管楽器リペアTweet Vo.5

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2014年08月07日

管楽器リペアTweet Vo.5

管楽器リペアマンがTweet(つぶやき)を書いていきます

過去記事
Vol.1 リペアでよくある質問は?
Vol.2 メイン修理と交換パーツ
Vol.3 フルートの実は大事な調整
Vol.4シルバー楽器必見!変色対策

連日の猛暑で体調崩していませんか?こんにちは、管楽器リペアマン平井です。
暑い夏になると高校時代の『野球応援』を思い出します。
吹奏楽部だった私は高校野球の応援に借り出され、山本リンダさんの『狙い撃ち』を炎天下のなか爆音で吹いてました。
きっと現役の高校生達も真っ黒になりながら各地で頑張ってることでしょう。
さて、今回は『管体木製楽器』の注意点をご紹介いたします。主にクラリネットを中心にお話しますが、
木管ピッコロ木管フルートオーボエファゴットの皆さんも是非読んでくださいね!

Vol.5 木製楽器は湿度管理が重要!

クラリネット
四季のある日本は夏と冬で大きく湿度が変化します。皆さまが湿度による木製楽器の影響で一番意識しているのは冬に起こり易い乾燥による『割れ』ではないでしょうか?
実は湿度の高い夏場にも注意が必要なんです。
木は湿度が上がる事で膨張し、乾燥することで収縮します。
今回は膨張の影響についてお話したいと思います。


ジョイントが硬くなる

梅雨に入った頃からジョイントが硬くなり始めた方はいませんか?特にこの春新しく楽器をご購入された方は要注意です。
単純に新しいからコルクが硬くてジョイントしづらい場合もありますが、木の膨張によって硬くなってしまう事があります。
ジョイント1ジョイント2
コルク部分ではなく、写真の部分やジョイントの内側の木部が膨らんでジョイントするのに硬くなってしまう事があります。
ちょっといつもより硬いと思ったときは無理にジョイントせず、リペアマンに調整してもらうようにしましょう。外気の湿度で木部が膨張してしまってる上に楽器を吹くと、より湿度が増してより膨張し抜けなくなる原因になります。
もし抜けなくなってしまったら無理に引っ張ったりせず、お近くのリペアマンに抜いてもらいましょう。


キイの動きが鈍くなる

キイが上がってこなくなったという修理はこの時期多くなります。
こちらの原因も湿度です。
キイパイプ
キイの両端の丸い部分をポストと呼びます。これは管体に直接埋め込むように取り付けられているため、木の収縮を受けやすい部分です。湿度による伸縮によってポスト同士の幅が狭くなりキイの動きが悪くなります。
こちらの場合も新しく購入された楽器に多く見られる傾向で、特に冬場に楽器購入された方は夏を迎える前に調整・点検に出すようにすると良いかと思われます。


予防策

木製楽器はとにかくこまめにスワブを通す事が大事です。合奏中でも他のパートを指導している隙にスワブを通したり、30分に1度必ずスワブを通すなど、とにかく管内の水分をこまめに取り除きましょう。時間があるときはクリーニングペーパーでタンポの水分を取ってあげるとより効果的です
また、ケース内の湿度を一定に保つ『モイスレガート』というアイテムもあります。乾燥だけでなく加湿もしてくれるので通年で使えるオススメアイテムです。


季節の変わり目は必ず点検を!

なんといっても一番は定期的な点検を行う事です。木材という天然素材だからこそ変化の仕方も様々です。特に湿度や温度が変わる節目には必ず点検に出すよう心がけましょう。
最後に今回紹介したアイテムをまとめてみました。大切な楽器を長く使って頂く為にご参考にしていただけたらと思います。

モイスレガートFL用 ¥1,404
モイスレガートCL・OB用 ¥2,700

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常駐管楽器リペアマン 平井

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店名 島村楽器 横浜みなとみらい店
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