楽器から13年離れていた店長だからこそ、わかること。初心者の心のハードルをグッと下げる楽器店での取り組み

全国に183店舗ある島村楽器の中でも12店舗しかない、レアな専門店があることをご存じだろうか?

名古屋駅から15分ほど歩いた緑豊かなエリアに建つ商業施設の一角に、その店はある。島村楽器 名古屋則武新町店。

店の正面にはいくつものピアノが並び、奥には金色に光る管楽器。右手のガラスケースには、大きな弦楽器がズラリと並んでいる。確かに、これまで訪れた島村楽器とは何かが違う。

「こんにちは〜、これがチェロです」

ケースに並ぶ楽器を指しながら笑顔で迎えてくれたのは、店長の廣瀬芙美加さん。アマチュアチェロ奏者でもあり、弦楽器・ピアノ・楽譜のアドバイザーとして働いている。

この店はクラシック楽器専門店なのだと教えてくれた。扱う楽器が限られるため、一般的な店舗に比べて客数は少ないという。それでも毎月のように、チェロが売れていく。

そもそもチェロとは、どんな楽器なのか。バイオリンと比べてみると、大きさの違いは一目瞭然だ。

「意外と大きいですねって、言われるんです」

▲バイオリンとチェロの大きさを比べて見せてくれる廣瀬さん

全長はひとの背丈ほど。低い音から高い音まで、音域はとても広いのだという。オーケストラでの役割を尋ねると、「マルチです。何でもやらされます」と笑う。メロディーも任されるし、伴奏も担う。

廣瀬さんが島村楽器に入社したのは、2024年2月。その前は、地元島根の書店で13年間働いていた。元書店員がなぜ、専門店でチェロを売っているのだろう。

「ハルモニアだ、チェロだ」

廣瀬さんは1986年、島根県松江市に生まれ、大学の附属小中学校へ通った。外食先で隣の席に知らないひとがいると、ご飯が喉を通らないくらいシャイな子どもだった。

チェロとの出会いは、中学校のオーケストラ部。運動は苦手で、文化部にしぼった。4歳からピアノを習い、音楽に親しんでいた廣瀬さんは合唱部と迷った末、人前で歌う気恥ずかしさから楽器を手に取る。

チェロを選んだ理由は、音大生が主人公のテレビドラマ『ハルモニア この愛の涯て』だ。劇中で中谷美紀さんが弾いていたのが、チェロだった。

「めちゃくちゃかっこよかったんです。それで、『ハルモニアだ、チェロだ』みたいな感じになって」と照れくさそうに笑う。

初めてチェロに触れた廣瀬さんは、その難しさに惹かれていく。

ピアノは「ド」の鍵盤を押せば「ド」の音が出るが、チェロは違った。音程を区切るフレットがなく、耳と手の位置の記憶を頼りに、自分で音を探る。

「最初は難しいけど、でも面白い、みたいな」

▲チェロには音程を区切るフレットがない

入部した年の秋には定期演奏会があり、初心者も全員舞台に立つ。「強制的に」と苦笑する廣瀬さんは、チェロの楽しさをこう語る。

「本番とか練習で、みんなと合わせた時ですかね。自分は初心者なんでぜんぜん弾けないんですけど、みんなと合わせると、弾けないところは誰かがカバーしてくれる。ちょこっとしか弾けなくても、みんなと合わせられるのがすごく楽しい」

楽器がないと、続けられない

受験して入った地元の高校には、オーケストラ部がなかった。同じ中学のオケ部から進学した友人に弦楽サークルを作ろうと誘われたが、自分の楽器を持っていなかった廣瀬さんは、参加することができなかった。中学では、学校の備品で弾いていた。

吹奏楽部はあったものの、進学校の勉強は忙しく、新たな楽器を始める余裕もなかった。ピアノを続けながら部活には入らず、3年間勉強に打ち込んだ。

「一旦オケのことは忘れて。チェロも諦めるか」と割り切ったはずなのに、演奏会を聴きに行った時、舞台に立つ友人たちを羨ましく思った。一度オーケストラから離れたことでむしろ思いは募り、オーケストラ部のある岡山大学文学部へと進んだ。

