みなさんはギターの重量を気にしたことはありますか?
木材や金属パーツを使用して作られるギターには、一定の重量があります。それはギターの魅力やサウンドの要素である一方、快適に演奏を楽しむうえで、長時間の演奏時に負担となることもありました。
以前、島村楽器社内で実施した「楽器演奏を快適に楽しむためのハードルになっていることは?」というアンケートでも、「楽器が重くて長時間演奏すると疲れてしまう。肩や腰が痛くなってしまう。」という回答が多く寄せられました。
そんななか、「とにかく軽くて弾きやすくて、ハイクオリティなギター」をテーマに開発したモデルが2025年にリリースした「HTM/AIR-Premium」でした。
今回、発売直後からたくさんの反響をいただいた「HTM/AIR-Premium」のコンセプトを元に、新しいモデル「HSM/AIR-Premium」が誕生します!
このモデルは、エレキギターの重量に悩んでいる方にはもちろん、小柄な方や、あらゆるプレイヤーに刺さるポイントが詰まった一本です。
HISTORY HSM/AIR-Premium

開発担当者が語る、完成までのハードル
【ハードル①】弾きやすさを損なわずに、どこまで軽くできるか




昨年発売した「HTM/AIR-Premium」とはボディ形状が大きく異なり、そこがまず開発の一番最初の課題となりました。
今回のモデルでは、ボディトップのエルボーコンターや、ボディバックのウエストコンター(バックコンター)などの「複雑な形状を活かしたまま、どうやって軽量化していくか」に向き合いました。
HISTORY Premiumシリーズの製作を担ってくれている、Tsubasa Guitar Workshop代表の田中千秋さんとの複数回にわたる議論を行い、特有のコンター構造を活かすために立体的なチェンバー加工や、トップ板を曲げて貼り付けるドロップトップ構造にすることで、このタイプならではの快適な抱え心地を維持したまま軽量化することに成功しました。


ドロップトップ構造は、耐久性を考慮した形状を採用しました。チェンバード加工の際に内部をすべて空洞にするのではなく、ドロップトップの接着部周辺にあたる木材をあえて残すことで、接着部の耐久性や完成後の木材が変形しにくいようなこだわりを詰め込んだ仕様にしています。
【ハードル②】軽量化だけでは決められない、ブリッジ選定
HSM/AIRの開発を進めるなかで、もう一つの課題となったのがパーツ重量です。
このタイプのギターの特徴であるシンクロブリッジは、演奏やサウンドに欠かせない一方でブリッジ自体に比較的重量があります。
ギター全体の軽量化を目指した今回のコンセプトとは両立が難しい・・・と思われるポイントでした。
ブリッジの質量はギター全体のサウンドに影響する重要な要素なため、単純に軽いパーツや違うタイプに変えればいいというわけではありません。トレモロブリッジと比較的軽量なフィクスドブリッジをそれぞれ搭載したモデルを試作し、サウンドや演奏性の比較検証を行いました。

試作モデルを比較すると、以下のようにフィクスドブリッジモデルの方が240g軽い結果となりました。
- トレモロブリッジ搭載モデル:2.80kg
- フィクスドブリッジ搭載モデル:2.56kg
軽量化という目的だけを考えれば、フィクスドブリッジモデルにも大きな魅力がありますが、実際に両モデルを比較してみると、HSM/AIRに求めていた音の存在感や、このタイプのギター特有の表現力は、トレモロブリッジ搭載モデルの方がより強く感じられ、最終的にトレモロブリッジを標準仕様として採用しました。
HSM/AIRの魅力に迫る!
演奏性と軽量化を実現する、ミディアムスケール&チェンバードボディ


弾きやすさと軽量化を追求し、628mmのミディアムスケールとチェンバードボディを採用。
スケールに合わせてボディ全体もダウンサイジングを施し、軽量で取り回しのいい構造を実現しました。
弾きやすさとサウンドを両立させる、Premiumシリーズならではの仕上げ
ギター本来の鳴りを活かす、オールラッカー仕上げ




ヴィンテージギターにも用いられるニトロセルロースラッカーを、下地からトップコートまで使用した「オールラッカー」仕上げを採用。極薄の塗膜が木材の振動を活かし、豊かな鳴りと倍音を引き出します。
オールラッカー塗装は、温かみを感じさせる質感が特徴です。今回のモデルでは、控えめなエイジド加工を施し、程よく使い込まれた雰囲気を表現しながら弾き込むほどにピッキングによる傷や腕が当たる部分の擦れなどが加わり、徐々に自分だけの表情へと変化していく魅力も味わえます。
熟練のビルダーが作り上げる、自社製作ピックアップ




木工から組み立て、ピックアップの開発・製作まで、熟練のビルダーが一貫して手掛け、音に厚みがあり芯のあるサウンドが特徴のピックアップを搭載。熟練のビルダーが作り上げるからこそ生まれる、バランスのいいサウンドは、タッチニュアンスが付けやすく表現の幅が広がる様なサウンドが魅力です。
弾きやすさにつながる、HISTORY 独自のプレイアビリティ

