Filippo Fasser, Italy – Brescia, 2020, Model; Guarneri del Gesu 1742 ヴァイオリン フィリッポ・ファッサー イタリア – ブレシア

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2020年05月23日
![*「現代ブレシア派」再興の中心人物:Filippo Fasserによる新作ヴァイオリンが入荷しました。 Filippo Fasser(フィリッポ・ファッサー)は、Gasparo da saloを生んだガルダ湖畔の街、サロ出身。現代ブレシア派を牽引する中心人物です。Yuri Bashmet(ユーリ・バ […]](https://www.shimamura.co.jp/shop/repair-violin/wp-content/uploads/sites/146/2020/05/20200521-img-20200508-wa0004.jpg)
「現代ブレシア派」再興の中心人物:Filippo Fasserによる新作ヴァイオリンが入荷しました。
Filippo Fasser(フィリッポ・ファッサー)は、Gasparo da saloを生んだガルダ湖畔の街、サロ出身。現代ブレシア派を牽引する中心人物です。Yuri Bashmet(ユーリ・バシュメット)、Mario Brunello(マリオ・ブルネロ)ら名手よって使用され一躍有名に。いまや入手困難な製作者です。
Contents 1. ブレシア派とは? 2. Filippo Fasserプロフィール 3. 主な使用アーティスト 4. 製作風景 5. 作品詳細 6. お問い合わせ |
ブレシア派とは?
ミラノから東へ80km、イタリア有数の工業地帯の中心都市・ブレシア。弦楽器製作の歴史は古く、Gasparo da Salò(ガスパロ・ダ・サロ/1540年生1– 1609年没)はAndrea Amati(アンドレア・アマティ)と並んで、初期のヴァイオリンの製作者の一人と考えられています。クレモナのAndrea Amatiの非常に洗練されたデザインに比べ、ブレシア・スクールはリラ・ダ・ブラッチョやヴィオレッタなど古楽器を想起させるやや原始的な外観が特徴的です。Gasparo da Salòと弟子のGiovanni Paolo Maggini(ジョヴァンニ・パオロ・マッジーニ)らが当時製作したヴィオラ、コントラバスや古楽器は、今日でも演奏される機会があります。Filippo Fasserはブレシア派の楽器製作に陶酔している数少ない孤高のパイオニアでしたが、近年は彼の活躍に触発された製作家達が、マエストロ・ファッサーの門戸を叩くようになりました。
Filippo Fasserプロフィール
Filippo Fasser
Filippo Fasser(フィリッポ・ファッサー)は、1967年イタリア・Salo(サロ)生まれ。
1998年クレモナのバイオリン製作学校を卒業。
彼は、1600年代~1900年代初期までのロンバルディア州やヴェネト州のの製作家を研究。これまでに、Gasparo da Salò, Gio Paolo Maggini, Pietro Giacomo Rogeri, Matteo Gofriller, Pietro Guarneri da Venezia, Francesco Mantegazza, Stefano Scarampellaなどの作品製作に、精力的に取り組んでいます。
2008年VSA(バイオリン・ソサエティ・オブ・アメリカ)コンペティション ヴィオラ部門 シルバーメダル受賞
Filippo Fasser使用アーティスト
Yurii Abramovich Bashmet(ユーリー・アブラモヴィチ・バシュメット)
#109 - Viola Filippo Fasser, Model: Gio Paolo Maggini 408mm, 2010
Danilo Rossi(ダニーロ・ロッシ)
#104 - Viola Filippo Fasser, Model: Gio Paolo Maggini 427mm, 2009
Mario Brunello(マリオ・ブルネロ)
#164 - Cello Filippo Fasser, Model: Fratelli Amati 695mm, 2017
#164 - Violoncello Filippo Fasser, Modello: Fratelli Amati 695mm, 2017
Clive Greensmith(クライブ・グリーンスミス)
Sol Gabetta(ソル・ガベッタ)
Filippo Fasser公式ホームページ "Customers" 参照
彼の作品は、クラシック音楽界の第1線で活躍する多くの音楽家達によって広く愛用されております。
製作風景 - Filippo Fasser, Italy - Brescia, 2020, Model; Guarneri del Gesu 1742
Covid-19感染拡大の影響により、ブレシアの街中にある工房はクローズし、郊外の自宅一室を製作工房に改装し、本作品の製作は行われました。
