![CONTENTS弦楽器アドバイザー:村上弓の毛の種類について弓の修理料金に関してはこちら弦楽器アドバイザー:村上 弓の毛替えは、演奏頻度にもよりますが、一般的には半年から1年くらいで交換します。馬の毛によっても弾き心地や松脂の乗り方が変わりますので、ぜひご相談ください。 弓の毛替えをする目的とは? […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/oodaka/wp-content/uploads/sites/119/2025/02/20250224-20221015-20170824-bowhair.jpg)
弦楽器アドバイザー:村上

弓の毛替えは、演奏頻度にもよりますが、一般的には半年から1年くらいで交換します。
馬の毛によっても弾き心地や松脂の乗り方が変わりますので、ぜひご相談ください。
弓の毛替えをする目的とは?
弓に毛が張ってあり、松脂を付けたら音は出ます。
しかしながら、弓の毛で弦を擦ることで毛の表面が削られていくことをご存知でしょうか?
削られていくと、毛が伸びてしまい引っ掛かりがなくなり滑ってしまいます。そうなると松脂いくらつけたとしても、弓を引っ掛けても毛が伸びているので弦に乗らなくなり、滑りやすくなってしまいます。パワーがなくなったり、音色にも影響が出てくるため、毛替えをする必要があります。
毛替えをする頻度はどれくらいなのか?
毛替えの頻度は練習量によって変わってきますが、プロの演奏家には約3〜4ヶ月に1度替える方もいらっしゃいます。
「毎日弾かない趣味程度の人はどの位の頻度?」とよく聞かれますが、最低でも1年に1回替えることをお勧めしています。
もちろん、毛替えをしなくても弾く事は出来ますが、毛替えをするのとしないのでは音色に大きな差が出てきます。
ずっとケースの中に放置しているとカビが生えてくることがあります…。その前に張り替えてしまいましょう!
毛替えをするべきサインを5つご紹介!
①毛が伸びきっている
毛を張ったり緩めたりするネジを緩められるだけ緩めたとき、写真のように毛が長くなっていたら伸びきっている証拠。

②毛の根元が黒ずんでいる
毛の根元は黒ずみ始めていませんか?
松脂と積もりに積もった手あか・・・ずいぶん毛替えをしてないと出てくる現象です。
③毛の色が全体的に黄色っぽくなっている
写真の右の弓の毛が黄ばんでいるのが分かると思います。
たとえ新しく毛替えをして、全く弾かなかったとしても毛は劣化していきます。
全体的に変色してきたら古くなっているサインです。

④毛が少なくなってきた
演奏していて毛が切れる事がよくあります。
それが重なるといつのまにか毛が少なくなっていて、以前より音が出ないと感じる事も・・・

⑤前回の毛替えから1年以上経っている
松脂が付きっぱなしで長く置いておくと、、、
カビが発生し、弓の毛だけではなくケースの中にもカビの胞子が蔓延する原因になります。
毛替えの頻度は、長くても1年に1回のペースで行なうと良いでしょう。
こんな時も良いタイミングです!
多湿期に入る前、乾燥期に入る前
毛が古くなると毛は伸びきってしまいますが、それとは別に
湿気の多い時少ない時で少し毛が伸びたり縮んだりします。
1年を通してベストな長さで演奏を行うには、梅雨に入る直前に1回、
秋になって1回行うとより良いでしょう。
演奏会本番前
あまり直前だと、もしかしたら練習の時と感じが変わったと思われるかもしれないので、
1週間くらい前に毛替えをして、新しい状態で少し馴染ませ、良い音で
本番を迎えてみるのはいかがでしょうか。
松脂を変える時
松脂でも音色はかなり変わりますが、新しい松脂を上に重ねると
混ざってその違いがよく分からないこともありますので、毛替えをして、真新しい毛になったときは良いタイミングと思います。
弓の毛の種類について
スタンダード(モンゴル産)
一般的なモンゴル産の馬毛です。松脂の付きの良さとしっかりとした引き心地が特徴です。普段の練習やお子様用の弓にもおススメです!
デラックス(モンゴル産)
モンゴル産らしいしっかりとした弾き心地が特徴です。弦への食い付きが良く、スタンダードと比べ元弓から先弓までほぼ均一な太さで張ることが出来、安定したボーイングが可能です!
シベリア産
滑らかな弾き心地が特徴で、力感なく軽いボーイングでもしっかりと発音します!柔らかい音色がお好みの方にお勧めです。
カナダ産
一番の特徴はレスポンス(音の立ち上がり)の良さ。反応が非常に良いので早い曲を弾いても1音1音しっかりと捉え、音の粒立ちが良くなります!
スペシャル(外モンゴル産)
モンゴルには内モンゴル(中国領)と外モンゴル(モンゴル国)とあり、外モンゴル産の馬毛は一本一本の毛がより太くしっかりとしていて、また洗浄・選別にも高いグレードを追求しています。弦への食い付きが良く、小さい音から大きな音まで幅広い演奏がしやすくなります。オーケストラや発表会前の方にお勧めです!
イタリア産
レスポンス(音の立ち上がり)の良さ、表現力を併せ持った馬毛です。当社でご用意している馬毛の中で一番太く、切れづらい特徴があります。
イタリア産(ルッキ)
通常のイタリア産と比べてふくよかで、太い音です。弓圧を加えなくても吸い付く感じがあり、響きを重視したい方や激しい曲など様々なシチュエーションで活躍します。
弓の修理料金に関してはこちら
当店にお持ち込みいただく場合、お預かりした後工房での毛替えとなっております。
予めご了承ください。
※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。