すり合わせのはなし。【リペアマン寺田の「アコギは打楽器!」十打目】

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2018年10月09日

台風も過ぎ、ここ数日は夏が戻ってきたような天気ですね。不意に鰻が食べたくなります。]]皆様こんにちは、名古屋ギター&リペア店の寺田です。 今回はフレットのすり合わせについてご紹介しようと思います。 調整や修理に於いてはメジャーな作業なので、before⇒afterの違いを体感されてみえる方もいらっし […]

台風も過ぎ、ここ数日は夏が戻ってきたような天気ですね。不意に鰻が食べたくなります。
皆様こんにちは、名古屋ギター&リペア店の寺田です。

今回はフレットのすり合わせについてご紹介しようと思います。

調整や修理に於いてはメジャーな作業なので、before⇒afterの違いを体感されてみえる方もいらっしゃるかと思いますが、暫しお付き合いくださいませ。


すり合わせって何ぞや

我々リペアマンの間では日常的に飛び交う言葉ですが、実際どんな作業をするの?と疑問に感じる方もいらっしゃるかと思います。

ごく簡単に言い表すと、フレット上面の高さを揃える作業です。

ヤスリやサンドペーパーを用いて高さを揃え、フレットの頂点を整形しながら磨きあげる、というのが一連の流れとなります。


どんな時に行う作業なの?

弦ビレや音詰まりといった、いわゆる『ビビり』の解消を目的に行う場合が多いです。

また、より低い弦高に設定するために、フレットの精度向上を狙って実施する場合もあります。

他にも、ネックの波反りや捻れの改善であったり、フレットに入ってしまった傷消しのために実施するケースもあります。

こんな時にご相談ください

・特定のポジションで音が詰まる

・出来るだけ低めの弦高に設定したい

・フレットの傷や弦跡(凹み)を消したい

・フレットの錆や汚れを綺麗にしたい




メリットばかりなの?

音詰まりも解消出来て弦高も下げられる、となると良いこと尽くしのようですが、作業に伴いフレットの高さが低くなることで生じるデメリットも。

弾き心地が変わる場合があります

フレットの高さは押弦時の感覚に直結するため、弾き心地が変わる場合があります。

一般にフレットの高さは高い方が軽いタッチで押弦出来るため、作業後のフレット高によっては、ちょっと押さえづらく感じる、という可能性もあります。

フレットの高さがあまりに低くなりそうな場合や、高さのあるフレットがお好みの方にはフレット交換も併せてご案内差し上げておりますので、仕上りのご希望も含めて一度ご相談頂ければと思います。

技術者目線ですが、お客様との事前打ち合わせが充実したお預かり品はご満足いただける場合が多いように感じます。

フレットに限らず擦り合わせ、大切です。




ぜひ一度体験して欲しい作業です。

多少なり弾き心地の変化が生じるとはいえ、実際はメリットを強く体感して頂けるかと思います。

楽器の精度が上がると共に、フレット周りのトラブルが減る事で安心して演奏に集中できる、という点も何より大きなメリットです。

(余談ですが、私自身も新しい楽器を購入した際は必ずフレットのすり合わせを実施しています。)

皆様にもぜひ一度体験して頂きたいという気持ちを込めて、before⇒afterの写真にて結びといたします!

before

after

フレットのすり合わせ、ぜひご検討くださいませ。
ではでは、作業に戻ります!


本記事に関連する作業料金

フレットすり合わせ
(基本調整を含む)

合計金額 ¥10,500~(税抜き/弦代別)

*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。ご不明な点はお近くの島村楽器にご相談ください。




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