製作モデルは、Guarneri del Gesu(ガルネリ・デル・ジェス)晩年の1742年の名器からインスピレーションを受け、Filippo Fasser自身の作風へと昇華したオリジナル作品です。
彼のGuarneriモデルは国内外のヴァイオリニストによってご愛用頂き、大変ご好評頂いております。
ヴァイオリンの表板を豆鉋を使って削り出している様子です。表板にはVal di Fiemme(ヴァル・ディ・フィエンメ)産の最高級スプルースが使用されています。
響板の厚みを0.1mm単位で調整してゆきます。薄すぎる響板は経年変化によってディストーションを起こしてしまう為、音響性能と耐久性のバランスを両立した板厚が求められます。
裏板には、バルカン半島産の1枚板メイプル材を使用しています。一定の間隔を保って均一に伸びる杢は非常に美しく、そして力強い印象も受けます。
バスバーを接着している様子です。ヴィオラやチェロの低弦楽器にプロアマ問わず多くのファンが集まる彼ですが、その隠し味の1つはバスバーの設計技術にあります。
この手法はヴァイオリン製作にも流用されており、ブレシア・スタイルの味わい深いトーンが生み出されます。
振動エネルギーが効率よく伝播するよう、ブロック材などの不要な部分を極限まで削ぎ落します。
ニスの下地にはFilippo Fasser独自の手法で木材を黄金色に染め上げ、長期間の自然乾燥を行います。
この工程は単に木材の目止めとしての効果だけでなく、外観にアンティーク調の深みを出す効果があります。
ニスは複数種類の松の樹脂のほか、様々な有機物を数日間煮出して抽出したオリジナル・レシピを採用しています。
濃い飴色のニスと下地のゴールデンと相俟って、鼈甲のような輝きを放ちます。
Filippo Fasser, Italy - Brescia, 2020, Model; Guarneri del Gesu 1742
The answer is Brescia.
彼の作り出すヴァイオリンは、懐かしいような、田舎っぽいような、ブレシア・スクール独特の音色を醸し出しますが、その奥側に深く繊細なニュアンスを含んだ重厚な音質が存在します。
"The answer is Brescia.(答えはブレシアに)"
Filippo Fasserのヴァイオリンを入手した、ロンドンのギルドホール音楽院教授から贈られたメッセージです。この言葉の本質はぜひ一度、お手に取って頂ければ幸いです。
お問い合わせ&ご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。
【MEASUREMENTS】 NECK STOP : 130mm DIAPASON : 195mm BODY LENGTH : 352mm UPPER WIDTH : 167mm MIDDLE WIDTH : 113mm LOWER WIDTH : 206mm |
製作家 | Filippo Fasser |
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国/都市 | Italy/Brescia |
製作年 | 2020年 |
税込販売価格 | Sold Out |
お問い合わせ | メールフォーム |
Zoom | 島村楽器オンラインコンサル |
ドイツ国家資格マイスター:茂木顕による厳選買い付けコレクション
当社のヨーロッパ買い付けの弦楽器は、ドイツ国家資格マイスターを所持する茂木顕(もてきけん)が、全品試奏&全品検品を徹底のもと、製作家・鑑定家より直接仕入れております。
その様子は弦楽器コンシェルジュブログにて詳しく、楽しく、オープンに公開しておりますのでどうぞご覧下さい!
茂木顕プロフィール
東京バイオリン製作学校卒業。国内の専門店・製作工房に勤務後、ドイツのバイオリン製作家ステンゲル氏の工房に就職。2001年ドイツ国家資格であるバイオリンマイスター試験に合格。その後、ハンブルグの老舗ヴィンターリンクで工房長として勤務する。2004年から島村楽器の専属マイスターとなり、弦楽器の買付や工房の運営などをこなすスペシャリストとして活躍中。
この記事を書いた人 - Writer
糸山 和慶 Kazuyoshi Itoyama
シマムラストリングス秋葉原 店長
Manager
東京生まれ。2004年島村楽器入社。才能教育研究会研究科C修了。大学時代にはサイトウキネンフェスティバル(現・セイジ・オザワ 松本フェスティバル)、ザハール・ブロン公開レッスン(横浜みなとみらいホール)等、クラシック音楽マネージメントの現場を多数経験したほか、福祉施設でのアウトリーチ活動にも携わる。
現在は、シマムラストリングス秋葉原の店長および全国の島村楽器の弦楽器販売を推進する役割を担いつつ、国内外の営業と展示会の企画、海外買い付け業務と輸出入の実務を担当。また、ニコロ・サンティ"NSN60S"や葉加瀬太郎シグネチャーモデル"Antonio Tarontino"等のヒット商品を仕掛けるなど、商品開発にも積極的に取り組んでいる。
Language: English
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