【後編/イチオシ4+1選!】フクシマの “ぶっちゃけどうなん?” 第3弾「DTM用ヘッドホンってどれがイイの? 900STってどうして人気なの?」

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2022年05月09日
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![前編から続きます 前編ではSONY MDR-CD900STの人気の理由を探りました。 後編では「新時代の定番」に触れつつ、フクシマ的見解をまとめていきます。 CONTENTS今、900STの立ち位置を考えるフクシマ的イチオシDTM用ヘッドホン4+1選!まとめ今、900STの立ち位置を考える フクシマ […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/koube/wp-content/uploads/sites/62/2022/04/20220417-10132574f0bdd6447160153b5e24fb35.jpg)
前編から続きます
前編ではSONY MDR-CD900STの人気の理由を探りました。
後編では「新時代の定番」に触れつつ、フクシマ的見解をまとめていきます。
今、900STの立ち位置を考える
フクシマは「定番モデルだから」「みんな使っているから」の一点だけで機材やソフトを選ぶことにはあまり賛成しません。ずっと古い価値観を引き継ぐばかりでは、「今! この時代に!! あなたが!!!」音楽をやることの価値が薄れてしまうような、そんな気がしてしまいます。
とはいえ900STも、その特徴を掴んだ上で使う分にはむしろ大いにアリだと思います。
900STの長所
①概ねフラットな特性を持つこと ②ぼちぼち遮音性が高いこと ③そこそこ軽いこと、あたりが僕の推しポイントです。「ぼちぼち」「そこそこ」と断定を避けているのはご愛嬌。
特に②と③は、レコーディングにおける演者側のモニター用として使うのに適した特徴といえますね。
900STの短所
①低音が薄味 ②高音がシャリつきがち、という面は否めません。細かいミックスをこれ一台で行うのは少ししんどそうです。
特に②のクセは、「このシャリシャリはシンバルのせいか、シンセのせいか…」といった問題と向き合う場合にツラいところがあります。逆に、ノイズをチェックするときや単独のパートを調整するとき、例えばボーカルの歯擦音をディエッサーでケアするときなどには、この特徴がポジティブに使えるかもしれません。
フクシマ的イチオシDTM用ヘッドホン4+1選!
ひとりで完結させる作曲作業、つまりDTM / 打ち込み / ミックスを念頭に置いたチョイスです。

モニターヘッドホンHPH-MT8
ハイからローまで、すべての帯域がしっかりと見渡せる一台。
他のヤマハ製品もそうなのですが、中低域がややふくよかな印象です。
混雑しがちな帯域にもしっかり向き合える、頼もしい相棒です。
《ジャンル / 楽器別オススメ度》
クラシック系 (acoustic) ★★★★☆
ロック系 (electric) ★★★★☆
テクノ系 (electronic / digital) ★★★★★
まさにオールラウンダー。一台だけ選べと言われたらこれを推します。
いかんせん「バカまじめ」な音なので、人によっては退屈に感じるかも。
僕は大好きです!
¥29,700税込

モニターヘッドホンHD 25
軽くてコンパクト。DJや放送局ユースでも人気の機種です。
中域と高域も元気に出ますが、HD 25の特徴はやはり低音。
他のヘッドホンに比べて明らかにモリッと出ます。
《ジャンル / 楽器別オススメ度》
クラシック系 (acoustic) ★★☆☆☆
ロック系 (electric) ★★★★☆
テクノ系 (electronic / digital) ★★★★★
クラブサウンドではローエンドのケアが大事。
バスドラムとサブベースの絡みをじっくり追い込めます。
フクシマの学生時代のメインウェポンです。
¥20,900税込

モニターヘッドホンListen Professional
このヘッドホンを一言で表すなら「音が豊か」です。
ずいぶん、やたらと、それぞれの楽器に「色気」が増すのです。
生演奏系のジャンルを触るならこれが気持ちいいですね!
《ジャンル / 楽器別オススメ度》
クラシック系 (acoustic) ★★★★★
ロック系 (electric) ★★★★★
テクノ系 (electronic / digital) ★★☆☆☆
前編でも触れた通り、フクシマはモニターの音にリッチさを求めません。
そんな僕も気持ちが揺らぐほど、この機種はバランスに優れています。
シンセがバリバリ鳴る曲には、さすがにあまり似合わないかも。
¥38,500税込

モニターヘッドホンSRH840A
コストパフォーマンスに優れた機種です。
突出して目立つ帯域がなく、まんべんなく鳴らしてくれます。
強いていえば中高域の量感が多め?
《ジャンル / 楽器別オススメ度》
クラシック系 (acoustic) ★★★☆☆
ロック系 (electric) ★★★☆☆
テクノ系 (electronic / digital) ★★★☆☆
雰囲気としてはHPH-MT8とMDR-CD900STの間くらい。
予算を抑えつつ様々なジャンルに睨みを利かせられます!
¥19,602税込

モニターヘッドホンMDR-CD900ST
なんだかんだ手持ちに加えておきたい一台ですね。
特徴はこれまでに書いてきたので、ここではあっさりと。
《ジャンル / 楽器別オススメ度》
クラシック系 (acoustic) ★★★☆☆
ロック系 (electric) ★★★☆☆
テクノ系 (electronic / digital) ★★★☆☆
¥19,800税込
まとめ
どんなものにも定番になる理由はありますし、その理由は必ずしも単純なモノの良し悪しや唯一抜きん出た何かであるとは限らないものです。時流との兼ね合いや、オトナの事情のようなものも少なくないわけです。
「イチオシ4+1選!」で登場した5機種、あなたはどれに “ときめき” を覚えましたか?
「コイツと一緒なら自分は大きく成長できそう!」という機材との出会い、大事にしてくださいね!
この記事を書いた人
フクシマ a.k.a. motif:ok
三宮オーパ店 デジタル楽器アドバイザー

スマブラDXで90年代デジタルシンセの洗礼を受け、東方Projectやbeatmania IIDXの影響でDTMの世界に飛び込む。専門学校では音響効果を専攻。入学以前からぼちぼち始めていた作曲業と併せ、野良サウンドデザイナーとしてぬるっと開業。お店では現役作家だからこそ知る「ぶっちゃけどうなん?」をユーモラスにわかりやすく伝えられるよう、日々骨を砕いています。Soundmondoでは愛機MONTAGE7 WHで作成した音色を公開中。MIDI検定1級ライセンシー。
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