大学で久しぶりにチェロを弾いた廣瀬さんは、愕然とした。

「ぜんぜん弾けなくて。もう元に戻っちゃったみたいで。3年のブランクは大きかったですね」

同期のチェロ担当には、高校のオーケストラで演奏していた経験者がふたりいた。

「なんで私だけこんなに弾けないんだろうって、ずっと思ってました。高校で続けてたらなっていうのは、今もずっと思ってます」

悔しさを抱えたまま、追いつくために弾き続けた。

誰かのソロに、伴奏をつける

大学生活は、オーケストラ一色だった。休みは週に1、2回あるかどうか。本番前の1週間は、授業そっちのけで練習に励んだ。

廣瀬さんにチェロの魅力を尋ねると、次から次へと言葉が出てきた。チェロは、ひとの声に一番近い楽器だと言われるそうだ。

ピアノなら、鍵盤を押せば音が出て、あとは消えていくのを待つだけだ。でも、チェロは違う。右手の弓の動きで、音色や音の長さをコントロールする。

弦を押さえる左手は、音程を探る。音の高さも、伸びも、小さくなって消えていくところまで、すべてを自分の手で操る。だから、同じ「ド」の音でさえ、弾くひとによって違う。その手触り感が、チェロの魅力なのだ。

▲弦を押さえながら音程を探る

さらに、オーケストラでチェロを弾く楽しみも教えてくれた。

「自分がずっとメロディーを弾くんじゃなくて、誰かがすごく目立って、いいソロを弾いてるところに伴奏をつけて、盛り上げる。私、そこにやりがいを感じるタイプなんです」

ひとりで弾くより、誰かと合わせる。誰かを支える。高校でのブランクを経て、中学でも感じていた楽しさを改めて実感した廣瀬さんは、大学2年生の秋、自分のチェロを手に入れる。

きっかけは、先輩たちの卒業演奏会で挑むことになった「マーラーの交響曲第5番」。映画『ヴェニスに死す』で使われた有名な曲は、フルで通せば1時間を超える大曲だった。せっかくなら、自分の楽器で弾きたい——。

楽器店に勤める先輩の伝手で訪れた展示会で、その1本に出会う。ドイツのレオンハルトというブランドのチェロで、本体が50万円くらい、弓が13万円ほど。練習の合間に単発で入るバイト代では届かない。親に頼み込んだ。廣瀬さんが「うちの子」と呼ぶその1本は、今も現役だ。

「高校の時、自分の楽器がなくて続けられなかったので。楽器持っておけばって」

本を売らない書店員

オケ漬けの大学時代を経た廣瀬さんだが、再び、楽器から離れることになる。

教員家系に育ち、教員を志して大学院まで進んだものの、採用試験は狭き門だった。やむなく、並行して受けていた一般企業のなかで合格した地元の書店に就職する。

そこから13年、廣瀬さんは、本を売らない書店員だった。

新卒で店舗リニューアルの部署に配属されると、雑貨や食品を担当した。地元の器を仕入れに窯元をまわり、自社の駐車場にキッチンカーを呼んでマルシェを開いた。店長も務めた。

「本屋さんっていうか、何でもやってました。本以外ぜんぶ担当みたいな。お菓子を作るひとも、器を作るひとも、自分でゼロから作り出せるひとがかっこよすぎて。いいものを地元のお客さんに紹介するっていうところが、一番やりがいを感じてたと思います」

▲伸びやかな音が響きわたる

一方で、チェロとの距離は開いていった。

「夜に弾ける楽器じゃないので。休みの日もしんどくて寝ちゃうので、結局、音楽活動はできずじまい。地元のオケに入ろうにも、だいたい土日が練習日で、小売りだと土日仕事なので入れず。コロナ前にはチェロ教室にも1年ほど通ったんですが、それも続きませんでしたね」

大学時代に買ったあのチェロは、たまに蓋を開けてみる程度になっていた。

「1日の大半を過ごす仕事が楽しい方が絶対いい」

会社に勤めて十数年、廣瀬さんに転機が訪れる。

会社の経営者が交代し、仕事の進め方が大きく変わった。効率化を進める新しい方針は、会社にとって必要な変化だった。ただその中で、大事にしていた作り手との直接取引は、次第に難しくなっていった。

