レッスンに最適!年間4万挺の弦楽器を世界に供給するEastman(イーストマン) バイオリン 島村楽器オリジナルモデル「SVL80セット 」

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2020年09月24日

Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」はどうやって作られているのか?

どんな分野においてもある程度当てはまることだと思いますが、バイオリンの世界でも、中国は今や世界最大の巨大製作地となっています。国全体の総製作本数は年間70~80万本近くにも達し、数百の関連企業・工場があります。ひと昔前までは国産だったスチューデント・バイオリンの多くも、今は中国の助けなくしては成り立たないのが現状です。
そんな数多とある中国ブランドの中から、当社では「Andrea Eastman(アンドレア・イーストマン)」を『レッスンに最適なモデル』としてオススメさせて頂いております。
今回はEastman工場に潜入し、世界を席巻した驚きのクオリティー・コントロールをご紹介致します。
(取材:2018年1月)


Contents

1. Andrea Eastmanブランドについて 

2. Eastmanの巨大工場に潜入! 
 
3. 国内工房にて安心の全品検品&出荷前調整 
 
4. 「付属品」もレッスン仕様で本格的に。

5. Eastman SVL80セット演奏動画

6. バイオリンセット仕様・お問い合わせ 


Andrea Eastmanブランドについて

フルート奏者がEastman Strings社を創業、世界的ブランドへ飛躍。

創業者:Qian Ni(チェン・ニー)は、ボストン大学音楽学部(Boston University School of Music)を卒業した元・フルート奏者。巷に溢れていた粗悪なスチューデント・バイオリンを初心者が使わざるを得ない状況を憂い、1992年ボストンに会社を設立しました。創業当初は、主にドイツから初心者向けのバイオリンを輸入していましたが、自分達でプロデュースすることを決意。1995年に北京に自社工場を設立しました。

可能な限り「人の手」で

特筆すべきは、創業時より鑿(ノミ)・鏨(タガネ)・鉋(カンナ)・鑢(やすり)等を使った手作業にこだわって製作することをコミットメントし、世界をアッと驚かせたことに尽きます。スチューデント・バイオリンとしては当時かなり画期的であったこの戦略が、Eastmanブランドの急成長を支えました。ジャーマン・メソッドによるバイオリン製作を学んだ2名のマスターメーカーは、現在もEastman Strings社を支えています。


年間4万挺以上の弦楽器を世界に供給するAndrea Eastman(アンドレア・イーストマン)の巨大工場に潜入!

Eastmanの北京工場では、年間4万挺以上のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスが製作されています。実は、日本にはそのうちの僅か数パーセントしか入荷しておらず、製作されたその多くは巨大市場アメリカのほか、ヨーロッパ、オーストラリア等に輸出されています。
(取材:2018年1月)

響板削り

響板は表板は長期乾燥させたスプルース、裏板は同じく長期乾燥されたメイプルを使用しています。表裏は、2枚の「単板」をつなぎ合わせて1枚の響板となっており、これを手作業で削っていきます。この作り方を「単板削り出し」と言います。(ちなみに「合板」というのは、極薄の板を2,3枚圧着して重ね合わせた板のことです。)

響板厚み出し

熟練した職人が、アーチ(ふくらみ)の仕上げを行います。板の厚みは一定ではありません。響板のポイントによって2.5mm・2.8mm・3.0mmなどなど多岐に渡り、適切な厚みになるまで微調整を繰り返します。

横板ライニング接着

横板に『ライニング』という「割れ」や「歪み」を防止するための補強の木材を接着します。剥がれてしまうと雑音の原因にもなりますので、この箇所はしっかりと接着しているようです。

ブロック成形

楽器が重たくなって響きを妨げないように、バイオリンの内側にある6か所の「ブロック」の余分な部分を強度を保ちながらも最小限になるまでそぎ落としていきます。

バスバー成形

バイオリンの表板の裏側に、バスバーという1本の力木を加えます。バスバーは弦振動を均一化すると共に表板に張りを与え、音量を増大させる効果を持っています。また、駒からの圧力に対して表板を補強する役割も担っています。表板の微妙なカーブにぴったりと貼り合わせるため、視覚と感覚を最大限に使う大変な工程のひとつです。

コーナー成型

表裏8か所のコーナーをナイフで削ってゆきます。美観を損なわないよう、左右対称になるまで微調整を繰り返します。

パフリング溝彫り

パフリングという象嵌細工(黒檀とメイプル)を埋め込む溝をつくる工程です。切削機では削れない部分の溝はこのように手作業で掘ってゆき、美しいカーブになるように調整しています。(安価なバイオリンの一部には、パフリングっぽくペンで書いたバイオリンもあります。)

パフリング接着

パフリングは見た目の美しさだけでなく、バイオリンのエッジが何かに当たった際に、外からの衝撃に対して割れが中にまで到達しないように守ってくれる役割があります。

表面仕上げ

ボディ表面に鉋掛けを行い、細かな凹凸を取り除いて表面が滑らかになるように仕上げます。

スクロール成形

スクロール(糸巻き)部分だけは、コンピューター制御された最新のマシーンで一気に製作しています。(これを人の手で作ると相当なコストですし、形や仕上がりにも品質にバラつきが出そうですね。)

