【管楽器リペア通信】フルートお手入れ講座

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2017年05月26日

管楽器リペア通信 フルートお手入れ講座

仙台長町店の管リペアマン南波によるリペア通信

フルートを担当される方へ
フルートって日頃どんなお手入れが大切かをご紹介します!

目次

1、頭部管って?

2、反射板の位置の確認

3、頭部管のお手入れ

4、胴部管・足部管のお手入れ方法

5、組み立てる時固くなってしまったら

6、キイオイルの使い方

7.修理・調整料金

頭部管って?

フルートは三つの筒によって組み立てられます
唄口がある管を『頭部管』真ん中に来る一番長いところが『胴部管(主管)』右手小指で操作する短い管を『足部管』と呼ばれます。

頭部管には音程・音色を作る初めの管ですが、実は中に『ヘッドコルク』というコルクが入ってます!
このコルクはフルートの内部の長さを決める『反射板』というパーツを固定してます
コルクが劣化してくると位置がずれてしまったり、音の鳴りが悪くなることがあります。すぐズレてしまう方はリペアにて交換しましょう

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位置の確認方法

フルートはクリーニングロット(お掃除棒)という棒を使って中の水分をお掃除します。
実はこの棒の後ろには溝が掘ってあり反射板の正しい位置の確認ができるのです!

棒を軽く奥に入れてみましょう!
唄口のちょうど真ん中に溝(線)がくるのが正しい位置です

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位置がずれてしまっている方は直し方があります!
頭部管の一番端にキャップがついていますそれを時計回りに回すと反射板が動き、線が奥に入っていきます
反対に回すとキャップが外れてきますので、抜けた分を押し込むと反射板も押されて、線が手前に動きます!

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わかりづらくて申し訳ございません・・・直接リペアマン南波に聞きに来ていただければ実際に楽器を使ってレクチャーいたします!
また位置修正はその場ですぐに調整します。ヘッドコルクの状態もそこで見させていただきます!

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頭部管お手入れ方法

表面は傷のつかないクロスで乾拭きしてあげましょう
頭部管内は水分が溜まっていることがございます。クリーニングロットに綺麗なガーゼを巻いてあげて水分を取り除きます。

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さて綺麗になったかな? 管内をのぞいてみましょう!
頭部管の隅々まで綺麗になりましたか?画像

リペアマン オススメお手入れアイテム
  • アロリエ・トマアズ
  • カワベ・フルートスワブ

ガーゼだけでは取り除ききれなかった頭部管内の隅までバッチリ拭けます!

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メーカー 商品名 税込販売価格
アトリエ・トマアズ クリーニングロッド ¥1,980~¥2,750
アトリエ・トマアズ クリーニングクロス ¥858~¥1,072
カワベフルート フルートスワブ ¥1,540~¥2,090

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胴部管・足部管のお手入れ方法

頭部管同様にまずは管内の水分をしっかりと拭き取ってあげましょう!
フルートにはキイと言われる指で押さえて音程を変えるパーツがたくさんついてます。
そして、このキイにはタンポ(パット)と呼ばれる消耗パーツが付いてます。このタンポによって楽器をしっかりと塞いでいるのです

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タンポの塞がり具合によって音の出しやすさが大きく変わります。
リペアマンはこのタンポの塞がりをしっかりと調整したうえで、バランスなど修理していくのが基本になります!
タンポ素材はほとんどがフェルトで作られていますので水分や湿度によって膨らんだり縮んだりします。その変化によって塞がりづらくなってしまうのです。
なので日頃からのお手入れが大切になるのです!!!

演奏後にはタンポ表面や管体とタンポの隙間にも水分が残っています。
それをクリーニングペーパーで隅々まで取り除いてあげましょう!
管体とタンポの間にペーパーを挟み数回パタパタと指でキイを動かしてあげてください
ペーパーに水分がつかなくなったら完了です!

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※タンポにペーパーを挟んだまま引っ張って抜かないようにしましょう。 
タンポにはフェルトの上に薄い皮によっておおわれております。とても薄く破れやすい素材ですので気を付けましょう!
破れてしまったら残念ながら交換の修理になります...
気を付けていてもタンポは消耗パーツになります。表面が毛羽立ってきたり、なかのフェルトが硬くなってきたりなど様々です。

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数年も使用していると数ヶ所ずつ交換が必要になってきます。そんな時はリペアマンにお任せください!

