弦楽器リペア便り Vol.14 弓の毛替えについて

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2020年09月03日


こんにちは! 弦楽器リペア担当の吉村と申します。
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弦楽器リペア便り Vol.14 弓の毛替えについて

こんにちは!

私たちリペアマンが毛替えを受け付ける時にまず行うのが弓の点検です。

弓の状態が良くないと毛替え作業ができなかったり、弓が壊れてしまったりする可能性があるため、点検はしっかり行います。

実際に低価格帯の弓は作りが粗く、毛替えをするより買い替えたほうが良いようなものも多くあります。

そこで今回は、私が点検で見ている部分についてご紹介してみたいと思います!


スティック(棹)部分にヒビや割れ・大きな曲がりがないか

まずしっかり見るのは弓のスティック部分です。この部分に少しでもヒビや割れがあると、毛替え中や毛替え後に状態が悪化するので毛替えの受付ができません。

部品が壊れていないか

次に見るのが部品(パーツ)に問題がないかどうかです。

下記のような異常がある場合はすぐに毛替え作業を始めることができません。


フロッグ(毛箱)が割れている

写真のフロッグはプラスチック製ですが、古いものによくこのようなヒビが見られます。

半月リングと呼ばれる金属リングの付け根にもヒビが入っていることがあります。

また、ヒビが入っているフロッグの毛替えも危険です。

そこに圧力がかかるとヒビが広がり、いずれフロッグが壊れて毛が張れなくなってしまいます。


半月リングにヒビが入っている

半月の形をした金属リングの端にヒビが入っています。

元々溶接してあったところですが、この部分が壊れていると、毛をしっかり固定することが出来ません。


チップが割れている、はがれている

弓をどこかにぶつけると衝撃でチップが剥がれていることがあります。

チップが割れたり剥がれたりしていると、弓の先端部分(ヘッド)の強度が下がり、毛替え時にヘッドが割れたりヒビが入ってしまう危険性が高くなります。この場合はチップを交換してから毛替えを行います。


部品が動かない

パーツの隙間に手汗や松脂がしみ込んだり、製造時に接着材が使われたりして半月リングやスライド(上の画像の白いパーツ部分)が動かない場合も毛替えができません。この場合は、毛替えの前にスライド交換をする必要があります。


おわりに

弓の状態によっては修理するより新しいものをご購入の方が出費が押さえられる場合もありますが、チップやスライドを交換すれば毛替えができますので、毛替えをご希望の際は是非一度当店にご相談下さい。ご予約お待ちしております♪

弦楽器リペア便り第2回はこちら⇒弦楽器リペア便りVol.2 弓の毛替えって何?

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