Antares Audio Technologies から、自然で透明なピッチ補正を実現する最新のアルゴリズムを搭載した「AutoTune Advanced」が発表されました。
- DVA™エンジンが自然なビブラートを検出し、ピッチ補正後も歌唱の揺らぎと個性を保持
- 44.1〜192kHzで1ms未満のレイテンシーを実現するLiveモードを搭載
- フォルマント調整、78鍵Visual Keyboard、MIDI Performなど、ボーカルを細かく作り込む機能を搭載
AutoTune Advanced
AutoTune Advancedは、更新されたアルゴリズムにより、AutoTuneシリーズで最も自然かつ高精度なピッチ補正を追求しています。自動チューニングとリアルタイム・パフォーマンス向けのLiveモードを備える、AutoTune 2026の上位モデルです。
特許出願中の新しいDVA™エンジンは、歌唱に含まれる自然なビブラートを検出して保持します。ピッチ補正によってビブラートまで均一になりやすい場面でも、歌声の揺らぎやキャラクターを活かした補正を行えます。
また、44.1kHzから192kHzまでのサンプルレートで1ms未満のレイテンシーを実現するLiveモードを搭載します。78鍵Visual KeyboardとTranspose&Formant Designerも備え、自然なピッチ補正から積極的なボーカル演出まで対応します。
DVA™エンジンがビブラートを検出し、歌唱の揺らぎを保持
ピッチ補正では、音程を整える過程で、歌い手が意図して加えたビブラートまで均一に処理されることがあります。AutoTune Advancedは、新開発のDVA™ビブラート・エンジンを搭載し、歌声に含まれる自然なビブラートを検出して保持します。音程の補正量を抑えた透明感のある処理だけでなく、補正を強く効かせる設定でも、歌唱に含まれる揺らぎや質感を残すための設計です。
DVA™が検出しているビブラートは、リアルタイム・ビジュアライザーで確認できます。耳で聴きながらビブラート量をカット/ブーストできるため、補正後の歌声を楽曲のニュアンスに合わせて調整可能です。さらに、元の歌唱にビブラートがない場合には、Vibrato FXでビブラートを加えられます。サイン波、矩形波、ノコギリ波、三角波を選択し、レートとカット/ブーストを操作することで、自然な揺れからエフェクトとして際立つ変化まで作り分けます。

Liveモードによる低レイテンシー・モニタリング
ボーカル録音やライブパフォーマンスでは、自分の声が遅れて返ってくる感覚が、歌唱のタイミングや表現に影響します。AutoTune AdvancedのLiveモードは、44.1kHzから192kHzまでのサンプルレートにおいて1ms未満のレイテンシーを実現。補正をかけた状態でのモニタリング環境を整え、歌い手が演奏や歌唱へ集中しやすい状態を目指します。
動作モードはLive、Low Latency、High Qualityの3種類を用意。Liveモードはリアルタイムのモニタリングやパフォーマンス向け、Low Latencyモードはレコーディング時のレスポンスを重視する場面向け、High Qualityモードは、レイテンシーよりも音質を優先するミックスや仕上げの工程に適します。
用途に応じてモードを切り替えることで、制作工程ごとに求められる応答性と音質を選択できます。内部処理の設計も刷新し、多数のプラグインを同時に使用する大規模なセッションでも、CPU負荷を抑えながら安定した制作環境を目指します。

音程、フォルマント、スケールを一体的にコントロール
AutoTune Advancedは、更新されたAutoTune Autoモードのピッチ補正エンジンを中心に、ボーカルの音程と音色を細かく調整するための機能を備えます。Flex Tuneでは補正への追従具合を調整し、Humanizeでは伸ばした音に対する補正の反応をコントロールします。補正によってボーカルがどのように変化するかを視覚的に示すフィードバック表示も搭載し、設定値と聴こえ方を結び付けながら作業できます。
Transpose&Formant Designerでは、Transposeで音程を、Formantで声質やキャラクターを、それぞれ±12半音の範囲で操作します。両者をリンクして自然な移調へつなげるほか、あえて独立して動かすことで、ピッチダウンした声やキャラクターを変化させたコーラスなどを作り出せます。
スケール編集は12のキーと各モードを同一パネルにまとめ、78鍵Visual Keyboardでは音ごとにバイパスまたは再チューニングを設定可能です。歌唱中の意図的な音程変化や装飾的なフレーズ、語尾に残る低くかすれた声のニュアンスを保ちながら、補正したい箇所へ処理を絞り込めます。


