今回は『吹奏楽部必見!はじめての管楽器!』木管楽器担当のあなたへお送りする『リードの選び方編』です。
リードの選び方メニュー
リードって何でできているの?
リードはケーン、日本では葦(アシ)と呼ばれるイネ科の植物を乾燥させ、削り出して作られています。
サックスやクラリネットなどに用いられるリードはシングルリードといい、一枚板になっています。オーボエやファゴットにはダブルリードという二枚合わせのリードが使われます。
リードの各部名称
削り方や微妙な厚さで音色がかわります!
番号の違いは何?
リードには、2、や3・1/2など数字が書かれていますよね!これはそのリードの硬さを表しています。一般的には「厚さ」と呼ばれることが多いですね。数字が大きいほど硬さが増し、吹いたときに抵抗感を感じます。
それぞれの番号の硬さと吹き心地
番号 | 硬さ・吹き心地 |
---|---|
2 | とても柔らかく、極めて音がなりやすい。音色は薄く、濁りやすい。 |
2・1/2 | 初心者向けの程よい柔らかさ。音が出しやすいが、音色は薄くなりづらい標準的な音。 |
3 | 少し硬め。音がやや出しづらくなりますが、音色はまろやかで優しい音。 |
3・1/2 | 硬めで、音が出しづらく抵抗感があります。音色はその楽器らしい澄んだ音。 |
2・1/2からはじめるのがオススメです!慣れてきたら色々な番号のリードに挑戦して、音色を研究していきましょう!また、この番号ごとの硬さはメーカーやシリーズごとに異なります。あくまで基準ですが、参考にしてください!
良いリードってどんなリード?
では自分にとって一番いいリードって何でしょうか?色々と基準はあると思いますが、絶対はずせない条件はこの4点!
①割れや欠けがない
②どの音域も均一に鳴る
③息がすーっとはいり、音色や抵抗感も程よく気持ちが良い
④光に透かしたときに左右が均一である
逆に、良くないリード・使わない方が良いリードは、
①割れや欠けがある
②リードの先端に波打ちがある
③息が入りすぎて音が広がったり、入らなすぎてつまった音がする
箱から出して吹いてみたときに、それぞれのリードの裏に◯、△、ばつなどを鉛筆等で印しておくとわかりやすいです!私も花マル(本番用)や◎(本番前練習用)、◯(普段練習用)、△(育てるリード)などをつけてました。たくさんあるとわからなくなってしまうんですよね、どれも同じような見た目なので...。
また、リードの状態は天候や湿度などで変化するので、最初×だったリードもしばらく置いて時々吹くと△や〇に昇格することもありますよ!水分を全く含んでいない最初の状態では、そのリードがもっている本来の力を発揮できないのです。
諦めないで、リードは選ぶことと同時に育てることも重要です!!
おすすめのリード紹介はこれだ!
なるほど、良いリードが何かよくわかった!でも、メーカーや種類がたくさんあるから結局どれを選べばいいかわからない!...ですよね!
ご安心ください。数あるリードのなかから、これを選べば大丈夫!というリード達をご紹介いたします。
担当者による吹き心地レポートもご紹介いたします~!以下の4点で評価してみました!
・抵抗感:息をいれてから音を鳴らすまでの吹き心地のことを表しています。★の数が多いほど吹きごたえがあり、しっかり息をいれなくてはいけません。
・音色の明るさ:★が多いほど素直で明るい音色です。逆に★が少ないと落ち着いた優しい音色です。
・コントロールのしやすさ:★の数が多いほど、低音から高音までバランスよく鳴らすことができ、思い通りの音を出しやすいです。
・タンギングのしやすさ:★が多いと、息をいれてからの反応がとてもよく、タンギングのキレも良いことを表しています。
バンドレン トラディショナル(青箱)
通称青箱と呼ばれるこちらは、数あるリードの中でも初心者から経験者までみんなが吹きやすく、基準的な存在です。リード楽器を始めよう!となったらまずこちらのリードを選んでください!
メーカー | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
Vandoren | traditional | ¥2,916~¥4,914(楽器の種類によって異なります) |
抵抗感 | ★★☆☆☆ |
---|---|
音色の明るさ | ★★★★☆ |
コントロールのしやすさ | ★★★★☆ |
タンギングのしやすさ | ★★★☆☆ |
THE!標準リードですね。吹き心地も素直でタンギングもしやすい、ピアノからフォルテまでの音量の変化もつけやすいです。音色は明るめだけど音が開いてしまう感じもありません。いろんなリードを試しても結局青箱に戻ってしまう、そんな安心感たっぷりリードです。私も今まででこのリードをおそらく50箱以上使っています...!
