フクシマの “ぶっちゃけどうなん?” 第2弾「DAWソフトのグレード、どう選べばいい?」

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2022年04月14日

DAWソフトのグレード、どう選べばいい? オーディオI/Fと並んで、いや、それよりももっと根本的に大事なのがDAWソフト。お店に行くといくつも並んでいて迷ってしまいますね。 値段の高い安いもそうですし、まず自分にとってどれほど有意義なものなのか、それがわからずにさらに悩ましくなる方も多いと思います。 […]

DAWソフトのグレード、どう選べばいい?

オーディオI/Fと並んで、いや、それよりももっと根本的に大事なのがDAWソフト。お店に行くといくつも並んでいて迷ってしまいますね。

値段の高い安いもそうですし、まず自分にとってどれほど有意義なものなのか、それがわからずにさらに悩ましくなる方も多いと思います。

三宮店DTM担当フクシマがその疑問にお答えします!

ぶっちゃけどうなん?

「人によるとしか…言いようがないですね…」
でも見るべきポイントはあります!

どういうこと?

気になっているソフトのグレード構成が「トップダウン型」か「ボトムアップ型」かを見ましょう!
この呼び方はフクシマが今適当に考えたものなので、正直なんでもいいです。

グレード構成がトップダウン型の例

トップダウン型は「最上位グレードにしかない機能がそこそこ多い」ものを指すことにします。付属の音源やエフェクトは無視します。

Steinberg Cubase

Cubaseのグレード構成は上から順にPro/Artist/Elementsです。

今でこそバージョンの進化と共にだいぶ「おさがり」が進み、ArtistにもかつてPro限定だった機能が追加されました。(VariAudioなど)

しかし「ロジカルエディター」や「パート別での書き出し」など、「地味だけどめちゃ大事な機能」については依然としてProにしか搭載されていません。
またProでは、Cubaseの兄貴分である「Nuendo」から音楽/ゲーム/映画業界にフォーカスした機能の数々を譲り受けています。フクシマが専門学生や音大生にProを勧める理由のひとつです。

PreSonus Studio One

Studio Oneのグレード構成は上から順にProfessional(以下Pro)/Artistです。

このソフトも「Pro限定の機能が、時を経てArtistにも追加される」タイプ。
それでも2022年4月現在、「スコアエディター」「マスタリング向けの各種機能」はProの特権になっています。

特にDDPに対応している点がいいですね。僕もマスタリングのお仕事で重宝しています。

グレード構成がボトムアップ型の例

ボトムアップ型は「中堅グレードの時点で機能面はほとんど完成されている」ものを指すことにします。

Ableton Live

Liveのグレード構成は上からSuite/Standard/Introです。

LiveではStandardが文字通りド真ん中の性能をしています。StandardもSuiteもオーディオ/MIDIトラックの数は無制限です。

ただ、2点だけSuiteにしかない機能があります。それが「Max for Live」「CV/Gateの送受信」です。

Max for Live」はマルチメディア向けプログラミング環境。プラグインを自作できる凄い代物です。プログラマー寄りのアーティストや、芸大生に使われることが多い印象です。
CV/Gate」はモジュラーシンセサイザーを操縦するときのMIDIに代わる手段です。

いずれもほとんどの人にはかなり発展的、かつ刺激的なモノなので、Liveに関しては「ボトムアップ型」とみなすことにしました。

Image-Line FL Studio

FL Studioのグレード構成は上からSignature/Producer/Fruityです。(国内未発売のAll Plugins Editionを除く)

FL Studioも真ん中のProducerでほとんどの機能が完成しています。NewtoneGross Beatといった一部のプラグインをSignatureに譲るほかはまるまる同じです。

むしろ下位グレードの差の方がシビアです。(Fruityはオーディオ非対応

まとめ

トップダウン型のソフトの場合は「後悔したくなければ一番上!」が原則です。特に学生さんの場合は学割版も買えますし、将来のお仕事に繋がります。

ボトムアップ型のソフトの場合は2つに分かれます。「同じメーカーのプラグインの方が楽だし安心!」なら上位グレードを、「実際には自分で買ってきたのを使うだろうなー」なら中堅グレードを買うことをオススメします!

この記事を書いた人

フクシマ a.k.a. motif:ok
三宮オーパ店 デジタル楽器アドバイザー

スマブラDXで90年代デジタルシンセの洗礼を受け、東方Projectやbeatmania IIDXの影響でDTMの世界に飛び込む。専門学校では音響効果を専攻。入学以前からぼちぼち始めていた作曲業と併せ、野良サウンドデザイナーとしてぬるっと開業。お店では現役作家だからこそ知る「ぶっちゃけどうなん?」をユーモラスにわかりやすく伝えられるよう、日々骨を砕いています。Soundmondoでは愛機MONTAGE7 WHで作成した音色を公開中MIDI検定1級ライセンシー

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