【歌ってみた】機材のアップグレードは歌みた投稿の最適な時短ツール!②オーディオインターフェース編

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2024年08月25日

島村楽器甲府店のデジタル楽器担当の井出です。「歌ってみた」のクオリティアップ記事①コンデンサーマイク編に続いて「オーディオインターフェース」のアップグレードで何が変わる…?を少し掘り下げて、歌い手さん目線で効果があるお話をします。 オーディオインターフェースのグレードアップは録音~作品投稿までの全て […]

島村楽器甲府店のデジタル楽器担当の井出です。「歌ってみた」のクオリティアップ記事①コンデンサーマイク編に続いて「オーディオインターフェース」のアップグレードで何が変わる…?を少し掘り下げて、歌い手さん目線で効果があるお話をします。

オーディオインターフェースのグレードアップは録音~作品投稿までの全ての工程でアドになります!

①音の出入り口を洗練して、良い音を「判断」出来る基盤を作りましょう!

写真はNeumann(ノイマン) MT48U

我々個人が一般的に使用するようなオーディオインターフェースにはたくさんの機能が詰め込まれています。オーディオインターフェースという筐体の中に色んなパーツが組み込まれ、パソコンやスマホとの音声のやり取り、音を入れたり出したりが可能になっています。

歌い手さんに取って、歌のレコーディングだから音を入れる部分だけ特化出来ればいいじゃんと思われがちですが、理想とする音が録れたかどうか、正確に確認(モニタリング)出来るかどうかも結構大事だったりします。良いテイク!と思って録った音がミックスの段階でどうも浮いてしまう…実は録りの段階でEQで高音をブーストし過ぎていた!録りの段階で気付けていれば…なんてことも。オーディオインターフェースをグレードアップすると音の入力のパーツはもちろん上がりますし、音の出力の質も上がってくれます。メーカーの傾向にも寄りますが、ハイエンドなオーディオインターフェース程、音像がくっきりハッキリ見えやすくなり、些細な音もノイズにならず、音として認識できます。ハイエンドオーディオインターフェースは1つの信頼できる基準を与えてくれます。使用してそれがノイズに聴こえればノイズ、オケとの混ざりが良くなければ、それは良くないものでしょう。誰もが冷静かつ正確に音の良し悪しをジャッジできます。それは多くの場面で時短に繋がり、制作効率も上がってきます。

②ハイエンドオーディオインターフェースの何が凄い…?インターフェースのアップグレードは簡単にプロと同じ舞台で戦えるようになる機材です。

写真はAPOGEE(アポジー)Symphony Desktop

オーディオインターフェースの音質を測る指標の一つとして「ダイナミックレンジ(値はdB)」というものがあります。そのオーディオインターフェースが許容出来る一番デカい音と一番小さい音の差を表す値になります。ダイナミックレンジは入力と出力においてもそれぞれ異なり、単純に数値がデカいほど音の表現がより細分化、高域がノイズになりにくく、天井が無いようなイメージがあります。ハイエンドインターフェース(10万円以上)になるに連れ、ダイナミックレンジの数値が広くなります。体感ですが、エントリーモデル(1~3万円)からミドルクラス(5~8万円)のオーディオインターフェースは平均110dB程。ハイエンド機種は軒並み平均120dB以上の入出力を持っています。6dB毎に聴覚上の音量は倍になるので、エントリー機種とハイエンド機種では、そもそも音を表現する舞台が大幅に異なっています。ハガキにお絵描きするより、大きなキャンバスでお絵描きした方が色んな表現を組み込める…!今のところはザっとそんなイメージで大丈夫です。

ただ、ダイナミックレンジはメーカー毎に測定方法が異なり、完全な比較は正直無理です。音という漠然とした物に対して数値化することにより我々がそれを認知、共有出来るようになっているため、この様に文面で比較が出来るのです。あくまでもダイナミックレンジによる音質比較は参考程度に!と言いたいところですが、体感で入出力のダイナミックレンジが122~125dB付近を超えてくると明らかに結果が異なります。また音質を決めるのはダイナミックレンジだけでなく、使用している内部パーツ、音をモニターするスピーカー&ヘッドフォンによっても勿論変わりますので、是非一度お店で体験、違いを実感頂きたいです。

