【今一番知りたい!!】M1 MacでDTMはできるのか?詳しく解説していきます。

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2021年11月09日

*音楽やるならMacだよね?の時代に暗雲!?Apple M1チップ 梅田ロフト店で長年DTMをやっているスタッフの南です! 皆さんは音楽環境はWindows、Macどちらをお使いでしょうか? 「安いからWindows使ってるよ」「いや、やっぱり音楽やるならMacでしょ」 と意見が分かれるのは昔からよ […]

音楽やるならMacだよね?の時代に暗雲!?Apple M1チップ

梅田ロフト店で長年DTMをやっているスタッフの南です!

皆さんは音楽環境はWindows、Macどちらをお使いでしょうか?

「安いからWindows使ってるよ」「いや、やっぱり音楽やるならMacでしょ」

と意見が分かれるのは昔からよくある話です。

私が始めた10数年前はまだUSBも2.0がで始めたばかりでしたが、その頃はMacのFirewireが主流だった為Windowsはクソ!なんて言われていました。(Vis○a~....)

今やUSBも規格が統一され、PCの性能も上がってきたのでMacでもWindowsでもどっちでもいいよ。という感じになってきましたが、そういう時代もあったというお話です。

そして最近DTM業界に衝撃が走ったニュースと言えば!!!

そう!!Apple M1 Macです!!

Appleが十年以上の歳月を掛け完成させた自社独自のチップ。

このチップが今物議を醸し出しています。

何がすごいの!?Apple M1

  • 高性能Intel CPUより早い処理(全てではない)
  • CPUとメモリ、グラフィック(GPU)を一つのパッケージにしたユニファイドメモリ
  • 消費電力が少ない(省電力)
  • Intel Macよりも低価格で購入可能

Apple Sillicon M1

M1 Macは一番下のMacbook Airでも8コアのCPUを持っています。

これは※IntelCorei7相当の数になります。(corei7でもスペックにより差がある)

今までのPCではメモリやグラフィックボードを別で積むのが一般的でしたが、これら全てが一つのチップに収まっています。これがユニファイドメモリと呼ばれるものです。

Apple見たら16GBまでしか積めないんだけど。大丈夫?

一番低価格のMacbook Air。この機種はなんとメモリを16GBまでしか積むことが出来ません。

「今までDTMやるなら16GBが最低限って聞いたんだけど大丈夫?」

そう思っている方も少なくないでしょう。

これに関しての答えは「全く問題ない」です。

なんなら8GBモデルでもちょっとしたDTM(Garagebandでちょっと作曲、編曲程度)なら問題ありません。

なぜ?

それは、M1チップのメモリがCPU以外のものともデータ領域を共有しているユニファイドメモリだからです。

なんじゃそりゃ!?よく分からん!という方。分かります。私も調べるまではあまりよく分かっていませんでした。

簡単に言ってしまうと今までのCPUとメモリの関係性ではいくら高性能にしたとしても効率よく運用出来ていたわけではないからなんですね。

メモリは「作業場」にあたります。容量はこの作業場の大きさだと思ってもらえると分かりやすいです。

DTMで例えるなら6畳の部屋にPC環境が一台あったとします。当然PCは1人しか使うことができません。

ではこの部屋に2人いるとどうなるでしょう?2人目もPCを使いたいのですが1人目がPCを使っている間は使用することができません。

では2人目がPCを使うにはどうすればよいか?それはもう一台PCを揃えれば解決します。

余裕のあるうちはPCを揃えれば大丈夫なのですがここで問題です。作業ができる人数を追加で3人、4人と増やしていくと、当然6畳の部屋ではスペースが足りなくなってきます。

使えるPCの数もどんどん足りなくなり、結果的に部屋に入り切らなくなってしまい、作業が止まってしまいます。

これがいわゆるメモリ容量の限界に当たります。(物理的に作業できるスペースがなくなる)

まとめ:メモリとは作業場。一つのCPUが使用しているメモリ領域では他の処理が出来ない。そのため作業できる領域を増やしていくことができる。ただし作業できるスペースを増やすのに限界がある。

ではユニファイドメモリとはなんなんでしょう?その答えを先ほどの例えにすると

「一つの音楽作業環境をみんなで共有できる」システムとなります。「一つのプロジェクトをみんなで共有できる」システムに近いですかね。YAMAHAのSyncroomのようなものだと考えてもらえると音楽をやっている人は分かりやすいかもしれません。

