【2022年最新版】エレキギターの違いを知ろう!~木材編・ローズウッド達~

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2020年11月03日

こんにちは、島村楽器イオンレイクタウン店の中村です。 ギターという楽器はいくつもの様々なパーツの組み合わせが“バランス”して、そのギターのキャラクターが出来て上がっています。なので、ボディの材やネックの形状だけで、ひと口に特徴や音色を決めつけるわけにはいかないのですが、各主要パーツの『材』や『形状』 […]

こんにちは、島村楽器イオンレイクタウン店の中村です。

ギターという楽器はいくつもの様々なパーツの組み合わせが“バランス”して、そのギターのキャラクターが出来て上がっています。なので、ボディの材やネックの形状だけで、ひと口に特徴や音色を決めつけるわけにはいかないのですが、各主要パーツの『材』や『形状』によっての基本的な音の特徴を知っておく事は、ギターを買ったり、改造したりする時に非常に役に立つはずです。今回は「ボディの形状」、「木材による違い」、「ネック・フィンガー・ボード(指板)」の3パーツについて簡単にわかりやすくまとめてみたいと思います。まずはここから選び方のヒントを得られれば自分に合った仕様がみえてくると思います。それでは早速どうぞ!


エレキギターの木材とか仕様の違いが分かるようになる記事!

  1. ボディの形状について
  2. 木材による違い
  3. ネック・フィンガー・ボード(指板)
  4. 担当おすすめ一押しローズウッド達



ボディの形状について

エレキギターのボディは大きく分けてフェンダーのテレキャス、ストラトなどに見られる“フラット・トップ”という表面が平らなものと、レスポールやポール・リード・スミスなどに見られる“アーチド・トップ”という中心から外側に向かって緩やかにカーブ(アーチ)をつけたものに分けられます。(セミアコやフルアコなどの中が空洞のギターは除く)この2つの形状の違いはボディへの弦振動の違いにつながるので、音色も変わるはずですが、どちらが良いということはなく、好みで選んでいいと思います!!



木材による違い

エレキギターは、ボディやネックをはじめ、木材が使用されている部分が非常に多いです。実はその木材で出てくる音色や演奏性が変わるって知っていましたか?

ここでは、エレキギターに使用される代表的な木材。ボディ材とネックと指板に使用される木材について豆知識とともに書いていきます。

ボディ材

ボディの形よりも、材の違いの方が大きくサウンドに影響します。各材の特徴を知ってギター選びの参考にして下さい!また、より個性的なサウンドを目指したり、それぞれの材の弱点を補いあってバランスをとるために2つの違った材を組み合わせる“ラミネイト”という手法をよく使われています。代表的な例が『レス・ポール』でメイプルをトップ(表)材に用いてマホガニーをバック(裏)材に用いる手法で、メイプルのタイトな特性とマホガニーの暖かみのある特性が上手くバランスされています。この他、ボディの厚みやパーツを埋め込む穴(キャビティ)の開け具合によってもサウンドは変化します。

アルダー材(Alder)

アルダー(Alder)材はエレキギターのボディに使用される木材として定番なのでまず知っておいて損はしません
定番ということもあり多くのギターに使用されていますが、低価格帯のギターですと代替木材が使用されることもあります。
Fender社がサンバーストカラーを採用したのも、杢目(*1)があまりでることのないアルダーボディの見栄えをよくするためといわれています。

↓↓サンバーストカラーはこんな感じです↓↓

アッシュ材(Ash)

こちらもエレキギターで定番の木材です。 重量などが生育環境によりかなり異なり、重いものが「ホワイト・アッシュ」、重量が軽めのものが「スワンプアッシュ(ライトアッシュ)」 として扱われています。
とても堅く野球のバットなどにも使用されているんですよ。 杢目が「THE 木」という感じで木材らしさも魅力です。

マホガニー材

レスポールのバック材、SG、ファイアー・バード・・・などに多く使用されているとても軽い材です。アコギのサイドやバックにも使用されていますが、ファットで中低域に特徴があります。アタックはあまり歯切れよくないので、ハムバッキングPUとの相性が良い。

メイプル材

クリアでアタックの強い、輪郭のハッキリしたサウンドです。

ただ、かなりの重量があるのでボディ全部がメイプルというものは少なく、ボディ・トップ(表)のみに使用される事が多いようです。

木目の美しいもの(トラ目、キルト、バーズ・アイなどの模様)はマニアもいるほど、高額で取り引きされることも多いようです。

島村楽器とTaylorのコラボレーションモデルにも使われていますので是非お試しを!

