値が高いとされています)
Marinair Radar社が事業を停止した時に、Marinairの仕様をSt. Ives Windings社に伝えてその後、St. Ives Windings社がCarnhill社に買収されてCarnhill社がNeveのトランスを作っていました。
("AMS Neve/Marinair® Transformers" より意訳 )
EQセクション
プリアンプにフォーカスされがちですが、1073はEQも音楽的で使いやすいです。
High Shelf
12kHz固定
±18dB
Midrange Band
360, 700, 1.6kHz, 3.2kHz, 4.8kHz, 7.2kHzから選択できる
±18dB
Low Band
35Hz, 60Hz, 110Hz, 220Hzから選択できる
±15dB
EQLスイッチ(EQのスイッチ)をオフにしてもオーディオにわずかにカラーを与えます。これはシグナルがまだ回路を通っている事実を証明します。
EQLスイッチがオフでもハイパス以外のフィルター・バンドのすべては、Neve 1073 のクリッピング動作に影響を与えます。したがって、EQL スイッチがオフでも EQ の値は、シグナルに重要な影響を与えることがで
きます。
「EQは12kを空気感、1.6kを芯、220をボディと考える」
とNeveマスターの門垣良則氏(WAVERIDER)のHeritage Audioの記事にあります。この言葉を心得てからNeveのEQを積極的に使えるようになりました。
(Heritage Audio : マイクプリ & EQの必要性と使い方より)
AMS Neveの1073
厳重に守られたNeve独自の秘密であるMarinairの仕様に沿って作られたトランスをAMS Neveは使うことができます。
Neve® Marinair™トランスが使われている、AMS Neve / 1073DPAでレコーディングをした際の印象は、こちらも倍音付加があり情報量が多く存在感のある音像が大きく感じるサウンドでした。
店頭にある店頭にある500 SeriesのAMS Neve/1073LBは電源の違いのせいか1073DPAと少し違う感じはしますが、こちらも存在感のある音像という印象でした。
AMS Neve/1073N
1073® Nは、オリジナルの仕様に忠実に製造され、コンポーネントをマッチングさせることで、サウンドを忠実に再現しています。 クラスAデザインの1073® Nマイク・プリアンプは、3バンドEQとハイパス・フィルターを搭載しています。
録音に暖かさと深みを加え、微妙な雰囲気を引き出し、空間的なポジショニングを維持し、より正確なイメージを捉えます。
入力と出力には専用のNeve® Marinair™トランスが採用されています。
Neveサウンドを追求した各社の1073
BAE Audio/1073
BAE Audioは、これまで数多くのヴィンテージNEVE1073の改造で得たノウハウを全て投入して、新しい1073を完成させることに成功しました。このClassic1073は、オリジナルと同じCarnhill(St.Ives)製トランスを使い、プリント基板のアートワーク、コンデンサーなどのパーツ、更にはシャーシに至るまで忠実に再現されており、ヴィンテージNEVEサウンドの決定版として世界中のスタジオで高い評価を得ています。
このほかにもBAE AudioはEQの周波数ポイントを拡張した上位機種をいくつか製造しています。

Heritage Audio/HA73EQ Elite
イギリスのSt.Ivesで手巻きされる業界標準の Carnhill製トランスを使用しています。
高品質なパーツを使っているのに他社の同機能の製品と比較すると、お求めやすい価格です。

Golden Age/PRE-73 PREMIER
入出力トランスフォーマーにオリジナル機同様の英国製Carnhill社のトランスフォーマーを搭載しています。
EQ付きモデルもありますが、こちらのEQがついてないモデルは、よりお求めやすい価格です。

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