エレキ・アコースティックギターの世界トップブランド「ギブソン」。その元クラフトマンによるブランド「ヘリテージ」のフルアコモデル「H-530」、入荷しました。
ミシガンに残った者たち
ギブソンは、オービル・ヘンリー・ギブソンが1894年にミシガン州カラマズーで始めたマンドリン製作に始まり、1902年に会社としてのギブソンが誕生。レス・ポールやES-335、(エピフォンの)カジノなど、数々のスタンダードを生み出し、地位を確立していきました。
しかし、ギターブランドの雄となったギブソンも、戦後の大量生産・大量消費、生産効率化の波に呑まれます。1969年にECL社(後のNorlin社)に買収されると、生産体制が刷新されます。1974年から徐々に製造拠点がナッシュビルへ移転され、カラマズー工場は1984年に閉鎖、ギブソンの職人たちもナッシュビルへと移る事になりました。
一方、様々な理由でカラマズーに残る決心をしたクラフトマンもいました。その1人であったジム・デュローは、同志4名とともに、カラマズーの工場や製作機器を買い取り、新たにギターメーカーを立ち上げました。それがヘリテージです。
ヘリテージ(Heritage)は日本語で「遺産」。その名の通り、いたずらに先鋭的にはならず、カラマズーの古き良き伝統を受け継ぎ、今へと伝承しています。ラインナップはギブソンモデルを踏襲していますが、妥協を知らない熟練の技術が随所に垣間見られ、少数生産ながら、源流とは異なる流れを生み出しています。
H-530
このボディシェイプでP-90型のピックアップ2基のフルアコとなれば、ギブソンES-330をルーツとしているのは明らかですが、レプリカに甘んじているわけではありません。
ヘリテージでは、それまでのESモデルよりヘッドの角度をやや緩やかにする事で、弦のテンションを適度に緩め、ナットやブリッジに過度な負担がかからないようにしてあります。こうして破損のリスクを減らしたからか、ボディはESモデルのメイプル/ポプラ/メイプルの合板ではなく、強度と引き換えに合板より弦の振動に共鳴しやすいメイプル単板を採用し、より豊かな箱鳴りを得ています。
また、「自分たちの魂はカラマズーと共にある」という意思表示なのでしょうか、ギブソンとは異なるフォルムにデザインしたヘッドの裏に、「MADE IN KALAMAZOO」の文字を刻んでいます。
ギブソンのエレキギターとはフォルムの異なるヘッド
ヘッド裏の「MADE IN KALAMAZOO」の文字
ブランド | Heritage |
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品名 | H-530 |
カラー | Trance Lucent Cherry(トランス・ルーセント・チェリー) |
販売価格(税込) | ¥363,000 |
問い合わせ先
店舗名 | TEL | 担当 |
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ラゾーナ川崎店 | 044-520-8097 | 西村 |
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