こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です!
本日は“モジュラーシンセ”について!
高い自由度と、その音質、そして自身の想像もつかないサウンドを偶発的に生み出せる点等から、著名な音楽家からも注目度の高い“モジュラーシンセ”
担当も4年ほど前からモジュラーシンセに手を出し、店頭でも実機を導入、コロナ前は愛好家の方にご協力いただき店内モジュラーイベント等を行っておりました。
イベントについてはコロナ禍でいったん中断はしておりますが、また平穏な生活が戻ってきたら是非再開したいと考えています!
そんな中で、店頭では実機展開を継続し行っており嬉しいことに
「これからモジュラーシンセにチャレンジしてみたい!」
というお客様が徐々に増えています!
まだまだ狭くアンダーグラウンドなモジュラーシンセ、同志が増えることに密かな喜びを感じるとともに、お客様からは
「モジュラーシンセってなんだか難しそうだよね」
「ぶっちゃけ何から手を付けたらよいかわかんない」
と言ったようなお悩みも多く聞くようになりました。
今日はそんな、これからモジュラーシンセライフをスタートさせたい方々のために、モジュラーシンセの基本概要や始めるのに必要なもの、また担当的にお勧めの品番を一挙ご紹介していきたいと思います!
モジュラーシンセとは
オシレーター・LFO・VCA・フィルター等、シンセサイザーを構成する各々の機能を持つ“モジュール”で構成されたシンセサイザーの事。
歴史を紐解けば大小さまざまなモデルがありますが、現在はDoepfer社が提唱した“ユーロラック”という規格に則った製品が主流となっており、日々世界中のメーカーからイカした、もしくはイカれたモジュールが続々登場しています!
自分の好きなモジュールをパッチケーブルを介し好きなように繋げることが出来る為、非常に自由度の高い音作りが可能!
また、音作りから音出しまでの流れがダイレクトなため、一般的には音質が良いことでも定評があります。
始めるためには何が必要?
モジュラーシンセを始めるには、ざっくりと下記の3点がまず必要となります。
①モジュールを入れる為の“ケース”そしてモジュールを駆動させるための“電源”
②自分の目指すサウンドを出すための音・機能を有したモジュールたち
③モジュールたちを接続するパッチケーブル
順に紹介していきましょう!
ケースと電源
上記も申し上げた通り、モジュラーシンセは“ユーロラック”という規格に則って作られているものが中心となります。
それぞれの高さは128.5mm(ラックエフェクターやプリアンプなどの19インチ・ラックの“3U”に相当)で統一されており、横幅はHP(=ホライゾンタル・ピッチ)というサイズで表され、それぞれモジュールによってサイズが異なります。シンプルなものは2HP~12HPくらい、多機能・高機能なものは数十HPになることも!
そしてケースによってこのHP数や収納できる段数などが異なります。
上記のように同じメーカーからも横幅は同じHPで、段数の違うものがリリースされていたりしますね!
横幅は概ね84HP~のものが中心となりますが、1~2段のものもあれば、まるで壁のように積みあがる4段以上のサイズも。
逆にモジュールを2~3個入れられるだけのコンパクトなモデルもあったりします。
本当に様々なサイズ・段数のものがリリースされていますので、まずは自分の必要なサイズや形状を見極めましょう。
「将来的にモジュールは増えていきそうだから大きめのものを買っておこう!」
「あくまで今ある環境にチョロっとモジュラーシンセの風味を取り込みたいだけだから、コンパクトで良いかな…」
「ライブにガンガン持っていくから、持ち運べるケースみたいな形状が良いな!」
など、様々な見極めポイントがあると思います!
電源について
電源は基本的にケースに備え付けられていることが多いのですが、もし自作のケースを作る、ケース単体で中古で手に入れた!といった場合は別途用意する必要があります。
リバーブ、ディレイなどの空間系モジュールなど電力を多く消費するモジュール構成の場合だとケースに備え付けられているものだけでは足りなくなる場合が出てきたり。
そういった際にも追加で電源を単体で購入し、増強する必要があります。
新たに電源モジュールを買う際は、各メーカーのモジュールのスペック表にどれだけの電力を消費するのか大抵記載がありますので、そちらを確認し必要となる電力を割り出したうえで、電源供給を賄えるモデルを購入しましょう!
モジュールと構成
モジュールにも本当にたくさんの種類が存在し、揃え方も多岐にわたります。
どんな風にモジュールを揃えていっても不正解はありません!自分の出したいサウンドが出せるモジュールを常に探していきましょう!
モジュールの種類として、基本的なカテゴリーは下記のものがあげられます。
シーケンサー:音階、発音のタイミグの指示を出すモジュール
LFO:音や信号を変調(揺さぶる)させるモジュール
VCO(オシレーター):音を出すモジュール
EG(ADSR):音程、音色、音量などに時間的変化を与えるモジュール
VCF(フィルター):特定の周波数を削ったり弱めたりするモジュール
VCA:入力された電圧に応じ音量変化をするモジュール
他にも最終的な音量調整をするミキサーモジュールや、リバーブやエコーなどのエフェクター系のものなどもあると更に捗ると思います!
