Audeze LCD-X 2021 レビュー|インピーダンス20ΩがDTMを変える、専用アンプ不要の平面磁界型ヘッドホン | 梅田茶屋町店

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こんにちは!島村楽器 梅田茶屋町店のDTM & 録音機材担当です。日夜最高のサウンドを追い求めるハードウェア愛好家とプロフェッショナルが集う当店から、本日は「ヘッドホンモニターの究極系」でありながら「最高に扱いやすい」という矛盾を成立させたモンスター機材をご紹介します。

深夜の自宅作業。「この低音、明日の朝スタジオのスピーカーで聴いたらどうなってるんだろう…」と不安を抱えながらミックスしていませんか? もしあなたが、数十万円の専用ヘッドホンアンプを買う予算はないけれど、プロレベルの「確実な低域」と「見えすぎる解像度」を求めているなら、Audeze LCD-X 2021がその最適解になります。

【核心】インピーダンス「20Ω」が意味する、チート級の鳴らしやすさ

まず、このヘッドホンを語る上で絶対に外せないスペックが「インピーダンス 20Ω(感度103dB/1mW)」です。 インピーダンス(抵抗値)とは、簡単に言えば「音声信号の通りにくさ」。一般的に、超高音質な「平面磁界型」と呼ばれるハイエンドヘッドホンは、構造上この値が高く(または能率が極端に低く)、本来の音を出すためには高出力の専用ヘッドホンアンプが必須とされてきました。
しかし、LCD-Xは違います。

つまり……【F1カーなのに、軽自動車のエンジンで爆走できる】 例えるなら、絶対にハイオクガソリン(高価な専用アンプ)を要求しそうなF1カーが、その辺のレギュラーガソリン(普段使いのオーディオインターフェース)で最高速を叩き出してしまうようなものです。 Universal Audio Apollo TwinやRME Babyface Pro、SSL 2といった、お使いのI/Fのヘッドホン端子に直挿しするだけで、106mmの巨大ドライバーを完璧にドライブさせます。総投資額で考えると、実はとんでもなくコスパが良いのです。

平面磁界型ドライバーと「Fazorテクノロジー」が描く異次元の位相

LCD-Xに搭載されている「平面磁界型(Planar Magnetic)」ドライバーは、極薄のフィルム(ダイヤフラム)全体に張り巡らせたコイルを、強力な磁石で面全体として均一に振動させます。 さらに、Audezeの特許技術「Fazor(フェイザー)ウェーブガイド」が、ドライバーから放たれる音の波形を整え、ヘッドホン内部での音の干渉(位相の乱れ)を徹底的に排除します。

つまり……【超優秀な交通整理のポリスマン】 通常のダイナミック型ドライバーが「トランポリンの中心を蹴って波打たせる」とすれば、平面磁界型は「トランポリン全体が1ミリの歪みもなく一斉に上下する」イメージ。そこにFazorというポリスマンが入り、飛び交う音の波が渋滞・衝突しないよう完璧に鼓膜へ誘導します。

【具体的な実用シーン】 キックのアタックとサブベースの帯域が被っている時。LCD-Xを通すと「あ、キックのリリースが長すぎてベースをマスキングしてるな」という濁りが、まるで顕微鏡で覗いたようにクッキリ視覚化されます。コンプレッサーのアタックタイムを「1ms」動かした時の音の張り付き方の違いが、手に取るように分かるはずです。

妥協なき物理法則。唯一の弱点「612g」の質量

ここまでベタ褒めしてきましたが、当店はメリットもデメリットも正直にお伝えします。 LCD-X最大の、そして唯一の弱点は「612gという規格外の重さ」です。

一般的なモニターヘッドホン(250g〜300g程度)の倍以上。手に持った瞬間「鈍器かな?」と錯覚する重さです。長時間のセッションでは、適度な休憩と首のストレッチが必須になります。

しかし、この重さには明確な理由があります。 強烈なエネルギーで空気を押し出す巨大な平面ドライバー。その振動エネルギーにハウジングが負けて共振してしまうと、音は一気に濁ります。LCD-Xは、極厚の金属ハウジングと強靭なマグネットの「質量(重さ)」で振動をねじ伏せているのです。
この重さこそが、あの「超タイトで、一切ブレのない低域のトランジェント(立ち上がり)」を生み出す土台。物理法則に真っ向から立ち向かった、プロユースゆえのトレードオフです。
(※幸い、極厚のイヤーパッドとサスペンションバンドのおかげで、装着した際の「フィット感」自体は極上です)

AUDEZELCD-X Open-Back-HP

AUDEZELCD-X Open-Back-HP

「自宅で仕上げた低音が、スマホで聴くとボワボワに…」そんな宅録ミックスの沼を終わらせる究極のモニターがAudeze LCD-X 2021です。
最大の強みは「20Ω」という異端の低インピーダンス。数十万円の専用アンプは不要で、いつものインターフェースに直挿しするだけで平面磁界ドライバーが100%駆動します。
612gという鈍器級の重さも、ブレない超タイトな低域を叩き出すための物理的な土台。特許技術Fazorが位相の乱れを完璧に整頓し、キックとベースの帯域被りが“顕微鏡レベル”で視認可能に。「出音の真実」だけを鼓膜へ届ける一生モノの相棒です。

¥255,310税込

梅田茶屋町店で「あなたの環境」を再現して試奏できます

言葉でどれだけ「位相が良い」「低音が視える」とお伝えしても、ご自身の耳で確かめるのが一番です。

梅田茶屋町店では、普段お使いのオーディオインターフェースの持ち込みや、現在制作中の2mixデータ(スマホやノートPC)をお持ち込みいただいての試奏を大歓迎しております。
「自分の曲のあそこの帯域、LCD-Xだとどう聴こえる?」をぜひ店頭でジャッジしてください。

【試奏・在庫確認についてのお願い】
当店では、本機材のベストなコンディション維持と、お客様の環境に合わせた確実なご案内のため、Webからの試奏予約フォーム等は一切導入しておりません。
試奏機のお取り置き、現在の在庫状況などの詳細につきましては、必ず「お電話」または「店頭」にて直接お問い合わせください。

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