ウォルナット材

アタック感が強く、高域がストレートに出る印象です。

かなりの硬さがあるのでネックに使用されることも多いようです。

キレイな木目と茶色の美しさは魅力的。

バスウッド材

少し前からよく使用されている材ですが、特徴はアルダー材に似て

高域~低域までバランスの良いサウンドです。

“軽い”アルダー材という印象です。

ローズウッド材

“オール・ローズ”のテレキャスターで有名ですが、特徴はマホガニーをちょっと硬くしてウェットなサウンドです。重量も結構あるのでエレキギターにはあまり使用されませんが、アコギのサイド&バック材としては有名です。

ネック材

ネック材としては『メイプル』と『マホガニー』が一般的ですが、ボディ同様2つの材を3枚で張り合わせて(ラミネイト)して強度を上げたものなどもあります。またアルミ製のネックや強化ファイバー製のネック、カーボン・グラファイトのネックなどもあります。これらは木製のネックに比べて優れた強度を持っていたり、ひと味違うサウンド・キャラクターを持っていたりしますが、一般的には木製のネックが主流なようです。

メイプル(Maple)

エレキギターのネックはほとんどメイプル材といっていいほど使用されています。ネックに使用されるメイプル材は弦の張力などに耐えるためにも堅いものが選ばれており、ギターになったあとも湿気や温度の影響をうけにくいよう、工夫されています。
ハードメイプルとソフトメイプルがあり、ソフトメイプルは美しい杢目がでることも多く、ギターのボディ表面に使用して見た目を良くする役割を担うこともあります。

マホガニー

メイプルに比べてソフトで温かいサウンドが特徴。

レスポールやセミアコ、アコギなどはほとんどがマホガニー材です。

指板材

ローズウッド指板

茶色の見た目のものが大体ローズウッドです。最近貴重な木材であるハカランダなどたくさんの仲間がいる木材です。指板の表面は塗装されておらずオイルで仕上げてあり、木地に直に触れることが出来ます。角の取れた少し丸みのあるサウンドが特徴で、代表的な指板材の一つとなっています。

メイプル指板

肌の色の様な指板は全てメイプル材です。指板面まで塗装がされていて、ツルツルした触り心地の物がほとんどです。ローズ指板とは対照的に、艶やかでシャープなサウンドが特徴です。

エボニー指板

ローズ・ウッドより少し硬い分シャープで、“メイプルとローズ・ウッドの中間的サウンド”と言えます。

よく高級ギターに多く使われている指板です。

基本的に無塗装なので綺麗な黒檀というイメージです。

最近ではなかなか取れなくなってきてしまっている材なので

代替えのリッチライトという材も主流になってきています。

ローズウッド

ローズウッドはマメ科ツルサイカチ属に属する樹。高温多湿な地域であれば生息している、非常に広範囲に分布する種です。それ故に産地によって呼び名が付けられ、多少なりとも木目や性質に変化も出ます。ここでは楽器でよく使用されるローズウッドをメインに紹介します。

インディアンローズウッド ~Indian Rosewood~

ギター・ベースで最も使用頻度の高いのがインディアン・ローズではないでしょうか。切ったばかりの新鮮な材は、バラの様な香りがすることから名付けられた、マメ科ツルサイカチ属の樹で、インド産のものを指します。

他の産地の物と比べても気乾比重も強度も高いため、アコースティックギターのサイド&バック材として有名。音の立ち上がりが速く、クリアに響く材として重宝します。

日本では「紫檀」と呼ばれる事もあります。

稀に指板、ネック共にオールインディアンローズで作られているギターも存在します。

自分が劇押ししているいい木材です。



科 マメ

属 ツルサイカチ

種類 広葉樹

別名 紫檀/インド・ローズウッド

産地 インド/パキスタン/ネパール

気乾比重 1.04

強度 6

ハカランダ ~Brazilian Rosewood~

ブラジリアン・ローズウッドの別名。

ハカランダはブラジル、特にバイア州周辺に生息するローズウッドを指します。褐色~赤褐色で、木目に沿って黒い縞模様があるために、ルックスが抜群という事で珍重される材です。

サウンド傾向はローズウッドの中でもエボニー寄りと言いますか、硬めです。エボニーほどの重量はないため、その間を求めるギタリストにとってはかなり魅力的な材なのです。ヨーロッパではベルサイユ宮殿のルイ14世の玉座にも使用された影響か、高級家具でも採用される事が多かったため、現在は絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で規制されています。

