ボジョアエンドーサーである矢後憲太氏に突撃インタビュー!ボジョアのあれこれ、語っていただきます!前編

2023年10月26日

11/5開催ボジョアギャラリーに向けて特別インタビュー! 皆様こんにちは!大宮店の後藤です。来る2023年11/5開催のボジョアギャラリーに向け、矢後憲太氏にインタビューをご協力いただきました!ギターに求めるポイントやボジョアとの出会い、その特徴まで語っていただきます!インタビュー記事は前後編に分か […]

11/5開催ボジョアギャラリーに向けて特別インタビュー!

皆様こんにちは!大宮店の後藤です。
来る2023年11/5開催のボジョアギャラリーに向け、矢後憲太氏にインタビューをご協力いただきました!
ギターに求めるポイントやボジョアとの出会い、その特徴まで語っていただきます!

インタビュー記事は前後編に分かれてアップする予定ですのでお楽しみに!

それでは早速インタビューに参りましょう!

矢後憲太氏インタビュー!

矢後憲太氏インタビュー!

―――本日は宜しくお願いいたします。まず、矢後さんご自身のスタイルやプレイに対して、どのような点をギターに求めていますか?

 非常に大事な問題で、まず大前提として出したい音、表現したい音楽にしっかりと合った楽器を選んでいます。その要素が何かって話なんですけどまずは楽器自体が持つヘッドルーム。例えばフラットピックなどでガシッと強く強く入力したときなどに、音が飽和してしまって、ぺちぺちとなってしまう瞬間であったり、そういった入力値に対するキャパシティみたいなところですよね。そういったヘッドルームに余裕のある楽器が好きです。
 あと指で弾いてるとはいえ、僕はタッチが強いんですよ。そんななかで楽曲の中で一番大事なのがダイナミクス!弱音から強音までの緩急や落差をつけながら弾くので、それにこたえられる楽器が必ず必要になってくるんですよね。
 なのでダイナミックレンジを広くとれるということ、ヘッドルームが広いということ。あとは月並みですけど、ピッチがしっかり正確であることとか、音の出足がスムーズであること、サスティンがしっかり長く響くこととか基本的なところはしっかりあってほしいという思いがあります。

―――タッチだったり強弱の出方であったり、ギターによってかなり変わりますよね。

 入力値の話をしましたが、結局強い弱いだけではなくていろんな要素で強音弱音って構成されてると思うんですよね。フェーダー的に音が大きい小さいではなくて。例えばアタックが強く音量が大きい音が重ね合わさっているとか、柔らかくふわっとした音とか、音色の表現とか、楽曲で言えば呼吸とかリズムの話とかすべてが合わさって強弱の表現になっていると思うので、そこを再現できるというのは非常に必要な要素だと思うんですよね。そもそもヘッドルームが無い楽器だと、全部すごく狭い中でやることになるのであまり自在には動けないんですよね。それがすごく大事ですね、僕の中では。

―――表現やアクセントなど楽器としての幅の部分にはかなりこだわっていらっしゃるんですね。

 ものすごくこだわっています。右手のタッチで「音を創る」というのを心掛けています。指で弾くので肉と爪の掛け具合の比率がどのぐらいにあるとどんな音が出て、それをリアやフロントなどポジションでどう変わるのかあらゆる要素をかけ合わせて出したい音を狙って「創っていく」ので、この創っていくという行為に対して調整幅のない楽器だとそもそも表現にならないんですよね。それが一番大事です。

ボジョアとの出会い

ボジョアとの出会い

―――ボジョアとはいったいどのようにして出会われたんですか?

 もともとボジョアというギターがすごくいい楽器だというのは昔から聞いていたのですが、中々触る機会が無かったんです。そんな中、ハンドクラフトギターフェスでボジョアアンドイーストマンが大々的に展開していて初めて触る機会が訪れたんですよね。
 そこで見た感じ良さそうだったんですよ。何となく見ると良さそうとか合わなそうとか、そんな感覚が自分のフィールであるんですけど、良さそうと思って片っ端から弾かせてもらったんですよ、そしたらすごく良くて(笑)

―――すごく良かった(笑)

 何がいいってアコースティックギターも時代に合わせて市場が進化しているなと感じていて。例えばプレイのトレンドとか、トレンディなアーティストさんとかそういうのに合わせて皆さんってギターを購入されたりするじゃないですか。そんなこの令和の時代に於いて、かなり硬派だぞと。トラディショナルをトラディショナル然として守っているというか。古き良きという言い方が良いのか悪いのか分からないですけど、良い時代の良い楽器を触らせてもらった感覚をまず第一にピンと感じたんですよね。
 これは決して古臭いという意味ではなくて、フィールやサウンドに関しては良い時代の良い楽器を感じさせてくれつつも、弾きやすさとかプレイヤビリティに関しては驚くほど時代に合わせてきてるんですよね。要は弾きやすくてモダンだったということ。感じる感覚に古き良き風格が強くありつつも、実際弾いてみると驚くほどモダンに操作できる。これは良いぞと。これがファーストインプレッションでしたね。

