アーティストの”あの音”に迫る 「King Gnu/常田大希」

梅田ロフト店

梅田ロフト店店舗記事一覧

2020年04月11日

*今回は話題の時代を席捲するあのバンドのギターサウンドに迫ります!! 皆さんこんにちは!!島村楽器梅田ロフト店です。]]ギター・ベース愛する多くの方が思う「あの人と同じ音って出せないのかな…?」に島村楽器梅田ロフト店有するエフェクターのプロフェッショナルたちが挑む新企画!! ***「アーティストの” […]

今回は話題の時代を席捲するあのバンドのギターサウンドに迫ります!!

皆さんこんにちは!!島村楽器梅田ロフト店です。
ギター・ベース愛する多くの方が思う「あの人と同じ音って出せないのかな…?」に島村楽器梅田ロフト店有するエフェクターのプロフェッショナルたちが挑む新企画!!

「アーティストの”あの音”に迫る 」

店頭に並んでいるエフェクター、ギター・ベースを使用して可能な限りサウンドの再現をしていきます。アーティストの機材を楽器屋目線でチェックしていき徹底解剖!!
憧れのアーティストが特集されることがきっとあるはずですので、定期的にHPをチェックしてみてください!!

今回は大人気バンドKing GnuからGt・Vo「常田大希」さんです!!

KingGnu

東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。
その後、メンバーチェンジを経て、常田大希(Gt.Vo.)、勢喜遊(Drs.Sampler)、新井和輝(Ba.)、井口理(Vo.Key.)の4名体制へ。
SXSW2017、Japan Nite US Tour 2017出演。
2017年4月26日、バンド名をKing Gnuに改名し新たなスタートをきった。(公式HPより)

今回はそんなKingGnuからGt・Voの常田大希さんをピックアップ!!元々チェロ奏者だそうで、東京芸大出身のミュージシャン。圧巻の作曲センスとギターテクニック、拡声器を使ったボーカルパフォーマンスとアーティスティックさが随所に目立つ常田さんのサウンドに迫っていきます。

常田さんの使用機材は?

ギター

◆ Fano Guitars/Alt de Facto RB6

「FenderとGibsonの良いとこ取り」と言われることもあるこのモデル。音楽的な幅の広さが求められそうなKingGnuの楽曲をやる上で、オールマイティなギターが必要だったのかも…?個性的な見た目が持つ人間を選びそうなものですが、さすが常田さん。超カッコいいですね!!

「白日」のMVでも使用されていますね、似合いすぎです…!!

◆ Fender/American Performer Mustang Customモデル

ご本人のinstagramでも紹介があった、American Performer Mustangをベースに「ボディー型からネックから何から何までカスタマイズした」オリジナルオーダーモデル。
カラーから何から個性的。筆者も本人のインスタから発見するまで「ヘッドはFender…いったいどこのギターなんや…?」と首を傾げていましたが、なるほど。オリジナルモデルだったんですね!!ピックアップセレクターと思われるところも改造されていますね。
常田さんのこだわりが随所に詰まっていそうな一本です。

「どろん」のMVでこのこだわりの一本見ることができます。

この2本のギターから見て取るに音色を再現するなら、ピックアップがP-90タイプのギターが良さそう。ちなみにFano Guitars/Alt de Facto RB6はLindy Fralin のカスタムモデルが搭載されているようなので、上記2本を合体させるイメージでメイプル指板のムスタングにリンディーのP-90を載せたら近くなりそう…?

アンプ

◆ ÷13(Divided by 13) / CCC9 15

こちらのカラー違いかと思われます!!個性的な名前が特徴のアメリカのアンプメーカーです。国内でも様々なアーティストが好んで使用しているので見たことがある!という方も多いのではないでしょうか。ブティックアンプらしい優れたレスポンスが特徴。
歯切れのいいサウンドから荒々しいディストーションまで変幻自在の常田さんサウンドを支えています。
また、本人の手書きでしょうか、使用されている実機はかなり個性的なペインティングがされています。常田さんのアート性の高さがここでも際立ちます…!!

