【ピアノインストラクターブログ Vol.5】音の追及~電子ピアノとアコースティックピアノの違い~

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2023年10月14日

皆さまこんにちは!ピアノインストラクターの芝田佳子(しばたかこ)です。 10月に入りだいぶ肌寒くなり、寒がりな私はもうヒートテックを着込んでます(笑)今年は暖冬とニュースで見て少し嬉しく思っています。今回は5回目のブログということでピアノを演奏する上での❝音の追及❞について記事を書いていきます。音楽 […]

皆さまこんにちは!ピアノインストラクターの芝田佳子(しばたかこ)です。

10月に入りだいぶ肌寒くなり、寒がりな私はもうヒートテックを着込んでます(笑)
今年は暖冬とニュースで見て少し嬉しく思っています。

今回は5回目のブログということでピアノを演奏する上での❝音の追及❞について記事を書いていきます。
音楽の演奏はひとつとして同じものはありません。演奏者一人一人の思いや作曲者が作った曲の対しての解釈はそれぞれであり、自分が「こんな演奏をしたい」という理想があると思います。

このように理想の演奏を求めていく中で音を追及するということに向き合います。
とても奥深いことですが今回は音を追及していくときに電子ピアノとアコースティックピアノで表現にどう影響があるのかをまとめました。

良い音とは

ピアノは鍵盤を押せば誰でも音(正しい音程)を出すことが出来ます。管楽器など音を出すことが簡単ではない楽器に比べると楽だと言われますが、その音の打鍵の仕方で全く違う沢山の音色を出すことが出来ます。
音は振動です。空間を伝わり私たちの耳に届きます。なので演奏している空間を巻き込んで音を響かせる意識をするといいですね!
「良い音」の定義はないですがよく響く音、調和がとれている音ではないかと私は考えます。

電子ピアノとアコースティックピアノで表現に違いは出るのか

電子ピアノとアコースティックピアノの違いを説明すると、音の鳴る原理が全く違います。

アコースティックピアノは、鍵盤を押す力によってハンマーが弦を叩き、弦の振動が響板と呼ばれる木の板に伝わり音が出る仕組みです。

電子ピアノは、そもそもハンマーや弦がありません。指先で鍵盤を弾くことで電子的に振動を作り出し、センサーが鍵盤のタッチを感知することで音が鳴ります。良い電子ピアノですとハンマーの叩くアクションを再現したものはありますが、弦を叩いて音を出すというアコースティックピアノならではの仕組みではない点が大きく異なります。

また、アコースティックピアノには「倍音」というものがあります。「倍音」とは、ある基本の音が鳴った時に、共鳴・付随して出てくる2~4倍、周波数が高い音が鳴っていることで、普段私たちが聞いている音は、基本となる音のほかにも同時にたくさんの音が含まれています。たとえば、ピアノで「ド」の音を出したとしても、ド以外の音もたくさん出ているので、単音のみの音が発生することはなく、最も大きく聞こえる音が基音、基音以外の音が「倍音」です。電子ピアノにはこの倍音の効果がありません。

この倍音をいかに響かせるかが音を追及していく上で大事になってきます。
倍音は、ガンと思い切り鍵盤をたたいても綺麗には鳴りません。タッチの仕方やペダルの使い方等、弾き方(奏法)を工夫すると綺麗に鳴ります。倍音を綺麗に鳴らすには、微妙なさじ加減のタッチの仕方が大切です。

このように構造を理解していくと電子ピアノでは表現が限られてくるのが分かります。したがって、ピアノの演奏の表現に違いはついてしまいます。レッスンや発表会、コンクールではグランドピアノでの演奏になるので本番を想定して音を追及する際はアコースティックピアノでの練習をお勧めします。

実際に音を聞き比べてみましょう

弾き比べてみて、音の広がりや伸び、音色をコントロールをする難しさを感じられるのはやはりアップライトピアノでした。

ベートーヴェン悲愴の第1楽章の弾き比べで感じたのは、電子ピアノもしっかり鳴っていますが、音の繊細な減衰がなく、鍵盤を離すと音がスッと消えてしまうのことが動画で感じていただけますでしょうか。
アップライトピアノは、弦の震えや響板の響きの余韻などによって空間の音の広がりを感じます。

ピアノを演奏するときに難しいことがP(小さい音)の表現です。Pをどれだけ美しく弾けるかが大切になってきます。
これを伝えるためにベートーヴェンの月光の第1楽章を取り上げましたが、電子ピアノは少し音が直線的に聴こえるような感覚がしました。繊細な1音1音の表現の変化が伝えにくくなっていると思います。
実際弾いていて私もこの曲のPの表現はまだまだ未熟ですが、繊細な1音1音の表現の変化の表現が可能なのはアップライトピアノだと思います。

まとめ

今回は❝音の追及❞をテーマにアコースティックピアノと電子ピアノの聴こえ方の違いを取り上げました。
決して電子ピアノがダメだと言っているのではなく、音の追及をテーマにしたときに鍵となるのはアコースティックピアノでの表現になります。今は電子ピアノも非常に発達しているものが多く皆様の目的に合った楽器を選んでいただけたらと思います。

また、楽器購入を検討している際はご相談を承ります♪おひとりおひとりに最適なものをご提案させていただきます!

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