CONTENTSなぜ、いま耳の肥えたギタリストたちがこの工房に注目するのか。歴戦の傷跡。マルチレイヤーが魅せる"本物"の佇まい。魔法のスケールと身体に寄り添う究極のプレイアビリティ。ヴィンテージの幻影に隠された、現場至上主義のモダンスペック。王道のマテリアルと、アンサンブルを切り裂く"真実の音"。堅 […]

Red House Guitars “Piccola” マルチレイヤーが奏でる、美しきヴィンテージの幻影と真実の音 逸深巡礼 Vol.5

ダイナシティ小田原店

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公開:2026年04月04日

更新:2026年04月05日

なぜ、いま耳の肥えたギタリストたちがこの工房に注目するのか。

長野県塩尻市。雄大な山々に囲まれ、澄んだ空気が流れるこの地に、静かな情熱を燃やすギター工房がある。
その名は「Red House Guitars」。
代表・石橋氏をはじめとする少数精鋭のビルダーたちが、一本一本の木材と対話し、ギタリストのための"真の道具"を生み出す場所だ。
有名メーカーのOEMも手掛け、多くのプロミュージシャンから絶大な信頼を集める彼らが追求するのは、あまりにもシンプルで、そして最も困難なテーマ――「最高のサウンドと、最高のプレイアビリティの両立」である。

歴戦の傷跡。マルチレイヤーが魅せる"本物"の佇まい。

このギターを前にして、まず目を奪われるのはその圧倒的なオーラだ。
下地となる「3-Tone Sunburst」の上に、鮮やかな「Lake Placid Blue」を重ねたマルチレイヤー仕様。そこに、長年過酷なステージを生き抜いてきたかのようなヘヴィエイジド加工が施されている。

魔法のスケールと身体に寄り添う究極のプレイアビリティ。

ヴィンテージライクなルックスに心惹かれるが、このギターの真髄はプレイヤーが手にした瞬間に明らかとなる。
コンセプトは「取り回し抜群の最高峰ギター」。その思想は、小ぶりな"Piccola"ボディと、Red Houseオリジナルの「25.25インチ」スケールに結実している。

一般的なスケール(25.5インチ)より「ほんのわずかに短い」この独自の設計が、魔法のような弾き心地を生み出す。張りの強い弦のテンション感が程よく和らぎ、チョーキングやビブラートへの俊敏なレスポンスを生み出すのだ。一度弾けば、その異次元のスムーズさに驚かされるだろう。

ヴィンテージの幻影に隠された、現場至上主義のモダンスペック。

古き良きルックスの裏側には、現代の過酷な現場を戦い抜くための「モダンな仕掛け」が周到に張り巡らされている。

なだらかに削り込まれた「ジョイント(ヒール)カット」構造。専用設計のプレートとともに精巧に仕上げられたこのネックジョイント部により、ハイポジションへのアクセスは劇的に向上。

フレットには、驚異的な耐久性を誇る「ステンレスフレット」を採用。音の立ち上がりが極めて早く、澄み渡るようなクリアな音像を約束。サビや腐食にも強く、チョーキング時に指先が氷の上を滑るかのような、永遠に続く滑らかなフィンガリングを実現。

ネックエンド部には「ホイールナット」を搭載。ネックをわざわざ外すという旧来の煩わしい作業を捨て去り、急激な気候変化によるネックの反りに対しても、専用工具なしで瞬時にアジャストが可能。

王道のマテリアルと、アンサンブルを切り裂く"真実の音"。

プレイアビリティを支えるのは、アルダーボディ、メイプルネック、ローズウッド指板という、60年代を象徴する王道なウッドマテリアル。
工房で厳選された木材によって組み上げられた本機は、総重量3.23kgという驚異的なウェイトバランスを実現。サウンドのコシを失うことなく、長時間のプレイでもプレイヤーへの負担を極限まで削ぎ落としている。

サウンドの核となるピックアップには、Red House Guitarsが開発した「島村楽器オリジナルモデル」をマウント。
最も重要とされる中音域(Middle/800Hz付近)を巧みに持ち上げることで、クリーンでは煌びやかに、ドライブさせれば分厚い壁のようなバンドアンサンブルの中でも決して埋もれない、力強いサウンドキャラクターを確立した。

特筆すべきは、フロントピックアップの秀逸なサウンドである。
アンプに繋ぎ、初めて音を鳴らした瞬間――そのあまりにも芳醇でふくよかな響きに、私自身、思わず顔がほころび、笑みがこぼれてしまったほどだ。ピッキングのニュアンスにどこまでも追従し、プレイヤーの感情をそのまま極上のトーンに変えてくれる。

堅牢なハードウェアと、表現の自由。

この"真実の音"を物理的な側面から支え、プレイヤーの表現力を極限まで引き出してくれるのが、一切の妥協を排したパーツ群だ。

ペグには、世界中から絶対的な信頼を集めるGOTOH製「SD91-05M」を採用。ヴィンテージのルックスを保ちながらも、過酷な環境で狂いを見せない堅牢なチューニング精度を誇る。
ブリッジには、「Red House Original Tremolo(10.8mmピッチ)」を搭載。一般的なヴィンテージスタイル(11.2mmや11.3mm)に比べ、弦間ピッチをわずかに狭めた10.8mmに設定することで、弦落ちを防ぎ、より現代的でテクニカルなプレイスタイルにも対応。
繊細なビブラートから大胆なアーミングまで意のままに追従し、豊かなサスティーンを生み出すこのオリジナルブリッジは、表現者のポテンシャルを解放する重要なファクターとなっている。

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