胴部管・足部管にはたくさんのパーツが合わさって組立ってます。クロスで表面を磨いたりする際は十分に注意をしましょう!
細かい隙間や手の届かない場所は無理せず調整時にリペアマンがお掃除しますのでお任せください。
無理に行うとバネが外れてしまったりキイが曲がってしまったり故障の原因にもつながります...

リペアマン オススメお手入れアイテム
  • キョンセームクロス
    セーム革のクロスだから楽器を磨き傷からも守ります!
    リペアマン南波も愛用中で革なので、使えば使うほどしなやかに性能を発揮してくれます!

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  • BUZZ シルバークリーナー
    研磨剤が無く変色を磨く優れもの!
    綿状の物もちぎって軽くこするだけでOK!仕上げにクロスで磨けばピカピカに

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メーカー 商品名 税込販売価格
HISTORY キョンセームクロス Mサイズ ¥4,290
BUZZ シルバークリーナー ¥1,155

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組み立てる時固くなってしまったら・・・

楽器を組み立てる時固くて(きつくて)入りずらい時があります。
そんな時にグリスを塗られる方がいらっしゃいますが逆効果になってしまうことがありますのでやめましょう!

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組み立てる際のジョイント部は精密な嵌合(はまり具合)の調整がされています。グリスを塗布したことによりゴミやほこりが付着し傷つけてしまう原因になります。
まずは綺麗なクロスで表面を拭いてみて下さい。細かい汚れを取り除いてあげることが大切です
それでも改善されない場合は無理せずすぐにリペアマンにご相談ください!

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キイオイルっていつどこで使うの?

木管楽器にはたくさんのキイによって組立っていることは分かりましたよね!
たくさんのキイたちはネジやシャフト(芯金)によって支えられています。
その支えられているキイの接点にオイルを差してあげましょう!

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キイの動きが悪くなる前に注油がポイントです!毎日演奏される方であれば1~2週間に一回ほどが目安ですかね。
最低でも月一回がオススメです。ポイントを狙って数滴オイルを注してキイを動かしてあげてください。

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残ったオイル・管体表面についてしまったオイルはガーゼなどで拭き取ってください。
オイルが残っていると、そこにホコリやゴミが付着し動作不良の原因になってしまいます・・・
また楽器内のオイルは少しずつ古くなったり汚れてきます。

定期調整など全体調整の際はリペアマンが一つ一つ分解し、古いオイルや汚れをクリーニング・除去し新しいオイルを隅々まで注油します!
演奏者では届かない箇所やパイプ内などはリペアマンのお仕事です!
良いお手入れと定期的な調整・メンテナンスが演奏上達の近道ですね!

リペアマン オススメお手入れアイテム
  • モイスレガート
    楽器に適している湿度にキープ!
    ケース内の湿度を一定に保ってくれて調整崩れを抑えてくれます。

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  • Cガード
    変色は時間と共に進んでいく・・・
    ケース内に楽器と一緒に入れるだけで酸化による変色を抑えます!

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メーカー 商品名 税込販売価格
モイスレガート 楽器湿度調整剤・西陣織フルート用 ¥1,430
Cガード Cガード フルート用 ¥1,045

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良い演奏するためには良い状態の楽器が必要です

修理・調整箇所 基本料金(税込み)
全タンポ交換(※1) ¥42,000~+別途パーツ代
磨き(全タンポ交換必須) ¥11,000~
全体バランス・タンポ調整(※1・2) ¥5,500~
ジョイント調整 1ヶ所/¥1,400~
ヘッドコルク交換 ¥1,700~+別途パーツ代
  • ※1 機能面の再生(キィの動作修正・ガタツキ取り除き)が必要な場合は、料金が変わります。
  • ※2 タンポに破れ・痛み・変色などがあり老朽化している場合には、タンポ交換(1ヶ所/¥1,700~+別途パーツ代)が必要となります。

修理料金はあくまで目安の基本料金となります。
詳細金額につきましては、一度店頭にて楽器をお預かりしまして、お見積もりを致します。

上記以外の事でもお気軽にご相談下さい。
日頃のメンテナンスアドバイスも行っております!

是非一度、仙台長町モール店へ楽器の健康診断へお越しくださいませ!

仙台長町店
常駐管楽器リペアマン 南波(なんば)

お問い合わせ

店名 島村楽器 仙台長町店
TEL 022-304-2261

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