こんにちは。島村楽器 仙台ロフト店の安倍です。
この度、機会あってKORG(株)さんにお話を伺う機会がありましたので、KORG本社に併設されておりますショールームの様子を通して、KORGから世界に発信されている最先端の機材の数々や、懐かしの機材あれこれの他、会話ベースで知ることのできた裏話的なエピソードをお話できればとおもいます。
それでは、拙筆ながら日本のKORGファンのみなさんに向けてつらつら書いていきます。

こちらがKORG本社の様子。隣には京王よみうりランドという遊園地がございます。プールもあるようで、ギラギラの猛暑日だった当時自分も子供たちの列に混ざってプールに入りたいなと思っておりました(?)
ご存知の方も少なくないでしょうが、KORG本社は1階がショールームになっており、一般向けに開放されています(10:00~15:00 月曜定休)。社員の方いわく、隣の遊園地にいらっしゃった家族連れでお父さんだけがKORGショールームにくぎ付けになり帰り際にはもう閉まってしまって、後悔なんてことが多いのだとか。
KORGショールームの詳しくはリンクを貼りますので、ご興味のかたはチェックしてみてください。
中に入ってみた感じ、実際に一般の方もいらっしゃるようで、シンセサイザーが好きそうなおじさま方が自由に機材を試奏していらっしゃいました。KORGの最先端の品揃えを知ることができるだけでなく、実際に体験できるというのは素晴らしい時間になりますね。

気になった機材を見つけては、ツンツン触ってKORGスタッフさんから詳しく解説をいただける、、という素晴らしい時間を過ごさせていただきました。まずはイスがあって座ってみたところに話題の機材Phase 8や、KAOSS PADつき機材の様々が!このデスク上に載っているのは、KORGの最先端ガジェットの数々といった感じでしょうか。

奥のデスクには、KORGの誇る小型ヴィンテージシンセと、似たような絵面の37鍵が3つずらり。一番左はデジタルウェーブテーブルの金字塔「DW-8000」の流れを汲んだ最先端のウェーブテーブルシンセ「modwave mk ii」、真ん中は「WAVESTAION」から「OASYS」、「KRONOS」と歩みを進めたウェーブシーケンシングの最先端「wavestate mk ii」、そして右奥は名機「Mono/Poly」のリスペクトを感じるアナログモデリングシンセ「multi/poly」。写真には納められませんでしたが、

FMシンセシスをベースに進化を遂げたKORGの誇るAltered FMシンセ「opsix mk ii」と並んで現代KORGデジタルシンセの御三家と呼ばれる存在になっているのだそう。これらのいとこ的な立ち位置に、multi/polyやKingKORG neoのようなヴィンテージライクなアナログモデリングものがあるとのこと。同じ37鍵で並べると似通ったシルエットでスッキリ見えますが、それぞれのポテンシャルは全く違う方向にあるというのはロマンを感じられますね。

奥の棚には、volcaシリーズなどのガジェットをまとめたラックのほかに往年の鍵盤たちが。アナログシンセも新旧揃い踏みでした。そして左奥には、、

あっこれは!
少し前に限定生産で国内でも出回ったARP 2600 FSも置いてありました。噂でしか聞いたことのない伝説的な復刻セミモジュラーシンセ。私には使い方さえサッパリ分かりませんでしたが、KORG社員さんにパッチングの手ほどきを受け、名機の音作りを勉強させていただきました。当時と変わらないメカニックなインターフェースから出る音は歴史を感じさせられます。文章ではみなさんに伝えられないというのが、悩ましいところ!

KORGは現在Arturiaの正規輸入代理店のため、Arturia製品各種も置いてありました。特に目を惹くのは手前に置いてある88鍵盤「AstroLab 88」です。V CollectionやPigmentsといったArturiaの誇るソフトウェアシンセの音をパソコンいらずでステージキーボードとして使うことができる、という、Arturiaのキャリアだからこそ作り得るコンセプトを感じられます。操作感もFatarのハンマーアクションでアフタータッチ搭載、宇宙船のような近未来な雰囲気が出ていて、AstroLabという名前は伊達ではありません。
国内で使っている人はまず見かけません。新製品なので、誰とも機材を被りたくない方にはオススメです。


VOXやAguilarといったメーカーの代理店でもあるので、ギター関連製品も展示が。VOXの竿ものはスピーカー搭載モデルやスケルトンなボディといった奇妙なデザインが多いのでしょうか。

あれ?スーツケースが置いてあります。KORGさんはRhodesの代理店ではなかった気が、、
と思ったら、どうやらこのスーツケースは貰い物なのだそう。KORGもマメなところがありますね。とはいえ本物のエレピもついでに触ることができるのは個人的に興奮します。

そしてドンカマチック(ドンカマ)まで!これも元々は他のお店にあった物を引き取って展示しているのだとか。リズムマシンの元祖、音量もショールーム全体を響かせるくらいに申し分なく作動していました。2つのリズムパターンを同時に選択して鳴らせるようで、複雑なリズムを作り出すことのできる、中々侮れない機材でした。

