![どうも、リペアマン坪井です! この連載 「あなたの愛機カスタム図鑑」 は、お客様が大切にしている楽器を紹介しつつ、工房で行ったカスタムやリペアの記録を残していくシリーズです。 毎回、世界に一本だけの“愛機”を掘り下げていきますので、読んでいただいた方が「自分のも載せたい!」と思えるような記事を目指し […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/nagoya-repair-guitar/wp-content/uploads/sites/172/2025/09/20250923-samune.jpg)
どうも、リペアマン坪井です!
この連載 「あなたの愛機カスタム図鑑」 は、お客様が大切にしている楽器を紹介しつつ、工房で行ったカスタムやリペアの記録を残していくシリーズです。
毎回、世界に一本だけの“愛機”を掘り下げていきますので、読んでいただいた方が「自分のも載せたい!」と思えるような記事を目指しています。
第1回目は、FenderJP プレシジョンベースです。
【Before】

【カスタム内容】
①ピックガードを1プライホワイトから4プライ茶べっ甲に交換
②ポット、ジャックをCTS、SWITCHCRAFTにアップグレード
③ポットノブ、ビスを新品に交換
【ストーリー】
ご友人からお譲りいただいたのをきっかけに、これからベースを始められるとのことでお持ち込みいただきましたが、
修理のご説明をしているうちに見た目も自分好みのカスタムもしてみようかな!ということでご依頼いただきました。
特にピックガードは印象もガラッと変わりますので、実際に足を運んでいただき実物の色味をご確認いただきながらお選びいただきました。
【作業風景】
まずはピックガードの製作からスタートです。
今回は純正ピックガードを型にコピーするような流れで製作します。
大きな成形前のピックガード材に、純正のピックガードを貼り付け、荒く形出しをします。

次にトリマーという機械にセット。刃物の上部にベアリングが付いていて、それが超高速で回転するという仕組みです。
この機械で基本となる形まで出していきます。


純正と全く同じ形状のピックガードが出来上がります。
実際に楽器に取り付けてみて、ねじ穴の位置、ネックポケット、ピックアップ付近に無理が無いか確認します。

最後に縁を斜めに整形していくと、、、

ピックガード完成!
断面が4色の層になりました。

次にポットとジャックを交換!
今回は長くお使いいただけるように信頼性の高いCTSポットとSWITCHCRAFTのジャックを選択。
配線はホットとコールドをねじねじすることで外来ノイズが多少緩和されます。

極限までノイズを少なくしたい!ということであれば、シールド線を使うと効果的ですが今回はあくまでも王道プレべサウンド、
ノイズも音色の要素です。
坪井の基本は、ハンダの量は最小限、配線材の取り回しは無理なく美しく、です(^^)
マニアックな皆さまは配線の取り回しを眺めていたくなる気持ち、経験ありますよね。
実は配線材は、音色、ノイズ量、(わざわざ開けて見るマニアには)見た目と、楽器として大きな部分を担っています。
ゆくゆくは配線周りのカスタム、紹介したいですね!
そのなこんなでポットとジャックも交換完了!

カスタムではなくリペアになりますが、このタイミングですべてのねじ穴を補強しておきます。
この楽器はボディ材が非常に柔らかく、ねじ穴が崩壊している部分がありました。

粘度の低い瞬間接着剤を適量染み込ませ、木部補強で済む箇所はそれでOK。
崩壊しているところは一回り大きく穴を空けて、埋木の後に新たにねじ穴を空けます。

ボディ材が柔らかく非常に軽い個体でした。
その分、鳴り方は温かみのある音色で、非常にプレべらしいサウンド。
最後に組み込んで、ネックの反り、弦高、ナット溝、オクターブ、ピックアップ高さ、増し締めなどなど、、、
全体の調整をしたら完成!
【After】



楽器全体が引き締まった、スタイリッシュな印象になりました!
ベターなべっ甲ではなく、あえて茶べっ甲を選択されたのもこの楽器にしかない一味違ったアクセントになっていて個性的です。
このオーナーさまには、納品の際にストラトキャスターのポットノブもご購入いただきました。
気分で付け替えて楽しんでくださっているみたいです!
おしゃれなオーナーさまにぴったりな、世界に1本のプレシジョンベースが仕上がりました(^^)
ぜひあなたの楽器も、「あなたの愛機カスタム図鑑」に紹介させてください!
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