- JESCAR製ステンレスフレット&22F仕様
- 22フレット仕様により演奏の幅を広げ、錆びにくく摩耗しにくいステンレスフレットを採用することで、より長く安心してお使いいただけます。
- シームレスソフトVUネック
- ローポジションではコード演奏に適したソフトVシェイプ、ハイポジションでは単音弾きに適したUシェイプへと、なめらかに変化するネック形状です。
- ホイールアジャスト
- ネックを外さずにチューニングしたままロッド調整ができるホイールアジャストを採用。また、ナット周り質量を残すことで、ネック鳴りを生かす設計になっています。
- Easy Access Joint&チタンプレート
- 手のひらが当たる部分を丸くカットしたチタンジョイントプレートを採用。チタン特有の豊かな倍音感を活かしながら、独自設計のヒールカット形状により、ハイポジションでの演奏性を高めます。
サウンドプレビュー
島村楽器所属のギタリスト「佐藤将文」による試奏動画
試奏コメント
初めて持ったときの“軽さ”は、とにかく衝撃的で、長時間の演奏でも疲れを感じさせない、安心感のある軽さだと感じました!
また、抱えた瞬間にスッと身体になじむボディとネックも魅力です。
通常のモデルより一回り小さいボディやミディアムスケールによる、心地よいフィット感があり、弾き込むほどに、その扱いやすさを実感できると思います。
そして、プレイアビリティだけではなく、このギターならではのサウンドも大きな特徴の一つです。
エアー感のある柔らかな音の輪郭の中に、一音一音の「芯」を感じることができ、弾いていく中で、鳴らしたいフレーズが浮かんでくるようなサウンドが魅力だと感じています。
特に、フロントやハーフポジションでのアルペジオやソロでは、色気のある音色が圧倒的で、薄くリバーブをかけてアコースティックな鳴りを引き立てることで、より艶やかなトーンを出すことができます。
それだけでなく、センターポジションの鋭く歯切れのよい音色も魅力です。
深い歪みの中でもコードの分離感がしっかり残るようなトーンで、シーンに応じてPUポジションを変えながら弾く楽しさがあります!
作り手の想いが生んだ弾きやすさと、このギターでしか出すことのできないエアー感のあるサウンドを、ぜひ実際に手に取って、ご自身で体感してみてください!
製品情報
HSM/AIR-Premium




| 型名 | カラー | 販売価格(税込) |
|---|---|---|
| HSM/AIR-Premium | SCAR(Soft Aged Dark Candy Apple Red) SDLB(Soft Aged Dark Lake Placid Blue) SMDB(Soft Aged Midnight Blue) SSBLO(Soft Aged Sonic Blue Old) | ¥340,000 |
スペック一覧
| 項目 | HSM/AIR-Premium |
| ボディ | アルダー2P(ホロウ構造/TOP:アルダー貼り) |
| ボディ仕上げ | オールラッカー/ソフトエイジド加工 |
| ネック | メイプル1P / シームレス・ソフト・VUシェイプ |
| ネック仕上げ | オールラッカー |
| 指板 | インディアンローズウッド/225R-300Rコンパウンドラディアス |
| ネックジョイント | Easy Access Joint Type I |
| ペグ | GOTOH SD91-05M |
| ナット/ナット幅 | 無漂白牛骨 / 42mm |
| フレット | 22F / JESCAR FW47095-StainlessSteel |
| フロントピックアップ | HSC-SR/n 5.8k Al5 FV |
| センターピックアップ | HSC-SR/m 5.8k Al5 FV |
| リアピックアップ | HSC-SR/b 6.3k Al5 FV |
| コントロール | マスターボリューム、フロント&センタートーン、リアトーン、5WAYレバースイッチ |
| ブリッジ | SC Tremolo FSO Ni |
| 使用弦 | D’Addario EXL110 (010-046) |
| スケール | 628mm |
| 参考重量 | 約2.8kg※個体差によって上下します。 |
| 付属品 | ギグバッグ、レンチ、保証書 |
| 保証期間 | 3年 |
2026年秋~冬に開催される、ギターフェアにて展示&販売!
今回紹介した「HSM/AIR-Premium」は2026年秋冬に各地で開催されるギターフェアにて展示されます。
| ギターフェア | 日程 | 展示モデル |
| 信州ギター祭り | 10月3日(土)~4日(日) | 開発試作モデル2機種(トレモロブリッジ搭載モデル/フィクスドブリッジ搭載モデル |
| ギタラバ SHIZUOKA | 10月10日(土)~12日(月・祝) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
| 福岡ギターショー | 10月23日(金)~25日(日) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
| ギタラバ OSAKA | 11月7日(土)~11月8日(日) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
| ギタラバ NAGOYA | 11月21日(土)~23日(月・祝) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
| ギタラバ SENDAI | 11月28日(土)~29日(日) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
| ギタラバ TOKYO | 12月5日(土)~6日(日) | HSM/AIR-Puremium 4カラー (SCAR SDLB SMDB SSBLO) |
写真や動画だけでは分かりにくいサイズ感、重量、抱えやすさ、演奏時のフィット感を、ぜひ会場で実際にお試しください。皆さまのご来場をお待ちしております!