こちらも「どろん」のMVでちらっと見えますね。

エフェクター

◆ Shin’s music / DUMBLOID ODS

写真のモデルと完全一致という訳ではないのですが、Shin's musicの名器DUMBLOID ODSを使用しているそうです。非常に有名なブランドなのでご存知の方も多いShin's music。全ギタリストがあこがれるあの”ダンブル”を再現。本機にはミニスイッチがついておりJazz/Rockといった細やかなサウンドメイクが可能。
上質な音色を追い求めた結果たどり着いたエフェクターなのでしょうか…。なかなか店頭に並ばない一台だけに再現が難しそうです。

◆ Xotic / XW-1

調べた結果、これが常田さんのエフェクターボードにはいつもいるようです!!KingGnuの楽曲は非常にワウを使うものが多いですよね!!例えばとても分かりやすい楽曲でいくと「Vinyl」のイントロで思いっきりそのサウンドらしきものを聴くことができます。

今回はここを目指していくことになりそう…?

◆ Digitech / HardWire RV-7 Stereo Reverb

一台で様々なリバーブを作れる偉い子。常田さんは「modulated」モードの全てのツマミをフルアップして使っているようです。

◆ TC Electronic / Flashback Delay

こちらは定番ディレイとして多くのギタリストに愛されている名モデルですね。多くのディレイタイプを持つので出したい音を狙って作っていけます。ご本人はプリセットを用意しているようです…!!

◆ TC Electronic/ Viscous Vibe

こちらもTC Electronic製モジュレーション系ペダルです。TonePrintという機能があり、世界中のギタリストのサウンドを読み込める優れもの。
「INTENSITY」と「VOLUME」ツマミを全開にして使用しているようです。「SPEED」はおおよそ11時半くらいにして使っているようですね。肝心のモードはまでは追い込みきれませんでした…。もしTonePrintだった場合再現がなかなか難しい一台ですね…!!

では肝心の音作りに迫っていきます!!

ざっと機材から特徴と見ていくと…。

・ギターはP-90タイプのピックアップ。
・アンプはチューブアンプが良さそう。
・楽曲中の特徴的な音にはワウの存在が。

果たしてレコーディングまでライブ等と同じギターでプレイしてるかどうかは分かりませんが、得た情報から拾っていけるのはこんなところ。
しかし、今回は所持機材を揃えることがテーマではなく、あくまで「再現」なので上記を意識しつつサウンドを作ってみていきましょう!!

スタッフ五反田が音作りしてみました!!

白日のサビをイメージして作ってみます

ところどころセッティングを変えてワウを使っているように聴こえますね。ペタっとせず存在感はありながもワウらしい音ですね。シンプルな編成のバンドでありながら緻密で迫力があります…!!
もちろん先ほどご紹介したご本人使用機材を揃えてしまうのが一番早道な気もしますが、今回はなるべくエフェクターでの音作りを目指していきましょう

いくつかのエフェクターを五反田チョイス

様々な価格帯がエフェクターにはありますのでどこに資金を割いていくのかはプレイヤー次第。
今回はこの中からワウは三種類、歪みはこの中では一番お求めやすいOneControl / Golden Acorn OverDrive Specialと高価なHermida Audio / Zendriveを使っていきます。
歪みエフェクターは例を挙げ始めるとキリがないので、今回は「ダンブル系」と呼ばれるものに限定していきます!!同じダンブル系の歪みでも価格帯でどう変わるのか、という点も注目のポイントです。
歪みは出来るならShin’s music / DUMBLOIDシリーズがベストでしたが、今は店頭在庫が無いので代用していきます!!

とはいえ最重要なのはワウ…?

冒頭からずっとワウの話をしている気もしますが…常田さんサウンドを目指す上で絶対外せないワウ。用意するならベストはXotic / XW-1です。お気に入りのエフェクターがある程度揃っていて良いワウが欲しい、という方でも幅広い音作り可能でオススメできます。一生モノのワウとして考えて頂けると思います。

が、しかしそうは言っても少しお高めなのがネック。既にワウを持っていたり、そこまでワウに資金を割けない方も多くいらっしゃるかと思いますので今回はVOX / V847AJimDunlop / GCB95 Cry Babyでも挑戦してみました!!より近いのはどちらになるでしょうか…!!
両方とも1万円クラスのワウなので手に取って頂きやすいかと思います!!はじめてのワウにもうってつけです。それぞれの音の違いは後程の動画で体感してみてください!!

