![アコースティックギターファンの皆様こんにちは。仙台ロフト店のM.J.吉田です。私先日ヤイリ工場に行ってまいりました。今回はヤイリ工場の魅力をお伝えすべくレポートを作成いたしましたので、是非ご覧くださいませ。 CONTENTS1日目〜工場見学〜2日目〜オーダー品考案〜K.Yairiギターはオンラインス […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/sendai/wp-content/uploads/sites/15/2024/07/20240703-515424685656113345.jpg)
アコースティックギターファンの皆様こんにちは。仙台ロフト店のM.J.吉田です。
私先日ヤイリ工場に行ってまいりました。
今回はヤイリ工場の魅力をお伝えすべくレポートを作成いたしましたので、是非ご覧くださいませ。
CONTENTS
1日目〜工場見学〜
岐阜県可児市に来ました。仙台駅からですと飛行機と電車で片道4時間ほどでしょうか。
こちらがヤイリ工場です。



待機場所から集合場所の2階ホールにかけては、色々なヤイリオリジナルアクセサリーや、往年の著名アーティストの写真・サインなどが並びます。


ホールにて集合。ホールにはご覧の通り沢山のギターやステージがございました。
K.Yairiの歴史が感じられます。




参加者による簡単な自己紹介などを終えて、いよいよ工場見学です。
と、その前にまず大前提として皆様に知っていただきたいのが、“日本製”というジャンル分けについてです。
“日本製”とは?
一言に“日本製”と言っても、「海外で乾燥させた木材を輸入し、日本で製造している“日本製”」と、「日本で木材乾燥から行い、日本で製造している“日本製”」がございますが、K.Yairiはもちろん後者です。
ご存知の通り四季のある日本ほど、1年間の中で湿気変動が激しい国はないと言っても過言ではありません。
日本で木材乾燥から行うことで、木材に春夏秋冬の激しい湿度変化を経験させることができます。これはギターの状態変化に関して非常に大きなポイントです。春夏秋冬を経験することにより、湿気変動による状態変化も経験することになります。
つまり製品化された後にネックの反りやねじれが起きにくくなります。
弾きやすい状態をキープできる点は、特に初心者には嬉しいですよね。
K.Yairi製品であれば全て日本製と判別できる点も分かりやすくて良いです。
それでは上記のことを踏まえて早速工場見学していきましょう。
まずこちらは指板材の自然乾燥場所です。

指板に関しては何と10年ほど自然乾燥させます。
これにより含水率を18%程まで落とします。無理に乾燥させると割れる可能性がございますので、ヤイリ工場では、自然乾燥にも力を入れております。木材を切った瞬間は、立っていた時の向きに戻ろうとするため、その力を抜くことも大切です。
自然乾燥により、木材も軽く・固くなり、より“鳴る”ようになります。
トップ材の自然乾燥場所も別にございました。トップ材に関しては3〜5年ほど乾燥させます。
こちらはネック材の自然乾燥場所です。

ネック材に関しては1〜1年半ほど乾燥させます。ラップがされている木材は入荷ホヤホヤの木材です。

こちらの木材は「ムシ」と書いてありますね。

こちらは僅かに虫食いによる穴があるため、基本的には使用しませんが、木材を無駄にしない方針のヤイリギター工場は、アウトレット品や何か他の形として使用することもございます。自然を大切にする姿勢が感じられました。
さて、自然乾燥させた後は人工乾燥するのですが、人工乾燥では含水率を8%以下まで下げます。職人さん曰く、自然乾燥がしっかりされている木材は作業もしやすいとのこと。
近年大きい材はだんだん採れなくなってきております。特にハカランダなどの希少材は板材で入荷することがほとんどみたいです。希少材をご希望されている方は、価格上昇のことも踏まえると本当に早めに手にした方が良いと感じました、、
カスタムショップの製作場所に来ました。

カスタムショップには全4名所属しております。詳細は以下のリンクをご覧ください。
今回は運良く全員の作業の様子を観ることができました。
カスタムショップは1人で最初から最後まで製作するため、一貫性があるという点が魅力的です。やはり職人によってカラーがあり、音の傾向も違うため、オーダー内容によって製作担当の職人が割り当てられることもしばしば。
こちらは震災で流された杉で作った通称“震災ギター”。

ヤイリ工場は妥協をしないため、本来材の大きさが足りていないとギターを製作しないのですが、こちらのギターに関しては被災者の特別な想いも汲んで、記憶を残すためにも材を繋ぎ合わせることで製作をしたとのことでした。
こちらはリペアコーナー。