―――実際に使っていて感じる点はありますか。

 最初に思ったことがより色濃くなっていく、シンプルにそのベクトルがどんどん深まっていく感じですね。古き良きと言いましたが、最初ちょっと硬い感じがあるんですよね、これがたまらない!
 昔からアコースティック楽器の世界ではあるんですけれども、最初どれくらいガチガチかっていう、弾いていくほどに育つかっていうこの要素なんですよね。例えばアコースティック楽器なので振動効率を高めようと、板を薄くしていく方法やブレーシング、力木をスキャロップするとか薄くするとかいろんな方法があると思うんですけれども、そういった方向で振動効率を高めていった楽器はあまり成長しないことが多いです。ただし、最初から滅茶苦茶鳴るんですよね。バーンって感じ(笑)
 音が遠くに飛ぶっていうよりも開けた感じに広がっていく感じ。なんだこれ凄いってなるんですよ。こういう楽器の方が最近は増えているような気がしているんですけど、そういったギターは最初からほとんどMAX出ているんですよ。凄い頑張ってMAX出るように作られています。だから成長しろが無いというか。育つ楽しみはあまり無いというか。

触って、育てる楽しみ

触って、育てる楽しみ

―――確かにそういった最初から派手に音が出てくれるギターは、昨今人気な印象があります。

 ただ、そういったギターはおいしい芯が出るとか、そこをプレイヤーが出し入れするゾーンの旨みがあまり長く持たないと感じていて。買って最初の瞬間から最高に鳴るものの、旨みが継続する時間だったり、育つごとに引き出していく深みの凝縮感が違いますね。ちなみに育てたギターの方が旨みは濃いです。
 (ボジョアは)最初は渋いんですよ、カチカチなんですけど、育てて育てて1年2年3年弾いていって、育てていった方がその旨みも十分強いものがあるし、おいしく使える時間が本当に長い。これは古くからある概念なんですよね。時代が求めるニーズとかトレンドによって大きく揺れ動いていていろんなものが混在する時代、そんな中にあって、非常に昔ながらの育てる良さを持っていて旨みが強い楽器だなと感じたんですよね。
 これがピンときた一番いいところ。

 同じトラディショナル系統で他のメーカーさんもたくさんあるじゃないですか。
ただ僕のフィールでいくと、ボジョアはどのブランドさんよりも現状出してくるもののすべてがわりとガチっとしている。要は育てるギターっていうのがビンビンあるんですよね。硬派って感じで良いですし、もともとそういう楽器が好きなんですよね。
 じゃあだからと言って最初から鳴らないのかっていうとそんなことはないんですよね。最初から凄い音量は出るし綺麗なサスティーンも出るし完成されているんですけど、そこじゃない。もっともっと旨みが凝縮されていくんですよね。最初Dシェイプとかは6弦の出方に関しては露骨に渋かったりします(笑)
 あれ、なんか低音がちょっと弱いんじゃないかなって。そんな時はサイドバックを触ってみてください。最初なのであんまり動いてないと思います。そして2年弾いてみてください、ガシガシ。驚くほど動くようになってパンチのある低音が急に出てくる。

―――急になんですね。

 なんかいきなりなんですよね、徐々にではなくて。特にローズ系の重量材の場合は最初がっちり作ると初動はそんなバンバンに震えないです。当然です、伸びしろが残っているので。でも最初から鳴らないわけではないんです。十分楽しめるんですけど、弾き込めばえぐい程に出てくるんで。持っている方は楽しみにしていてください。(笑)

―――確かに弾いているとそういった潜在能力の様なものは感じますね。

 表面撫でてる感ですよね(笑)。ポテンシャルがかなり高いのが一発で伝わってくる。それを最初からしっかり感じさせてくれるのがミソだと思っていて。最初、ただ単に鳴らない楽器だと魅力が薄いと思うんですけど、こいつは育つぞみたいなのがバンバン伝わってくるんですよね。
 それを毎日触って育てていく楽しみって、ちょっとかけがえのないものな気がしていて、僕はそれ大好きなんですよね。良いものを買って、長く付き合って自分で育てて凄い良くしていくっていう、楽器と付き合うサイクルとしては健全な(笑)
 お金を出すということに対して、長く付き合えるという健全なサイクルがちゃんとあるような気がして。そこまで含めてボジョアと付き合っていくことなのかなと思うんですよね。
 良い楽器の定義というのはこの時代多様過ぎて、色々ありすぎちゃうんですよ。実際どのブランドさんも音が良いんですよ。ただ、音の良さというのはいろんな種類があって、その中でボジョアには強烈な旨みがありますね。

前編いかがでしたか!?

今回はここまで!次回矢後氏が感じたボジョアの特長や所有するソロイストについて、またどんな方にオススメかミッチリ語っていただきます!
後編をお楽しみに!

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