③担当的アップグレードと時短を見込めるおススメオーディオインターフェース5選

レコーディング~ミックス&マスタリングを考慮、拡張性を含め担当が試しておススメと思った機種をご紹介致します。

APOGEE(アポジー)Symphony Desktop

APOGEE(アポジー)Symphony Desktop

APOGEEのフラッグシップモデルSymphony I/O Mk II(カスタムにより40~100万ぐらいの物)インターフェースの入出力数を個人ユースレベルまで落としたコスパの化け物みたいなオーディオインターフェースです。入力のダイナミックレンジは123dBと申し分なし、出力は驚愕の129dB(ヘッドフォンアウトは128dB)。特にヘッドフォンアウトからのモニターは音が手に取って分かるぐらいハッキリとした音像を再現しており、単純に音楽を良い音で聞きたい方にもおススメしたい…録音からリリースまでをセルフプロデュースする歌い手さんへ、最高な相棒となってくれるインターフェースです。タッチパネル画面搭載で、直感的に全ての音をコントロール可能。更にiOSにも対応しているため、スマホ用アプリでカラオケ配信などを超高品質にすることも出来ます。方々にマーケティングを行う歌い手さんにもおススメ。
ADATによる入出力の拡張も可能なため、Cranborne Audioの500ADATのようなアナログ機材とも相性が良く、効率よくスマートに機材拡張が出来る点も◎!

¥229,900税込

AMS NEVE(エーエムエスニーヴ)88M

AMS NEVE(エーエムエスニーヴ)88M

同社の88RS(完全受注品で中古市場で4000万円ぐらい)という、所謂レコーディングスタジオに置いてある大きなミキサーがあるのですが、そのマイクプリアンプとトランス(簡単に言うと音が大きくなり、倍音豊かになるパーツ)をほぼそのまま取って付けた、これもコスパの化け物です。Neve製品については歌い手さんならご存じの方も多いと思います。録りのサウンドは明確に「色」が付きます。上品に耳に痛くない高域のサチュレーションが掛かります。このサウンドを得られるのであれば、この金額も妥当…と思える非常に説得力のあるレコーディングが可能です。入力のダイナミックレンジは110dB、出力は113dBと平均的な数値。録り(マイクプリ+トランス)にステータスを注ぎ込んだような、特化型オーディオインターフェースです。
こちらもADAT In/Out搭載で88Mを基盤に拡張も可能です。

¥225,500税込

Neumann(ノイマン)MT 48 U

Neumann(ノイマン)MT 48 U

レジェンドマイクメーカーのNeumann(ノイマン)とプロ音響機器メーカーのMerging Technologies(マージング・テクノロジーズ)が提携して生み出された令和のオーディオインターフェースです。MT 48 Uは他を圧倒する驚愕スペックで、Symphony Desktop同様にタッチスクリーン搭載、多様な入出力完備、内蔵CPUファンの速度調整まで出来る…!最早小さなパソコン。
マイク入力のダイナミックレンジは驚愕の136dB、ライン入力は138.5dBであるとのこと。ライン入力の方がダイナミックレンジが上がる…?ということで、現状マイクプリなどを別途で用意して繋ぐ方が最大限の恩恵を受けられそうです。が、やはり強力なマイクプリアンプを積んでおり…音色としては非常に素直に音が上がってくれます。Grace DesignやAVALONのようにクリアにそのまま上がるのではなく、そのまま中心から膨らむイメージです。正にNeumannブランドマイクを最大限活かせる仕様となっており、こんなに優秀なマイクプリが2つも付いて…かつ多機能、今後困ることは無い汎用性の高さ故、歌い手さんは何としても揃えたい機材となっております。
もちろん出力も高水準に纏まっており、モニターアウトのダイナミックレンジは123dB(ヘッドフォンアウトは122dB)と充分。またヘッドフォンアウトにはクロスフィード機能(通常ヘッドフォンでは片耳でしか聞こえない音を両方で鳴らす)搭載で、モニタースピーカーをガンガン鳴らせない方もヘッドフォンでスピーカーで鳴らした様なモニタリングが可能です。

¥330,000税込

Universal Audio(ユニバーサル・オーディオ)Apollo Twin X DUO/Apollo Twin X USB“Heritage Edition”