使ったギターはJimmy WallaceのP-90搭載モデル。

Jimmy Wallace LP SP DC Polaris WHT

やっぱり、P-90の方がいいかなという事でこちらのギターを選出。派手なルックスが先行しがちですが、音は骨太でワイルド。このアーティスティックな奇抜さも常田さん的…?

今回はどこに行っても再現が出来るようにしたいのでアンプはJC-120をチョイス。

チューブアンプ、それもブティックアンプが良いのは本人使用機材から読み取れるのですが、どうしてもその場所で置いているものが違ったりするので、今回は定番のJC-120での音作り。
ツマミはこんな感じ。ほぼほぼフラットで良さそうです。ここは環境に応じて調整していくポイントになってきますね。

では、さっそく実際に作った音を聴いていただきましょう!!

コスパ重視のGolden Acorn OverDrive Special真空管さながらのトーンのZendriveをそれぞれのワウに繋いでみて同じ「白日っぽい」フレーズを弾いてます。
音の質感に注目して聴いてみてください!!

Xotic / XW-1 + Hermida Audio / Zendrive

今回の基準となる組み合わせです。ワウをかけた時に音がスカッとしてしまいがちですが、XW-1はしっかりと太さは保ちながらもギターの気持ちいいところが出ています。常田さんの存在感のあるバッキングを意識してみました。
XW-1とそのほかのワウを実際に弾き比べて頂くと強く感じるのですが、踏みしろが全く違います。足元の感覚でワウの音をより緻密にコントロールできるようなイメージです。ジュワーっとワウがかかっていく感じが全然違います…!!

Xotic / XW-1 + OneControl / Golden Acorn OverDrive Special

先ほどよりもちょっとペタッとした音になりましたが、ワウの雰囲気はそのまま生かされていますね!!

VOX / V847A + Hermida Audio / Zendrive

XW-1とは高音域のワウのかかり方が違いますね、こちらの方がピークが上にある感じがします。チャキっとしたワウという印象でしょうか。

VOX / V847A + OneControl / Golden Acorn OverDrive Special

音がはっきりとているのでソロの部分を弾くならならこの組み合わせでもいけそうですが、もう少しジューシー感が欲しいですね…!!

JimDunlop / GCB95 Cry Baby + Hermida Audio / Zendrive

XW-1に比べると少しまったりとしたモワワワって感じ、伝わりますでしょうか…。これはこれで気持ちのいいワウサウンドです。が、常田さんを目指すなら抜け感がもうちょっとだけ欲しい…!!

JimDunlop / GCB95 Cry Baby + OneControl / Golden Acorn OverDrive Special

Zendriveとの組み合わせと比較すると、高音域のワウ感が大きく変わりましたね!!あともう少し太さがあればこの組み合わせもよさそうです。低コストで再現を目指すなら良いかもしれません!!

それぞれの総集編

Hermida Audio / Zendrive バージョン

OneControl / Golden Acorn OverDrive Special バージョン

それぞれのワウを比べるとベストなのはXW-1で間違いないですね!問題なのはVOXとCrybabyを比較した時。お好みがあるとは思いますが今回のテーマであるとVOX V847Aの方がバンドアンサンブル内でもしっかりと抜けてきてくれそうなのでオススメという結論に!!

それぞれのワウの物理的な踏み心地を動画ではお伝えしきれないのが歯がゆいですが、サウンドには明確な違いがありましたね!!

ある程度エフェクターが揃っているならばご本人愛用のXW-1を用意、コスパ重視で再現するのであればGolden Acorn OverDrive SpecialとVOXという一万円台コンビがオススメです!!

いかがでしたか?実際に同じセッティングにして試奏も可能です!!

アーティストの”あの音”に迫る、今回はこれにて終了です!!
KingGnuの頭脳である常田大希さんに迫ってみましたがいかがでしたか?
やっぱり再現の心臓になるのはあのワウサウンドをどこまで追い詰めれるかだと思います。今回は特に分かりやすくXotic/XW-1の音というポイントがありましたね!!とりあえずこのワウを手にしてP-90タイプのピックが載ったギターで弾けば「近しい」サウンドになるのかも。幸いXW-1は細やかなセッティングを得意とするワウなので使用されるギターやアンプに合わせて良いところを狙っていけそうです!!

この記事を読んで気になった方は島村楽器梅田ロフト店までぜひお越しください!!一緒に再現しちゃいましょう!!ではまた次の機会に!!

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。