指板やアコギのサイド&バックで使用され、そのギターはやはり高価になる傾向があります。

ギタリストの憧れ、ハカランダ。高級な材です。


科 マメ

属 ツルサイカチ

種類 広葉樹

別名 ハカランダ/ジャカランダ

産地 ブラジル

気乾比重 0.87

強度 5


ホンジュラスローズウッド ~Honduras Rosewood~


中米、ホンジュラスで採れるローズウッド。気乾比重もインディアンローズに迫るくらい高い材です。特徴は独特な縞模様と辺材-心材の色の濃淡。画像は辺材に近いため白っぽくなっています。中央だともっと紫褐色となります。

これも比較的高価なため、高級家具の材料としても珍重されています。楽器で使う場合においても、やはり比較的高価な楽器に使われます。



科 マメ

属 ツルサイカチ

種類 広葉樹

別名 ニューハカランダ

産地 ホンジュラス

気乾比重 0.94

強度 5


マダガスカルローズウッド ~Madagascar Rosewood~

ブラジリアンローズに次ぐ高級なローズウッドとして扱われる、マダガスカルローズ。アフリカ大陸南東海岸部から沖へ約400キロメートル離れた西インド洋にあるマダガスカル島で採れる材。サウンド傾向がブラジリアンローズに近い事、美しい縞模様が浮き出る事が高級となっている理由。

もちろんマダガスカルローズを使用した楽器も少々値が張る傾向にありますが、硬質さの中に少し粘り気のある音の質感は、ファンが求めてやまないローズウッドサウンドと言えます。



科 マメ

属 ツルサイカチ

種類 広葉樹

別名 パリサンダー/本紫檀

産地 マダガスカル/東インド

気乾比重 1

強度 6


ソノケリン ~Sono Keling~


「ソノケリン」とだけ聞くと、何の材だか分かりづらいのですが、この画像と別名「インドネシア・ローズウッド」でピンと来るでしょう。マメ科ツルサイカチ属である事からも分かりやすいです。そう、インドネシア産のローズウッドなのです。インディアン・ローズウッドの種をインドネシアで植林して生まれた種です。

サウンドはローズウッド同様、硬質で立ち上がりが良く、サスティンも稼げます。インディアン・ローズウッドに比べると、多少粘り気を感じるかもしれません。多少ですが。

使用用途も想像の通り、ローズウッド材を使用するようなところで使用します。アコースティックギターのバックやサイド、エレキギターのTOP材、全般的に指板等です。


科 マメ

属 ツルサイカチ属

種類 広葉樹

別名 インドネシア・ローズウッド

産地 インドネシア

気乾比重 0.9

強度 6


CITES(サイテス、サイツ)

“the Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora"、すなわち「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、ワシントン条約の事です。

2016年9月24日(土)から10月4日(火)の11日間にわたって、ヨハネスブルグで開催されたワシントン条約第17回締約国会議で、楽器業界に大きな激震が走る事となる決定が採決されました。

「附属書Ⅱに、ブビンガ属3種とツルサイカチ属全体が掲載」

簡単に言ってしまうと、「ローズウッドすべてが国際取引の規制対象になった」という事です。これまでブラジリアンローズウッド(ハカランダ)は規制されていましたが、今後はすべてのローズウッドです。2017年1月2日からすでに規制は始まっており、ローズウッドおよびローズウッドを使用した製品を輸出入する際には、書類による申請が必要となります。

もちろん国内にすでに入荷しているローズウッド材を使用して国内で製作した楽器は、国内で販売OKです。

しかしワシントン条約で規制が始まったという事は、今後絶滅が危惧される樹である事は間違いのです。楽器業界でローズウッドが素晴らしい材であるからと言って、絶滅を気にせずに使用し続けるのもいけないと思います。

そういった意味で、今回取り上げたリッチライトの様な新素材や、まだ楽器で採用されていない木材を開拓する事は非常に重要なことですね。ぜひ楽器メーカー各社には新たなチャレンジをいろいろ期待したいところです。





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まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事が皆様のギター探しのお役に立てればうれしく思います。
お問合せ等、お気軽に中村までお電話ください!お待ちしています!

あなたにぴったりの1本を探してみせます!

皆様のご来店を心よりお待ちしております。

お問い合わせ

店舗名 島村楽器 イオンレイクタウン店
電話番号 電話をかける
担当 中村(なかむら)

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*1: 木材をカットした際に表面にでる特徴的な模様のこと。高級ギターに使用されることが多い。

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