Expressive E Osmose CE | 3軸検知の革新的鍵盤を搭載したMIDIコントローラー【実機レビュー】
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Expressive Eが、3軸方向の操作が可能な革新的キーベッドを備えたMPE対応のMIDIコントローラー「Osmose CE」が発売されました。
本記事では革新的なMPE対応のキーボードであるOsmose CEを実機レビューを交えて紹介していきます。
- 左右の揺れや押し込みをノート単位で音に変換する、革新的な「3軸検知」キーボード
- 複数のシンセエンジンを統合し、900以上の表現力豊かな音色を操る「Ctrl-e」プラットフォーム
- 圧力の加減でポルタメントを自在に制御する「プレッシャー・グライド」等の先進演奏ツール

Osmose CEの特徴
Osmose CE(Controller Edition)は、3D MIDIコントローラーキーボード搭載ポリフォニックシンセである「Osmose」と全く同じ鍵盤を採用した、音源非搭載のモデルです。(49鍵と61鍵の2モデルがラインナップ)
単なるMIDIキーボードの枠を超え、奏者のジェスチャーをダイレクトに音へと変換する「表現」のためのデバイスといえるでしょう。
Osmose CEの鍵盤を押したときの重さや押し始めの感触、底まで押し込んだときの感覚は、一般的なピアノ鍵盤とはまったく異なります。MIDIコントローラーとして、音色に細かなニュアンスを加えるために設計された特殊な鍵盤ですね。


Osmose CEは音源非内蔵のMPE MIDIコントローラーのため、PC/Mac上の音源ソフトと組み合わせて使用します。
後述する付属のPC/Mac対応のソフト音源「Ctrl-e」や、MPE対応ソフト音源と組み合わせて使用することができます。MPE非対応のソフト音源ももちろん使用可能ですがOsmose CEの特徴を活かすためにはぜひMPE対応のソフト音源やハードシンセの使用をおすすめします。
MPEは、MIDI Polyphonic Expressionの略で、ピッチベンド、チャンネル・プレッシャー(チャンネルアフタータッチ:CAf)、CC74などのコントロールをノート別に制御できるようになる「MIDI規格の一種」です。なお「MPE+」はHaken Audioによる拡張機能が付加された規格です。
対応機種・音源を使用することでプレイヤーは音色、ピッチ、振幅などのパラメータをすべて同時にコントロールする演奏が可能となります。各ノートに独自のMIDIチャンネルが与えられコントロールを行う仕組みとなっています。
Osmose CEは、鍵盤を押す、押し込む、左右に揺らすといった動きを音に反映できるため、通常のMIDIキーボードでは難しいビブラートや音色変化を、指先で直感的にコントロールできます。
まずはごく普通に弾いてみました。アフタータッチでフィルターと音量が変化しているのがわかると思います。
この手の演奏は、特に意識しなくとも、アコースティック楽器を奏でるような感覚で、直感的なベンドや繊細なビブラートをコントロールできるように思えました。


演奏の物理的ニュアンスを音へ変える「3軸検知」
Osmose CEは、独自の3軸検知技術により、鍵盤を押し込む深さや左右の動きがノート単位で音色に反映されます。プレイヤーはこれにより、デジタル環境での演奏に圧倒的な生命感とニュアンスを吹き込むことが可能になります。


一例を挙げると、鍵盤の動きを音源側のパラメーターに反映させることで、主に次のような演奏が可能になります。
- 鍵盤を押す強さによる音量変化
- 鍵盤を押し込むことによる音色&音量変化
- 鍵盤を左右に揺らすことによるビブラートやピッチ変化
- 鍵盤ごとに独立したベンドやニュアンス付けが可能
単音弾きでベンド(鍵盤左右)とアフタータッチによる音色変化とモジュレーション(鍵盤下方向)。
実際に弾いてみて一番新鮮に感じたのは任意の音だけに様々な効果を与えることができることです。
例えばドミソと和音を弾いたときに、「ドの音だけに」ビブラートや、ピッチベンド、音色変化などを付加することができるわけです。これはMPEが与えてくれる最大の恩恵ではないでしょうか。
特定の音のみベンドをかけてみます。
もうすこしわかりやすい例。メロディーのみベンドとモジュレーションをかけてみます。
シンセリード、ストリングス、管楽器、パッド、ベースなど、演奏中に音色を変化させたい音源との相性が良いコントローラーと言えると思います。

