Vol.02 私の僕のこだわり機材 〜elektron Model:Cycles〜

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2020年10月28日

こんにちは! 島村楽器梅田ロフト店 最近1日2食の横山です! 今回は様々な方の「買いたい!」ではなく「買った!my new gear...」の背景をより濃く読み解く企画の第1弾、先ずは自分自身からということでelektronより先日リリースのFMベースのグルーヴボックスModel:Cycles(以下 […]

こんにちは!

島村楽器梅田ロフト店 最近1日2食の横山です!

今回は様々な方の「買いたい!」ではなく「買った!my new gear...」の背景をより濃く読み解く企画の第1弾、先ずは自分自身からということでelektronより先日リリースのFMベースのグルーヴボックスModel:Cycles(以下MC)を取り上げたいと思います!

Q1.導入の決め手は?

パーカッシブな音が出るシンセサイザーを探していました。主にテクノの制作をしているのですが、stabっぽく、でもシンセサイザーの伸びた音ではない雰囲気を出したくて困っていました。

ドラムマシンを2台持っているのですがあくまでキック、ハット、スネアetc.のドラムの出音がメインだったので、次に導入するとしたら音程感やディレイ・リバーブなども込みで扱える、ドラムマシンとシンセの中間の様な機材が理想でした。他の候補としてはNord Drum 3P、KORG volca drumなど。

その中で、新商品ということもあり興味があったこと、FMの出音のバリエーションが気になったので触ってみたかったこと、MCの方がvolca drumより音の重心が低めだと感じたこと、また、Floating Pointsの音楽を聴いていると、モジュラーシンセ・ローパスゲート感のある特徴的なパーカッシブ音が欲しくなったので思い切ってmng…しました!

Q2.実際に使ってみて

FMベースのグルーヴボックスという言葉がぴったりの機材だなと感じました。

「FMベース」

基本的な波形のOSCベースのシンセだと、FilterやADSR、波形のチョイスでの音作りがメインになると思いますが、あくまで出音のバリエーションは元の波形に依るところが大きいと思います。

一方でMCやFMベースのシンセは良くも悪くも出音のバリエーションが多彩で、予想外の音が"出てくれる"楽しさがあります。

MCは6トラックのシーケンスが走りますが、1トラックの中だけでも様々な音のバリエーションを出せるのがOSCベースにはない感覚でしたのでとても新鮮でした。

また、音色の"暴れ"具合がちょうど良いのも嬉しいポイントです。通常FMシンセはエディットできるパラメータが多く、例えばライブでササっと音作りをするのは勇気が必要。MCではそれらを思い切ったオリジナルの4パラメータ(Color、Shape、Sweep、Contour)に絞った設計になっているので"格好良い範囲内で暴れて"くれます。elektronのチューニングが流石だな、と感じました。

どう転んでも大体"聴ける音"になるので、ノブをグリグリしながら、パラメータロックも結構思い切って活用しています。

「グルーヴボックス」

元々求めていた、ローパスゲート感のあるパーカッシブな音がしっかり出てくれました。キック、スネア、メタル(シンバルやハットなど)、パーカッション(タム類)、トーン、コードと6つのサウンドエンジン(elektronはこのエンジンをマシン、と呼んでいます)を組み合わせてグルーヴを作っていくのですが、MCのみでジャムセッションしてみたところ、この6つという数がちょうど良いなと感じました。

触る機材が1台と言えどもジャム中は何かと忙しく、elektronの機材はパラメータロックなどシーケンスを作り込んでいけるだけに、触る場所が多過ぎると手が迷いがちです。

僕はMC1台でテクノを演奏する際に例えば

①キック

②メタル(クローズドハット)

③メタル(オープンハット)

④トーン

⑤トーン

⑥コード

というマシンのセッティングで臨みます。

この様に6トラックにそれぞれマシンを割り振ることができるので、他のドラムマシンと併用するときは

①〜②にパーカッション

③~⑤にトーン

⑥にコード

という"上物用パーカッションマシン"的な役割を担ってもらっても面白そうですね。

FMベースのグルーヴボックスとして、マシンの割り振りやパラメータロック、ステップボタンを音階に見立てて演奏し、それらをライブRecするといった柔軟さと、FMならではの(適度な)派手さの両面を併せ持つMCは正直かなり扱いやすい機材だと思います。

「elektron製品って難しいんですよね…?」ってよく聞かれますが、全然そんなことありません!例えば、elektronならではの先進的なシーケンスが(ほぼ)ワンノブ・ワンパラメータで扱いやすく設計されている今回のMC、もしくはModel:Samples(サンプラー、グルーヴボックス)でトライしてみるのが特にオススメです。

elektron Model:Samples

僕自身もそうだったのですが、elektronのシーケンスを用いてみると、退屈しがちなベタ塗りループミュージックから意外と楽に脱出できるんですよね。

Q3.どういう方にオススメ?

シンプルに1台で、なおかつご自身のバランス感で「上物」と「ビート」をどちらもうまく扱える機材をお探しの方にはぜひご検討頂きたいですね。クラブトラックはシンセ x ドラムマシンの2台以上で雰囲気ができてくることが多いのですが、予算やスペースを抑え、制作やライブにシンプルさを求める方にはぴったりだと思います。

逆にひたすらエディットして、細かなこだわりを随所に散りばめたい方には制限されたエディット範囲は少々物足りないかもしれませんね。

2021/06/16追記

おわりに

当然ですが、僕の持っている機材にも限りがありこのまま行くとネタ切れ必至…皆様の買ってよかった!これはマストバイ!を募集しています!

elektronのModelシリーズ、とても楽しいですよ!

Model:Cycles

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Model:Samples

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お問い合わせはシンセサイザー担当:横山まで

軽音楽部でギターを始め、4年ほど主に邦ロック・洋ロックを中心に演奏していました。

ギターのコード感・テンションコードなどが好きなので、シューゲイザー・アンビエントなども。

その後Ableton Liveを導入し、2年ほどDAWを用いたループミュージック、テクノ、ノイズの制作など。

ここ4~5年はシンセサイザーの多彩な出音をより楽しむため、サンプラーやモジュラーシンセ、ドラムマシンに挑戦しています。

スタッフ横山はこんな人!

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