金管バルブオイル徹底比較!

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2023年09月27日

こんにちは、名古屋則武新町店 金管楽器担当の久野です。みなさまは普段、金管楽器のバルブオイルは何を使用していますか?金管楽器の命ともいえるピストンですが、注すオイルにはたくさんの種類があります。今回はそんなバルブオイルの紹介と、違いについて詳しく説明していきます。 CONTENTS粘度によるちがいち […]

こんにちは、名古屋則武新町店 金管楽器担当の久野です。

みなさまは普段、金管楽器のバルブオイルは何を使用していますか?
金管楽器の命ともいえるピストンですが、注すオイルにはたくさんの種類があります。

今回はそんなバルブオイルの紹介と、違いについて詳しく説明していきます。

粘度によるちがい

バルブオイルには様々な種類がありますが、大きな違いは粘度です。
それぞれの楽器に、それぞれ適した粘度がありますので、ご紹介していきます。

粘度の高いオイル

粘度の高いオイルとは、いわゆるねっとりトロトロ感の強いオイルです。
ピストンとバルブケーシングの隙間(クリアランス)が広い楽器に適していて、
一般にユーフォニアムやチューバなどの大型楽器に使用されます。
また年季の入った古い楽器(使い込んでクリアランスが広くなった楽器)にもおすすめです。

粘度の低いオイル

粘度の低いオイルとは、いわゆるしゃばしゃばサラサラ感の強いオイルです。
ピストンとバルブケーシングの隙間(クリアランス)が狭い楽器に適していて、
一般にトランペットや新品の新しい楽器に使用されます。

ちがいを比べてみよう

左側は、スタッフのトランペットのピストン、右側は店頭備品のトランペットのピストンです。
左は20年以上使用しているため、ピストンが擦れ縦に傷が入っていますが、右はほぼ新品に近く、傷はほとんどありません。

このような傷は、どんなに楽器を丁寧に扱っていても避けられません。
擦れによる隙間が大きい楽器に、粘度の低いオイルを使用しても流れ出てしまいます。
そのような場合は粘度の高いオイルを使用しましょう。ピストンとケーシングの間にオイルが留まり、金属同士の摩擦が軽減します。

ちがいを実感しよう!

バルブオイルは粘度の違いもさることながら、メーカーによっては吹奏感や音色にも差が出てきます。
それぞれのメーカーから中くらいの粘度といわれるオイルをピックアップし、比較していきます。

左から、ウルトラピュア、アルキャス、ヘットマン、バック、ラ・トロンバ、ヤマハ

ウルトラピュア

とろみの強いですが、程よい軽さを感じるオイルです。
明るくさっぱりとした音色を好む方に向いていると感じました。

アルキャス FAST

比較的水っぽいオイルで、ピストンの戻りがスムーズです。
吹奏感が良く、優しく温かい音色が特徴です。独特なにおいがあります。

ヘットマン2

ピストンの動きがとても軽く、音の移り変わりもスムーズです。
落ち着いた艶感のある音色が特徴で、ほのかに甘いにおいがするオイルです。

バック 1885

今回比較した6種類の中で、一番水っぽいオイルです。そのためピストン動作はとてもスムーズです。
音色は軽く、明るい印象を受けました。温泉のようなにおいがします。

ラ・トロンバ T2

比較的水っぽいオイルで、動作も軽めです。
落ち着いた重みのある音色が特徴的で、低音の鳴りが良く感じました。独特なオイルのにおいがします。

ヤマハ レギュラー

とろみの強いオイルです。ピストン動作は比較的重めです。
程よい抵抗感があり、深みのある音色が特徴です。

まとめ

ウルトラピュアとヤマハ、アルキャスとバック、ラ・トロンバとヘットマン、がそれぞれ似たような吹き心地でした。
どのオイルにも、良いところがあり、演奏する曲で使い分けるのもありかと思います。

オイルを変える際は必ず、ピストンとケーシングのクリーニングを行ってください。
オイルが落ちていない状態で、別のオイルを注すと本来の効果が発揮されないのはもちろんですが、
楽器の劣化にもつながる恐れがあります。楽器専用のソープやガーゼなどを使用して、優しくオイルを落としてください。

今回試したオイルを図に表しました。
こちらは私の主観を多く含むものですので、参考程度にご覧ください。
また今回使用した6種類のオイルに限って、店頭でお試ししていただくことが可能です。
「オイル比較の記事を見ました」とスタッフへお声がけください!

種類の紹介

メーカーによっては粘度のちがいで、様々なバルブオイルを展開しています。
名古屋則武新町店に置いてあるオイルを一部ご紹介いたします。

YAMAHA バルブオイル

YAMAHA バルブオイル

左からスーパーライト、ライト、レギュラー、ヴィンテージ
右側へ行くほど粘度が高くなっています。

ヴィンテージという商品名ですが、もちろん大型楽器にも使用できます。

ラ・トロンバ バルブオイル

ラ・トロンバ バルブオイル

左からファストオイル、T3、T2、T1
右側へ行くほど粘度が高くなっています。

注油部分が細くなっていて、オイルが注しやすいです。

ヘットマン バルブオイル

ヘットマン バルブオイル

左からライトピストン、ピストン、クラシックピストン
右側へ行く程粘度が高くなっています。



上記で紹介した以外にも、さまざまなオイルを取り揃えています。
在庫情報はお気軽にお問い合わせください!

さいごに

いかがでしたか?
一言でバルブオイルといっても、非常に奥深く、こだわりだしたらキリがありません。
またオイルを変えるだけで、いつもとは違う楽器の吹き心地が体験できますので、新しい金管楽器の魅力に気付けるのではないでしょうか。

名古屋則武新町店には、管楽器専門のスタッフが多く在籍しています。
楽器のお悩み事などがありましたら、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ

店舗島村楽器 名古屋則武新町店
連絡先052-589-4050
金管楽器担当久野(ひさの)

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