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リペアマンのギターを徹底解剖! 序章【店長の気まま日記番外編1】
リペアマンのギターを徹底解剖! ペグ編【店長の気まま日記番外編2】
続いてはナットです。こちらは以前の記事を読んで頂いた方にはおなじみですが、チタン素材のナットです。
この記事を読んで実際にリペア依頼してくれたお客様もいらっしゃいました。ありがとうございます!
なぜチタン素材でナットを作ってみたのかというと、たまたまナットサイズに近いチタンの端材が手に入ったので
「これでナット作れるんじゃない?」
「金属でもブラスナットはよくあるけど、チタンナットってあまり聞いたことがないよね?」
と思って作ってみた事がきっかけです。
実際、音はどうなの?と気になる方もいるかと思いますが、正直・・・何とも言えません(笑)
あくまで感覚の範囲ですが、無駄な振動が抑えられてスッキリとした印象です。悪くはないと思っています。
あえてチタンにしなくても良いと思ますが、人と違った仕様にしたいという方には良いかと!
せっかくなので他の素材についても簡単にレビューしてみましょう!
牛骨ナット
主に通常の牛骨ナット(画像左)と無漂白のオイル付け(画像右)の2種類です。
牛骨ナットはギターの中では1番使われている標準的な素材です。なぜ牛骨が標準になったのか?と聞かれると答えられないので調べておきます。
無漂白オイル付けはその名の通り漂白せずオイルを染み込ませたナットです。
オイルが浸透している分、牛骨密度も高く弦の滑りも良いので、店長は特に指定が無ければこの材を使う事が多いです。
象牙ナット
稀少な象牙のナット材です。環境省、経済産業省の許可を得て販売しております。
牛骨よりも硬度があり、より煌びやかな印象です。画像では分かりづらいですが、独特の縞模様も特徴の1つです。
人工象牙ナット(TASQ、BLACK TASQ)
象牙の天然素材は稀少かつ高価ですが、その特性を元に人工的に作り出したのがグラフテック社のTASQという素材です。
その名の通り、音質は象牙同様に煌びやかな印象プラス摩擦の少なさによるチューニングの安定性も売りです。消耗は牛骨、象牙よりは早めな印象です。
他にもサドルやブリッジピン等もあり、アコースティックユーザーに評判が良いです。
金属
金属ナットの代名詞、ブラス素材です。加工前なので色はくすんでいますが、仕上げ時はピカピカに光ります。
牛骨よりも素材が硬いので、開放弦のアタックを求めるベーシスト(スラップする方)にもオススメです。
他にもプラスチックやカーボン、金属と牛骨を貼り合わせたハイブリッドなナット等、様々な種類があるので是非試してみて下さい。
色々と書いてみましたが、ナットにとって一番大事なのは素材ではなく「加工精度」だと思っています。
音質もそうですが、音程も左右する大事なパーツです。音痴なギターでは気持ち良く演奏出来ませんよね?
弦のピッチやナット弦高によって演奏性も大きく変わります。ナットの加工はリペアマンの腕の見せ所です!
素材の話をしながら全く違う結末にたどり着いてしまいました(汗)でも本当にそう思ってます。
さて、次回は・・・電装パーツについて話してみようと思います。これまた長くなりそうですね。
不定期更新ですが、またお付き合い下さい。
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