「確かにその方が楽だし売れるかもしれないけど、いよいよこの会社にいる意味がないなって。転職するなら今かなと思って」

2023年の春、中国・四国地方を中心に仕事を探していた時、たまたま島村楽器の求人を見つけた。大学院時代の就職活動でも楽器店も受けたが、その時は縁がなかった。二度目のチャレンジ、面接は1回きり。エリア統括のマネージャーを相手に、半分は人生相談のような時間だった。

「これは落ちたな」と思った廣瀬さんに、すぐに連絡が来た。内定だった。

うれしいはずの知らせを前に、廣瀬さんは迷いの渦中にいた。

すでに、地元企業の営業事務の内定を承諾してしまっていた。土日休みで、働く時間も安定している。ずっと入れなかった地元のオケにも入れる。ここでいいか、と半分思っていた。それでも——。

「土日のオケも捨てがたいけど、最後はやっぱり、1日の大半を過ごす仕事が楽しい方が絶対いいって結論になって」

廣瀬さんが選んだのは、休日に楽器に触れることよりも、毎日好きな楽器に触れていられる仕事だった。

「まず、チェロを触ってみませんか」

2024年2月、島村楽器に入社。初任地は名古屋市内の総合店だった。最初はギターの弦交換もできず、品番も聞き取れなかった。先輩に教えてもらいながら一つひとつ覚えていった。入社から半年後の2024年9月、廣瀬さんに声がかかる。クラシック専門店の名古屋則武新町店に新しくチェロを置くことになり、担当として来てほしいというオファーだった。

「チェロ扱えるんだ、やったー!って」

異動した当初は、島村楽器がチェロを扱っていることも知られていなかった。そこで、SNSやホームページで地道に発信を続けながら、2025年1月には、会社が全国巡回で行う、チェロだけの展示会を開催した。

店内に50〜60台のチェロが並ぶ展示には、想定以上の反響があった。この流れをもっと盛り上げられないかと、当時店長を務めていた古西規真(ふるにしのりまさ)さんの提案で、ギターなどで盛んに企画されていた「ビギナーズ倶楽部」のチェロ版を構想する。「せっかくだし、やってみたら」と古西さんは背中を押した。

アフターサポートがメインのビギナーズ倶楽部が多いなか、チェロの場合は「まず、チェロを触ってみませんか」と声をかけるところから始めた。

「店長と話していて、チェロに関してはそもそも始めることがハードルだろうと。始めるにも続けるにも、きっかけがないので、チェロを始めるハードルを限界まで下げようということになりました。東海エリアにはうちのチェロ教室もないので、教室ができるまではビギナーズ倶楽部やるか、みたいな感じでもありました」

▲ブランドプロミス「楽器演奏の壁を取りのぞくことで、誰もが音楽を自由に楽しみ、新しいじぶんと出会える場をとどける。」

2025年4月に募集を始めると、すぐに応募が来た。マンツーマンで1時間、廣瀬さんが付きっきりで教える。

集まった顔ぶれは、驚くほど幅広かった。高校や大学のオーケストラ部にいる10代、20代から、趣味として始めたい大人。そして、廣瀬さんと同じように、昔演奏していたけれど中断してしまい「腕がなまってます」というひともいた。

きっかけも、実にさまざまだ。大河ドラマの演奏を聴いて、ゲーム音楽から、King Gnuのメンバーがチェロを弾くから、バッハの無伴奏に憧れて——。20代から70代までの男女がビギナーズ倶楽部のドアを叩いた。

始めて1年あまりで、受講者は延べ45人になった。

1時間の体験を終えたその中から、「これだったら続けられそう」と思えたひとが、チェロを買っていくのだという。ビギナーズ倶楽部でお客さんの話を聞いていくと、チェロを扱い慣れていた自分には、見えていなかったものが見えてきた。

怖くて、開けられない

初心者がつまずくのは、チェロを弾く前だった。

「楽器をまず出すとこから怖いって言われるんです。『どの向きに置いたらいいんですか』みたいな。憧れはあるけど、不安すぎるって」

弾き終わったあと、弦は緩めるのか。弓は張ったままでいいのか。楽器を貸し出しても、「怖くて1回も開けてません」とケースごと抱えてやって来たひともいるそうだ。

▲立てたままのケースからチェロを取り出す

チェロのハードケースを買ったお客さんからは、「しまい方がわからない」と電話がかかってきた。しまい方を写真に撮って送ると、とても喜ばれた。

「やっぱりそこだよな、と思って」

廣瀬さん自身も最初はわからなかった。教える側に立って、わからなかったときの気持ちを思い出した。だから弾き方だけでなく、楽器との付き合い方も教える。調弦の仕方、ケースへのしまい方、背負い方、満員電車で周りに迷惑をかけずに安全に運ぶ方法までを伝えている。

