弦楽器フェスタを10倍楽しむ方法Vol.4
~ヨーロッパ買付をバーチャル体感して臨む~
こちらは、弦楽器製作の町で有名な、イタリアのクレモナにあるトラッツォ(塔)からの風景・・・
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弦楽器フェスタ2017秋の開催まで2週間です!
これまでご来場されたことのある方も、まだない方にも存分に楽しんでいただけるように、5回に渡って見どころをご紹介しております!
・第1回 ~弦楽器フェスタ会場のご案内~
・第2回 ~コンサート曲目を予習して楽しむ~
・第3回 ~弓の基礎知識を予習して臨む~
・第4回 ~ヨーロッパ買付をバーチャル体感して臨む~
・第5回 ~弦楽器フェスタ会場スタッフ紹介~
弦楽器フェスタ2017メインページはこちらから↓↓↓
■弦楽器大展示会!弦楽器フェスタ2017秋開催!11/23(木祝)~26(日)INグランフロント大阪店
■11月25日(土)日本センチュリー交響楽団 松浦奈々ヴァイオリンコンサート 弦楽器フェスタ特別企画
弦楽器買い付けブログ2017秋随時更新中!
2017秋買い付けブログご紹介
・Vol.1 イタリア編
・Vol.2 イタリア編
・Vol.3 イタリア編
・Vol.4 イタリア編
・Vol.5 イタリア編
・Vol.6 イタリア編
・Vol.7 イタリア編
・Vol.8 イタリア編
・Vol.9 フランス編
第4回 島村楽器のヨーロッパ買付をバーチャル体感して臨む
前回の予告では、展示予定の目玉商材を予習すると申し上げておりましたが、弦楽器フェスタの展示楽器紹介記事で詳しく紹介されておりますので、そちらをご覧いただくとして、、、
今回は、どのように買付をしているのかを、バーチャル体感していただきたいと思います!
弦楽器フェスタが開催されるまでの裏側を、そして買付スタッフの弦楽器に対する、こだわりと情熱を知っていただけますと幸いです!
ではヨーロッパ買付の旅へいってらっしゃい!
買付の工程
ここはヨーロッパの、とある駅です。
ひとくちに「1週間ほどヨーロッパで弦楽器を買い付けてくる」と言われても、優雅で楽しそうにしか聞こえません。
しかし!冷静に考えてみると、ヨーロッパは広く移動だけでも大変です。
移動に時間がかかるときは、午前6時には出発して、午後からやっとディーラー、工房で選定、ということも日常茶飯事。それに日本みたいに時間通りに電車が来ない、ということもあり、精神的にも体力的にも過酷な仕事なのです!
移動中は、その日の交渉の打ち合わせや、買い付けた楽器のデータ整理、値付け、ブログの記事作成などに充てられます。
買付の現場
工房での買付
まずはイタリアで多いパターン、個人製作の工房を訪ねてみましょう!
といっても、急にお邪魔するわけではなく、予め日本からアポイントを取って訪問します。
初めてお会いする製作家ですと、お互いにどんな人かわからないので、緊張感が漂っている感じです。
まずは、島村楽器がどんな会社なのか、という自己紹介から始まり、どんな理念を持っているのか、どんなお客様がいらっしゃり、どうやって音楽の楽しみを提供しているのか、そしてお客様にどんな楽器を求められていて、私たちが提供したいと思っているのか、なぜマエストロに会いに来たのか、様々なことをお話しします。
ここでは弊社弦楽器マイスター茂木が本領発揮です!
他の工房でも
語って
語って
語りまくります!
マイスターが止まりません!
そして逆に、マエストロが持っている弦楽器に対してのパッションを細かく伺いながら、どんな考え方で、どんなモデルや木材を使用して、どんな思いで楽器を製作しているのか、疑問に思ったことを質問します。
するとマエストロたちは、マイスターの質問に対して熱く語ってくれるのです!
真剣なまなざしで
語って
語って
時にはレクチャーしていただくことも!
技術者としての興味も刺激され、同行スタッフが置いてけぼりになるぐらいの、ディープな技術談義になることもしばしばだとか。
お互いの長い情報交換が終わり、やっと楽器を試させていただきます。これ、いいね!
楽器の買付をする上で、良い音が出るのを選ぶのは、当然の判断基準ですが、お互いの理念やこだわり、情熱を理解し合い、これからも良いパートナー関係を気づけるのかどうか、言わばマエストロの人となりも含めて買い付けます。買付を始めた当初からの、変わらないスタイルです。
また、一度関係性を築いたマエストロにはオーダーを出すこともあります。
人気製作家になると、プロをはじめとして世界中からオーダーを受けるため、いつも工房に楽器があるわけではないからです。
ただし、オーダーした楽器が完成したからといって、試さずに購入することはありません。
島村楽器のお客様が求められるものになっているか、楽器の音色や状態も含めて、実物を見て購入するかどうかを決めています。
ディーラーでの買付
では次に、フランス、ドイツ、チェコなどで多いパターン、ディーラーでの買付に行きますよ!体力はまだありますでしょうか!?
