【Martin】三宮オーパ店オーダーモデルCTM OM-28のご紹介【カスタムショップ】

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2024年02月23日

Martin CTM OM-28 Martinの中でも豊富な経験と知識、技術を持ったカスタムショップにて製作された一本が入荷しました。当店では、OMスタイルとDスタイルの2本をオーダー。今回はOMタイプの紹介します。 アディロンダックスプルーストップ Topにはアディロンダックスプルースを採用してい […]

Martin CTM OM-28

Martinの中でも豊富な経験と知識、技術を持ったカスタムショップにて製作された一本が入荷しました。当店では、OMスタイルとDスタイルの2本をオーダー。今回はOMタイプの紹介します。

アディロンダックスプルーストップ

Topにはアディロンダックスプルースを採用しています。アディロンのサウンドの特徴として、よく「ダイナミックなサウンド」が上げられますが、個人的に、メーカーやモデルによっては、このアディロンの「ダイナミックさ」がサウンドを大味にしてしまっているように感じることもあり、中々難しい材とも感じます。

ただMartinに関しては、以前カスタムショップ製でアディロントップのD-28を弾いた際に感じた、繊細かつ美しいサウンドにアディロンのイメージを良い意味で壊してもらった経験がありました。

そういったこともあり、私は絶対的にアディロンの方が音が良い!という考えではないのですが、今回のモデルではアディロンを選択しています。

ロングサドル

サドルはロングサドルを選択しました。戦前の復刻モデルなどでよく見る仕様です。

メイプルウッドバインディング

通常モデルはセルなのですが、メイプルを選択しました。最近のMartinだとModern Deluxeでも採用されている仕様です。メイプルは高級感があって個人的にかなりお気に入りのウッドバインディングの1つです。

比較してみると、その違いが良くわかると思います。ウッドバインディングにするだけでも手工品的な落ち着きと高級感が出ます。

ちなみに同じくオーダーしたCTM-D28Vのバインディングも、同じくメイプルバインディングなのですが

こっちの方が、すごいフレイムが出ていますね、、

OM-28に使われているメイプルは大人しい外見ですので、一見すると外れのように見えますが、OMのトップはクリアを選択しており、白い印象を受けます。バインディングに採用されているメイプルも、あえてフレイムがあまりない白が強いものを使用することで、統一感を出しているのかもしれません。一方、Dのトップはビンテージトナーを選択している為、黄色味が強く出ています。こちらも、この個体に合う色味のメイプルを使っているような気がします。

こうやって比べると個体と色味に合わせて使う材をしっかり選択してくれているような印象を受けます。オーダーギターはこういう木材と装飾の組み合わせに職人さんの意図が見える点も製作の過程を想像できて楽しいです。

ジュニインマホネックとFoden Styleインレイ

ネックは真マホガニーであるジュニインマホガニーを使用しています。Standardシリーズでは、縦ロゴと言われるJ-40から上のクラスのモデルに、ジュニインマホガニーが使用されていますが、それ以外のモデルは一部を除いて、「セレクトハードウッド」が使用されています。これは、Martinがネック材に適していると判断した木材の総称であるため、様々な木材が使用されているようです。あくまで個人的な感想ですが、真マホガニーの方が音に芯が出るような印象を受けますので、今回はジュニインマホガニーを選択しました。

指板のインレイは、Foden Styleです。このインレイの歴史について詳しくはないのですが、アメリカの音楽家「ウィリアム・フォーデン」が自身の生徒の為に注文したギター、通称「フォーデン スペシャル」モデルに使われていたインレイのようです。シンプルで主張しすぎない点が良いですね。

指板材は、貴重な黒々としたエボニーで美しいです。最近Martinは木材保護の観点からStandardのシリーズなどについては積極的にストライプの入ったエボニーを使用しています。杢目の入ったエキゾチックなエボニーもかっこいいですが、やはり真黒のエボニーが使われていると全体的に引き締まった印象を受けます。

まとめ

ルックス面は派手ではなく、ウッドバインディングやロングサドル、Fodenインレイのおかげもあり、通常のOM-28をちょっと大人にしたような印象にできたと思います。

ヘッドのシルバーロゴもいい味を出しているのではないでしょうか

サウンド面は、縦ロゴのような派手さはないですが、アンサンブルの中でも使いやすい28のサウンドを基本に、カスタムショップならではの繊細さと、表現力の高さにアディロンダックのダイナミクスレンジの広さが上手くかみ合っている印象です。

余談ですが、この前メンテナンスの為に、店頭で軽くサウンドチェックをしていると、お店の奥にいたお客様に「すごい良い音だから、つい見に来てしまった。」とわざわざお立ち寄りいただくという一面がありました。

担当者の拘りが詰まった一本を是非この機会にご検討ください。

MartinCTM OM-28

MartinCTM OM-28

トップに写真に写らない程度の打痕がありますので、ちょい傷特価とさせていただいております。

¥822,500→¥742,000税込

 

この記事を書いた人

店長 アコースティックギター担当川本 康博

店長 アコースティックギター担当川本 康博

2019年、クルーとして島村楽器へ入社、2022年9月より三宮オーパ店の店長へ着任。元々はベーシストでしたがメーカー、木材、塗装、ボディ形状によって様々なサウンドの変化を見せるアコギの深みにハマりいつの間にかアコギ担当になっていました。アコギの事なら川本までお任せください。三宮店二人目のレフティ(左利き)です。

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