極め付きには、伝説のポリフォニックシンセ「PS-3300」が!鍵盤の数だけVCA、VCF、EGの回路を並列で搭載するパワフルなアプローチで当時としては革命的な完全ポリフォニックを実現したKORGの巨大なシンセサイザーです。「ARP 2600 FS」や「miniKORG 700 FS」の復刻に続き、同じ開発チームがこの「PS-3300」の復刻を実現しました。1音ごとにファインチューニングをずらしてみたりなど、他のアナログシンセでは出来ないアプローチを可能にする独特な機体です。
写真を撮り切れていませんが、他にもステージキーボード「SV-2S」や「GrandStage X」のほか、ワークステーションシンセ「KROSS-2」「Nautilus」「KRONOS 3」、アレンジャーキーボード「Pa5X」も3300の奥にございます。
KORG現行品の機材でひときわ話題なのは、最近発表のあったばかりの「GrandStage X」ではないでしょうか?

Nu-tubeを新たに搭載したアンプ部分やリッチな音作りやコード・バッキング機能に、KRONOS譲りの強力な音源部のほか、新たに追加された2種類のオルガン音源、そして「SV-2」からさらに進化を遂げたかのような丸みのあるシルエットがポイントです。結構話題になりがちなビジュアルですが、なんとKORGの商品開発部さんが社長プレゼンを通す前にこのデザインで先駆けて製作に漕ぎ出したという逸話が。この近未来的ビジュアルの裏にはそんなエピソードがあったのですね。
アレンジャーキーボード「Pa5X」の成分を抽出したようなリズム&コード進行機能も、ソロ演奏や個人練習にうってつけです。自動伴奏機能はステージキーボードとしてはありそうでなかった発想ですよね。

ワークステーションシンセ市場の一角を担い続ける「KRONOS」も忘れてはいけません。7月にソフトウェアの大型アップデートが入ったばかりのKRONOSシリーズは、現代の最新の音を常に吸収し、最先端のシンセで居続けるポテンシャルを秘めています。Rhodes の最新作「Mark 8」のサウンドなんかが最近入りましたね。「KRONOS 3」は2011年から続くKRONOSシリーズのインターフェースを引継ぎながら、圧倒的なパフォーマンスで国内外問わずトッププレイヤーたちに選ばれ続けている実績のあるKORG最強のフラッグシップシンセでしょう。

最後にアレンジャーキーボード「Pa5X」を紹介させていただきます。「KRONOS」とは違ったアプローチの機体で、自動伴奏機能を極限までプロ仕様に仕上げたモデルとなります。自動伴奏機能持ちの鍵盤といえば、CASIOやRolandなどでコンシューマー向けの安価なモデルが展開されていますが、「Pa5X」はその真逆の線を行き、音色や演奏体験に妥協しない「本気の」自動伴奏を行えるというモデルになっています。聞いた話だと、海外ではホームパーティーに「Pa5X」を設置して、単独パフォーマンスを披露する、というシーンがあったり、ゴスペルのような合唱曲でバッキングを一人で請け負ったりする用途で使われているのだとか。
欧米で展開されているYAMAHAのアレンジャー・ワークステーション「Genos 2」もそうですが、「KRONOS」とは違ってソロ演奏かドラムレスのデュオ演奏で、プロレベルで音楽的な厚みをもたらすにはこういった「アレンジャーキーボード」のほうが間違いなくパフォーマンスを発揮することができます。
また、単純なアコースティック楽器の音色も「KRONOS」より多彩なニュアンスを加えられる点で特化しているというお話がありました。単純にライブ用途としてもアコースティック志向のバンドとのシナジーは高いでしょう。
バンドを組んでライブはやりたいけど、人を集めるのはハードルが高い、他人に任せずに全部自分で完結させたい!というこだわりをお持ちの方にもオススメですし、UIの視認性が「KRONOS」よりも優れているのでDAWレスで作曲したいという方にも1台で完結できる強力なツールとして活用できます。
「ワークステーション」としての機能性は「KRONOS」よりもより注力して作られている、という印象です。他にも演奏データを5線譜に書き起こしたり、音声ファイルをAI分析してアレンジに組み込んだりといった、「Pa5X」でしかできない便利機能が盛りだくさん。本当にパソコンがいらなくなるスペックです。
末筆ですがKORG製品の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか?島村楽器仙台ロフト店にはご紹介させていただいたPa5XのほかにもKORG鍵盤製品を多種展示しております!字面だけでは伝わりきらないのが楽器機材の魅力ですので、ぜひ当店でご体感ください!商品に関するご質問もご遠慮なくお問い合わせください。
| この記事を書いた人 | 安倍(あべ) |
| 店舗名 | 島村楽器仙台ロフト店 |
| 電話番号 | 022-264-9333 |