Elisa Scrollavezza & Andrea Zanre, Italy – Parma, 2012, Model;G.B.Guadagnini ヴァイオリン エリーザ・スクロラヴェッツァ&アンドレア・ザンレ

シマムラストリングス秋葉原

シマムラストリングス秋葉原店舗記事一覧

公開:2022年06月05日

更新:2025年12月22日

エリーザ・スクロラヴェッツァ&アンドレア・ザンレElisa Scrollavezza & Andrea Zanre

エリーザ・スクロラヴェッツァ&アンドレア・ザンレElisa Scrollavezza & Andrea Zanre

<Description>
-Country: Italy
-Year: 2012
-Body Length: 352mm
-Upper Bouts: 165mm
-Middle Bouts: 111mm
-Lower Bouts: 201mm
-Certificate: Elisa Scrollavezza & Andrea Zanre(2012)
-JAN: 2370000124036


現代のパルマ派を代表する製作家として、そして名器Giovanni Battista Guadagnini(ジョヴァンニ・バッティスタ・グァダニーニ)研究の第一人者でもあるElisa Scrollavezza & Andrea Zanre(エリーザ・スクロラヴェッツァ&アンドレア・ザンレ)の二人は、イタリア・パルマの中心地にアトリエを構えています。2011年、パルマにある国立美術館がG.B.Guadagnini生誕300周年を記念して、重要な価値のある展覧会を行ないました。スクロラヴェッツァとザンレの両氏は、この催しを主催する委員会の主要メンバーとして関わり、G.B.Guadagniniの代表的な名器をパルマに集める為の調整役として重要な役割を果たしました。この事業は最終的にザンレ氏が執筆した書籍としてまとめられ、G.B.Guadagnini本人や同世代のパルマおよびピアツェンツァの製作家の経歴についても明らかにされ、世界的にも評価の高い出版物として名声を博しております。

本作は、歴史的名匠:Giovanni Battista Guadagnini(ジョバンニ・バティスタ・ガダニーニ)がパルマでの製作時代である1763年の名器「Ex Lamiraux」を正確にコピーした復刻モデルです。製作証明書には「direct study」と記されていることから、彼らはオリジナル(本物)の「Ex Lamiraux」を手元に置きながら、じっくり時間をかけ入念に且つ正確に仕上げたとの事。その言葉通り、寸法だけでなく枯れたサウンドまでもガダニーニを細部までよく捉えた力作となっています。深みとパンチを兼ね備えた、非常に印象的な作品に仕上がっております。

¥3,520,000税込

エリーザ・スクロラヴェッツァElisa Scrollavezza

エリーザ・スクロラヴェッツァElisa Scrollavezza

芸術家の娘としてエリーザ・スクロッラヴェッツァは、父レナートの弦楽器製作家としての活動を身近に感じながら育ち、そこから芸術、アンティーク、そして、これからの人生において重要になるであろう自由で創造的な展望への情熱も自然に受け継いでいます。