多彩なシンセシスを統合した「Ctrl-e」エコシステム

Osmose CEの表現力を最大限に引き出すのが、付属する専用プラットフォーム「Ctrl-e」です。
これは単なる設定ツールではなく、複数の著名なシンセサイザー・ブランドと提携した強固なサウンド・プラットフォームです。
Ctrl-eには、Osmose CEのために丹念に作り込まれた900以上のMPE対応プリセットが収録されています。Synapse Audioのアナログ・モデリングから、Vitalのウェーブテーブル、AASのフィジカル・モデリングまで、多彩な方式の音源を一つに統合しています。

各サウンドは鍵盤の微細な動きに有機的に反応するよう設計されており、ブラウザ機能でお気に入りのサウンドを瞬時に見つけることが可能です。また、8つのマクロコントロールにより、演奏中にコンピューターを触ることなくハードウェア側で直感的にサウンドを変化させることができます。


Osmose CE側からソフト音源をコントロールする際の様々な設定が可能となっています。


もちろん付属のCtrl-eだけではなく、MPE対応のソフト音源やハードシンセも使用することができます。いくつか試してみました。
Arturia PIGMNENTS

MPEの信号情報もリアルタイムでディスプレイ表示してくれます。
Arturia CS-80V

実機のYAMAHA CS-80は、当時としても珍しいポリフォニックアフタータッチ対応のモンスターシンセでしたがソフト音源版のCS-80Vでも、Osmose CEと組み合わせることでMPEによる有機的なサウンドメイキングと演奏が可能になります。
Spectrasonics Omnisphere 3

Spectrasonicsのフラッグシップソフト音源Omnisphereは最新バージョンの3でMPEに対応し、ノートごとの独立した表現が可能になりました。
DAWコントロール
Osmose CEは、MIDIコントローラー以外にも、DAWコントロール機能を搭載しています。
対応する各種DAWと接続することで、主に以下のようなコントロールが可能となります。
- トランスポート操作:再生、停止、録音
- テンポ操作
- ループ操作
- トラック移動
- デバイス/プラグインの移動
- クリップの操作
- ミキサー操作:音量、パン、センド、ミュート、ソロ
- DAWの自動検出:対応DAWに接続すると、対応する操作項目を自動的に認識
つまり、マウスに持ち替えずに、Osmose CEのノブやボタン、ディスプレイを使って、録音・再生からトラック選択、音量調整、ミュート/ソロまで操作できるので、ライブパフォーマンスや制作作業で重宝するでしょう。
またDAW コントロールモードがアクティブな状態でCtrl-E が動作している DAW トラックを選択すると、Osmose CE は自動的に Ctrl-E モードに切り替わるようになっています。これにより、必要な内部MPE設定が自動的に構成され、専用のCtrl-E sensitivity設定が読み込まれ、Osmose CEの画面から高度なCtrl-E ブラウザナビゲーションに直接アクセスでき、プラグアンドプレイのMPE体験が実現します。
現時点では下記DAWソフトとの互換性がアナウンスされています。
- Ableton Live
- Bitwig Studio
- Cubase
- Logic Pro
私が愛用するMOTU DP11でもCtrl-Eは起動しましたが、DAWコントロールは対応していないようでした。
慣れは必要か
Osmose CEの鍵盤は、一般的な鍵盤とは異なる操作ができる一方で、最初からすべての機能を自然に扱えるとは限りません。
特に、左右の揺れや押し込みを意識せずに演奏すると、意図していないビブラートや音色変化が加わる場合があります。

まずは通常の打鍵に慣れ、その後、左右の動きや押し込みを少しずつ加えていくとよいでしょう。慣れてくると、鍵盤を弾くことと音色をコントロールすることが一体になり、演奏そのものからニュアンスを作り出せるようになります(個人差あり)。
一方、アコースティックピアノソフト音源を演奏する場合には少し違和感を感じるかもしれません・・というか本来の機能を活かすことができないのでもったいないですね。
シンセリードやパッドなどを演奏しながら音色変化までコントロールしたい人にとっては、一般的な鍵盤にはない可能性を感じられるはずです。
先進のパフォーマンス・ツールと拡張性
Osmose CEには演奏の幅を広げるための革新的なツールも搭載されています。その象徴が「プレッシャー・グライド」です。これは固定された時間で音をつなぐ従来のポルタメントとは異なり、鍵盤への圧力(プレッシャー)の強弱によってノート間の滑らかさをリアルタイムに制御できる機能です。
さらに、ノートそれぞれに独立した変化を加えることができる「MPEアルペジエーター」も搭載。鍵盤を押す圧力に応じでシーケンスのスピードや音程なども変化させることができ、予想外のサウンドを生み出すことができます。
さらにCtrl-eはExpressive SuiteおよびExpressive Eプラグインのエコシステムと完全に互換性があり、必要に応じてサウンドパックやインストゥルメントを追加してライブラリを拡張することも可能です。