老若男女誰もが知っているアーティストの写真が溢れんばかりに貼ってあります。これだけ大勢のアーティストに愛されるギターメーカー、それが“K.Yairi”だと改めて感じました。
さて、ここからは通常生産ラインに移ります。通常ラインはもちろん分業制です。
こちらはブレーシングを削ったり、接着したりする工房です。

ボディ材同士の接合や、ブレーシング・指板の接着などにはニカワを使用します。
※ネックとボディ材の接着はニカワではなくタイトボンドなどを使用します。
ニカワ接着は、湿度や粘度に関して知識・経験・職人勘が非常に大切とのこと。これぞ職人あってこその“技”ですね。
ブレーシングに関しては、削ってから接着するメーカーも多い中、ヤイリ工場では四角い状態で接着させ、それから削ります。これにより、しっかりと接着しブレーシング剥がれが起きにくくなります。
ちなみにK.Yairiのスキャロップド・ブレーシングは、他のメーカーと比べると削りが浅いです。これは10年20年とお使いいただく前提で音作りをしているためで、初めから多くスキャロップしてあるものよりも、弾きこんでなってきた時のバランスに優れております。
※HQ対応モデルに適用されるHQブレーシングは、更に個々の木材の状態に合わせて削りの量を調整するため、ノーマルスキャロップの良さを残しながら、更にダイナミクスやレスポンスが向上した上級機向けの構造になります。加えてHQモデルには製作担当が厳選したハイグレード材を使用しており、各工程でより丁寧な作業によるハイクオリティ仕様となっております。
ネック接合に関して、K.Yairiの殆どのモデルでは通常のダブテイル・ジョイントから更に延長されたネック形状にて接合いたします。これにより更に強度が加わり、腰折れも起きにくくなります。
こちらではサイド材曲げをします。

手曲げだけで仕上げることもあれば、機械曲げと手曲げを上手く併用することもあります。
こちらではネック成形しております。

ネックはアーティストが常に手を触れるところなため、必ず人の手で仕上げていきます。機械で行うと綺麗に成形できますが、人の手で仕上げることにより手に馴染む感覚や・人の手の温かさが得られます。また42mmのナット幅は他の小さな方でも握りやすいのも特徴です。
※K.Yairiのネックは殆どのモデルで左右対称ではなく、やや4弦側に山がくるよう仕上げてあります。
バフがけに関しては、強くかけてしまうと振動を殺してしまうため、回数を多くし丁寧にバフがけしております。
フレットの打ち込みは、ネックとボディが分かれている段階で打ち込みをするメーカーも多いですが、ヤイリ工場ではネックとボディを付けてから行います。作業難易度が高くなりますが、より精度の高いフレット面が得られます。ここにもK.Yairiのこだわりが感じられます。
塗装工程紹介コーナーもこざいましたので、写真をご覧ください。