18歳の頃に父親の足跡をたどりプロの弦楽器製作家への道を進む決心をし、パルマのアリゴ・ボイト音楽院での弦楽器製作のコースに登録し、同時にヴァイオリンクラス、さらに音楽教育のクラスに参加しました。この選択によりエリーザはLorenzo Frignani、Marco Minnozzi、Barbara Morello、そして生まれの背景の外で広い視野を持つ国際的なクラスメート達を含む、才能のある情熱的な学生のグループと交流する機会を持ちます。1991年に卒業した後、エリーザは個人での製作活動を開始しますが学校ではアシスタントとしてレナートのサポートをするなど、父親の活動とも密接に関わっていきます。それから今日までの数十年にわたり、エリーザはプロの職人へと成長していく何世代もの学生たちの訓練において不可欠な役割を果たしており、学校の管理に関連する全ての複雑な組織運営も担当しています。実際に起こったことでは、パルマの弦楽器製作学校は高い質の訓練が行われていたものの、ガエタノとピエトロ・ズガラボットによるクラス(1929〜1936年)が開かれて以来ずっと使用し続けていた音楽院の敷地から離れることとなり、1992年に音楽院から独立し自分たちの管理によって学校を運営していくことになります。レナートとエリーザ・スクロッラヴェッツァは決意を持って学校の拠点を継続的に変更しながら、壊れやすく高貴な弦楽器製作の伝統の継続を守っていきます。2006年、パルマのNoceto市はRocca dei Sanvitaleの土地にある古城をCastello della Musica(音楽の城)として制定し、その際に新しく改装された敷地を学校に提供しました。その時より2014年までエリーザはアンドレア・ザンレとレナートと共にCastello della Musicaに所在地が移った学校で指導を行い、その後にレナートの高齢により彼から学校運営の役割も引き受けます。これらの期間にエリーザの製作した楽器はイタリアと海外、特にドイツ、アメリカ、日本でますます成功を収めていきます。 2001年、エリーザ・スクロッラヴェッツァとアンドレア・ザンレはLorenzo Frignani、Marco Imer Piccinottiと共ににパルマ弦楽器製作者協会の創立しました。この協会は今後数年間で学校の管理に加え、クレモナのモンドムジカ、フランクフルトのムジークメッセ、ミュージックチャイナ、クロンベルクのヴィオラとチェロのフェスティバル、ヨーロッパ弦楽指導者協会が主催するイベントなどの大規模な見本市に参加し展示会を開催しました。同時に、エリーザは国際的なシーンで活躍する最も重要な弦楽器製作と修復の専門家たちによるマスタークラスに積極的に足を運び、アメリカのオバーリンの一流の研究機関で開かれた高度なワークショップに参加し続けました。2002年にエリーザはアンドレア・ザンレと共同でスクロッラヴェッツァ&ザンレのアトリエをオープンしました。そこで彼女は主に国際的な顧客やプロ演奏家の顧客のための弦楽器製作を行い、付随的な活動としてはコピー楽器の製作、取引、修復および専門出版物の編集業務などがあります。彼女の作品には自然と父親のスタイルや製作理論が受け継がれ、親子の間の伝統への敬意と彼女の個人的なテイストが組み合わさっています。彫刻に情熱を注ぐエリーザは、ヴァイオリニストのFabio Biondiを含む有名な演奏家のために、装飾楽器の製作も行っています。近年エリーザはパルマ国立美術館、クレモナヴァイオリン博物館、台湾、香港、東京、コロンビア、米国、カナダ、隔年に開催される弦楽器製作者と弓製作者の国際協議会(EILA=Entente Internationale des Luthiers et Archetiers d'Art)といった重要な場所でプレゼンテーションやカンファレンスを行ってきました。EILAにエリーザが参加したのは2005年で、この権威ある組織に参加した最初のイタリア人女性となりました。 パルマ弦楽器製作者協会の会長でもあるエリーザは弦楽器製作コンクールでは参加を依頼され陪審員としての役割を担いました。

2006年以来、エリーザはアンドレア・ザンレと共にパルマの中心地での弦楽器製作アトリエを運営してきました。2019年に父レナートが亡くなった後、数十年にわたって製作され続けてきた数々の楽器、残された記録、収集された芸術品といったレナートの記憶や大きな遺産の保存活動に従事しています。このような経緯によりエリーザはNoceto市のCastello della Musica(音楽の城)のレナート・スクロッラヴェッツァ博物館のキュレーターを務めています。

アンドレア・ザンレAndrea Zanre

アンドレア・ザンレAndrea Zanre

アンドレア・ザンレはクラシック音楽への情熱と楽器、特に弦楽器の響きに駆り立てられて、18歳で弦楽器製作者への道を歩み出します。

彼は1994年から1998年までパルマの弦楽器製作学校に通いましたが卒業証書を取得する前に辞め、同時期にパルマ大学で専攻していた哲学を優秀な成績で卒業しました。その後もアンドレアと彼の師匠であるレナート・スクロッラヴェッツァとの親密な関係は続き、思考、芸術、仕事に関連する多くの側面でレナートはアンドレアに深い影響を及ぼし続けることになります。2002年にアンドレア・ザンレは教員として弦楽器製作学校に戻り、レナート、エリーザと共に弦楽器製作の指導を始めます。またその一年前にレナート、エリーザと共に、パルマ弦楽器製作学校を卒業したプロの職人達から構成されるパルマ弦楽器製作者協会を創立し、協会はその時から様々なコースを管理する役割を担っていきます。積極的な活動の成果もあり、パルマ弦楽器製作者協会はエリーザとアンドレアのキャリアにとって重要な出発点にもなります。エリーザとアンドレアは協会の活動による最初の成功を受けて、2002年に弦楽器製作スタジオ・スクロッラヴェッツァ & ザンレを共同で設立することを決定します。2003年からアンドレアは音響、セットアップ、修理の分野の技術を身に付けるためアメリカに足を運び、Hans J. Nebelによるコースが開かれていたマサチューセッツカレッジ・オブ・リベラルアーツ大学とオバーリン音楽院のマスタークラスに熱心に参加し、また、そこでアメリカやヨーロッパの多くの弦楽器職人達と知り合っていきます。その後エリーザとアンドレアは同じ形式のマスタークラスをパルマ弦楽器製作学校に取り入れることに決め、Hans Nebel、Gregg Alf、Guy Rabut、Samuel Zygmuntowiczなどの有名な講師陣を毎年迎えました。

