【アコースティックギター】現行品とヴィンテージギターを比べてみました

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2023年11月22日

現行品とヴィンテージ品の比較 当店では中古商品の取り扱いもしておりますが、運よくヴィンテージと言われる年代である1977年製のMartin D-28を買い取らせて頂きました。中々お目にかかれないもので、せっかくなので現行品と比較してみました。 ”ヴィンテージ”とは 改めてになりますが、”ヴィンテージ […]

現行品とヴィンテージ品の比較

当店では中古商品の取り扱いもしておりますが、運よくヴィンテージと言われる年代である1977年製のMartin D-28を買い取らせて頂きました。中々お目にかかれないもので、せっかくなので現行品と比較してみました。

”ヴィンテージ”とは

改めてになりますが、”ヴィンテージ”とはどういったものを指すのでしょうか。日本語で簡単に表すと、「年代物」といった表現になります。車や衣料品などにも使われますね。楽器、主にギターにおいては、元々1960年代までのものをヴィンテージと呼んでいましたが、近年は1970年代のものまでヴィンテージと呼ぶように年代が広がってきております。アコースティックギターでは、戦前を表す”プリウォー”期~1960年代ころまで、エレキギターは1950~60年代のモデルが人気です。このあたりの年代の物はモデルによっては途方もない金額で取引されております。(数百万~数千万!まで)

70年代の楽器に関して

対して70年代の楽器に関しては、近年ヴィンテージとして扱われるようになったばかりということもあり、まだまだ比較的入手しやすい価格で流通しております。それでも現行品では得られない響きをもつものも多く、一部高騰が始まっているモデルもあります。

今回比較する2本のギター

アコースティックギターMartin D-28 1977年製

アコースティックギターMartin D-28 1977年製

1977年製ヴィンテージ

¥396,000税込

今回入荷したのは1977年製のMartin定番モデルのD-28になります。70年代初期ころまで採用されていたハカランダ材からローズウッド材に変更、60年代後期から採用されているスクエアロッド期の個体になります。(詳細は後述)

アコースティックギターMartin D-28 Standard

アコースティックギターMartin D-28 Standard

現行品

¥450,000税込

こちらは現行品のD-28。最もスタンダードな仕様です。2018年にリニューアルが施され、プリウォー期がモチーフにされた外観となっております。

ボディ

右が1977年製、左が現行品になります。トップにスプルース、サイド&バックはローズウッドという定番の構成。外観に関してはボディトップの色味など多少の違いがございます。現行品は先述の通り、70年代よりさらに古い時代のMartinをモチーフとしたデザインとなっております。

指板

こちらが1977年製
こちらが現行品です。

指板の素材はどちらもエボニーですが、1977年製の方がより濃い黒です。以前はエボニーと言えば真っ黒のものがよいとされ好まれておりましたが、材料の枯渇もあり各メーカー黒くない縞模様のあるエボニーも採用しております。色味や模様の違いは、強度や音質には全く関係ないと言われております。

ネック

1977年製
現行品

1977年製はマホガニー材が使用されておりますが、現行品のネック材は「Select Hardwood」とされています。木材の種類は明記されておらず、このグレードにふさわしい厳選された木材を採用しているとの事。筆者も複数本弾き比べたことがありますが、違いがあるようには感じませんでした。また、ネック形状は現行品の方が少し薄めのネックになっております。

トラスロッド

現行品はアジャスタブル(調整可能な)ロッドとなっており、反ってしまった場合でも調整が可能です。1977年製に関しては、1960年代後半から採用されているスクエアロッド期のもので、こちらのトラスロッドはロッド調整が出来ない仕様となっております。大きなデメリットのように感じますが、ネックの強度を上げるための工夫であり、この仕様ならではの太いネックによる音の響きにファンが多いのも事実です。

ヘッド

1977年製
現行品。オープンギアペグが特徴です。

ナット幅

現行品は1 3/4"(約44.5mm)ですが、1977年製は約42.9mmと若干せまめになっております。

音の違い

簡易的な録音ですがいかがでしょうか。1977年製は音の深み、立体感や低音の迫力があり、現行品の方が少し元気で明るい音、といったような違いです。

どちらがよいのか?

今回紹介した1977年製と現行品の比較としては

・扱いやすさなら現行品⇒調整可能なトラスロッドや、比較すると薄めなネックで演奏性もしっかりしています。またメーカー保証も得られますので、安心してお使いいただけるかと思います。
・サウンドはヴィンテージならでは⇒なによりこのサウンドは新品、現行品では得られない物があります。もちろん現行品も弾きこんでいく事で音は育っていきますが、長い年月をかけなければなりません。

以上のようになりますので一概にどちらかと断言するのは難しいと感じます。ヴィンテージのサウンドに心を打たれた方にはもちろんヴィンテージをオススメします。今回の機会で改めて現行品も弾きこんでみましたが、現行品には現行品の音の良さを感じる部分もありました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。イオンモール高崎店の店頭で実際にお試し、弾き比べいただくことも出来ますので、気になった方はぜひご来店下さい。お待ちしております。

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。