ピアノレッスンレポート「聞いている手本の曲と実際弾いている音が違うものに聞こえる」

2023年04月03日

こんにちは。ピアノインストラクターの村上です。

こちらのページでは、会員様からのご質問や楽曲について解説していきます。

今回は「聞いている手本の曲と実際弾いている音が違うものに聞こえる」です。

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「これ弾いてみたい！！」と演奏したい曲を見つけて、いざ楽譜から音を読み取って弾いてみようとしたら、聞いていた曲にならない。。といった事はありませんか？

自分の弾いている音が手本と違う事は、、ある意味当たり前ではあります。

人によって指の癖、力加減、好きな音楽、好きなメロディの歌い方、演奏技術の差、音楽の経験値などなど、自分とは意図しないあらゆる面で違いが出て来てしまいます。

CDや演奏音源は、録音環境がとてもいい所で演奏している事もあり、響き方や残響がご自身の環境ではなかなか作れないという事もあります。

ただ見本にしたい演奏のペダリングや運指、リズムの崩し方、強弱の付け方ど、演奏を繰り返し聞く事で得られるものもありますので、そういった形で見本演奏をお使いいただくのは有効です。

またリズムの崩し方や強弱加減は実際に見本演奏の通りに真似してみても自分の気持ちの良い演奏にならない事があります。聞く分には楽しいが演奏する側になった時に「そこ伸ばすの？？」的な疑問が湧いたりするからです。

譜読みの段階では、ご自身の演奏にするためにしなければならない事が山ほどありますので、まずはそれを整理してみましょう。

先ず試していただきたいのは、メロディを口ずさむ事です。音程は気にせずに音名※で歌ってみて下さい。見本演奏ばかりが頭をよぎって意外とこれができなかったりします。

楽譜を見る→楽譜を読む→楽譜に階名を書く→理解する→鍵盤で弾いてみる→両手で弾いてみる→最後まで通してみる、と順序立てて練習している間にメロディを思い浮かべられなくなっていたりします。

早い曲や長い連符でも暗記していたら口ずさむことはできますよね。
口ずさめるという事は手元や身体に鍵盤を触るよう命令を送りやすくなっているという事です。
ご自身の中に音楽をやっと取り込める状況になり、自分の理解できる速さで歌う事で、その曲の細かい部分を理解するお手伝いをしてくれます。

「ええ？暗記するの？？」と思われる方いらっしゃるかもしれませんが、演奏する際は、楽譜を瞬時に暗記して身体に命令を出し腕で弾くという、ちょっと特殊な脳の使い方をします。既に瞬時に行う暗記という作業（短期記憶）は日々の練習で行えていますよ。

まずは口ずさみ歌を覚える事をトライしてみて下さい。

※ドレミファソラシドなど、ひとつひとつの音につけられた固有の名前

メロディを口ずさめるようになれば、実際にメロディを弾いてみましょう。すぐに手が動いてくれる時もありますが、その場で手が動かなくなってしまう事もありますので、何回も指が覚えるまで弾けると良いと思います。

その口ずさんだメロディのまま右手で弾く事が出来たら、いよいよ両手です。（左手の練習も十分に行いましょう）

かつて両手で弾いていたよく分からない曲が少し理解できた上で演奏ができる様になりますよ。

1音1音どのように演奏するかをどれだけ拘れるかも、見本演奏に近づくための1歩です。

例えば、Youtubeなどで演奏動画をご覧になった時、手首の使い方はどうなっているでしょうか？それを再現してみたことはありますか？

よく耳を澄ませば、ペダルを踏みかえている場所や使っていない場所も分かります。

さっきの音と比べて今の音の音量は強いでしょうか？

聞き流してリラックスするもの音楽の魅力のうちですが、1歩踏み込んで自分がマネして演奏するつもりでどんどん技術を盗んでいきましょう。

いかがでしたでしょうか？クラシック音楽ならこれに更に作曲家の背景、生い立ち、何歳くらいに書かれた曲なのか、どういうシチュエーションで使われている曲なのかなど、さらに調べていただくとまた大きな音楽の深みにはまるかもしれません。

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