![PRSギターを徹底解剖!その魅力に迫ります! 島村楽器静岡パルコ店 店長の平林です。徹底した品質管理と新たなアイデア、芸術的なフィニッシュで現代のギターシーンを牽引するPaul Reed Smithギターを徹底解剖し、その魅力に迫る不定期連載のVol.4です。 シリーズ4回目は、現代のギターミュージ […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/shizuoka/wp-content/uploads/sites/113/2021/06/20240310-07853863-b60e-4496-aed8-313754b4f55c.jpg)
PRSギターを徹底解剖!その魅力に迫ります!
島村楽器静岡パルコ店 店長の平林です。徹底した品質管理と新たなアイデア、芸術的なフィニッシュで現代のギターシーンを牽引するPaul Reed Smithギターを徹底解剖し、その魅力に迫る不定期連載のVol.4です。

シリーズ4回目は、現代のギターミュージックに於ける最重要ミュージシャンの一人であるジョンメイヤーと、2年に渡る開発期間を経て発売されたSilver SkyのUSA、SEの全貌に迫ります。ファクトリーが異なるUSAとSEの共通点や違い、Fender Vintage Stratocasterとの比較を交えて解説致します。

創業者のポールは、2022年現在も常に現場でギター製作に関わっており、JMとも綿密なやり取りをしてギターやアンプを共同開発しています。FenderとSilver Skyには異なる良さやコンセプトがあり、Silver Skyは現在のJMの音楽に合わせたサウンド、プレイアビリティを具現化した印象です。SEシリーズも、USAモデルを踏襲した非常に雰囲気の良いルックスとサウンドで、Silver Skyらしさが高いレベルで実現されています。
それでは、実際に比較していきます。

始めにヘッド部です。同一のヘッド形状にシグネイチャーロゴ(SEはロゴ有り)、トラスロッドカバーはUSAが金属プレートでSEはプラスチック素材です。ペグはUSAがロックタイプ、SEはノンロックタイプが採用されており、ペグボタンは両モデルが同素材です。ナット部は、USAが牛骨、SEは人口骨と違いがありますが、全体としては似た雰囲気があります。

コントロール部ですが、Vol&Toneノブ、PUセレクターノブ、ジャックプレート形状は、SEでもSilver Skyらしさが失われていません。ジャックプレートは、シールドケーブルが抜き差し易い形状で、プラグの断線防止にも繋がります。

塗装は、USAが2019年途中からアンダーコートにCAB(樹脂)/トップコートにNitroラッカーを使用した、NOC(Nitro Over Cellulose)を採用しており、SEはウレタン系でフィニッシュされています。USAはアルダーボディ、SEはアルダーに比べてややフラットな音質特性を持つポプラボディ(Fender Mustang等にも使用されています。)が採用されていますが、両モデルに合わせた塗装が採用されている為、最終的なサウンドは近い印象です。

ピックアップはUSAは635JM、SEは635JM SEバージョンがマウントされています。現在のJMが作る音楽やライブ、レコーディングに合わせてチューニングされていますが、SEの方がやや高出力な印象です。635JMピックアップはSilver Sky以外へのマウントが出来ない、PRSの中で特別なピックアップです。

キャビティー内部です。ノイズ対策の銅箔位置も同じという、SEモデルでも妥協が無い仕上がりです。


POTやセレクター、コンデンサーはUSAが上位パーツを使用しています。

SEにはノイズ対策の導電塗料が塗られています。USAは敢えて導電塗料は塗らず、オーガニックなサウンドを追求しています。

ブリッジはUSAは6点支持トレモロ、SEモデルはPRSには珍しい2点支持トレモロと違いがあります。両機種共にノンフローティングがデフォルトで、弦振動をボディに伝える為、JMが拘っているポイントです。



ネックジョイントプレートには、どちらもSilver Skyロゴ、JMのサインが入ります。

スモールサイズのバードインレイは、一見しただけでは区別出来ない程、似ています。フレットワイヤーはカスタム等よりも細身です。

ネック厚は、USA ROSE指板→USA Maple指板→SEモデルの順で薄くなっていきます。指板Rも、USAが7.25(所謂Fender系)、SEが8.5とややフラットになっており、SEモデルは2点支持ブリッジと合わせて、ややモダンな仕様になっています。

Silver Skyのネックは、JM所有の63年、64年製Fender Stratocasterをベースにしている為、ネック回りに対するご質問を多く頂きます。

当時のFenderにも複数のネックシェイプが存在しますが、ある1本の63年Bネックと比較してみました。63年はラウンド指板、Silver Skyは所謂スラブ貼りですね。

ナット部付近です。


この個体で比較すると、ナット幅はSilver Skyが広いです。


1フレット付近のネック厚も約1㎜、Silver Skyが厚いです。


12フレット付近では、Silver Skyのネック厚がFenderに対して薄くなります。

Silver Skyのカラーはテスラ等をイメージしていると言われています。
以上で、第4回目は終了ですが、本記事がギター選びの一助になれば幸いです。
※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。
関連記事
-
Shizuoka HANDMADE Guitar Bass SHOW Vol.4
静岡パルコ店
-
Shizuoka HANDMADE Guitar Bass SHOW Vol.4 スペシャルイベント「Altero Custom Guitars 調整会」
静岡パルコ店
-
【Shizuoka HANDMADE Guitar Bass SHOW Vol.4】KarDiaN&Petla 自分の錆びペイントで作るエフェクター製作講座【6月14日(土) 二部制】※5/31 18:00予約締切
静岡パルコ店
-
【新規開講】はじめてのキーボードサロンのご案内
静岡パルコ店
-
【弦楽器】2025年バイオリンフェア開催します!
静岡パルコ店
-
【ギタラバSHIZUOKA2024】かずき×フクダヒロム 出展機材紹介イベント
静岡パルコ店