ネック成形

あらかた削られたスクロールはその後、職人の手により丸鑿や鑢を使って掘り進め美しい見た目になるよう整えます。

ネック入れ

ネックを入れる部分の余計な木を削り落とし、ネックと胴体をセッティングします。ネックがブレていると弾きづらい楽器になりますし、この接着面が甘いとネック落ちと呼ばれる症状が発生し、弦高が高くなって弦を押さえるのに苦労します。バイオリン製作において最も難しい作業のひとつです。


国内工房にて安心の全品検品&出荷前調整

Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」は、全国の島村楽器&オンラインストアへ発送される前に、東京都内の工房にて全品検品&出荷前調整をして頂いております。

駒の調整は、弦高を調整する役割に加えて、弦振動を効率よく伝播するよう駒足の裏側と表板の面を隙間なく合わせます。

弦の「通り道」になるナットの弦溝は、弦が不用意に切れてしまう事がないように微調整を加えます。(弦1本切れてしまうだけで、思わぬ出費になりますものね・・・。)

ペグ回りもスムーズに回るように、職人さんによって微調整をして下さっていますので安心です。

駒から表板に伝わった弦振動は、「魂柱」と呼ばれる1本のスプルース材によって裏板へと伝わります。

魂柱の位置は1mmズレるだけでも音色に大きな変化が生じます。正確な位置にセットするには、特殊な器具を使ってエンドピンの穴から覗き込んで立て直します。

理想とする音色になるよう、弾いては魂柱を動かし、弾いては魂柱を動かし・・・というのを繰り返しながら、懇切丁寧に出荷前調整をして頂いてます。

出荷前の検品と調整は、2人の職人によるダブルチェック体制。ご担当頂いているのは、個人製作家としてもご活躍されている國津留美さんと山本耕司さんです。(いつも丁寧なお仕事ありがとうございます!)


「音を育てる」喜びを、スチューデント・バイオリンにも

Eastmanの職人達が製作したバイオリンは、弾き込むほどに微妙に音質が変化してゆきます。初めての楽器だからこそ、育て甲斐のある、良いクオリティの楽器を持ってもらいたい。強い理念と使命感があるから、Eastmanは世界中で支持され続けているのです。


セットの「付属品」もレッスン仕様で本格的に。

後で買い直しにならないように、Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」付属の弦・肩当て・松脂の3つの付属品は、レッスンに最適なアイテムをセレクトさせて頂きました。

弦:Thomastik「ドミナント」

世界80か国以上でベストセラーとなっている定番弦、トマスティーク社の「ドミナント」を採用。バイオリンらしい豊かな響きと、耐久性のある使い勝手の良さで人気の弦です。

肩当て:KUN「オリジナル」

こちらも世界で最も使用されているメーカー:KUN(クン)のロングセラー商品「オリジナル」。楽器をしっかりとホールドでき、楽に演奏が出来ます。肩当てが楽器からズレ落ち難く、各パーツ部分も壊れにくい耐久性も魅力です。

松脂:Bernardel(ベルナルデル)

音色に大きく影響を及ぼす松脂には、プロの演奏家の愛用者も多いフランス製の「ベルナルデル」を付属しています。程よい引っ掛かり、キレのある弾き心地と確かな音色が魅力です。


Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」
演奏動画

バイオリニスト:立上舞 
ピアニスト:吉武優

バイオリニスト:井阪 美恵


Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」
バイオリンセット仕様

メーカー Andrea Eastman(アンドレア・イーストマン)
型番  SVL80セット
サイズ  4/4・3/4・1/2・1/4・1/8・1/10・1/16
販売価格  ¥62,590 (税込)
付属弓  BV-101
ブラジルウッド
(中国製)
松脂  ベルナルデル(フランス) 
付属ケース  色:ブラック / 三角型
(中国製)
肩当て  KUN "Original"(カナダ)
表板 スプルース(中国材)
単板削り出し
裏板 メイプル(中国材)
単板削り出し
あご当て&糸巻き 黒檀(エボニー)
テールピース  アジャスター内蔵型
Wittner(ドイツ)
ナイロン弦
Thomastik "Dominant"(オーストリア)
DESPIAU(フランス)
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Zoom 島村楽器オンラインコンサル

レッスン・お稽古に、バイオリンの先生にも安心のスペックとなっております!
弦楽器への憧れ、素晴らしい音楽の世界へAndrea Eastman (アンドレア・イーストマン)と一緒に一歩踏み出してみませんか?


Andrea Eastman島村楽器限定バイオリンセット「SVL80セット」は、葉加瀬アカデミーの公式レンタルバイオリンにも採用されています!

葉加瀬アカデミーの会員様に提供しているレンタル用のヴァイオリンを、葉加瀬太郎校長みずからレビュー!果たして。。。


マイスター:茂木顕が監修しています。

茂木顕

茂木顕プロフィール

東京バイオリン製作学校卒業。国内の専門店・製作工房に勤務後、ドイツのバイオリン製作家ステンゲル氏の工房に就職。2001年ドイツ国家資格であるバイオリンマイスター試験に合格。その後、ハンブルグの老舗ヴィンターリンクで工房長として勤務する。2004年から島村楽器の専属マイスターとなり、弦楽器の買付や工房の運営などをこなすスペシャリストとして活躍中。


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