府中ピアノブログVol.288 「こども目線で考える『電子ピアノ選びのポイント』」

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2023年02月03日

皆さんこんにちは♪ピアノ上級アドバイザーの原田です。電子ピアノ選びの際、皆さん様々な意見を参考にされると思います。でも、基本的にはすべて、「すでにピアノが弾ける大人目線」での意見だということにお気づきでしょうか?まだピアノが弾けない子供にとって、どんな電子ピアノだと練習に役立つのか、考えたことはあり […]

皆さんこんにちは♪ピアノ上級アドバイザーの原田です。
電子ピアノ選びの際、皆さん様々な意見を参考にされると思います。でも、基本的にはすべて、「すでにピアノが弾ける大人目線」での意見だということにお気づきでしょうか?
まだピアノが弾けない子供にとって、どんな電子ピアノだと練習に役立つのか、考えたことはありますか?実は、大人とは見える世界が全然違うんです!

今回は、幼児~中学生頃まで実際に電子ピアノで練習をしてきた私自身が、実際に電子ピアノで困った経験をもとに、最低限おさえておいて欲しい機能についてご紹介します!

■こんな電子ピアノで練習していました!

私が4歳の頃に買ってもらったのは、「少し重みのあるプラ鍵盤」「2スピーカー」という、基本的な電子ピアノでした。幼稚園~中学生頃まで、ずっとこの電子ピアノをメインで使用していました。

■子供はここに困る!①鍵盤

まず皆さんご想像のとおり、「重さ」。実際のグランドピアノは大変鍵盤が重たく感じ、家ではちゃんと弾けていても、和音が入ると鍵盤の半分までしか押せてない感触が大きかったです。
そして「鍵盤途中でのクリック感」。グランドピアノは、小さな音で弾くためにはそーっと打鍵するのですが、やりすぎると引っかかるポイントがあって全く音が出ません。私の電子ピアノにはその感覚は無かったので、とっても苦労しました。

以上を解決してくれるのは、現在発売されている電子ピアノの中では「木製鍵盤」「エスケープメント付き」の電子ピアノを選ぶこと。ヤマハではCLP-745(24万円)以上、カワイではCA49(18万円)以上、ローランドではDP603(18万円)以上が該当します。

■子供はここに困る!②音

音で困る主なポイントは、3つ。まずは、実際のピアノとの強弱の「幅」が違うこと。私の使用していた電子ピアノは、強弱はもちろんつくものの、強い音~弱い音の幅の限界が狭く、実際にレッスンでグランドピアノを弾くときは「思ったより大きい音・小さい音」になってしまって困ったのと、コントロールする方法も分からず、大変苦戦しました。

そして、グランドピアノは自宅の電子ピアノとは音の聴こえてくる位置が全く違いました。子供にとって、譜面台の向こうや上から降ってくるように聴こえたものです。音を聴きとるだけで大変で、先生に「ペダルが濁っているよ」と言われても、それを判断することができませんでした。

またレッスンでは、強弱は当然ですが、曲想(雰囲気)も学びます。これは子供の教材の時点で自然に学ぶことで、「明るい音」「悲しい音」など、自分の手で音色を弾き分けるのですが、自宅の電子ピアノではそんなことできないので、結局私はこうした表現を身につけることができず、大人になって大変苦労しました。
これは歌でいうところの、「気持ちをこめて歌う」と同じなので、できないとロボットが歌っているような、平面的な音楽になってしまいます。決して高度な内容ではなく、音楽を学ぶ上でとても大切なんです・・・


以上を解決してくれるのは、現在の電子ピアノであれば「4スピーカー以上」を搭載していること。ヤマハはCLP745、カワイはCA49、ローランドはHP704、カシオはPX2000以上が該当します。音色の変化を学べる「モデリング音源」を搭載しているのはローランドHP704以上です。

■子供はここに困る!③デザイン

鍵盤が重たくて弾けない理由、それはもしかするとピアノを弾く時の姿勢にあるかもしれません。適切な鍵盤の高さ・椅子の高さで弾いていますか?一般的なリビングなどの机に置くと、本来のピアノよりも鍵盤の位置は高くなります。また、ピアノ椅子以外の椅子を使うと、かなり低くなります。
車の運転と同じで、正しい姿勢がまず大前提として必要です。
そして、楽譜を見る位置。グランドピアノは子供の目線にとって、かなり高い位置に譜面台があります。自宅の電子ピアノの譜面台が鍵盤のすぐ目の前(手元)だと、実際にレッスンに行くと、楽譜を目で追うのが大変難しかったです。

これを解決するには、きちんとスタンド付きの電子ピアノを選び、ピアノ用の椅子を使うこと。そして、なるべく譜面台の位置もチェックすることが大切です!

■初心者こども目線で後悔の無いピアノ選びを♪

私がかつて子供の頃に困った電子ピアノあれこれをご紹介しましたが、それから数十年、今では技術の進化と共に困るポイントを解決している機種が本当に増えました。これらの機種よりも簡易的な電子ピアノで全く練習ができないというわけではありませんが、どうしても困るポイントや、練習できないポイントはたくさんあるので、演奏するお子さん本人の努力・忍耐力が必要になります。ぜひご家庭で一緒にサポートしてあげてくださいね。


■私がこちらの記事を書いています♪

 

島村楽器広島府中店
ピアノ上級アドバイザー 原田

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