「廣瀬さんから買いたい」と言われること、買ったひとが楽器を続けてくれていることが、一番うれしいと笑みを浮かべる。

右手だけでも、大丈夫

大人はどうして楽器を始められないのか。始めても続けられないのか。廣瀬さんが店長と話す中で見えてきたのは、「時間」の制約だった。

決まった時間に通わなければならない、月に数回のレッスン。それがリズムになるひともいるが、仕事の予定が不規則だったり、忙しかったりして、先の予定が見えない人も少なくない。

そこで2025年秋、廣瀬さんは同店のヴァイオリンのインストラクターとふたりで、ゆるいアンサンブルサークル「はじめての弦楽アンサンブル倶楽部」を立ち上げた。月に一度、土曜午後に40分。来る時だけ参加費を払うスタイルだ。事前に楽譜は渡すが、当日初見でもいい。弦楽器が初めてでもいい。

「『左手弾けません』って言われれば、右手だけで大丈夫な楽譜があるので、まずは右手だけでも参加できるようにしました。とにかくハードルを下げようと思ったんです。下手でも楽しい。始めちゃったらもう、楽しいからって気づいてほしくて」

6月の取材時点で登録は20名前後。月に集まるのは5人から10人程度だという。

「その日、集まったひとで楽しくやりましょう! という感じです」

予定が合う時に楽器を持参すれば、誰かと音を合わせられる場所がある。楽団に入るのでも、教室に通うのでもない。それは、廣瀬さん自身が求めていた場所なのかもしれない。この取り組みは、奈良などほかの店舗にも広がっているそうだ。

▲廣瀬さんが練習中だというバッハの無伴奏チェロ組曲

2026年3月、1年間の副店長経験を経て、名古屋則武新町店の店長を引き継いだ。

「こうして振り返ってみると、やりたいことができてますね。好きで続けてきたことが仕事につながるのもうれしいですし、今、店長になって周りのみんなが、やりたいことをやってるのを見るのが一番楽しいです」

そう語る廣瀬さん自身は、チェロを弾けているのか。

「バッハの無伴奏チェロ組曲をこっそり練習しています。まだぜんぜん弾けないので」

休みの日には、チェロを背負いカラオケボックスへ足を運ぶ。大好きなエレファントカシマシを数曲歌ったら、黙々と弾く。店長になっても廣瀬さんは、演奏を続けている。

ストリートチェロは、ない

「弦楽器って、ほかの楽器に比べるとまだ親しんでるひとが少ないんです。ストリートピアノはあっても、ストリートチェロってまずないでしょう」

それでも、と廣瀬さんは続ける。

「チェロの取り組みを始めてみて、楽器を始めたいけど、どうしたらいいかわからないひとがたくさんいることに気づいたんです。始めたいひとをどうやってスタートさせてあげるか。楽しく続けてもらえるよう、どうつながり続けるか。ライフステージが変わると続けにくくなることは、あると思うんです。でもせっかく興味を持ってくれたんだったら、楽しく続けられる環境をつくるのも手伝えたら最高ですよね」

そこには、廣瀬さん自身の経験があった。一度離れたからこそ、わかることがある。

「それこそ楽器がなかったりとか、高校で部活がなかったとか、そういう理由で一回楽器やめちゃってるので。それも効いてますね。世代を問わず、職種も問わず、共通の趣味で盛り上がれるのはすごく楽しい。楽器やっててよかったなって思います」

楽器を始めるハードルを下げて、その楽しさを伝える。だからこの店には、触るところから始められるビギナーズ倶楽部があり、月に一度だけのゆるいアンサンブルサークルがある。廣瀬さんの話を聞いていると、自分もなんだかやれそうな気がしてくる。