驚いたのはこちら。シーズニングルームでは大音量のクラシック音楽を流しております。

“高品質より我ら生きる道なし”の看板からもギター製作に対する気持ちが伝わってきます。
こちらは赤ちゃんの胎教のように、生まれたてからしっかりと“鳴り”を覚えさせることで、より“鳴る”ギターにすることが目的です。ただギターの音を流すのではなく、クラシック音楽を流している理由としては、クラシック音楽はレンジが広く、より幅広い音域を体感させられるからとのことでした。
その衝撃の映像がこちら。
この後ラベルを貼って検品を行い製作完了です。
本当は間あいだにもっと細かな作業もあるのですが、写真に収められていない部分もあります。ご存知の通りヤイリ工場は一般の皆様にも公開しておりますので、是非あとはご自身の目でお確かめください。
ちなみにヤイリ工場が一般公開している理由としては、自信を持ってお披露目出来る工場クオリティだからという点がございます。また、職人の皆様も“観られている”という意識の中緊張感を持って作業に取り組むことが出来るという相乗効果もございます。
堂々と魅せているヤイリ工場は安心感がありますね。
更にK.Yairiの魅力と言えば“永久保証”も外せません。これは“ギターとは生涯使えるクオリティであるべき”という信念からご用意されている保証とのこと。普通に使っていて不具合が起きた場合には無償修理になることが多いです。
また、有償修理になった場合でも、他社よりも大幅に安い修理代金で済むことも魅力的です。
(例)フレット打ち替えは、他社ですと5〜6万円かかりますが、K.Yairiユーザーは程度によりますが15,000円ほどで済むとのこと。ネック折れに関しても、ひび割れであれば1万円程、完全に割れても3万円くらいで済むという破格ぶり、、
※症状により異なりますので、あくまで参考までにお願いいたします。
以上、1日目の工場見学でした。
2日目〜オーダー品考案〜
さて2日目はオーダー品考案・プレゼンが主な内容でした。
実は今回研修に参加したのは「K.Yairi Premium Selection」店舗のスタッフ。
「K.Yairi Premium Selection」とは、全国の中でもK.Yairiの強化展示店舗として選ばれた店舗のことです。
今回はそんな選ばれた店舗の中でも、更に選ばれた各店のアコースティックギターのスペシャリストが集まった研修なのです、、
3〜6人1組でオーダー品を考案するため、当然オーダー内容ディスカッションは白熱しました。
K.Yairiのオーダー方法には以下の3つがございます。
セレクト・オーダー/Select Order
カタログモデルをベースに素材・形状・パーツなどを自由に組み合わせ、製作するシンプルステップのオーダーメイドギターです。
オリジナル・オーダー/Original Order
セレクト・オーダーでは実現できない、凝ったデザインや仕様を形に。「あなただけのこだわりギター」を手に入れてください。
K.ヤイリ カスタムショップ/K.Yairi Custom Shop
プロモデルやショーモデルも手がける熟練のクラフトマンが、フルオーダーメイドで世界に1本だけのギターを製作します。
オーダー参考に使えるパターン別画像集を特別にいただきましたので、少し公開いたします。

いかがでしょうか。非常に多彩な選択肢の中からお選びいただけることが分かります。
そして実はディスカッションに使ったこちらのお部屋、ご覧の通り沢山のギターが展示されております。

何とこの部屋にはオーダーの基本モデルが殆ど揃っております。実際に基本モデルに触れながら、あれやこれやとオーダー内容を考案できるのは贅沢ですね、、
また別部屋ではございますが、こちらのお部屋ではある程度整えられた材が保管されており、色々な木材の違いを“触って・叩いて鳴りを聴いて・観て・匂いを嗅いで”確かめることができました。


非常にオーダーの参考になりますね。
以下の映像は同一のブレーシング材を、それぞれ違うスキャロップド仕上げをし、その音の違いを体感した様子です。
鳴らしている順番は
①削らない→②中央削り→③両サイド削り
でございます。
これだけでも大分響きが変わるのが面白いですよね。


各グループ熱いディスカッションののち、オーダー内容考案完了。プレゼンも終わりました。
この中の全てではありませんが、今後実際に商品化される可能性もございますので、お楽しみに。
以上、ヤイリ工場見学レポートでした!
当店には全国でも有数のK.Yairiのラインナップがございます。
まずは体感だけでも良いので、是非K.Yairiの魅力を感じにいらしていただけますと幸いです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
K.Yairiギターはオンラインストアやデジマートでご覧いただけます♪
当店のラインナップはオンラインストアやデジマートでも出品しているため、カタログとして閲覧することも
そのまま購入することも可能です。是非一度ご覧ください!
もちろんK.Yairi以外のアコースティックギターも充実!
当店のアコースティックギタールームは総数150本以上の展示がございます。
そんな数々のアコースティックギターもオンラインストアやデジマートにて出品しておりますので是非ご覧ください!
この記事を書いたのは

店舗名 | 仙台ロフト店 |
---|---|
担当 | M.J.吉田 |
プロフィール | 高校1年生の頃アコースティックギターを始める。学生時代は弾き語りサークルにて活動。入社後は日々様々なアコースティックギターに触れ合い、各社メーカー研修にも多数参加。K.Yairiの工場見学や、Martin正規代理黒澤楽器店へ赴いてのMartin選定、Taylor Artist Loungeに赴いての研修受講など、各メーカーに深く関わることて知識を深めてまりました。皆様のアコースティックギター選びのお力になれるよう、精一杯サポートいたします。 |
店舗情報
店舗名 | 仙台ロフト店 |
---|---|
電話番号 | 022-264-9333 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
アクセス | 仙台駅より直結。中央改札口より徒歩5分。 |
所在地 | 宮城県仙台市青葉区中央1丁目10-10 仙台loft7F |
皆様のご来店をお待ちしています!
※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。
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