バンドレン V.12 (銀箱)
通称銀箱と呼ばれるこちらは、青箱よりも少し抵抗感が増す感じですね。初心者の方や始めて1年くらいまでの方だと息が入りづらく吹きにくいと思います。
抵抗感がある分、とても深くて豊かな音色になるので、しっかり息をいれて響かせて吹きたい!という方におすすめです!吹奏楽部の2~3年生が夏のコンクールの時によく使っている印象ですね。
メーカー | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
Vandoren | V.12 | ¥3,348~¥4,428(楽器の種類によって異なります) |
抵抗感 | ★★★★☆ |
---|---|
音色の明るさ | ★★★☆☆ |
コントロールのしやすさ | ★★★☆☆ |
タンギングのしやすさ | ★★★☆☆ |
完全に吹奏楽向きの音色だと感じました。低音がやわらかいけれどぼやけず響き、高音はキンキンせずに抜けが良く、その楽器の良さを引き出しているようです。バランスよく響いてくれるので、コンクールなどで使いたいな~と思いました!
バンドレン V21
意外と使ったことがない方が多いのではないでしょうか?バンドレンシリーズのなかで最新の型であるV21(ブイ21)は、高音から低音まで軽やかに、音色はまろやかにまとまって響きます。均一がとれていて芯のある音が印象的です。
メーカー | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
Vandoren | V21 | ¥3,348~¥4,428(楽器の種類によって異なります) |
抵抗感 | ★★★☆☆ |
---|---|
音色の明るさ | ★★★☆☆ |
コントロールのしやすさ | ★★★★☆ |
タンギングのしやすさ | ★★★★☆ |
とにかく反応がいいな、と思いました!タンギングもそうですが、音の出だしもすっと素直にでてくれます。個人的には今いちばん好きなリードです!
リードの保管方法はどうするの?
リードは吹き終わって片付けるときにきちんと保管してあげないと、反ったり波打ったりしてしまいます。せっかくいいリードを選べたのに次出したときにはもう吹けない!なんてことが起こらないようにしましょうね!
お片づけ方法(推奨)
①マウスピースからリードを外し、水分をガーゼやタオルなどで優しく拭き取ります。
②タオルの繊維などが着いてしまった場合は取りましょう。
③専用のリードケース、無い場合は買ったときに付いてくる簡易ケースに正しい向きに入れます。
リードケースは、(↓このような)付属の簡易ケースを利用している方も多いと思いますが、中に入れるときに角や先端が欠けてしまいやすいので専用ケースを用意しましょう!
おすすめリードケースはこれだ!
①ガラスタイプ
大体5〜6枚を収納できます。ガラス面にリードの平らな面を下にして乗せ、上からフワフワのクッションでおさえます。保管できるリードの数が少なめなので、これぞ!という本命リードの収納に良いですね!
メーカー | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
SNOOPYwithMUSIC | SNOOPY BAND COLLECTION | ¥3,672~¥5,616(楽器の種類によって異なります) |
ギャラックス | GCR/ローズウッド(アルトサックス、クラリネット用) | ¥3,780 |
※他にも多数種類がございます!
②差し込みタイプ
裏表合わせて12枚収納できるタイプが多いです。各リードが個室のように保管でき、それぞれの部屋に差し込んでいきます。おさえが付いているので、反ったりする心配はありません。
私はこのタイプを愛用していますが、番号が書かれているので本命リードからランキングをつけてわかりやすく収納できる所がお気に入りです!
メーカー | 型番 | 価格(税込) |
---|---|---|
ノナカ | セルマーロゴ入りリードケース | ¥2,700 |
※他にも多数種類がございます!
きちんと保管して、本番を最高のリードで迎えられるようにしましょうね!
みなさんいかがでしたでしょうか?リード選びって面倒で手間もかかるし慎重にならないといけないし、大変なことが多いですが、慣れてくるとそれもリード楽器の楽しみ方の一つになると思います!今回はいいリードに出会えるかな~とワクワクしながら封を開けて、これは運命だ!と思うようなリードに出会えた時の嬉しさはリード楽器の醍醐味です!ぜひ楽しみながらリード選びをしてくださいね!
※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。