でも、楽器の楽しさは、どうやって伝えるのだろう。

▲チェロはこのように背負って移動するそうだ

1時間で弾く「きらきら星」

ビギナーズ倶楽部には、必ず最後にやることがある。

「最後、無理やりふたりで1曲アンサンブルするんですよ。きらきら星を」

初めてチェロを触るひとが、たった1時間で曲を弾けるのだろうか。

「できます。大丈夫です。今まで弾けなかったひとはいないです」

廣瀬さんは、即答した。その自信は、廣瀬さん自身のつまずきから来ている。楽器を弾くのが上手いひとが、教えるのも上手いとは限らない。先輩に「こういうイメージで弾いて」と言われても、具体的にどうすればいいのか、わからなかった。ビギナーズ倶楽部では感覚的な話はしない。言語化して伝える。基礎は、そこそこにしておく。

「まずは音が出ることがすごいし、曲って案外弾けちゃう。みんなと合わせるとめっちゃ楽しいよってことが伝わればいいかなって思っています」

取材の終盤、その1時間のさわりを体験させてもらうことにした。

私がチェロを間近で見たのは、この日が初めてだ。まず、大きい。背丈に近い楽器を前にして、どう扱っていいのかわからない。取材で聞いていた弾く以前のハードルが、自分にも一気に押し寄せた。

床から本体を支えるエンドピンの長さは、手のひら1個分と指1本分。椅子に浅く座り、足を開いて、楽器を挟む。上のふちの部分は、みぞおちのあたりに当たる。馬のしっぽの毛でできている弓に、腕の重さをぜんぶ乗せていいのだという。

言われるがまま弓を動かすと、低く伸びやかな音が出た。楽器を支える身体全体に、音が響く。自分も楽器の一部になったようだ。

「弦楽器って、弓を弦に置いたら音が絶対出るので。弾く力とか、歌えるかどうかじゃない。この楽器にお願いできるんです」

廣瀬さんのリードで手を動かし続けると、聞こえてきた。「きらきら星」だ。

楽しい。細かいことはなにもわからないけれど、とにかく楽しい。もっと、弾いてみたくなる。

「楽しいんですよ」と、廣瀬さんは満面の笑みで続ける。

「本当は、もうちょっと右手の練習をやって、きらきら星がとりあえず弾けるようになったら、私が伴奏をつけるんです。ひとりで弾くところで終わらせたくなくて。最後、無理やりアンサンブルは、絶対やってます」

▲体験会の様子

「いいよね、オケって」

教員を目指していたこともある廣瀬さんは、教えることが楽しいと言う。教えたことがその場では響かなくても、後から効いてくることがあるのだそう。それが誰かの助けになれていたら、うれしい。

廣瀬さん自身にも、経験があるのだろうか。尋ねてみると、少し考えてから話し出した。

「それこそ、ビギナーズ倶楽部の教え方に関しては、大学時代の先輩の言葉をそのまま伝えている部分もあります」

大学1年生の冬、初めてのコンサートの本番前。朝から夜まで練習漬けの日々が続いていた。中学のオケでチェロを教えてくれて、進学先で再会した先輩から1本のメールが届いた。

「やっぱりみんなで音楽するって、すごく楽しいよね。いいよね、オケって」

先輩の言葉は、廣瀬さんの心に沁みた。

「今思えば、結局そこが生きてるなって」

チェロをケースにしまう廣瀬さんは、晴れ晴れとしていた。

島村楽器 名古屋則武新町店

●HP:https://www.shimamura.co.jp/shop/nagoya-noritake/
●X:https://x.com/shima_noritake

●店舗住所
 〒451-0051 愛知県名古屋市西区則武新町3-1-17イオンモール Nagoya Noritake Garden 3F

 名古屋市営地下鉄東山線「亀島駅」から徒歩6分
 名鉄名古屋本線「栄生駅」から徒歩10分
 JR「名古屋駅」から徒歩12分

この記事を書いた人

サオリス ユーフラテス

佐賀生まれ。製薬会社勤務を経て、五大陸の旅へ。帰国後、リクルートエージェントで14年半、7,000人以上のキャリア支援に携わり、2021年に独立。現在は福岡を拠点に、人の営みや人生を深掘りするインタビュー、経営者のアウトプットサポートを手がけている。「正しい道より、楽しい道を。最短距離より、寄り道を楽しむ」ことがモットー。