ディーラーでは以下のような場所で選定します。
これでもディーラーの扱っている在庫の一部なのですが、ずらりとバイオリンが並んでいます。
これらを一本ずつ、修理歴や健康状態をまずはチェックしていきます。日本に持ち帰った後にトラブルになりそうな健康状態のものは、ここで選定から外していきます。
次に音出しチェックをしていきます。
そして、お客様にこれなら気に入っていただける!と思った楽器を決めます。
多い時には買い付けた楽器の本数に対して、約10倍の本数から選定するそうなんです。
例えば60本ほどから選定するとすれば、1本試すのに5分ぐらいかけるとしたら、60本×5分=300分、、、えー・・・約5時間もかかるんですか?
他にもあります。
置く場所がないのでキッチンに置いて試奏です。
まだまだ続く選定。
下の戸棚にもありました。
楽器の選定経験がある方であれば、共感していただけるかもしませんが、楽器を選ぶとき、音を聴くために大変な集中力を要します。数十分も続けると、感覚がマヒしてきて、わけが分からなくなって、同じように聴こえてきます。
選定というのは、すごく神経が磨り減る作業なのです。なので、休憩を挟みながら作業を進めて行きます。
もちろん弓の選定もあります。
ホテルでも選定・・・ご苦労様です。(感謝)
お疲れさまでした、買付の現場をバーチャル体験されてみて、いかがでしたでしょうか?
こうして買い付けたほとんどの楽器は、そのまま持って帰るのではなく、後日送られてきます。
日本に到着したら輸入通関手続きを経て、工房に届けらます。
入荷した楽器は、選定の時と状態や音色が変化しているものが多いです。そして、工房の技術スタッフによって調整されます。
こうして楽器たちは、弦楽器フェスタでお客様の前に並ぶのです。
買付スタッフに海外での買付あるあるを訊いてみました!
- 野菜が全く食べられない。全く家庭料理でもサラダが出てこない。青汁持参して良かった。
- 食べ物をあまりシェアしない。ピザなど1人1枚で他の人とあまりシェアしない。日本では4人でピザを食べに行くとしたらシェアして4種類食べられると思うが、向こうでは1枚丸々食べきらないといけないため味に飽きる。
- イタリア語が話せたらもっと良かった。英語でも会話や関係性を築くには困らないが、母国語の方がより近い関係性になれたのではと後悔している。英語とともにもっとブラッシュアップしたい!!
- 弦楽器マイスター茂木がクレモナで5分も歩けば、知人や製作家の方々が話しかけてこられ、モンドムジカ(※)は特に先へ進むことが出来ない。
※モンドムジカ・・・イタリアのクレモナで開かれる楽器の展示会のこと。
編集後記
関西弦楽器アドバイザーの山﨑です。
買付ブログでは良い景色や、何やら美味しそうな写真がたくさん載っていて優雅な雰囲気に見えます。
買付に行ったことのない私は、写真の裏側では、こんなに手間暇をかけているんだと思いました。
今はメールで注文したら、渡航せずとも海外の楽器が手に入る時代です。
しかし、「ヨーロッパから買い付けたから良い楽器」なのではなく、「私たちが目と耳で良いと思った楽器を、マエストロたちのパッションとともにお客様にお届けしたい。」という買付スタッフの思いが島村楽器の買付のこだわりなのだと感じました。
買付スタッフたちがそんな大仕事をこなせるのも、彼らが「これは良い!」と思って買い付けた楽器と、お客様が出会われたときの笑顔や喜びが、力を与えてくれるからなのかもしれません。
1人でも多くのお客様に、弦楽器フェスタをお楽しみいただけると幸いです。
ご来場を心よりお待ち申し上げております。
次回予告
当日弦楽器フェスタをご案内する関西弦楽器アドバイザーたちをご紹介致します!
弦楽器フェスタ2017秋同時開催!11/23(木祝)~26(日)
毎年ご好評いただいている弦楽器の大展示会『弦楽器フェスタ』今年も11月に開催いたします!
ヨーロッパ各国で買い付けた新旧の名器・名弓から入門用まで、100本を越えるモデルを展示。
点検会・コンサートも同時開催いたします。厳選された弦楽器との出会いを、ぜひこの機会にご堪能下さい。
弦楽器フェスタ2017秋メインページはこちら!
大阪・梅田で弦楽器をお探しの方は島村楽器グランフロント大阪店にご相談ください!
バイオリン・チェロが初めての方も、ご経験のある方も、楽器選びからアフターケア、音のご相談、アクセサリー選び、はては演奏やレッスンのお悩みにいたるまでお困りの方はどなたでも、是非当店に足をお運び下さい。弦楽器に関わり続けて20年の弦楽器担当をはじめ、当店講師が皆様の音楽ライフをサポートさせて頂きます。試奏もお気軽にできます!ご来店お待ちしております!
⇒ 厳選された「こだわり」のバイオリンをご紹介!
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