ここに、普通のフルートの頭部管があります。                                       フルートを吹いている方なら、見慣れた姿ですね。                   唇を当てるリッププレートがあり、その中央には歌口があります […]

【本当にあった怖い話】フルートのリッププレート、本当に外れるんです─組み立てる時に気をつけたい「持つ場所」【島村楽器 名古屋パルコ店|フルートインストラクター 森川健士】

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公開:2026年09月29日

更新:2026年09月29日

      

     

     

ここに、普通のフルートの頭部管があります。

      

     

     

      

     

     

フルートを吹いている方なら、見慣れた姿ですね。

     

     

     

唇を当てるリッププレートがあり、その中央には歌口があります。

     

     

     

      

     

      

      

     

     

何の変哲もない頭部管です。

     

     

      

      

      

      

     

        

     

     

     

     

ところが……

     

  

     

      

      

      

    

       

     

         

     

     

     

     

      

     

     

     

     

     

     

     

     

     

……ん?

     

     

     

     

     

      

  

      

      

      

     

      

     

     

      

      

      

      

     

     

     

     

     

     

ちょっと待ってください。

     

     

     

     

     

     

     

     

      

     

     

     

     

     

       

     

      

      

      

     

     

      

     

     

     

……完全に外れてしまいました……。

      

     

     

      

      

       

       

       

     

     

     

     

そうです。

     

   

      

   

      

      

        

      

    

    

     

     

頭部管から、リッププレートが完全に外れています。

     

      

     

     

     

     

     

     

     

     

      

     

私は楽器の組み立て方を教える時に、

     

「フルートを組み立てる時、リッププレートを握ってひねらないでくださいね。ここ、外れることがありますよ」

      

とお話ししています。

     

     

ただ、そう言っている私自身も、完全に外れた実物を見るのは今回が初めてでした。

     

知識として「外れることがある」とは分かっていたのですが、実物を目の前にすると……

     

    

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    

フルート吹きとしては、正直ちょっとテンションが上がってしまいました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    

     

    

    

「裏側ってこうなっているんだ……!」

     

と、思わずじっくり観察してしまいます。

     

※今回掲載している頭部管は会員様よりご提供いただいたものです。普段から丁寧に使用されていた楽器であり、今回リッププレートが外れた原因を、組み立て方等によるものと断定するものではありません。

外れたリッププレート、裏側はどうなっている?

外れてしまったリッププレートがこちらです。

     

     

普段は頭部管と一体になっているように見えますが、こうして見ると一つの部品であることがよく分かります。

     

そして、裏返してみると……

     

     

こんな形をしています。

フルート歴が長い方でも、リッププレートの裏側をじっくり見る機会は、なかなかないのではないでしょうか。

     

さらに、リッププレートがなくなった頭部管側を見ると……

     

     

     

     

     

     

     

いつも見慣れている歌口とは、かなり違う姿です。

     

普段は当たり前のように唇を当てている場所ですが、こうして外れた状態を見ると、リッププレートが頭部管に取り付けられている一つの部品であることがよく分かります。

フルートを組み立てる時、ここを握っていませんか?

頭部管を胴部管へ差し込む時。

こんな持ち方をしていないでしょうか。

     

     

リッププレート、持ちやすいですよね。

     

指が引っかかりやすく、頭部管を回す時にも力を入れやすい。

そのため、フルートを始めたばかりの方が無意識にここを握っていることがあります。

     

ですが、

     

「持ちやすい場所」と「力をかけていい場所」は別です。

     

頭部管を抜き差しする時には、少し回すような力が加わります。

     

その時にリッププレートを握っていれば、頭部管を回すための力を、リッププレートにも加えることになります。

     

もちろん、一度握っただけで外れるという意味ではありません。

ただ、フルートを吹くたびに行う組み立てで、わざわざこの部分に力をかけ続ける必要もありません。

     

今回の写真を見ると、

「リッププレートは絶対に動かない、頭部管そのものの一部」ではない

ということが、よく分かります。

     

リッププレートではなく、頭部管そのものを持つ

組み立てる時は、リッププレートではなく、頭部管の筒の部分を持ちます。

     

     

     

胴部管側も同じです。

     

     

キイをギュッと握り込んで回すのではなく、できるだけキイに余計な力が加わらないように持ちます。

     

覚えておきたいことは、とてもシンプルです。

     

リッププレートは持ち手ではない。

キイも持ち手ではない。

      

フルートには、形としては掴みやすくても、強い力をかけたくない場所がたくさんあります。

「固いから、もっと力を入れる」は一度ストップ

頭部管がいつもより入りにくい時、

「固いな……もう少し力を入れれば入るかな」

と思うこともあるかもしれません。

      

そんな時は、一度手を止めてみてください。

     

いつもより入りにくい。

回しにくい。

抜きにくい。

      

そこでリッププレートやキイを握って力任せに回してしまうと、別の部分へ負担をかける可能性があります。

     

力を増やせば、問題が解決するとは限りません。

     

普段と明らかに違う感触がある場合は、無理に押し込まず状態を確認して、それでも気になる場合には楽器店や修理技術者へ相談する方が安心です。

たった数秒を、何百回、何千回と繰り返す

フルートを組み立てる時間は、ほんの数秒です。

     

ですが、フルートを吹くたびに必ず行う動作でもあります。

一回一回は何気ない持ち方でも、1年、2年と続けていけば、同じ動作を何百回、何千回と繰り返します。

     

だからこそ、最初に一つだけ覚えておいてください。

     

リッププレートは、唇を当てる場所。

組み立てるための持ち手ではありません。

     

私自身、初めて完全に外れた実物を目にして、

     

「……本当に外れるんですね」

     

と、改めて実感しました。

     

     

次にフルートを組み立てる時、一度だけ自分の手元を見てみてください。

     

この姿は……

     

できれば「記事で見たことがある」だけにしておきたいですね。

ところで、この頭部管……吹いたらどうなる?

ここまで見て、

「リッププレートがない状態でも音は出るの?」

と気になった方もいるのではないでしょうか。

     

私も気になっています。

     

そこで後日、この頭部管と通常の頭部管を使って、実際に吹き比べた動画をアップする予定です。

     

音色はどう変わるのか。

吹き心地はどう違うのか。

どこまで普通に演奏できるのか。

     

私自身もこれから試してみます。

    

また、

「この曲で聴き比べてほしい!」

という曲があれば、ぜひリクエストもお寄せください。

     

通常の頭部管と、リッププレートのない頭部管。

      

同じ曲を吹いた時にどんな違いが生まれるのか、比べてみたいと思います。

     

フルート・オカリナ インストラクター森川 健士

フルート・オカリナ インストラクター森川 健士

クラシックのフルート奏者として研鑽を積む一方、「和」の表現に定評がある。木製フルートを愛用し、尺八の技法であるムラ息、メリ、カリ等の奏法を取り込んだ音作りは、従来の西洋フルートの透明感に日本の陰影を重ねた音として評価を得ている。 ソロ・アンサンブルでのリサイタル、プロオーケストラの客演、その他商業施設や企業イベントでの演奏や、2025年パリ「Fête de la musipue」出演、メキシコ観光大臣ご一行の前での演奏等、様々な演奏活動を展開。 日本フルートコンヴェンション・アンサンブル部門金賞、同アンサンブルアワード部門入賞、その他コンクール入賞多数。 CBCラジオなどメディア出演もあり。

     

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