AutoTuneシリーズ内での位置付けとMIDIコントロール
「AutoTune Advanced」は、自動ピッチ補正とリアルタイム・パフォーマンスを重視するAutoTuneシリーズのフラッグシップです。DVA™によるビブラートの検出・保持に加え、1ms未満の低レイテンシーを実現するLiveモード、フォルマントとトランスポーズのコントロールを備えます。自然な補正から積極的なハードチューンまで、歌声のキャラクターを活かしながら幅広いボーカル処理に対応します。
「AutoTune Pro 11」は、Graph Modeを用いた詳細な手動編集を重視するモデルです。自動補正だけでは整えにくい音程やタイミングを、ノート単位で確認しながら調整したい制作に適します。
一方の「AutoTune」は、日常的なボーカル補正へすばやく取り組むためのシンプルなモデルです。必要な機能を絞り、基本的なピッチ補正を効率よく行えます。
AutoTune AdvancedはMIDI Performにも対応し、MIDIコントローラーから主要なチューニング設定やVibrato FXを操作できます。パラメーターをリアルタイムで動かすほか、その操作内容をミックス内のオートメーションとして記録する制作にも活用可能です。AutoKey 2との連携では、検出したキー、スケール、テンポをセッション内のAutoTune Advancedへ送信できます。
AutoTuneシリーズの主な比較表
| AutoTune Advanced | AutoTune Pro 11 | AutoTune | |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | リアルタイム補正、ライブ、レコーディング | ボーカルの詳細な手動編集 | 日常的な自動ピッチ補正 |
| DVA™によるビブラートの検出・保持 | ○ | — | — |
| Liveモードによる1ms未満のリアルタイム・モニタリング | ○ | — | — |
| フォルマント調整とトランスポーズ | ○ | ○ | — |
| 78鍵Visual Keyboard | ○ | — | — |
| リアルタイムMIDIコントロール | ○ | — | — |
| Graph Modeによるピッチ/タイミング編集 | — | ○ | — |
| ノート単位でのチューニング・パラメーター編集 | — | ○ | — |
| ハーモニー生成 | — | ○ | — |
| ARA2対応 | — | ○ | — |
主な仕様
- 製品の仕様やデザイン、動作環境などは予告なく変更することがあります。
| 製品カテゴリー | リアルタイム・ボーカル・ピッチ補正プラグイン |
| 対応OS | macOS 14以降、Windows 10、Windows 11 |
| 対応プラグイン規格 | AAX Native:対応するPro Toolsバージョン VST3:VST3形式に対応したホストアプリケーション Audio Units:AU形式に対応したホストアプリケーション、macOSのみ |
| ピッチ補正 | 更新されたAutoTune Autoモード・ピッチ補正エンジン、Classicモード、Modernモード、Flex Tune、Humanize |
| ビブラート機能 | DVA™ビブラート検出・保持エンジン、リアルタイム・ビブラート・ビジュアライザー、Vibrato FX |
| Vibrato FX波形 | サイン波、矩形波、ノコギリ波、三角波 |
| レイテンシーモード | Live、Low Latency、High Quality |
| Liveモードのレイテンシー | 44.1kHz〜192kHzにおいて1ms未満 |
| 対応サンプルレート | 44.1kHz〜192kHz |
| Transpose | ±12半音 |
| Formant | ±12半音 |
| スケール編集 | キー/スケール編集、音ごとのバイパス、音ごとの再チューニング |
| Visual Keyboard | 78鍵 |
| MIDI機能 | MIDI Perform、主要チューニング設定とVibrato FXのリアルタイム操作、オートメーション書き込み |
| AutoKey連携 | AutoKey 2対応、キー/スケール/テンポの検出とプラグインへの送信 |
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