このシステムによりAppleのPC性能は大幅にアップ!従来のものとは比べ物にならないくらい価格が安く、性能や電力の効率が飛躍的にアップしました。

イメージで言うとユニファイドメモリ8GBは通常PCのメモリ16GBと同じくらいだと考えてもらってもいいかと思います。

M1 Macを検討するなら抑えておきたいこと。「Rosseta2」

Appleが急にこんな次世代CPUを用意した中で一つの弊害が起こってしまいました。

それは「今まで使っていたApp Store以外のソフトが使えない」という事です。

当たり前の話ですが、今まではIntel、AMD(Rizen等)と言ったCPUをメインとしたPCが主流でした。当然それらのPCで適切に動くようにプログラムされていたソフトな訳です。

ですがここに来て急にAppleが「Intel辞めまーす!」、「俺達はM1っていう自社のチップこれから使っていくよ!!」となってしまったため、これらのCPUで使用できていたソフトが軒並み使えなくなってしまいました。

これには他社も怒り心頭(本当に怒っているかどうかは分かりませんが・・)プログラマーは徹夜して必死でアップデートに追われてしまう。。そんな問題もあったためAppleは独自の救済措置を取る事にしました。

それが、Rosseta2です。

Rosseta2の役割

Rosseta2の主な役割は「Intelベースで作られた他社のソフトをM1 Macでも使えるようにするための機能」と覚えておきましょう。はっきり言ってしまえばエミュレーターに近いものです。

現状、DTMソフトやプラグイン、ソフト音源はこのRosseta2を介してインストールする事になります。

もちろんオーディオインターフェースやMIDIキーボードも同類です。

M1 Macの問題点

イラストや動画製作に関してはあまり気にならないのではないかと思うのですが、こと音楽製作に関しては非常に厄介です。

なぜなら音楽製作に関してはサードパーティー製(Appleと関係のない)メーカーがたくさん参入しているからです。

Appleとしては自社のgaragebandやLogic Pro使えばいいじゃんと思ってそうですが、CubaseやAbletonLive、Protools等の定番DAWが軒並み挙動がおかしかったり、インストールが出来ない等の問題が発生しました。(現在は最新verでインストール可能)

更にプラグインやオーディオインターフェースで定番と言われているものも一部使用出来ない状況が続いています。

(有名なUniversal Audio Apolloはメーカー自体対応していないようですが、特殊な方法でインストール、使用することが可能です)

詳しくはコチラ


因みに旧バージョンのソフトは軒並み使用不可となっています。M1 Macに買い換える場合はお持ちのソフトのバージョンとメーカーの仕様条件を満たしているか確認した後、アップグレードを行ってください。

M1 Macで更に注意したい事。OSのアップデート

これは元々PCを持っている人(特にMac)を持っている人は注意するべきポイントです。現在はMacOS Monterey(12.0.1)が10月末に発表されました。

Macに関してはこのアップデートを急いで行ってしまうと今まで使用出来ていたソフトが対応していないため使用出来ない。と言う状況に陥ります。(必ずOSのアップデートは手動に設定)

(2021年11月現在はLogic ProとGarageband以外使用出来ないため、アップデートが入るまでは上げないようにお願いします。)

今後はM1 Macという部分とMac OSの二つを見て使用できるソフトや機材の選定を行う事になるので初心者の方にはハードルが高くなってしまっています。わからない場合は必ずご相談ください。

まとめ:これからしばらくはどう対応すればいいか?

現状M1 MacはLogicやGaragebandで作業をする場合に限り推奨という感じです。

ただし使える機材やソフトが限定されてしまうため初心者の方とプロユースの方にはオススメしづらいです。

趣味と割り切ってある程度トラブルシューティングができる人でない場合はWindows10のPC、または整備品のIntel Macを買ったほうがいいと思います。

それでもMacがいいという方は、使いたいソフトがキチッと対応しているかを確認した上での導入をオススメします。

梅田ロフト店DTM担当

デジタルアドバイザー 南(みなみ)
高校1年生の時にギターを始めました。その後作曲に興味を持ち、大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)作曲コースを卒業。2013年~ボカロPとして活動し、現在の島村楽器梅田ロフト店に入社。1年間に100件ほどのDTMトラブルシューティングを行う。

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