妥協のない設計と選べる2つのラインナップ
Osmose CEの製造は、ヨーロッパにあるExpressive Eの新工場で行われ、ホワイト・アルミニウム製の天板とブラック・メタル製の底部という、堅牢かつ洗練された筐体に仕上げられています。
ラインナップには、制作環境に合わせて選べる「49鍵」と「61鍵」の2モデルが用意されています。どちらのモデルも大型の4.3インチ・カラーLCDを搭載し、視認性は抜群。USBバスパワー駆動に対応しているほか、DIN MIDIや2つのペダル入力など、プロフェッショナルな制作・演奏環境に不可欠なインターフェースを網羅しています。

注)PCと接続する際は右側のUSB-Cで接続してください。
今回試した49鍵モデルの重量は10kgです。そこそこ重いのですが、その分高級感もあって、さらに本体を設置したときの安定感は高く、演奏中に本体が動きにくいというメリットがあると思いました。また鍵盤を左右に揺らす操作を行う場合にも、安定した状態で演奏しやすいと感じました。


使ってみて良かった点
Osmose CE 49鍵モデルの良かった点は、次のとおりです。
- 鍵盤だけでビブラートやベンディング、音色変化を直感的に操作できる
- Ctrl-eのプリセットのクオリティーが高く、MPEならではの表現が可能
- 本体の質感が高く、デスク上でも存在感がある
- 打ち込みではなく「演奏でニュアンスを作る」感覚が強い
特に、和音の中の1音だけに変化を与えられるといった表現は、Osmose CEならではの魅力です。
音を入力するだけのMIDIキーボードから一歩進んで、演奏そのものによって音色を変化させたい人にとって、個性的で面白いコントローラーといえるでしょう。
気になった点・注意点
一方で、購入前に確認しておきたい点もあります。
- 音源非内蔵のため、単体では音は出ない(ソフト音源は付属します)
- MPEに対応していない音源では、3軸検知の表現を十分に活かせない場合がある
- MPEの考え方や設定に慣れるまで少し時間が必要
- 鍵盤の左右方向の動きや押し込み操作にはすこし練習が必要
- ピアノ鍵盤とは異なるため、弾き心地は試奏して確認してほしい
- 小指だけアフタータッチをかける練習をしていると、普段使っていなかった手首の筋肉が痛くなる(笑)
Osmose CEは、PC/Macや外部音源と組み合わせて使うことで本領を発揮する製品です。自分の制作環境に導入できるかを確認したうえで検討するとよいでしょう。
まとめ
Osmose CE は、単なるMIDIキーボードではなく、演奏表現を拡張するためのMPE MIDIコントローラーです。
3軸検知キーベッドによる左右方向のビブラート、押し込みによる音色変化、ノート単位のベンドなど、通常のMIDIキーボードでは難しい表現を鍵盤上で実現できる点が大きな魅力です。
そんなOsmose CEの魅力を理解していただくためにも、実際に実機に触れてその鍵盤の触感やレスポンスを実感してみてください。
主な仕様
- 製品の仕様やデザイン、動作環境などは予告なく変更することがあります。
| キーベッド |
|
|---|---|
| 機器構成 |
※Osmose CE は、(音源エンジンを内蔵する Osmose とは異なり)スタンドアロンのシンセサイザーではありません。 |
| パフォーマンス・ツール |
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| Ctrl-e |
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| DAW インテグレーション |
|
| インターフェイス |
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| MIDI |
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| 電源 |
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| 寸法と重量 |
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発売日
2026年5月27日
販売価格・ご購入はこちら
| 品名 | 販売価格 | リンク |
|---|---|---|
| Osmose CE 49 JANコード:4530027790258 | ¥203,500(税込) | オンラインストア |
| Osmose CE 61 JANコード:4530027790265 | ¥236,500(税込) | オンラインストア |
- 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。
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デジタル・アドバイザー 坂上 暢(サカウエ ミツル)

作編曲家/キーボーディスト/シンセサイザープレーヤー。
これまで幅広い音楽制作に携わり、TV・ラジオCMやゲーム音楽をはじめとする楽曲を手がける。音楽専門学校の講師を務めるほか、『キーボード・マガジン』『DTMマガジン』などの音楽専門誌での連載執筆や著作活動も行う。
その後も、企業Webサイト向け音楽コンテンツの制作、音楽プロデュース、楽器メーカーのシンセサイザー内蔵デモ曲の制作、音色作成、デモンストレーション、セミナーなど幅広く手がける。趣味・特技は耳コピ。一般社団法人 日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員。