2000年代半ば、アンドレア・ザンレは、弦楽器製作活動と並行して歴史的な楽器の修復や複製楽器の製作を始め、その経験は彼の楽器のスタイルや音響が成熟していくための土台となっていきます。2006年、スクロッラベッツァ & ザンレはパルマの中心部(当初はファリーニ通り)に新しいアトリエを開設し、このアトリエはすぐに国内で最も重要な研究所の一つとしての地位を確立しました。ジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニの複製を専門とするエリーザとアンドレアは、ボストンのディーラーであり専門家のChristopher Reuningによるグァダニーニ生誕300周年を記念した展示会の開催の提案を歓迎しました。展示会は2011年9月にパルマ国立美術館で開催され、アンドレア・ザンレは美術史家のDavide Gasparottoと共同でキュレーターを務めました。当時のヴァイオリン製作の分野での大きな展示イベントの1つとして記憶されているこの展示会の委員会には、スクロッラヴェッツァ & ザンレとChristopher Reuning自身に加えて、専門家として名高いJames Warren、Duane Rosengard、Eric Blot、ベア商会のSimon Morris、Philip J. Kassなどが含まれています。展覧会のカタログ製作と並行し、スクロッラヴェッツァ & ザンレは、評論家達からの熱狂的な支持を集める製作家ジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニに関する重要な書籍(2012年出版)をPhilip J. Kassと写真家のJan Röhrmannの献身的な協力のもとに出版することを決定します。2013年、アンドレアはPhilip J. Kassと彼の友人であるPaolo Parmiggianiと共に、レナート・スクロッラヴェッツァ、フランチェスコ・ビソロッティ、ジャン・カルロ・グイッチャルディ、ジオ・バッタ・モラッシを主役とした、現代および1900年代の弦楽器製作の巨匠に関するドキュメンタリー(Violin Makers, The Renaissance of Italian Lutherie)の製作に専念しました。 2014年、アンドレアはJan Röhrmannとともに、"Treasures of Italian Violin Making"と題した新しい書籍のシリーズの基礎を築きます。このシリーズは素晴らしい保存状態の歴史的なイタリア弦楽器に焦点を当てており、長年にわたって高い評価を受けていきます。同時期にアンドレアは再びJan RöhrmannとPhilip J. Kassと共にマントヴァ地方の作者に関する詳細な研究を行い、Philip J. Kassからアーカイブ研究の基礎を学び、歴史や楽器の様式への洞察を深めていきます。また、2014年以来、エリーザとアンドレアは、パルマ弦楽器製作学校の創設者、ガエタノ・ズガラボットを新しい研究の対象として心血を注いできました。この研究は彼に捧げられた書籍( "I Segreti di Sgarabotto"、2019)の出版により実を結ぶことになります。アンドレアは、出版事業(近年は数十の記事が出版されています)に加えて、歴史的および科学的な分析、歴史的な楽器の研究と模倣をすることによる洞察や弦楽器の歴史についての知識の洗練、そして20世紀のエミリア地方とロンバルディア地方の伝統を受けた楽器製作に彼の情熱を捧げ熱心に取り組んでいます。複数の製作コンクールで受賞経歴があり、また陪審員の側としての参加も求めらる一方で、アンドレアは画一的ではない、歴史や地域の様々な伝統による特殊性と結びついた独自性のある弦楽器製作の理念を提唱しようと努めています。彼の師であるレナート・スクロッラヴェッツァが標準化されていく弦楽器製作の流れに反対してきたように。

レナートの死後、2019年にエリーザとアンドレアはパルマのトスキ通りに面したアトリエ(2009年にオープン)とレナートの暮らしていた邸宅を交互に訪れ活動の場としています。

この記事を書いた人 - Writer

この記事を書いた人 - Writer

前田 綾 Aya Maeda
シマムラストリングス秋葉原 副店長
Senior Adviser 

2013年島村楽器入社。4歳よりヴァイオリンを始め、7年間アマチュアオーケストラに所属。シマムラストリングス秋葉原では、マイスター茂木に同行し海外買い付け業務と楽器の写真撮影を担当。音楽教室/葉加瀬アカデミー同好会の担当も務め、これから楽器を始められるお客様をはじめ、お買い換えなどの選定サポートをしています。

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。