こんにちは! 弦楽器リペア担当の吉村と申します。
弦楽器の豆知識や、お役立ち情報、お得なリペア情報などを定期的に更新いたします♪
Vol.2 ~弓の毛替えって何?~
皆さまご存知ですか?新しい楽器を使用していて、一番初めに消耗するのは実は弓の毛なんです!!
「原因が分からないけど、弾きにくくなった。」「音が出にくくなった。」その原因は弓の毛が摩耗してしまっている可能性があります!長く弓の手入れ・毛替えしていない・・・という方はぜひ一度、愛用の弓の健康状態を確認しに点検にいらして下さい!
また、弓の毛には様々な種類があるのをご存知ですか?「毛の種類の違いはわからない。」 という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?分からないと、ついつい「ノーマルの毛で!」と答えてしまいますよね!
そこで今回は、毛の替え時と当店で扱っている毛の種類についてご紹介したいと思います!
まずはご自身の弓をセルフチェック!
こんな症状ありませんか?
①毛が伸びきっている
毛を張ったり緩めたりするネジを緩められるだけ緩めたとき、写真のように毛が長くなっていたら、伸びきっています。
②毛の根元が黒ずんでいる
毛の根元は黒ずみ始めていませんか?松脂と積もりに積もった手あか・・・ずいぶん毛替えをしてないと出てくる現象です。
③毛の色が全体的に黄色っぽくなっている
右の弓の毛が黄ばんでいるのが分かると思います。たとえ新しく毛替えをして、全く弾かなかったとしても毛は劣化していきます。
全体的に変色してきたら古くなっているサインです。
④毛が少なくなってきた
演奏していて毛が切れる事がよくあります。それが重なるといつのまにか毛が少なくなっていて、以前より音が出ないと感じる事も・・・。
⑤前回の毛替えから1年以上経っている
松脂が付きっぱなしで長く置いておくと、カビが発生し、弓の毛だけではなくケースの中にもカビの胞子が蔓延する原因になります。
皆さま、いくつあてはまりましたか?1つでも当てはまりましたら、毛替えをオススメいたします♪
毛替えの頻度・タイミングについて
毛替えの頻度
使用方法や練習頻度にもよりますが、音楽教室に通っていらっしゃる方で、半年に1回替えていただく事をオススメしております。
毛替えする時期
基本的には音が出づらくなった(前より弓をしっかり押し付けないと大きな音が出なくなった)と感じられたときや、弓元の毛が汚れて黒ずんできたときを目安にに交換していただくのが良いと思われます。
毛替えをするタイミング
毛替えのタイミングは、高温多湿(夏)・乾燥期(冬)を避けて春・秋あたりに毛替えされることをお勧めします。毛は弓を使っているうちにだんだん伸びてきます。また、湿度・温度が高いと伸び、低いと縮む傾向があります。その中間の季節に毛替えをすることで、どちらに気温がどちらにふれても対応しやすくなります。上記の春秋に加え、発表会等のイベント前に行うのも良いと思います!
毛の種類
当店では、コントラバス用の黒毛を含め全部で5種類の馬毛を取り扱っています。
画像左から、スタンダード・デラックス・スタンダード黒(コントラバス用)・カナダ産・スペシャル の馬毛です。
以下に特徴をまとめた表を作ってみました!
毛の種類 | 産地 | ひっかかり | 長さ | 毛の保ち(使用頻度による) |
---|---|---|---|---|
スタンダード | 中国 (内モンゴル自治区と呼ばれる所) |
★ 品質的に全く問題なく機能する、スタンダードな馬毛です。初心者の方向け。 |
□□□□ 必要最低限の長さです。 |
△ 引っかかりが悪くなったと感じられなれば、十分お使いいただけます。 |
デラックス | 中国 (内モンゴル自治区と呼ばれる所) |
★★ スタンダードとカナダの間くらいのひっかかりです。 |
□□□□□□ ぐっと長い毛を使い、毛の先細り部分を使わないため、ボウイングが安定します。初心者の方からプロの方向け。 |
○ スタンダードより若干太く、しっかりし毛質です。スタンダードより長持ちします。 |
カナダ産 | カナダ | ★★★ 引っかかりがとても良く、少ない力で大きな音が出やすい馬毛です。ゆえに音が出すぎると感じられる場合もあります。 |
□□□□□□□ デラックス(モンゴル産)より少し長くなります。バリバリたくさん練習されたい方にオススメ。 |
○ スタンダード・デラックス(モンゴル産)よりぎゅっと締まってすらっとした感じの毛質です。毛の保ちも良いです。 |
スペシャル | 外モンゴル (モンゴル国) |
★★ スタンダードとデラックス(カナダ)の間くらいのひっかかりです。音の強弱や、繊細な音楽的表現が可能な馬毛です。 |
□□□□□□□□ 4種の中では最長です。毛質の良さに加え、毛の洗浄・選別にもこだわった見た目も美しい馬毛です。 |
◎ 長さ・太さともに申し分ない毛質です。毛の保ちもとても良いです。 |
ちなみに、コントラバス用の黒毛はスタンダード扱いになりますが、表面がとてもざらざらしているので、コントラバス以外に使われることはほとんどありません。
弓の毛替え料金
グレード | 分数(3/4まで) | バイオリン | ビオラ | チェロ | コントラバス |
---|---|---|---|---|---|
スタンダード (モンゴル産) |
¥5,400~ | ¥6,300~ | ¥6,600~ | ¥7,800~ | ¥9,600~ |
デラックス (モンゴル産) |
¥6,900~ | ¥9,200~ | ¥9,900~ | ¥11,000~ | ¥13,200~ |
カナダ産 |
¥7,300~ | ¥9,900~ | ¥10,700~ | ¥12,800~ | ¥14,700~ |
スペシャル (厳選外モンゴル産) |
¥8,900~ | ¥12,200~ | ¥12,800~ | ¥13,300~ | ¥15,600~ |
イタリア産 |
¥12,200~ | ¥16,500~ | ¥17,100~ | ¥18,800~ | ¥20,800~ |
イタリア産 ルッキ馬毛 |
¥13,000~ | ¥18,000~ | ¥18,500~ | ¥19,800~ | ¥21,800~ |
いかがでしたか?
何年も毛替えをされていない方は、毛替えをしてみると前よりも楽に(上手に)弾けるのを感じていただける可能性が高いです。
大阪・梅田で弦楽器をお探しの方は島村楽器グランフロント大阪店にご相談ください!
バイオリン・チェロが初めての方も、ご経験のある方も、楽器選びからアフターケア、音のご相談、アクセサリー選び、はては演奏やレッスンのお悩みにいたるまでお困りの方はどなたでも、是非当店に足をお運び下さい。弦楽器に関わり続けて20年の弦楽器担当をはじめ、当店講師が皆様の音楽ライフをサポートさせて頂きます。試奏もお気軽にできます!ご来店お待ちしております!
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