全部ユーロラックケースで構成するのも良いですし、シーケンサーやミキサー、エフェクター等を外部のものを使う、というスタイルも良いと思います。
上記以外にも一つの信号を複数に分けて出力する“マルチプル”や信号を掛けたり分割したりする“ディバイダー”、信号を特定のスケールに補正する“スケーラー・クオンタイザー”などの機能的なモジュール(通称:ユーティリティー・モジュール)etc…
モジュラーシンセ愛好家のセットの中には様々な機能を果たすモジュールがたくさん取り入れられています。
CV/GATEについて知っておこう
モジュラーシンセを使うにあたって基本用語となる『CV』『GATE』という2つの単語についても知っておきましょう!
なんだか専門的な用語っぽく聞こえますが、どちらもシンプルに電気信号のことでモジュラーシンセを鳴らす・動かすために使用されます。
そして、CVとGATEで信号の特性がやや異なります。
CV=Control Voltage
アナログシンセやモジュラーシンセの間で変化量を伝えるための電気の信号をCV(シーブイ)といいます。
音程で使用される場合1V(ボルト)ごとに1オクターブ変化します。つまり高い電圧であるほど音程も高く、低くなるほど低い音程になります。
音程だけでなく、音の変化に対してもCV信号は用いられます。
GATE
GATE(ゲート)という名前の通り、水門のゲートのように、鍵盤のON,OFF(音が出る、止まる)などの挙動を電圧量で制御する信号です。CVと異なり、常に一定の電圧を出力し、タイミングによって電圧を出したり止めたりし発音タイミングなどの制御を行います。
このGATEも極端に言えばCV=Control Voltageの一つと言えますが、かなり高い電圧を使う為、音程変化などには用いられません。
モジュラーシンセの超シンプルな接続図
モジュラーシンセで単純な音出しをする場合、シンプルな構成で行くとすると上記のような図になります。
シーケンサーからのCVはオシータに入力します。これで、まずオシレータから出力される音声信号に音階(メロディ)が付きます。
また、シーケンサーからのGATEをEnvelopeモジュールへ入れましょう。このGATE信号とEnvelopeモジュールの設定を元にしたCV信号が生成されるので、最後にオシレータからの音声とこのEnvelopeからのCV信号をVCAに入れ込みます。
あくまで最低限な接続ではありますが、一応はこれでシンセとしての音作りを楽しむことが出来るでしょう!
いかしたモジュールをご紹介!
本稿では担当の独断と偏見によるイカしたモジュールたちをご紹介していきます!
Make Noise DPO
メーカー | 品番 | 販売価格(税込) | ご購入URL |
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MakeNoise | DPO | ¥106,505 | こちら |
西海岸系の過激なサウンドを作る上で特に人気の高いデュアルオシレーター!!
多様な音色作りと直感的な操作性で高い評価を得ている定番モジュールです。
機能性はもちろんのこと、もう何より“音が抜群に良い”という点においてもこのオシレータを定番たらしめている理由です。
色々なモジュレーションソースをぶち込むもよし、DPOだけでセルフパッチングするもヨシ。
どう足掻いてもファンキーでアグレッシブなナイスサウンドに仕上げてくれる最高のOSCです。
Make Noise MATHS
メーカー | 品番 | 販売価格(税込) | ご購入URL |
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Make Noise | Maths | ¥52,120 | こちら |
世界で一番売れているモジュールと言っても過言でないかも?!このMake NoiseのMATHSもモジュラーライフを過ごすうえで長い付き合いとなる1台となるでしょう!
1台でエンベロープ、LFO、スルーリミッター、複雑なモジュレーション・ソースの作成など、多様な機能として使える万能モジュール、多くのモジュラーシンセ愛好家のセットに組み込まれるマストなモデルです。
上記のDPOとこのMATHSの2台だけでもある程度の音作りが出来ちゃいますね!
Make Noise DXG
メーカー | 品番 | 販売価格(税込) | ご購入URL |
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Make Noise | DXG | ¥42,570 | こちら |
西海岸サウンドを作る上で欠かせないローパスゲートというVCAとEGを組み合わせたようなモジュールの中でも定番のものとしてMakeNoise社から“optomix”というモジュールがリリースされており好評だったのですが、近年入手が難しくなってておりました。そんな折に新たに同社から発売されたのがこのDXG!!
LPGで多用されるバクトロールを使用しない新たなLPGですが、サウンドも申し分なく、またステレオ信号のミキシングに対応、ゲインコンプレッションやサイドチェインコンプレッションなどの更にダイナミクス処理が可能な有用モジュール!
いかがでしたでしょうか。
簡単では御座いますが、本日はモジュラーシンセについてご紹介させて頂きました。
店頭でも絶賛お取り扱い中、気になる方は是非お問い合わせください!
この記事の投稿スタッフ
投稿者 | 立浦 |
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プロフィール | 高校1年からエレキギターをはじめ、大学卒業まで月のアルバイト代の殆どをバンド活動、それに伴う機材に費やしてきた人柱。これまでに買ったギターやベースなどの竿ものは15本以上、エフェクターに関しては30台を超えてからは数えていません…その他にもシンセ、アンプ、DTMソフトetc...一体いくら使ったのか、分かりません。でも、でもね!自分で買ってきたからこそ、商品の使い方はもちろん、良いところも悪いところもなんでもご提案出来る自信がありますよ!当店ではそんな経験を生かしてアンプ、エフェクター、シンセサイザー、PA、DTM、DJなど、幅広く担当しております。貴方にピッタリな楽器、是非一緒に探させてください! |
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