Universal Audio(ユニバーサル・オーディオ)Apollo Twin X DUO/Apollo Twin X USB“Heritage Edition”

デザインも秀逸なレコーディング機材メーカーからリリースされているオーディオインターフェースです。Universal Audio(以下UA)と言えば、アナログコンプやマイクプリも有名です。中でも代表的な「LA-2A」、「1176」。現代のレコーディングに置いても最前線で使用される機会も多い機材です。そんなUAが生み出したオーディオインターフェース、「Apollo twin」は「X」で3代目。この機種から内部のAD/DAコンバーターが上位の「Apollo X(約30万~60万程)」譲りのものになりました。入力は123dB、出力は127dBと高水準。
これだけでもハイスペックさを伺えますが、このオーディオインターフェースの真髄はデジタル演算処理によってプリアンプを可変させることが出来るUnisonプリアンプ&チャンネルにあります。実はSymphony Desktopにも似たような機能が付いておりますが、UAはデジタルも凄い…!レコーディング界隈で名高いアナログアウトボードをデジタル処理によって再現、そのクオリティは非常に高品質で昨今のミックスにおいて使用される頻度も高いです。これらを「UADプラグイン」と言います。
そんな品質の高い「UADプラグイン」ですが、勿論見合ったお値段になります(平均$149)。しかし…!このApollo Twin X (USB)DUO Heritage Editionには上記の「LA-2A」、「1176」といった超名機の様々なリビジョン、他プリアンプやエフェクトを搭載したUADプラグインが付いてきます。自宅をバーチャル空間上でプロのレコーディングスタジオに近いクオリティにすることが可能。付いてくるプラグインのラインナップも、これを使って歌って下さいと言わんばかりですので、プラグインを使用する前提で考慮すると中々のコスパです。

¥159,500税込

AMS NEVE(エーエムエスニーヴ)1073SPX-D

AMS NEVE(エーエムエスニーヴ)1073SPX-D

歌い手さんにとって最高のマイクプリアンプは何か…?と聞かれ、ほぼ100%名前が挙がるマイクプリアンプが「ニーヴの1073系」です。あまりにも有名が故、各メーカーが挙って1073系のプリアンプや改良型などをリリースしています。そんな中、本元1073とオーディオインターフェースをくっ付けましたという、歌い手さんの1つのゴールみたいな製品が今年発売された「1073SPX-D」です。
前面の左から右へ入力(マイクイン)→プリアンプ→EQ→ハイパスフィルター→ヘッドフォン&スピーカーなどの出力の設定となっており、シンプルに音の流れが分かる仕様、操作性も良いです!自宅でマイク1本しか録らないのでマイクプリは多数必要ではありません。直感的に音作りに没頭出来る仕様です。
気になる音色は兎に角太い&カッコいい音!ステップゲインをカチカチと回していくと非常に音楽的な歪み方をしてくれます。カッコいい歪なのでついついステップゲインを上げ過ぎてしまうのですが、ガッツリ挙げるとちゃんと分かるレベルでノイズも伴います。
遠回りせず、色々考えず、妥協せず…シンプルにカッコよく、みんなが好む音で録りたい方は是非手に入れて下さい。

ちなみにNeve好きな歌い手さんの1073談義には、内部のトランスがMarinair(マリンエア)トランスかCarnhill(カーンヒル)トランスかで話題になることがあります。1073SPX-Dは入出力部にMarinair(マリンエア)トランス搭載です。

¥627,000税込

④ハイエンドオーディオインターフェースを導入した際は好きな曲を聞きまくって分析しましょう。

写真はUniversal Audio(ユニバーサル・オーディオ) Apollo twin X DUO

良い音で録ることも大事ですが、良い音かどうかを判別出来るスキルも同等に大事です。プロが聞いて判断している音で、まずは自分の耳を鍛えましょう!自分の好きな音がどのような鳴り方をしているのか分析をして、自身の作品の糧にして下さい。音の良し悪しの判断基準がブレなくなることは、最短で理想の音へ近付ける方法です!アップグレードに悩んでいる方、是非ご相談下さい~

島村楽器イオンモール甲府昭和店055-269-5207
担当井出

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